爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

読書記録

「科学的とはどういうことか」板倉聖宣著

板倉さんは主に理科の教育ということに力を入れて活動した方ですが、2018年に亡くなられています。 本書の中にも触れられていますが、「仮説」ということを子供にも教え込むという、「仮説実験授業」ということも提唱してきました。 本書は朝日新聞社発行の…

「議院内閣制 変貌する英国モデル」高安健将著

議院が支持する者を内閣とする議院内閣制は、イギリスでは長い歴史の中で形作られてきました。 イギリスは「議院内閣制」であるという前に、「議会主権の国」であるという必要がああります。 日本では憲法上、主権者はあくまでも国民であり、国民によって選…

「電車線路と安全のはなし」鈴木安男、猿谷應司、大塚節二著

電車の走る線路というものは、鉄道の安全に深く関わっており、そこから起因する事故も数多いものです。 著者のお三方は、現在は技術士などとして鉄道の安全について活動をされていますが、かつては鉄道会社で技術の最前線で活躍されていた方々です。 事故の…

「うつも肥満も腸内細菌に訊け!」小澤祥司著

いささか品の無い書名ではありますが、端的に内容を示しています。 腸内細菌という、動物の大腸などに住み着いている細菌群が、実はその動物と共生と言っても良いほどの関係なのではないかと言うことは、最近世界中で研究が進められているようです。 私もこ…

「古墳のはじまりを考える」金関恕、森岡秀人、森下章司、山尾幸久、吉井秀夫著

この本は2003年に大阪府文化財センターが開催した「古墳のはじまりを考える」という市民向けの講座の内容をもとに作られました。 本書著者として挙げられている5人の方々が一回ごとに講師を務めるという形で開かれました。 講座開催時には活字化を考えていな…

「声優 声の職人」森川智之著

声優と言えば昔ならラジオドラマ、そして洋画の吹き替えでしたが、今ではアニメの大人気とともに声優にも人気が集まってくるようになりました。 そんな声優について、トム・クルーズの吹き替えをずっと担当し、さらにアニメやゲームキャラクターの声も数多く…

「撮ってはいけない」飯野たから著、紺野礼央監修

誰もが持っているスマホ(私はガラケーですが)で、少し前までは一流のカメラでなければ撮影できないような写真や動画が撮れるようになり、さらにそれをワンタッチでSNSなどに投稿(ということは広く公開)できるようになりました。 これは、少し間違えば著…

「『天使』と『悪魔』がよくわかる本」吉永進一監修、造事務所編著

多くの宗教では、神は絶対者であるか多神教であるかにかかわらず、「天使」という存在があります。 また、神に対抗する悪の存在も既定されており、それらを「悪魔」として描いています。 そういった天使と悪魔、一つずつ(一人ずつ?)取り上げてざっと説明…

「白村江 古代東アジア大戦の謎」遠山美都男著

「白村江」、昔の歴史授業では「はくすきのえ」と読みましたが、今は読み方が不明とあって「はくそんこう」と読んでいるそうです。 中大兄皇子が皇位に就く頃、朝鮮半島では長く続いていた並立体制が崩れ、百済が滅亡に瀕していました。 一旦は敗れて王や王…

「耳コピ力 アップ術」永野光浩著

(本書題名は 耳コピ 力(りょく)アップ術」です。「ミミコピカ」ではありません) 「耳コピ」といっても知らない人には何のことか分からないでしょう。 レコードなどで聞いた音楽を楽譜に書き取ることを言います。 人気バンドの演奏などを自分でもやってみ…

「理科系の読書術」鎌田浩毅著

火山学で有名な鎌田さんが「読書術」について書いたものです。 鎌田さんは若い頃から読書が大好きで、色々な本をたくさん読んできたそうです。 どうりで、これまで読んだ本は火山関係であっても読みやすい文章でした。 しかし、最近の若い人には読書が苦手と…

「十二支になった動物たちの考古学」設楽博己編著

年のめぐりと動物とを組み合わせた「十二支」は、中国古代に出来上がりました。 その起源は殷の時代にまでさかのぼるようですが、動物を当てはめるという現代まで続く形になってきたのは秦の時代だったようです。 そこで使われていた動物は、当時の中国で身…

「終わっとらんばい!ミナマタ」矢吹紀人著

水俣のすぐそばに暮らしながら、水俣病というものにほとんど無知のまま過ごしてきた私ですが、ようやく今になって徐々に勉強しなおしです。 この本は、ルポライターの矢吹さんが、水俣協立病院の創立当時から看護師として活躍してこられた、山近峰子さんの人…

「昭和『娯楽の殿堂』の時代」三浦展著

もうかなり昔のような気がする「昭和」の時代には、「娯楽の殿堂」という言葉がありました。 そしてそれは都会、とくに東京という場所と結びついていたように思えます。 今でも確かにリゾートホテルを中心とした観光施設などが地方にある場合もありますが、…

「世界史で読み解く現代ニュース 宗教編」池上彰、増田ユリヤ著

現代の世界でいろいろな問題の原点となっているのが宗教ということがよくあるようです。 戦争や国際紛争を知るためにも宗教について知らなければ理解しにくいところがあります。 そのために、世界の宗教の中でも大きな位置を占めているイスラム教、キリスト…

