爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

「鬼平犯科帳(十)」池波正太郎著

多くの作品を読んでいますが、それぞれ凝った作りになっており飽きるということがあまりありません。 「犬神の権三」盗賊犬神の権三郎は火盗改与力佐嶋忠介と町で出くわし捕まってしまいます。しかし夜になって火事が起きその騒ぎの中で牢破りしてしまいます…

「教養としてのラテン語の授業」ハン・ドンイル著

図書館の語学の棚にあったのでラテン語の文法などの本かと思いましたが、中身はラテン語というものを通じて古代ローマや中世のヨーロッパ社会、そして現代イタリアに至るまでの文化的なエッセーというものでした。 著者のハン・ドンイルさんは韓国出身ですが…

太陽光や風力発電の電力が使い物にならないものだとは思っていたけれど、「砂電池」とは。

太陽光発電や風力発電の電力は安定性が乏しく、品質の悪いもので使いづらいものだということはある程度は知れ渡っていると思います。 そのため、なんとかして平準化することが必要なのですが、それを電力会社に押し付けようとしてひどいことになっています。…

「気候テック伸び期待の5分野」だそうで。

日経新聞に出ていた記事ですが、気候テックとやらで期待が高まる5つの分野を紹介とのことです。 www.nikkei.com まず「気候テック」という言葉自体かなり違和感を覚えるところです。 地球温暖化という問題が大きなもののように見せようという思惑で動いてき…

見た目で判断するな、パックンの経験談

ハーバード卒の芸人というパックン、パトリック・ハーランさんがユーモアを交えながらですが深刻な事態について書いていました。 news.yahoo.co.jpパックンはすでに来日30年になるのですが、これまで全く経験のなかったことに出会います。しかも立て続けに。…

「鬼平犯科帳(九)」池波正太郎著

鬼平犯科帳もようやく半分近くまで進みました。 今回も人情たっぷり、剣戟たっぷり。 「雨引きの文五郎」一人働きの盗賊文五郎を見かけた平蔵はわざと泳がせますが、盗賊間の争いが起きます。 「鯉肝のお里」鯉の肝臓というものはうっかりつぶしてしまうと苦…

食糧不足による戦争では殺戮に歯止めがかからないと思われるが、すでにガザ地区の様相はそれに近いのか。

戦争での殺戮はどんどんと激化しており、1次2次世界大戦では死者数もそれまでの戦争とは桁違いに増加しました。 しかしもしも今後世界的な食糧不足によって戦争が勃発するならばその殺戮には歯止めがかからなくなるだろうと以前に何度か書いたことがありま…

北陸新幹線敦賀まで延伸スタート、しましたけど。

北陸新幹線が延伸し福井県敦賀までの運転がスタートしました。 www3.nhk.or.jp福井の人が東京に出るには便利になったということなんでしょうが、多くの問題点が明らかになっているようです。 最大の問題は関西・中京と北陸の利便性をほとんど上げないばかり…

ロシアの大統領選

ロシアでは大統領選挙が行われており、その報道もされていました。 その中で「愛国」という言葉が何度も語られていました。 しかし、ロシアでの「愛国」は「愛プーチン」とほぼ同じです。 ウクライナに攻め込んでいる兵士たちも「愛国」のためと信じさせられ…

「SF西遊記」石川英輔著

石川英輔さんのデビュー作です。 SF同人誌「宇宙塵」に連載されたあと、1976年に単行本として出版されました。 なかなかの売れ行きとなったようで、その後「SF水滸伝」などのSFシリーズを続けています。 その名の通り、中国の西遊記の設定をそのまま取り…

核融合炉「日本は勝てるか」って、何に勝つというの。

核融合発電が実現間近、アメリカでは急速に建設が進み日本は後れを取るのかと言わんばかりの記事がありました。 www.nikkei.com まだまだ点火ができたという程度の段階ですが、それがもう建設計画まであるかのような報道にはあきれるばかりです。 開発研究に…

「踏切の世界」chokky著

線路を横断しようとするとその寸前にカンカンと音が鳴り、遮断機が下りてきてそのまま長い間待たされたという経験は多くの人が持っていることでしょう。 しかしその「踏切」というものに魅せられて各地で観察を重ねている人もいます。 そういった人が踏切の…

はしか(麻疹)が世界的流行、国内でも患者発生

「はしか」の感染者が急増しているということです。 news.yahoo.co.jp上記記事では欧州で60倍、国内でも感染者発生が急増とあります。 はしか(麻疹)は麻疹ウイルスによって感染しますが、このウイルスの感染力は極めて強いことが知られています。 新型コ…

「生食のはなし リスクを知っておいしく食べる」川本伸一編集代表

生食(なましょく)というものに対する日本人の嗜好というのは世界でも稀なほどのものですが、それが多くの食中毒の原因ともなっています。 そこでいろいろな食物を生で食べるということの現状、危険性などを専門家が詳しく解説してやろうという本です。 読…

ガザ地区南端のラファに対するイスラエルの攻撃はエジプトを危機に堕とすのか。

ガザ地区の人々を南端のラファに押し込めたイスラエルですが、そこを攻撃することで人々をエジプトに逃れさせ、それによってエジプトを混乱させて弱体化するのが目標だという、田中宇さんの解釈です。 tanakanews.comすでに100万人以上がラファに逃れてい…

