爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

読書記録

「デジタルの作法 1億総スマホ時代のセキュリティ講座」宮田健著

デジタル化というものがスマホ全盛となることで大きく進展し、日本でもほとんどの人がネットに接続するという時代になってきました。 しかし手軽になるほどそのセキュリティがおろそかになるということも多いようです。 そういったスマホ利用に関わるセキュ…

「まじめにエイリアンの姿を想像してみた」アリク・カーシェンバウム著

地球外生命体というものはいるのかどうか、まだ分かりませんが、地球と同じような環境といえる惑星が無数に存在しそうだということが分かってきており、その中には生命を育んだところもあるかもしれません。 そういったエイリアンというものは、SFの中では以…

「古典再入門 『土左日記』を入りぐちにして」小松英雄著

紀貫之が書いた「土佐日記」は教科書にも紹介されていることで多くの人が知ってはいることでしょう。 しかしその内容の理解には間違ったところが多いということです。 そこには解析してきた専門家たちの誤りも多いということです。 それを詳細な検討を加えて…

「津波災害 増補版」河田惠昭著

本書初版が出版されたのは東日本大震災の3か月前、それに書いたことが現実となったことに大きなショックを受けたそうです。 それからは政府の会議や調査会に参加しました。 今後も南海トラフ地震などで大きな津波被害が起きる危険性が強いため、初版に大き…

「オスマン帝国 繁栄と衰亡の600年史」小笠原弘幸著

オスマン帝国、オスマントルコという名称の方がなじみがありますが、どうやらトルコと限定はできないようです。 どうしても西洋からの歴史観に影響されますので、それにのしかかってきたようなイメージが強いのですが、近代に入ってからは逆転を果たしたとい…

「オタク学入門」岡田斗司夫著

オタクと呼ばれる人たちがいます。 なにやら外の人から見ると変なものに夢中になり・・というイメージですが。 オタクの中心的な存在とも言える岡田さんが、1996年に出版されたものを2000年に文庫化して出版、さらにこの本を読んだという、ガンダム…

「新版 日本人になった祖先たち」篠田謙一著

日本人がどうやって成立してきたか、それを扱った篠田さんの前著は読んで書評も書いていますが、この分野でのDNA解析技術の進歩は甚だしいもので、どんとんと新たな知見が得られているような状況です。 それを基に現状での知見をまとめてみようということで…

「宝くじで1億円当たった人の末路」鈴木信行著

「何とかの人の末路」という題で書かれていますが、内容はそれほどその因果関係を検証したというほどのものではないようです。 著者は日経ビジネスの副編集長、いろいろなテーマでについてキーパーソンという専門家に聞いた記事をまとめ、日経ビジネスオンラ…

「『歴史』の意外な結末」日本博学倶楽部編

歴史上有名な人物や事件などいろいろとありますが、「その後」どうなったのかということが知られていない場合もよくあります。 「大阪城落城で死んだ淀君」など最後がはっきりしていますが(それでも異論はありますが)分からないものも数多いものです。 こ…

「分水嶺の謎」高橋雅紀著

分水嶺とはその山を境に別々の方向へ降った雨が流れていくというもので、その印象から一般でも使われることのある言葉です。 しかし地形学上は厳密に定義されているもので、また明確に見分けのつくものですから全国でその存在もはっきりしています。 この本…

「ウイルス学者さん、うちの国ヤバいので来てください。」古瀬祐気著

著者の古瀬さんは新型コロナウイルスパンデミックの際にはクラスター対策班の一員として活躍したのですが、結構名前も売れたもののそのために誹謗中傷にもさらされたという経験をお持ちです。 医学部卒で医師でもあるのですが、いろいろと多彩な経験をしてい…

「ローマ帝国一五〇〇年史 絵で見るローマ人の物語」坂本浩著

古代ローマは国を建てた当初は王制、それから共和制へと移行し、カエサルの跡を継いだオクタウィアヌスがアウグストゥスとして皇帝位についたとされるのが紀元前27年で、それから東ローマ帝国が滅亡する1453年まで、約1500年がローマ帝国として続…

「遺伝子が語る 免疫学夜話」橋本求著

パンデミックの強烈な印象が強く、免疫というものに対する意識も広まっています。 そのためか、テレビCMなどでも「免疫力を強める」といった言葉を耳にすることが多いようです。 しかし実際に「免疫」というものについて知っているという人はほとんどいない…

「鬼平犯科帳の世界」池波正太郎編

鬼平犯科帳の小説はすべて読みましたが、この本は著者の池波正太郎自らが編集したその小説についてのまとめのようなものになっています。 ただし、発表されたのが平成元年7月の発行の「オール讀物」7月臨時増刊号ということで、鬼平犯科帳最後の「誘拐」後…

「AI vs. 教科書が読めない子どもたち」新井紀子著

AIがもう人間を追い越すとか、AIが人間の仕事を奪うとか、そういった話が飛び交っています。 将棋ソフトがプロ棋士に勝つことができた、もうシンギュラリティ(技術的特異点)はすぐそこだ、などということが言われます。 しかし本書著者の新井紀子さんは数…

