読書記録
多くの作品を読んでいますが、それぞれ凝った作りになっており飽きるということがあまりありません。 「犬神の権三」盗賊犬神の権三郎は火盗改与力佐嶋忠介と町で出くわし捕まってしまいます。しかし夜になって火事が起きその騒ぎの中で牢破りしてしまいます…
図書館の語学の棚にあったのでラテン語の文法などの本かと思いましたが、中身はラテン語というものを通じて古代ローマや中世のヨーロッパ社会、そして現代イタリアに至るまでの文化的なエッセーというものでした。 著者のハン・ドンイルさんは韓国出身ですが…
鬼平犯科帳もようやく半分近くまで進みました。 今回も人情たっぷり、剣戟たっぷり。 「雨引きの文五郎」一人働きの盗賊文五郎を見かけた平蔵はわざと泳がせますが、盗賊間の争いが起きます。 「鯉肝のお里」鯉の肝臓というものはうっかりつぶしてしまうと苦…
石川英輔さんのデビュー作です。 SF同人誌「宇宙塵」に連載されたあと、1976年に単行本として出版されました。 なかなかの売れ行きとなったようで、その後「SF水滸伝」などのSFシリーズを続けています。 その名の通り、中国の西遊記の設定をそのまま取り…
線路を横断しようとするとその寸前にカンカンと音が鳴り、遮断機が下りてきてそのまま長い間待たされたという経験は多くの人が持っていることでしょう。 しかしその「踏切」というものに魅せられて各地で観察を重ねている人もいます。 そういった人が踏切の…
生食(なましょく)というものに対する日本人の嗜好というのは世界でも稀なほどのものですが、それが多くの食中毒の原因ともなっています。 そこでいろいろな食物を生で食べるということの現状、危険性などを専門家が詳しく解説してやろうという本です。 読…
またも強敵が現れ、火付け盗賊改め方全体が危機となります。 「用心棒」茶店笹やの主お熊の昔馴染み、高木軍兵衛が久しぶりに江戸に現れ、大店の用心棒に雇われる。しかし彼は一時盗賊の手伝いをしたことがあり、その頃の仲間に見つかって今の店への手引きを…
これまでの考古学、歴史学では発見された遺物の利用法とか製造法、そしてその発展といった方向ばかりが重視されてきました。 そこに欠けていたのが「美」という概念です。 縄文式土器、弥生式土器といったものを見て、それを古代人はどのように感じていたの…
ロシアのウクライナ侵攻で始まったウクライナ戦争はすでに2年を経過しました。 戦線は膠着状態となり決着する様子は見えません。 この本はウクライナ侵攻からちょうど1年が経過した2023年2月の出版であり、この戦争を終わらせるための方策も進められ…
この巻にも小品7編が収められています。 「雨乞い庄右衛門」老いた本格派盗賊の庄右衛門が最後の盗みをしようとしますが、もはや昔の手下たちはそのような悠長な盗みより殺人強盗をやりたがります。 「隠居金七百両」この話も引退した盗賊が貯めこんだ隠居…
メガソーラーなどという大規模な太陽光発電設備が日本のあちこちに設置されて異様な光景を形作り、そればかりかがけ崩れや洪水といった災害すら引き起こしています。 そのようなおかしな状況がなぜ作られてしまったのか。 キャノングローバル戦略研究所の杉…
社会は変化し続けますが、それを捉えた言葉というものを見ていくと社会のある面を見ることになるのかもしれません。 この本ではそういった変わり続けていく社会を表す言葉を取り上げています。 ただし「最近10年の」としていますが、この本が出版されたのが…
第六巻ではこれまでの網切りの甚五郎、高津玄丹といった大物との死闘はなく、小品ばかりといったイメージですが、それでも一つ一つになかなか味があるといった感覚です。 「礼金二百両」与力佐嶋忠介の叔父、谷善左衛門が仕える大身の旗本横田家の内紛を平蔵…
フランスの王制も頂点に達したと言える、ルイ14世の時代、ヴェルサイユ宮殿で繰り広げられた宮廷生活は華やかであった一方、宮廷作法(エチケット)というものが非常に強く意識されていました。 エチケットとはいえ、現在の日本におけるような言葉の使い方と…
平蔵を付け狙う凶悪な盗賊との死闘が続きます。 「深川・千鳥橋」大滝の五郎蔵密偵としてデビュー。大工の万蔵が商家の図面を盗賊に売るのでが・・・という話。千鳥橋は結核で後が短い万蔵を見送る場所。 「乞食坊主」平蔵のもう一人の剣道修行仲間の井関録…