「鬼平犯科帳(八)」池波正太郎著

またも強敵が現れ、火付け盗賊改め方全体が危機となります。 「用心棒」茶店笹やの主お熊の昔馴染み、高木軍兵衛が久しぶりに江戸に現れ、大店の用心棒に雇われる。しかし彼は一時盗賊の手伝いをしたことがあり、その頃の仲間に見つかって今の店への手引きを…

FIT(電力固定価格買い取り制度)の買い取り価格が下がったからといって、家庭に蓄電システムを備えさせようとは、どれだけ設備屋に貢がせるの。

FITの金額はどんどんと下がり初期の4分の1程度になってしまっているそうです。 (それにしては電気使用者に対する請求額は増え続けていますが) そのため、家庭での太陽光発電などでは収入が減ってしまって損になるので、蓄電池を入れて自宅で電力を消費し…

「美の考古学」松木武彦著

これまでの考古学、歴史学では発見された遺物の利用法とか製造法、そしてその発展といった方向ばかりが重視されてきました。 そこに欠けていたのが「美」という概念です。 縄文式土器、弥生式土器といったものを見て、それを古代人はどのように感じていたの…

「リンの過剰摂取が危険」という記事が目につきますが。

リン(P)という元素は体内で非常に重要な働きをしているのですが、一方で過剰摂取は危険という話もたくさん出ています。 特に食品添加物に多いとして、その害を強調する理由にも使われます。 news.yahoo.co.jp上記の記事も某大学教授の話として過剰摂取のリ…

「ウクライナ戦争をどう終わらせるか」東大作著

ロシアのウクライナ侵攻で始まったウクライナ戦争はすでに2年を経過しました。 戦線は膠着状態となり決着する様子は見えません。 この本はウクライナ侵攻からちょうど1年が経過した2023年2月の出版であり、この戦争を終わらせるための方策も進められ…

夢の話「かつての仕事の夢を見た」

もう30年以上前の会社の研究所に居た時には微生物管理の仕事もしていました。 その内容の夢を見たのですが、細部まで非常にリアルで目を覚ました時にはすっかり疲れ果ててしばらく起きられないほどでした。 いつまでこんな仕事の夢をみるのか。 まあ、受験の…

「鬼平犯科帳(七)」池波正太郎著

この巻にも小品7編が収められています。 「雨乞い庄右衛門」老いた本格派盗賊の庄右衛門が最後の盗みをしようとしますが、もはや昔の手下たちはそのような悠長な盗みより殺人強盗をやりたがります。 「隠居金七百両」この話も引退した盗賊が貯めこんだ隠居…

鳥山明さんに続いてTARAKOさんの訃報、同年代以下の人たちが次々と亡くなる。

ドラゴンボールなどの作者の鳥山明さんが亡くなったというニュースは昨日流れ、世界中から惜しむ声が上がっていますが、それに続いてちびまる子ちゃんの声優のTARAKOさんが亡くなったということです。 news.yahoo.co.jp www.sponichi.co.jp こういったアニメ…

「メガソーラーが日本を救うの大嘘」杉山大志編著、川口マーン恵美、掛谷英紀、有馬純他著

メガソーラーなどという大規模な太陽光発電設備が日本のあちこちに設置されて異様な光景を形作り、そればかりかがけ崩れや洪水といった災害すら引き起こしています。 そのようなおかしな状況がなぜ作られてしまったのか。 キャノングローバル戦略研究所の杉…

伊方原発再稼働差し止め訴訟判決、近藤邦明さんの意見。

大分地裁で愛媛県の伊方原発再稼働停止を求めた訴訟に判決が出ました。 それについて「環境問題を考える」の近藤邦明さんが評しています。 HP管理者から2024年part1/温暖化対策は存在しない/ウクライナ問題に対する愚かな対応を憂う (表題が違いますがクリ…

「今どきコトバ事情」井上俊、永井良和編著

社会は変化し続けますが、それを捉えた言葉というものを見ていくと社会のある面を見ることになるのかもしれません。 この本ではそういった変わり続けていく社会を表す言葉を取り上げています。 ただし「最近10年の」としていますが、この本が出版されたのが…

熊本県知事選7日告示、24日の投開票に向けて選挙戦。

4期16年を務めた蒲島知事の後任を選ぶ熊本県知事選挙が7日に告示され、24日の投開票に向けて選挙戦が展開されます。 kumanichi.com新人4氏が立候補ということです。 有力候補は2人、自公など多くの推薦を受ける前副知事の木村敬氏、そして元熊本市長…

「鬼平犯科帳(六)」池波正太郎著

第六巻ではこれまでの網切りの甚五郎、高津玄丹といった大物との死闘はなく、小品ばかりといったイメージですが、それでも一つ一つになかなか味があるといった感覚です。 「礼金二百両」与力佐嶋忠介の叔父、谷善左衛門が仕える大身の旗本横田家の内紛を平蔵…

性犯罪の再犯リスクはどのくらいあるのか。リスク学者永井孝志さんのブログより。

性犯罪者は再犯リスクが高いとして、そのような犯罪履歴を持つ人を教育現場から遠ざけようという、「日本版DBS」(Disclosure and Barring Service)が取り入れられようとしています。 それについて、リスク学の立場から永井さんが解説をしています。 nag…

「ヴェルサイユの宮廷生活」ダリア・ガラテリア著

フランスの王制も頂点に達したと言える、ルイ14世の時代、ヴェルサイユ宮殿で繰り広げられた宮廷生活は華やかであった一方、宮廷作法(エチケット)というものが非常に強く意識されていました。 エチケットとはいえ、現在の日本におけるような言葉の使い方と…