「ノーベル賞でたどる物理の歴史」小山慶太著

ノーベル賞は20世紀になってすぐの1901年より授賞を始めました。 他の各賞も偉大な業績ではあるのですが、特に物理学賞は科学の根本にあるようなものが多いように感じます。 その、ノーベル物理学賞を受賞した人々の業績について、1901年から2012年までのも…

「女ことばと日本語」中村桃子著

日本語には「女ことば」というものがある。 誰もがそれは事実だと感じているでしょう。 それが好ましいものか忌まわしいものかという捉え方は人により違いはあるでしょうが、その存在自体はあまり疑われていないはずです。 また諸国の言語にもこれほど明確な…

「武士の起源を解きあかす」桃崎有一郎著

武士という人々は実に日本の歴史時代の半分を支配していたのですが、それではその「武士の起源」は何かということは、あまりはっきりとしてはいません。 かつての教科書では「地方の富裕な農民が成長し、土地を守るために一族で武装し武士となった」と書かれ…

「暗殺が変えた世界史 上」ジャン=クリストフ・ビュイッソン著

政治がどうしても指導者によって大きく動かされている以上、その指導者を暴力で消し去り状況を変えようという欲望にかられる人が出るのは仕方のないことなのでしょう。 歴史をみても多くの政治指導者が暗殺によって葬られました。 それは決して過去だけのも…

「知らなきゃよかった!!」日本がっかり研究会編

世の中のさまざまなものについて、その裏側を知れば驚くこと、がっかりすること、等々たくさんあります。 この本は極めて広い範囲の読者を対象に(ということは、ほとんど基礎知識のない人も含め)いろいろな裏知識を教えるというものです。 まあ、大した本…

「『やさしい日本語』で観光客を迎えよう」加藤好崇編著

つい先日までは訪日観光客が4000万人といった日本観光ブームだったのが夢のように思える今日この頃ですが、まあまた復活するでしょう。 その、来日ブームだった頃に「やさしい日本語」で観光客をもてなそうという趣旨で書かれた本です。 外国人観光客と見れ…

「イギリスの歴史を知るための50章」川成洋編著

イギリスは大陸と隔てられてはいるもののその距離が近かったためか、繰り返し民族の移動が起きました。 複雑な歴史を持ち、それが現在の英語の複雑さ(というか混迷と言うか)につながっています。 そのようなイギリスの歴史について、古代から現代まで50章…

「江戸・明治 百姓たちの山争い裁判」渡辺尚志著

かつては農村の周辺の山と言うものは、非常に重要なものでした。 そこで取れる枯れ枝などは薪として燃料とし、下草は田畑にすき込んで肥料とし、間伐した木は炭に焼いて換金しと、農村の生活を支えるためには無くてはならないものでした。 研究によれば、田…

「難解言葉にクイズで挑戦」青木雨彦編

クイズ形式で漢字や言葉の問題を出して、知識を身に着けさせるという本はいくらでも出ていますが、これはコラムニストで有名だった青木雨彦さんの編ということで、少し趣も違うものになっています。 なお、本書発売は1989年ですが、そのすぐ後の1991…

「感染症と文明 共生への道」山本太郎著

今まさにウイルス感染症が世界を覆っているかのような時ですが、この本はそれを扱っているわけではありません。 出版は2011年、SARSまでは内容に含まれています。 著者の山本太郎さんは感染症学が専門のお医者さんですが、実際に感染症対策でアフリカな…

「美しい言葉づかい フランス人の表現の技術」井村順一著

フランス人は会話好きだそうです。 そして、自らの言語のフランス語の美しさというものも誇りに思っているようです。 そのような、フランス語というものは自然にできてきたばかりではありません。 かなり意識的に磨き上げようとした人々がいました。 17世…

「日本の古墳はなぜ巨大なのか」松木武彦、福永伸哉、佐々木憲一編

日本の古墳は世界的に見ても巨大なモニュメントであるということは言われていますが、実際にはどのようなものか。 2018年に国立歴史民俗博物館が主催した「日本の古墳はなぜ巨大なのか」と題した国際シンポジウムの内容をもとにして本にしたものです。 …

「かぎの話と窃盗リスク」田村祐一郎著

著者は1970年代という、かなり早い時期から大学でリスクマネジメントの講義を始めました。 その当時はまだ「リスクマネジメント」どころか「リスク」自体に対する認識も乏しく、学生の興味をひくためには苦労したそうです。 その中で、外国と日本の違い…

「日米〈核〉同盟」太田昌克著

現在、日米関係は強固な「日米同盟」であると言われます。 しかし、その実態は〈核〉を中心とした「日米核同盟」であるとも考えられます。 太平洋戦争の終わりに人類史上初めての核爆弾を落としたアメリカと、落とされた日本が戦後は一転して同盟関係となり…

「精進料理考」吉村昇洋著

「精進料理考」といっても、寺や専門店で作られているあの料理のレシピを集めた本ではありません。 寺院で僧が食べている料理が精進料理と言って間違いはないのですが、その宗教的な背景、歴史、そして寺院での現実など、精進料理をめぐる広い話題を扱ってい…