爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

読書記録

「ひとり親家庭」赤石千衣子著

格差拡大で困窮した人々が増加していますが、その中でも特に厳しい状況となっている「ひとり親」の家庭についての本です。 著者はご自身もひとり親として子供を育て、今はその支援を行うNPOの代表をされているという赤石さんで、多くの人からの相談を受けて…

「滅亡へのカウントダウン 人口大爆発とわれわれの未来 上」アラン・ワイズマン著

人口の急増はその勢いが若干弱まったかのように見えるものの、まだまだ続いているようです。 食糧不足や資源枯渇など、人口増によりさらに危機が高まるということが言われてきましたが、このところその危機説もそれほど声高に言われることが少ないようです。…

「英語でロジカル・シンキング」遠田和子著

英語の本だと思って読み始めましたが、実は「ロジカル・シンキング」の要素の方が強いものでした。 もちろん英語で論理的な文章を組み立てていく例というものも豊富に掲載されていますが、あくまでも論理の構築の方が主というものです。 というのも、著者の…

「なぜ人は『売れ筋商品』を買ってしまうのか」おもしろ心理学会編

人が商品を選び購入するということは日常的に行われていることですが、そこには色々な理由がありそうです。 そういった行動には心理学的なもの、そして行動経済学的なものが隠れていますので、それらを上手く使って行けば「売れ筋商品」を作り出すこともでき…

「思い出の写真 整理・保存・修復・活用法」瀬川陣市著

「団塊世代に贈る」と題された本ですが、私は団塊よりはちょっと下の世代です。 しかし少年時代から撮りだめた写真は溢れかえっており、整理が必要だなとは思っていました。 この本は写真家でもあり、また撮った写真の整理法や活用法などを初心者に講義する…

「スマホで子どもが騙される」佐々木成三著

ネットを通じての犯罪に子どもが巻き込まれるという事例が急増していますが、またSNSなどで子ども自身が他を傷つけるような加害者になるということも起きています。 こういったことに子どもが関わることを防ぐにはどうしたらよいのか、埼玉県警でデジタル捜…

「バルカン 〈ヨーロッパの火薬庫〉の歴史」マーク・マゾワー著

ヨーロッパの東端に位置するバルカン、日本人にとってはあまり親しみのある地域ではなく、なんという国があるかということも知られているとは言えないでしょう。 しかし、「ヨーロッパの火薬庫」と言われるような紛争の多いというイメージはあるかもしれませ…

「医療民俗学序説」畑中章宏著

新型コロナウイルスの感染拡大はパンデミックと言われるほどとなりました。 その対応には即効の薬も無く重症化し亡くなる人も出ました。 こうなると、昔からの伝統的な方法、「まじない・祈祷」などの民俗学的なものが出てくることになります。 こういったも…

「遊牧の人類史」松原正毅著

遊牧民といえば大草原で羊を追っている風景を思うと共に、かつてはユーラシア大陸を席巻したモンゴルの旋風が思い起こされます。 しかし遊牧という生活様式がいつ頃から起こったのか、そういった歴史については遺跡もほとんど無く、自らが記録した史料も無い…

「貝と羊の中国人」加藤徹著

著者の加藤さんは中国文化の研究者で特に京劇が専門ということです。 中国社会や中国人というものを考察してきたというわけではないようですが、中国にも長く滞在しておりそこで見聞きしたことから中国について考えるようになりました。 その見方は一般的な…

「この本を書いたのは誰だ? 統計で探る”文章の指紋”」村上征勝著

人の書く文章にはその人なりの癖がどうしても出てしまうものでしょう。 同じ人の書いた文章だと言われても違和感を感じることはあります。 その「違和感」が感覚だけでは説得力はないのですが、そこに統計学の手法を取り入れて分析をすると裁判などでも使え…

「黄土の群星」日本ペンクラブ編、陳舜臣選

黄土すなわち中国の平原です。 中国の歴史に題材をとった小説12編を選んだというものです。 その12人の著者は、宮城谷昌光、中島敦、伴野朗、桐谷正、安西篤子、井上靖、藤水名子、森福都、司馬遼太郎、田中芳樹、井上裕美子、陳舜臣という面々です。 その作…

「歴史と統計学」竹内啓著

数学に一分野に確率と統計というものがありますが、これらは社会学的にも多く利用されるという特性があります。 その発祥と発展も、歴史的に国家や社会の運営という面から見ていかなければならないようです。 国の政治を行なう指針として人口や生産と言った…

「禅語入門」久須本文雄著

禅は「不立文字」という言葉が示すように文字で書けないものを師から伝えられるものなのでしょうが、それでも禅語という言葉が多く残っています。 本当のところは参禅で掴むしかないのでしょうが、それに至るところは言葉で示すということなのでしょうか。 …

「国家と歴史 戦後日本の歴史問題」波多野澄雄著

中国や韓国との関係悪化の際には日本の歴史認識について先方から非難を受けるということが続いており、どうしても「歴史問題とは何なのか」ということを考えさせられます。 この本はかつての日本人にとっては「大東亜戦争」であったあの時代の戦争というもの…

