爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

読書記録

「世界をつくった6つの革命の物語 新・人類進化史」スティーブン・ジョンソン著

人類の文明がどのように進化してきたか。 そこにはそれが無ければ現代文明が無かった、あるいはかなり違ったものになったような重要な発明と発見があります。 そのような6つのもの、「ガラス」「冷たさ」「音」「清潔」「時間」「光」と取り上げそれらがど…

「中国義士伝」冨谷至著

義士とは何か。 節義と言うものを貫き通し、過酷な運命によって非業の死を遂げてもそれを貫き通す人です。 中国の漢、唐、南宋の時代に節義を貫いた3人の義士の伝記が書かれています。 漢の蘇武、唐の顔真卿、南宋の文天祥は極めて困難な状況にも関わらず、…

「君は韓国のことを知っていますか?」鈴木崇巨著

日韓関係は非常に悪化し、相互に相手国を嫌いと答える人々が多数を占めるという事態になっています。 日本では慰安婦問題や徴用工問題など、条約締結で解決済みの問題を持ち出して国際法違反だという論調が多くなっています。 本書著者はキリスト教の牧師で…

「時代はさらに資本論」基礎経済科学研究所

マルクスの書いた「資本論」は、最近では再び見直され読む人も増えているということです。 その研究を続けている基礎経済科学研究所は、2008年のリーマンショックの時に「時代はまるで資本論」という本を出版しましたが、このコロナ禍の中で資本主義社会がど…

「上方落語ノート 第一集」桂米朝著

三代目桂米朝は、「上方落語中興の祖」と呼ばれ、人間国宝にもなりましたが、上方落語の様々な話題を数多く蒐集していました。 それを後世に残そうとまとめたのがこのシリーズで、1978年米朝が50歳を越えたあたりの年齢の時期です。 内容は落語だけでなく関…

「67億人の水」橋下淳司著

世界の多くの地域で水不足が大きな問題となっています。 日本では幸いにも世界でももっとも水資源が豊富な状況ですが、水源の土地を外国人(特に中国人と言われる)が買収し、水を奪おうとしているという噂が流れています。 著者は特に水の問題を中心に活動…

「暇と退屈の倫理学」國分功一郎著

暇で退屈、よく感じることですが、それについて哲学的な考察を行います。 哲学者の國分さんが書く本ですから、簡単なはずはないですが、新書サイズながら437ページの本はかなりの分量でもあり、読み通すのは大変なものでした。 しかも、結論の部分に、「この…

「司馬遷の旅」藤田勝久著

中国の前漢の時代の司馬遷は、「史記」と呼ばれる歴史書を中国で初めて執筆し、中国の歴史の父とも言える人です。 史記の中には、司馬遷が各地を旅し、そこで様々な逸話を聞いたという表現も見られます。 しかし、それが事実なのか、あるいは既に書かれてい…

「図説 テューダー朝の歴史」水井万里子著

河出書房新社から出版されている「図説」シリーズの一つで、イギリスのテューダー朝の時代の歴史を詳説しています。 テューダー朝は15世紀にヨーク家とランカスタ家が争ったばら戦争の後、ランカスタ家の傍流の出であったヘンリ7世がイングランド王として即…

「日本人を縛りつける 役人の掟」原英史著

著者の原さんは通産省の役人から規制改革担当大臣補佐官まで勤めた後、現在は政策コンサルタントをしているということで、役人のやり口についてはよくご存じなのでしょう。 規制改革と称して色々なことが行われているように見えますが、実際には大事な部分は…

「人間の本質にせまる科学 自然人類学の挑戦」井原康雄、梅崎昌裕、米田穫編

人類学といえば日本では「文化人類学」の方が盛んなのですが、自然人類学も広い範囲の学問領域であり、研究が進められています。 この本は、その自然人類学の概要をとらえることができるように、各分野の専門家がそれぞれの領域をコンパクトに解説し、その結…

「ppmへの挑戦」大八木義彦著

講談社発行の科学関係の新書、ブルーバックスはすでに2000冊以上が出版されているそうですが、その最初は1963年だったそうです。 本書はそのシリーズの247番目、1974年の発行です。 著者は当時千葉大学教授の大八木さんで、生体内の重金属の分析を専門とし、…

「食の人類史」佐藤洋一郎著

人が生きるために一番大事なことは「食べる」ことですが、地球上一杯に広がってしまった人類はその地域に合わせた食をするようになり、それぞれ特有の「生業(なりわい)」を繰り広げるようになりました。 人類の歴史から語り始め、特徴的な3地域についてそ…

「モーパッサン短篇集(Ⅰ) フランス名作対訳叢書」成沢理平訳注

本棚の隅に眠っていたかなり古い本です。 カバーがかけたままとなっていて、それが「CO-OP BOOKS」つまり大学生協書店のものです。 これを買ったのは大学在学中であることは間違いないようです。 フランスの作家モーパッサンの短編に、日本語訳を施しその原…

「賊軍の昭和史」半藤一利、保阪正康著

「勝てば官軍」などと言いますが、こういった「官軍・賊軍」という考え方が広く行き渡ったのは幕末維新の戊辰戦争の頃からだそうです。 しかし、その後は「勝った官軍」側の特に長州閥が明治政府などを支配してきました。 特に顕著だったのが軍隊で、長い間…

