爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

2015-10-01から1ヶ月間の記事一覧

「秩禄処分 明治維新と武士のリストラ」落合弘樹著

明治維新でそれまでの幕藩体制というものが崩れ、士農工商というものも無くなり、士族と平民とに改変され、士族も禄というものを失い原野開拓などに向かうものもあり、また士族商法という言葉で表されるように下手な商売に手を出してすべてを失ったというこ…

「もったいない学会」の紹介、とくにその会員コラム「ShitM(シフトム)」について

このブログでも「エネルギー文明論」という項目を分けて書いていますが、それにも大きな影響を受けている「もったいない学会」という活動についてご紹介します。 私は正式には会員となってはいませんが、ホームページをよく拝見しています。 NPO法人もったい…

「福島みずほの日本再生 生きにくいぞニッポン!!」福島瑞穂著

福島さんは2013年の参議院選挙で社民党が敗北したことを受けて党首を辞任、その後副党首となっているということですが、本書は最初に社民党党首に就任した2003年の直後に書かれたもので、様々な問題に対する政策を挙げたマニフェストのようなものとなってい…

横浜マンション杭打ち工事データねつ造事件について鋭い指摘

まだ大きな注目を集めている横浜のマンションでの杭打ち工事データねつ造事件で、建築ジャーナリストの細野透さんが日経BPネットに書いておられる記事は鋭い指摘がありました。 国交省の傾斜マンション有識者会議メンバーに要注意! | SAFETY JAPAN [セーフ…

「本当にヤバイ!中国経済」三橋貴明著

三橋さんの本は以前にも読んだことがありますが、いろいろと深く調べられており豊富な情報源とスタッフをそろえているのではないかと言う感想を持ちました。 本書でもその印象は感じられます。もちろん題名が表すように広い読者層を想定しているようで悪く言…

国際がん研究機関(IARC)が加工肉に発がん性があると指定

世界保健機関(WHO)の専門組織の国際がん研究機関(IARC)がソーセージなどの加工肉に発がん性があることが認められるとしてグループ1に指定、また赤肉も「おそらく発がん性がある」グループ2と指定したそうです。 加工肉「発がん性ある」 WHO、過剰摂…

「名士の系譜 日本養子伝」新井えり著

明治期から昭和まで活躍していた有名人がその伝記を見ると生家は別で養子に迎えられその姓となったという記述が多いことに気付きます。 一方、現在の方がかえって政治家・芸能人など世襲が多いことも周知のような状況です。 家と言うものに価値があった時代…

「環境問題を考える」のサイトにて”再考・地球温暖化論”を連載中

ブログで最近も触れましたが、私が環境問題に目覚め?た初期の頃から参考にさせていただいている”環境問題を考える”というサイトがあります。 大分県在住の方が長く続けておられるのですが、主催者は専門の研究者ではないようですが非常に科学的にもしっかり…

賞味期限偽装に関連し その意味を考える

宮城県の業者による冷凍食品の賞味期限偽装などの事件について取り上げましたが、その行為は非常に悪質と考えられるものの、だからといって賞味期限が来た食材を簡単に廃棄としてしまう行為にも抵抗を感じてしまいます。 一般の人々には賞味期限が一日でも過…

臨時国会開催を拒否して何をしに外遊へ

野党側が臨時国会開催を要求したのに対し、首相外遊日程などを理由に政府は拒否したそうです。 TPPの交渉が合意に至ったということで、今後批准に向けて審議をしなければならないと思いますが、もはや政府の認識では「通ったも同然」なのでしょう。 そのよう…

行ったことのある都道府県 鹿児島県その2

鹿児島といえば強い印象が残っているところが枕崎から坊津、笠沙にかけての薩摩半島西岸の光景です。 そこへ行ったのは今から10年ほど前になりますが、ちょうど会社の永年勤続で休暇をくれるということで、どこかに夫婦で行こうということで鹿児島旅行とい…

マンション基礎工事データ改ざん事件で疑問

横浜のマンションの基礎工事で杭打ちのデータを改ざんした事件で、施工会社の旭化成建材が担当した建物のリストと問題の担当者が関わったものを発表したというのが昨日の大きなニュースとなっています。 確かにそのようなデータ改ざんを行う担当者の資質には…

