爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

読書記録

「海を渡ったスキヤキ」グレン・サリバン著

著者のサリバンさんはハワイ出身ですが、日本にも滞在経験があるというアジア文学研究者です。 子どものころに母上と訪れた日系人の経営する食堂での、いなりずしや照り焼きビーフの思い出は懐かしいもののようです。 最近では寿司ブームがアメリカ中を席巻…

「国境を越えて愛されたうた」竹村淳著

歌というものはその地で生まれたものだけでなく、よそで生まれたものが伝わっていくということもよくある光景です。 この本では、そういった、「国境を越えて」愛されていった歌の数々を紹介しています。 なお、著者の竹村さんは長く中南米の音楽を紹介し続…

「英国ロックダウン100日日記」入江敦彦著

イギリスは2020年3月23日より新型コロナウイルス感染流行に対する方策として、ロックダウンを開始しました。 ロンドン在住のエッセイスト、入江敦彦さんがそのロックダウン下の生活の様子を毎日綴った日記です。 入江さんは京都出身ですが、現在はパートナー…

「ものがたり水滸伝」陳舜臣著

水滸伝は、宋の時代を舞台にしたもので、明代に成立した中国四大奇書の一つとされているものですが、内容はそれまでに街頭の講談などで広く語られていたものと見られています。 講談だけに、荒唐無稽なものですが、この陳舜臣さんの本は内容をかなり合理的に…

「ヒトはなぜ、夢を見るのか」北浜邦夫著

なにしろ、「夢の話」といったコーナーをブログにも設けているほどですので、夢についてはかなり興味があります。 この本は、高校生の頃に瀕死の状況に陥いった時にまさかのような夢を見て生き返ったという経験から「意識と夢」についての研究を志し、脳生理…

「世界を変えた 微生物と感染症」左巻健男編著

今まさに、感染症が世界中を覆っているようですが、人類の歴史というものは感染症とともに存在していたようなものです。 この本は2020年8月出版ですので、新型コロナウイルスについての記述も含まれていますが、それだけではなく他の多くの感染症についても…

「読破できない難解な本がわかる本」富増章成著

著者の名前やその本の存在自体は分かっていても、ほとんどの人が読んだことがないという本があります。 人類の精神史上、重要な存在であることは分かるのですが、その内容は難解で素人には歯が立たないというものです。 この本はそういった「難解な本」をご…

「ユーモアのレッスン」外山滋比古著

英文学者ですがエッセイなども多く書かれていた外山さんの「ユーモア」について語られたエッセイです。 最初には「ユーモア」という言葉についてというところから入っています。 英語では「ヒューマー」に近い発音です。 humour という綴りですので、そう発…

「呉漢 下」宮城谷昌光著

中国漢王朝の時代、王莽に簒奪された皇位を取り戻した劉秀(後漢光武帝)に従って全国を統一した呉漢の物語、その下巻です。 上巻の時にも書きましたが、「呉漢」という人名についてまったく聞いたことも無く、いつの時代の人かも分からないまま読み始め、劉…

「いつになったら宇宙エレベーターで月に行けて、3Dプリンターで臓器が作れるんだい!?」ケリー&ザック・ウィーナースミス著

「夢の技術」というものがありますが、SFに出てくるような技術の中でもあたかも「実現性が高い」かのように言われているものがあります。 そういった技術はどういったもので、その開発の現状はどうなっているのか。 そして、もしもそれが実現したら世界はど…

「ロシアの歴史を知るための50章」下斗米伸夫編著

北方の大国として存在感だけは大きいロシアですが、かつては共産圏を率いて世界を二分したものでした。 今はかなりその勢力を落としているとはいえ、やはり有数の大国と言えるでしょう。 そんなロシアの古代から現在まで、歴史をたどりますが、あまり知らな…

「遺伝子の川」リチャード・ドーキンス著

「利己的な遺伝子」で良く知られるドーキンスですが、その出版の直後に続けて書かれたのがこの「遺伝子の川」です。 1995年の出版ですが、文庫版としては2014年になって発行されました。 文庫版あとがきとして、訳者の垂水雄二さんが「内容は古びていない」…

「日本の無戸籍者」井戸まさえ著

戸籍というものはあまり意識されていないかもしれませんが、これがなければ日本ではかなり不利な状況になるものです。 ところが、様々な事情で戸籍を作ることができない「無戸籍者」あるいは「無戸籍児」という人々がかなりの数存在するようです。 こういっ…

「翻訳家になるための7つのステップ」寺田真理子著

翻訳家となるためには、外国語に堪能であることは最低限必要でしょうが、それですぐになれるというものではないようです。 著者の寺田さんも、英語とスペイン語に通じてはいたものの、出版関係には何のつながりもなかったのですが、一念発起して出版翻訳に挑…

「呉漢 上」宮城谷昌光著

「呉漢」という名前にはまったく覚えがなかったのですが、どうやら漢時代の人のようです。 これまで、中国古代については史書も小説も色々と読んできました。 若い頃から、三国志、史記、春秋左氏伝といった本を読むのが好きでした。 三國志は後漢末から三国…