「おにぎりの文化史」横浜市歴史博物館監修

米離れなどと言われていても、おにぎりの販売数はかなりの数に上っています。 現代日本でも重要な食形態であるおにぎりですが、その歴史についても考えていくと色々とありそうです。 横浜市歴史博物館では2014年に企画展「大おにぎり展 出土資料からみた穀物…

「空の中」有川浩著

設定から何からバリバリのSF小説なのですが、登場人物がやけに若者ばかり、主人公の高校生男女には恋愛感情もあるというもので、どうしてなのかなと思ったら著者あとがきによれば出版社の意向をおもんばかり、こういった設定で書いてしまったということでし…

「三国志読本」宮城谷昌光著

宮城谷さんは中国古代を題材とした小説を次々と発表されてきましたが、満を持して三国志に取り掛かり、この本を出版した2014年にはほぼその最終まで行き着いたところでした。 宮城谷さんもやはり三国志演義を最初に読み、中国の歴史に興味を持つようになった…

「主権者のいない国」白井聡著

「永続敗戦論」でも目を見張らせるような解析力と表現力を見せて頂いた白井さんですが、その最近の評論などをまとめたものがこの「主権者のいない国」です。 「永続敗戦論」よりさらに的確に鋭く政権の、そしてそれに投票し続ける日本国民の愚劣さを描写して…

「キッチハイク! 突撃!世界の晩ごはん」山本雅也著

「キッチハイク」とは「キッチン」を「ヒッチハイク」する。 すなわち家庭のご飯を食べさせてもらうというものです。 現在はそのWebサービスを立ち上げて活動している山本さんですが、その基となる経験を世界中でしてきたそうで、その記録を本にしてしまいま…

「自分で考える集団的自衛権 若者と国家」柳澤協二著

書名には「集団的自衛権」が挙げられていますが、それだけに限った話ではなく、日本の政治体制や官僚の問題まで広く扱っています。 著者の柳澤さんは国家公務員として最初は防衛庁に入庁し、ずっと安全保障・危機管理を担当、官僚生活の最後には内閣官房副長…

「コレモ日本語アルカ?」金水敏著

いわゆる「アルヨことば」、小説やドラマなどで外国人(特に中国人)を描く時に彼らにしゃべらせる言葉というものは、しばしば耳にしたので記憶に残っています。 しかし、実際の中国人がこのような言葉を話すということは、まずあり得ないことのようです。 …

「戦争というもの」半藤一利著

半藤一利さんは昭和の歴史、特に戦争史を長く書き続けてきましたが昨年1月に亡くなりました。 この本はその前年、戦時中の軍人の言葉や流行したスローガンなど「戦時中の名言」とされる言葉についての随想を綴るという構想でまとめられたものですが、これが…

「歎異抄」梅原真隆訳注

高校の日本史では必ず習ったはずの「歎異抄」ですが、短い文章とは言えその全文を読んだという人はほとんど居ないでしょう。 この本は原文とその解説、さらに現代語訳を付すというものですが、昭和29年に初版発行という本ですので、「現代語訳」といってもか…

「公孫龍 巻二赤龍篇」宮城谷昌光著

中国戦国時代の諸子百家の中の名家を代表する公孫龍を描いた、宮城谷さんの新作です。 巻一は昨年読みましたが、なかなか巻二が出ないと思っていたところ、ようやく図書館の棚に並んだので早速借りてきて読みました。 公孫龍の生涯というものはあまり知られ…

「そもそも植物とは何か」フロランス・ビュルガ著

植物には知性があるとか、木々は会話しているといった主張をする人も居ます。 しかし実際は植物には感覚も知性もなく、動物とは全く異なる存在なのだということを強烈に主張している本です。 その前提となる社会現象がよく分からないので、何か不思議な主張…

「人口減少時代の都市」諸富徹著

日本は全体としてはすでに人口減少が進んでいますが、まだそれは地方の過疎地域のように思われているのかもしれません。 しかし、東京などの大都市であっても今後は人口が増加するわけではなく徐々に減少し始めます。 さらに高齢化も急激に進むようになりそ…

「地下水・湧水の疑問50」日本地下水学会編

日本地下水学会が成立60年を迎えられたそうですが、それを記念して会員の方たちが共同で一般の人々の地下水などに持つ疑問に答えるという形の本書をまとめたということです。 日本では降水量が非常に多いということもあり、河川などの表面水が豊富ですが、だ…

「戦国時代は何を残したか」笹本正治著

歴史好きな人にどの時代が一番かと問うとかなりの比率で「戦国時代」と答える人がいるようです。 しかし、その頃の民衆の生活を長く研究してきた歴史学者の著者から見ると、多くの人々が殺されたりひどい目にあっていた時代を単に英雄が活躍したというだけで…

「生死を分ける、山の遭難回避術」羽根田治著

山岳関係のライターということですが、遭難防止についての本を多く書かれている羽根田さんが分かりやすく山岳遭難回避について解説しています。 山岳遭難事故は増え続けていますが、これにはかつて若い時に登山をしていた人たちが現役引退して時間ができたた…