爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

読書記録

「戦乱と政変の室町時代」渡邊大門編

時代小説や映画テレビで扱う歴史時代のほとんどは室町時代末期の戦国時代か江戸時代幕末で、その他の時代はあまり見たことも無く、そのイメージもつかみにくいものです。 辛うじて学校時代の歴史で習ったことでは、初期には南北朝の争いがあり、応仁の乱から…

「戦争の世界史」マイケル・S・ナイバーグ著

今まさに世界を揺るがすような戦争が行われており、戦争を考えたいという思いは誰も持っているものかもしれません。 この本は戦争というものの歴史を人類文明の初期から現代まで振り返っています。 ただし、「戦争を止める・防ぐためにはどうすれば良いか」…

「芥川賞直木賞秘話」高橋一清著

文芸作品に贈られる文学賞は数多くありますが、中でもやはり芥川賞と直木賞は格別のものでしょう。 選考の発表があるとテレビニュースや新聞記事にもなり、受賞者についても報道されることが多いようです。 著者の高橋さんは文藝春秋に入社後すぐからこれら…

「マイルスとコルトレーンの日々」植草甚一著

植草甚一さんは映画やジャズ、文学などの評論で有名でしたが、1979年には亡くなっています。 この本はそういった植草さんがあちこちに書き残していた文章を内容別に「植草甚一スクラップ・ブック」というシリーズにまとめたもので、1977年に出版されたものの…

「ジャズは本棚に在り」行方均著

ジャズという音楽は耳から聞いて楽しむのが第一でしょうが、ジャズに関する書物というものも数多く、それを読んでいくだけでも相当楽しめるものかもしれません。 この本では、著者の行方さん(ジャズレコードのプロデューサー)が手持ちのジャズ関係の書籍に…

「スペイン通史」川成洋著

スペインは日本との関係がそれほど深いとは言えず、戦国時代の末期にやや触れ合った程度でその他はさほど馴染みのある歴史ではないようです。 歴史の教科書で習った覚えがある事項でも、アルタミラ洞窟の壁画、かなり飛んで後ウマイヤ朝、レコンキスタ、新大…

「思想オンチの思想」安岡章太郎著

安岡章太郎は戦後の文壇で「第三の新人」と呼ばれ、少し遅れて出現した人たちの中の一人です。 他には吉行淳之介、遠藤周作がそう呼ばれていました。 1960年代初頭に安岡はアメリカロックフェラー財団の資金によりアメリカに半年間留学し、その後はエッセー…

「オランダ風説書」松方冬子著

江戸時代の日本が鎖国であったというのは正確ではないようですが、それでも日本人の海外渡航は厳しく禁止され、海外からの来訪も制限されていました。 そのような状況の中で世界情勢について海外からもたらされた貴重なものが「オランダ風説書」でした。 こ…

「ハーブの歴史」ゲイリー・アレン著

ハーブといえばハーブティーや料理に加えて香りを楽しむものといったイメージですが、その定義というものは意外に明確では無いようです。 人によってその言葉の使い方が異なるのですが、本書ではそれらを紹介したあとに著者のまとめてして次のように述べられ…

「ちょっと自慢できる ヒコーキの雑学100」チャーリー古庄著

飛行機にはよく乗るという人でも車などのように中身をよく知っているということはまずないでしょう。 機体についてもそうですし、色々なソフト関係もやはりよく分からないというところがあるのではないでしょうか。 そういった、飛行機にまつわる雑学を、航…

「地域モビリティの再構築」家田仁、小嶋光信監修、三村聡、岡村敏之、伊藤昌毅編著

「地域モビリティ」とは、いわゆる「地方の公共交通」を指します。 東京一極集中が進み、地方の人口減少が続き、また自動車の普及のためにそういった公共交通は存続の危機を迎えています。 単に、赤字だから廃止するということで良いのか。 何らかの方策で守…

「歴史アルバム 万里の長城 巨龍の謎を追う」長城小站編 馮暁佳訳

万里の長城といえば秦の始皇帝が作り始め、その長さは万里(5万キロ)にも及び、また北京から観光で見に行けるといったイメージがあります。 しかし実際の万里の長城はそれほど簡単なものではないようです。 この本は中国のインターネット上のサイトで一般の…

「行商列車 〈カンカン部隊〉を追いかけて」山本志乃著

大きな荷物を背負って魚などを売り歩く行商という人々は昔はあちこちで目にしたように思います。 しかしいつの間にかほとんど消えてしまいました。 あまりにも大きな荷物で列車に乗り込むために鉄道も特別な車両を設けたということもありましたが、これも消…

「生き方の不平等 お互いさまの社会に向けて」白波瀬佐和子著

現代は格差社会でそれがどんどん拡大されていると言われますが、経済状況の格差が広がっているというだけでなく、それをもたらすような各人の状況の不平等の広がりというものの方が大きな問題のようです。 そういった不平等の状況について、子供、若者、男女…

「これからの時代を生き抜くための生物学入門」五箇公一著

著者の五箇さんはダニが専門の昆虫学者ですが、国立環境研究所で生物多様性や生態学を担当しているということで、生物学と人間の生き方との関わりといった方向でも盛んに活動されているようです。 テレビのコメンテータとしても登場されるということです。 …