石川さんは1976年に「SF西遊記」を発表し作家デビュー、それに続いて発表したのがこの「SF水滸伝」です。 その後は大江戸シリーズの小説や、江戸時代の生活などを取り上げたノンフィクションなども数々執筆しており、こちらの方が真に書きたかったものな…
第四巻となっても、凶悪な盗賊が次々と襲い掛かります。 「霧の七郎」平蔵を仇と付け狙う霧(なご)の七郎がまた凄腕の剣客に平蔵殺しを依頼しますが、その浪人は平蔵の息子の剣の師、坪井主水の師匠の息子だった。 「五年目の客」五年前に客の金を盗んで逃…
現在はサウジアラビアや湾岸諸国、イエメンなどの国々があるアラビア半島ですが、人類文明発祥の地ともいえるメソポタミアとエジプトに挟まれた地でありながらその大部分が砂漠であるために文明の中心地とはなりませんでした。 しかしその後イスラム教を興し…
今はホルモンという言葉は広く知られており、またオキシトシンだのテストステロンなどといったホルモンの名称も聞いたことがある人は多いと思います。 しかしそのようなホルモンという物質が人体の働きを左右するような重要な役割を果たしているということは…
人類という生物は「協力」をするものであり、その度合いは近い種である類人猿と比べてもはるかに多いものです。 それが他の種をはるかに超えた人類の繁栄につながったとも言えます。 ただし、他の生物種を見てみるとさらに協力するものも見られます。 そうい…
鬼平犯科帳第三巻では、平蔵が火付け盗賊改め方を一時的に解任され休みが与えられたためにその機会に父の墓がある京都を訪れることとなります。 その先で平蔵に最大の危機が訪れ、あやうく命を落とす寸前まで行ってしまいます。 「麻布ねずみ坂」前作で登場…
新型コロナウイルス流行というものは、これまでも繰り返し起こっていた疫病流行を振り返らせるものでした。 それをこれまでの日本文学はどのように扱ってきたのか。 日比さんをはじめ文学者たちがそれぞれの専門の時代の文学に見ていきます。 現代小説にもパ…
テオティワカンとはメキシコシティの北東60㎞に位置する、紀元前後から600年頃まで栄えた古代都市ですが、ほとんど解明されていないということです。 その遺跡を若い頃から掘り続けたというのが著者の杉山さんです。 大きな「太陽のピラミッド」などが…
鬼平犯科帳のシリーズ第2巻です。 7編の小説がありますが、その長さはそれぞれのようです。 「蛇の眼」前編で平蔵を暗殺しようと付け狙った蛇の平十郎を一網打尽にします。 「谷中・いろは茶屋」うさぎこと木村忠吾の初登場です。茶屋の女に入れあげた忠吾…
男性も育児休業を取るという社会の動きがあります。 共働きの夫婦が大多数を占めていますが、子どもが産まれた後に育児のために休業する育児休業制度を利用する女性は多いものの、まだ父親である男性が育児休業を取るということは少ないままです。 その理由…
著者の池内さんは天文学者ですが、科学とは何かということについても何冊も本を書いています。 この本では科学とは言えない、「疑似科学」について詳しく説明しています。 疑似科学というものにはいくつかの種類があります。 それを三種に分けて論じています…
亡父の愛読書であったこのシリーズを葬儀の後に形見として貰ってきてから何度か読みました。 それをまた最初から読んでみようと思い立ちました。 全巻揃っていますので、結構時間はかかりそうです。 これがその第一巻、長谷川平蔵が最初に火付け盗賊改め方に…
岩村さんは家族の食卓の光景を調査しその家庭環境を分析するという活動を20年にわたって続けれ来られ、これまでも何冊かの本を書いています。 私もその前著は読んだことがあり、現在の日本の家庭というものがかなり危うい状況だと感じていました。 「家族の…
ガリツィアというのは現在はポーランド南部とウクライナ西部を含む地域を指します。 その中心都市リヴィウの名はよほどの専門家でなければ知らなかったのですが、ロシアによるウクライナ侵攻では何度もニュースに登場するようになりました。 この地域にはか…
東アジアでは男尊女卑の傾向が強かったのですが、それでも古代には女帝が出現した時がありました。 特に7世紀には日本、中国、朝鮮で女帝が君臨した時代でした。 それはどういった様相だったのか、日本の推古、持統など、朝鮮(新羅)の善徳、真徳、そして中…