「ことわざのタマゴ」時田昌瑞著

ことわざと呼ばれる、色々な知恵が詰まった言葉には江戸時代以前からの伝統的なものもあり、最近生まれたようなものもあり、様々です。 著者の時田さんはことわざの研究を長年続けられ、日本ことわざ文化学会の会長を務められているということです。 ことわ…

「映画のグルメ」斉田育秀著

映画にはだいたい物を食べる場面があり、それが映画を見る楽しみの一つにもなっています。 この本は数多くの名画の中で魅力を振りまいていた食べ物や食事の場面を取り上げてやろうというものです。 こういった本を書くのは映画評論が専門の人が多いのですが…

「大英帝国は大食らい」レジー・コリンガム著

16世紀ころから徐々に力を蓄え、パックス・ブリタニカと呼ばれるような世界の覇権をものにした大英帝国は、その経済力、軍事力、政治力を語られることは多いものの、本書のように「飲食物」という点から見たものは珍しいでしょう。 しかし、著者レジー・コ…

「海から読み解く日本古代史」近江俊秀著

歴史的な海上交通と言えば、江戸時代の北前船の印象が強すぎるためか、日本海がほとんどのように思えます。 しかし、海岸線沿いの交通は海運の方が圧倒的に有利だったはずで、太平洋も無かったはずはありません。 著者の近江さんは日本古代史の特に交通史が…

「大絶滅時代とパンゲア超大陸」ポール・B・ウィグナル著

生物の大量絶滅と言うと、恐竜が死滅した6600万年前の白亜紀末のものが有名ですし、現在も人類によるものが急速に進行しているという話もありますが、大量絶滅で最も激しかったものはペルム紀ー三畳紀境界大量絶滅という、2億5100万年前のものでした。 さら…

「ブンとフン」井上ひさし著

もう亡くなられて10年以上も経つのかというのが、意外なほどの思いがする劇作家、小説家の井上ひさしさんが、初めて出版した小説がこの「ブンとフン」だそうです。 もともとはミュージカルとして構成されていたということで、所々で登場人物が歌うという場面…

「法医学ノート」古畑種基著

戦前から戦後にかけて、法医学の第一人者として活躍していた古畑種基が、法医学についてかなり細かいところまで解説をしたものです。 古畑は血液型に関する研究では多くの業績を上げました。 法医学の基礎を作り上げたということも含め、文化勲章や勲一等瑞…

「ことばの散歩道」井上史雄著

著者は方言研究が専門の言語学者ですが、雑誌「日本語学」という本にずっと「ことばの散歩道」というコーナーを連載していました。 それを単行本化したものです。 1回あたり2ページ、ことばに関しての様々なエッセーを続けていましたが、内容によってすこし…

「ニセ科学の栄光と挫折」齋藤勝裕著

ニセ科学といっても、あの商魂丸出しで科学的な装いで騙そうとする連中のことにはほとんど触れておらず、わずかに水成ガソリン事件やポリウォーターが取り上げられている程度です。 この本の多くは、かつての錬金術や現代の論文捏造など、また迷信というもの…

「多民族国家 中国」王柯著

中国には多くの少数民族があり、独立運動をしているというのが外から見た印象でしょうか。 歴史的には漢民族というものが成立して以降も次々と外から征服者がやってきて次第に同化していくという道を繰り返していたためか、民族という考え方も独特のものがあ…

「飼いならす 世界を変えた10種の動植物」アリス・ロバーツ著

人類は農耕と牧畜を始めたことで地球上のすみずみまでも広がるほど繁栄することができました。 そこには多くの生物の中から農耕と牧畜に適した種を選び、それを飼いならしてきたという歴史が存在します。 この本ではそのような観点から「ヒトに飼いならされ…

「英国貴族文化案内」あまおか けい著

「ダウントン・アビー」というテレビドラマが大ヒットしました。 これはイギリスの貴族の家の中の出来事を描いたというもので、一応架空の伯爵家を舞台にしていますが、それと似た話は現実の貴族にたくさん見られたようです。 貴族制度というものはどこの国…

「歴史のなかの地震・噴火」加納靖之、杉森玲子、榎原雅治、佐竹健治著

地震や噴火はある間隔で繰り返し起きるということが分ってきましたが、まだその方面の研究は十分に進んでいるとは言えません。 その研究の進め方には文理双方からのアプローチがあり、理科系で言えば断層の構造や堆積物の観察を行うということですし、文科系…

「新型コロナの科学」黒木登志夫著

読んだ本の「読書記録」ですが、カテゴリー「ニュース」と付けたいほど最新のものと言えるでしょう。 中公新書側から提示された期間は4か月で仕上げてくれという話だったそうで、異例の速度で書かれたそうです。 著者の黒木さんは、もともとはガンの研究をさ…

「難読漢字の奥義書」円満字二郎著

なんと読んで良いか分からない、「難読漢字」というものは多数あります。 それらを羅列する本は数多くありますが、この本はそういったものとは一味違います。 なぜそのような読み方をするようになったのか。 そういった物語を解析し、難読漢字をグループ分け…