「アトリビュート・シンボル図鑑」平松洋著

西洋絵画を見ている時に、その登場人物が誰かということが分かるものが書き込まれていることがあります。 それを「アトリビュート」と呼び、日本語訳では「持物(じぶつ)」とされています。 これは仏教美術で描かれる仏などに特有の法具や武器、楽器などを…

「教育超格差大国アメリカ」津山恵子著

日本でも貧困に苦しむ家庭が多く、その子どもたちは教育を受けることが困難となり学歴もないまま社会に出ざるをえないということが問題視されていますが、その点にかけてはアメリカは日本とは比べ物にならないほどの状況です。 超一流の学校を卒業したらすぐ…

「人種とスポーツ」川島浩平著

日本の冬の風物詩ともいえる駅伝競技では外国人選手が出てくると桁違いのスピードで日本人を圧倒します。 陸上競技の短距離では世界クラスの大会の決勝はほぼ黒人だけです。 そのような光景を見続けているような人たちは、この本の副題「黒人は本当に速く強…

「現代米語慣用句コーパス辞典」坂下昇著

「実際に使用された言語の例を大量に集積したもの」をコーパスと呼ぶそうですが、最近ではコンピュータの利用でそのデータを非常に多量に集めているそうです。 英語などの例が多いようですが、日本語でもコーパスという言葉は使わなくても集積する活動が行わ…

「空を飛べるのはなぜか」秋本俊二著

「空を飛ぶ」ことができるのは、鳥だけでなく蝶やコウモリなども入ります。 さらに人工のものとして、飛行機、ヘリコプター、ロケットなども違う原理でそれぞれ飛び回ります。 この本は「飛行機の飛べる原理」だけを書いているのかと思ったら、こういった「…

「地形と地理でわかる大江戸の謎」大石学監修

江戸時代について、いろいろな本を読んだりまた映画やドラマになったものを見たりと、そういった知識は入ってきますが、しかし実際にその舞台は現在で言えばどこにあたり、どのような場所かということはなかなか想像しづらいことかもしれません。 そういった…

「日本全国駅名めぐり」今尾恵介著

鉄道の駅の名前というのは、地名そのものという場合も多いのですがそればかりでなく色々な事情や思惑で付けられる場合もあるようです。 そのような駅名について、変わったもの、駅名でお客を呼ぶ、山・川・海・橋・道の駅、ひらがな・カタカナ・数字の駅名、…

「外来語言い換え手引き」国立国語研究所「外来語」委員会編

少し古くなった本ですが、状況はまったく改善する兆しも無いようです。 平成14年(2002年)に当時の小泉首相が政治家や官僚があまりにも安易に外来語を使っているのを批判したそうですが、その動きを受け国立国語研究所が「外来語」委員会を設置し、現状調査…

「日本の消費者はどう変わったか」野村総合研究所、松下東子、林裕之著

野村総合研究所では、生活者研究・マーケティングコンサルティングチームという組織が「生活者1万人アンケート調査」という調査を、1997年から3年ごとに実施しています。 これは今では主流となったネットでの調査ではなく、1万人の対象者を選び昔ながらの訪…

「バイトやめる学校」山下陽光著

アルバイトは学生が学費や生活費の足しにするためにやっているという人が多いでしょうが、学校卒業後も定職に就かずバイトをやっているという人もいます。 その理由としては、芸能関係や芸術の道に進みたいがまだ力量が不足しているために当座の生活費を稼ぐ…

「出版翻訳家なんてなるんじゃなかった日記」宮崎伸治著

著者の宮崎さんはイギリスの大学の大学院に留学、帰国してからは翻訳で身を立てようと活動し、一時はかなり訳書が売れて翻訳料も入ってきたそうです。 しかし、本書に記されているような出版社の横暴に法廷闘争も辞さずに戦い、そして疲れて翻訳を辞めること…

「司馬遷」武田泰淳著

中国前漢時代の司馬遷は歴史家の始祖とも言われていますが、史記を書きあげて後の世の中国歴代王朝の歴史書の起源となったと考えられます。 この本はその司馬遷の史記について、戦前から戦後にかけて作家として活躍した武田泰淳が書いたものですが、小説では…

「多様な社会はなぜ難しいか」水無田気流著

多様性というより、本書副題にあるように「日本のダイバーシティ進化論」の「ダイバーシティ」という方が分かりやすいのかもしれません。 これもまえがきに書かれているように、「コンプライアンスを”法令順守”と訳すのと同じようにダイバーシティを”多様性”…

「災害とたたかう大名たち」藤田達生著

江戸時代は自然災害などが多い時代でもありましたが、そういった災害に対処した大名についての本かと思いました。 ところが、この本はそれだけにとどまらず、江戸時代の幕藩体制というものを支えた思想というところまで考察を進めていました。 戦国時代は大…

「比較のなかの改憲論」辻村みよ子著

辻村さんの本は最近も「ポジティブ・アクション」という、男女間格差を是正する動きについてのものを読みました。 憲法学・比較憲法学・ジェンダー法学といったものが専門ということですので、この本もその中心的なものかもしれません。 この本が出版された…