「君主論」マキアヴェッリ著

「マキャベリズム」という言葉の元にもなった15世紀イタリアのニッコロ・マキアヴェッリの有名な著作です。 権謀術数の限りを尽くし反道徳的であっても国の利益を守るという、確固たる意志で行なっていくという、崇高な姿勢のようでもあり、そうでないようで…

「算数100の難問・奇問」中村義作著

小学校で習う算数も、その問題の中にはかなりの難問があります。 この本では中学校入試に出された問題を中心に、算数の問題としてはかなり高いレベルのものを出しています。 なお、この本は30年以上前に出版されたものですので、最近の中学入試問題とは傾向…

「逆転の大戦争史」オーナ・ハサウェイ、スコット・シャビーロ著

1928年に多くの国々が署名した不戦条約、いわゆるパリ不戦条約はその後の第二次世界大戦を防ぐことができなかったために、ほとんど評価されていません。 しかし、この条約以降は「戦争を起こすこと」が「違法」とされたのであり、その意味は大きなものです。…

「人類はなぜ短期間で進化できたのか」杉春夫著

図書館の生物関係の書籍を置く棚にあったので、生物学の本だと思ったのですが、どうもそれだけではなかったようです。 副題にあるように「ラマルク説で読み解く」と、獲得形質遺伝説(要不要説)を唱えたラマルクの学説による進化論も含まれているのですが、…

「メディアと日本人」橋元良明著

新聞やテレビ、そしてインターネットなどのメディアというものが急激に変わっています。 それは日常生活を大きく変化させ、そのことで人間自体も変わってしまうのかもしれません。 情報学を専門としコミュニケーション論を専攻している著者の橋元さんが、メ…

「毒と薬の文化史」船山信次著

「サプリメント・医薬品から危険ドラッグまで」という副題がついていますが、こういった物質に関わる話題と共に、本書後半は薬学や薬剤師をめぐる問題点についても書かれています。 というより、どうもそちらの方が著者のもっとも言いたかったことのように感…

「お悩み祭り ひょっとこ篇」みうらじゅん著

イラストレーターや作家など幅広く活躍されている、みうらじゅんさんが朝日新聞の大阪本社版で人生相談コーナー「お悩み祭り」を担当していたそうですが、その内容を本にしてしまったということです。 まあ人生相談と言っても相手がみうらじゅんさんと言うこ…

「三国志名臣列伝 後漢編」宮城谷昌光著

中国古代を舞台とする宮城谷昌光さんの歴史小説は、最初は春秋戦国時代を題材としたものが多かったのですが、徐々に漢や三国時代へと幅を広げてきました。 中でも三国時代は三国志を始めとして多くのものが読まれており、宮城谷さんも三国志を直接扱ったもの…

「英語辞書をつくる」南出康世、赤須薫他編著

英語辞書を編纂する研究者などが集まる研究会があり、そこでの数回の発表内容をまとめたものが本書です。 「編者が語る英語辞書編集」「学習英英辞典(EFL辞書)の調査と研究」「コロケーションと英語辞書」というのがその研究会のテーマであり、本書でもそ…

「日本人の勝算」デービッド・アトキンソン著

長年のデフレ状態を脱却するとしたアベノミクスも、結果的には失敗に終わったようですが、その原因というものを見間違えているからのようです。 少子高齢化というのがもっとも大きく直接の原因なのですが、それは決して出産奨励などで救えるものではありませ…

「近現代日本を史料で読む」御厨貴編著

史料と言っても、ここで取り上げているのは政治家や軍人、官僚などの個人の日記や書簡といったものです。 期間は明治時代から昭和まで、大久保利通から楠田實(佐藤栄作秘書官)までの範囲です。 明治期から現代まで見ても、多くの人々が日記を書いており、…

「『値づけ』の思考法」小川孔輔著

商品がなぜ売れないのか、その理由の大きいところは「値付け」にあるということです。 これまで絶対に値引きを認めてこなかったコンビニで、消費期限の近づいた弁当などの値引き販売を認めるということになりました。 その値引額が、セブンイレブンでは「電…

「77冊から読む 科学と不確実な社会」海部宣男著

天文学者ですが、書評家としても知られる海部さんが、特に科学関係の本の書評をまとめたものです。 特に生命科学、地球科学、宇宙物理学といった分野の名著が対象となっています。 新しい本が多いようですが、中には古典的な名著、江戸時代の耳嚢や北越雪譜…

「超常現象をなぜ信じるのか」菊池聡著

しばらく前になりますが、超常現象というものがブームのようになった時期がありました。 この本はちょうどその頃、あまりにも簡単に多くの人が超常現象を信じてしまうということに対して、認知心理学者の菊池さんが分かり易くブルーバックスに書かれたもので…

「偽りの経済政策」服部茂幸著

2014年に出版された服部さんの前著「」を読み、アベノミクスが華々しく登場した直後にすでにその虚構性と破綻の予測が述べられていることに感嘆しました。 本書はその3年後にアベノミクスの虚構が完全に明らかになったとして、続編のように書かれたものです…