「物語 京都の歴史」脇田修、脇田晴子著

京都は長い日本の歴史の中で大半と言えるほどの期間、日本の中心であり続けました。 そういった京都の歴史を最初から最後までたどってやろうという本です。 とはいえ、その多くの期間ではほとんど京都の歴史が日本全体の歴史ともいえる状態であり、日本の歴…

「アメリカスチュワーデス物語」ネル・マクシェイン・ウルフハート著

「スチュワーデス物語」というとあのテレビ番組を思い出してしまいますが、この本はかつてのアメリカのスチュワーデスたちが置かれていた差別とセクハラの渦の中から抜け出すために活躍した二人の女性の歩みを描いたものです。 その二人が、アメリカン航空で…

「なぜ英国は児童文学王国なのか」安藤聡著

アリス、ピーターパンからナルニア、ハリー・ポッターまで、英国には児童文学の名作が多いようです。 英語で書かれているから世界に広まりやすいという面はありますが、文学というのは他の芸術分野はそれほど突出していない中で特に名作が輩出するということ…

「なぜオスとメスは違うのか 性淘汰の科学」マーリーン・ズック、リー・W・シモンズ著

本書の原題は「Sexual Selection」で、そのまま訳せば「性淘汰」となります。 しかしselectionはふつうは選択と訳されることが多いようです。 ただし、生物学用語としてはchoiceも選択と訳されることがあります。 そのため、本書ではselectionの訳として「淘…

「きみに脳はなぜ『愚かな選択』をしてしまうのか 〈意思決定の進化論〉」ダグラス・T・ケンリック、ヴラダス・グリスケヴィシウス著

人は色々な局面で選択をしますが、その多くは「愚かな間違い」 なんでそんなことをしてしまうのか。 そこには人類進化の過程で身に着けてきた意思決定の機構が関わってきます。 そういったことを取り扱っているのが行動経済学の研究者ですが、本書著者のお二…

「ねころんで読める ワクチン」笠井正志著

日本ではどうもワクチンというものが人気がないようですが、新型コロナウイルス感染ではそれが大きな存在となってしまいました。 しかしどうやらワクチンについて正確な知識がないという点では医療従事者の多くもそのようで、コロナワクチン接種に当たっては…

「人は簡単には騙されない」ヒューゴ・メルシエ著

頻発する詐欺事件、ネットのフェイクニュース、政治的・宗教的な扇動など、人は簡単に騙されるように感じます。 しかし認知科学の専門家である著者から見ると、そういうわけではなくやはり人間というものはそう簡単には騙されないようにできているということ…

「進化を超える進化」ガイア・ヴィンス著

生物は遺伝子の変化で進化しますが、人類はかつてホモサピエンスとして誕生して以来遺伝子自体はさほど変わっていないものと見られます。 しかしその生物としての様態は隔絶したと言えるほど変化しています。 これには「進化を超える進化」があったというの…

「ものの言いかた西東」小林隆、澤村美幸著

日本で方言といえば語彙の差、つまりその地特有の言葉の意識が強く、方言学という分野でももっぱらそういったことが扱われてきました。 しかし、本書著者の小林さんは新潟出身、澤村さんは山形出身でどちらも仙台で学びその後東京や関西に移っていったのです…

「花見と桜 〈日本的なるもの〉再考」白幡洋三郎著

コロナ禍の間は自粛でしたが、ようやく花見が復活しました。 しかしこのような桜の下に多くの人が集まり飲食しながら楽しむという花見は日本独特ともいえる風習のようです。 著者の白幡さんは海外経験もあり、また来日した海外の研究者から話を聞いたりして…

「世界の食卓から社会が見える」岡根谷実里著

世界の台所探検家と自称する岡根谷さんが、いろいろな伝手をたどって世界各国に出かけて家庭料理を食べさせてもらってその体験を書いているのですが、単なる料理紹介だけに止まらず社会の問題点などについても指摘されています。 そういった傾向は各章の章題…

「面白くて眠れなくなる日本語学」山口謡司著

「面白くて眠れなくなる」シリーズは自然科学を中心に多くの本が出版されていますが、この本は珍しく文科系、日本語学を扱っています。 日本語は歴史を見てもかなりの変化を遂げているものですが、海外からの影響も強かったために独特の特徴を持つようになり…

「日本ローカル放送史」樋口喜昭著

東京に住んでいるとあまり実感がないかもしれませんが、地方ではテレビ放送は独自の地方局があり、その放送内容はほとんどが東京のキー局の制作番組であるものの、一部の番組やローカルニュースなどは地方色が見られるものがあります。 このような「放送のロ…

「鬼平犯科帳(二十四)特別長編誘拐」池波正太郎著

鬼平犯科帳シリーズもとうとう最後となりました。 前作で密偵おまさと盗賊荒神のお夏との関りを描きその続きに期待を抱かせたのですが、その話が佳境となったところで著者の池波さんが死去。 その特別長編も未完のまま、おまささんも拉致監禁されたままで終…

「言語ゲームの練習問題」橋爪大三郎著

言語ゲームというから、言葉を使ったゲームの本かと思って読み出しましたが、甘かった。 言語ゲームという言葉自体、オーストリア出身の大哲学者、ヴィトゲンシュタインの使用したもので、言語というものが人間の精神の中心をも占めるものとの認識でそれを使…