「すしの歴史を訪ねる」日比野光敏著

寿司の歴史と言うとまず琵琶湖のフナずしのような「なれずし」というのがあり、それが酢の生産販売が盛んになった江戸時代になって早ずしという酢飯を使う現在のものに近いものが現れ、それが今のような握りずし全盛の状況になったというのが普通の理解だっ…

「大琉球料理帖」高木凛著

著者は脚本家でテレビドラマも多数手掛けていますが、東京に沖縄料理店を開業した縁で琉球料理についていろいろと調べるようになり、この本の基となる「御膳本草」に出会ったそうです。 御膳本草というのは、琉球王朝時代の1832年に王府の侍医頭の渡嘉敷…

”賀茂川耕助のブログ”を読んで No.1128人文社会系学部の廃止

政権はあれこれひっくり返したいのでしょうか。大学関係では非常に大きな問題になっている人文系学部を廃止し理系学部に注力すべしというような政府通達について賀茂川さんが語っています。 No. 1128 人文社会系学部の廃止 | 耕助のブログ ただし、政府側は…

太陽光発電で危険性、環境破壊

今朝のテレビを見ていましたらニュースの中で太陽光発電での問題点発生について報じていました。 この3年で自然エネルギー(どこが”自然”だと思うのですが、その点についてはここでは触れません)が2倍、特に太陽光発電は5倍に増加してのですが、特に最近…

「”生き方”の値段 なぜあなたは合理的に選択できないのか」エドアルド・ポーター著

人間ひとりの命の値段と世界の値段は等しいなんて言いますが、実際は何らかの事件で犠牲になった人には補償金が支払われ、また人が死亡するかもしれないリスクの対策としていくらの費用を掛けるかと言うことは厳密に命の値段に見合うかどうかで決定されます…

食品表示偽装 宮城であまりにひどい事件

以前から参考にさせていただいている「安心!?食べ物情報」というサイトの今週の記事に冷凍海産物のラベル表示偽装のひどい事例が引用されていました。 http://food.kenji.ne.jp/review/review832.html 全国紙にはほとんど報道されていないようですが、ここ…

「人はなぜ裏切るのか ナポレオン帝国の組織心理学」藤本ひとみ著

著者の藤本さんはフランス歴史に基づく小説を多数出版されているということです。 フランス・ナポレオン史研究学会の会員に日本人としては初めてなったそうですが、この「ナポレオンを裏切った人々の心理分析の本」を書いたことで学会除名ということにならな…

古田武彦さん死去

九州王朝説を提唱していた古田武彦さんが亡くなられたそうです。89歳だったとか。 古田さんは高校教諭のかたわら親鸞研究者として活躍されていたのですが、古代王朝の研究に進み数々の新説を発表されました。 九州王朝説とは天皇家の主要な系統は大和時代…

今日見た交通違反 「酒飲みながら」自転車運転

久々の交通違反シリーズです。 関東地方は雨模様のようですが、九州地方は快晴、気温もやや高く散歩には快適な気候です。 (なお、本日夜には当地で大きな花火大会が開催されますが今年は好天で結構なことです) いつもながら家の周りを当てもなく歩いてきた…

”賀茂川耕助のブログ”を読んで No.1127大恐慌を再認識すべき時

今回の賀茂川さんブログは大恐慌の可能性についての注意喚起です。 No. 1127 大恐慌再認識すべき時 | 耕助のブログ もとよりアメリカの歴史については非常に詳しい方ですので1929年のアメリカ発の大恐慌についても認識は正確でしょう。 第1次大戦で漁夫の利…

「”昔は良かった”病」パオロ・マッツァリーノ著

著者は「反社会学講座」などの著書で日本の社会についてウイットに富んだ指摘をされている方で、これまでも何冊かの本を読んだことがあります。その著者の最新刊ですが、新潮45に2013年から1年間連載されたシリーズをまとめたものです。 「はじめに」…

行ったことのある都道府県 鹿児島県

鹿児島は隣の県でありまた様々な関係もあり縁の深い県です。 訪れた回数も数知れず、またその場所も県内広く分布しています。 最初に訪れたのは他の九州各県と同様に小学生の頃福岡に住んでいた時に親に連れられて行った鹿児島市です。細かいことは覚えてい…

「江戸のことわざ」丹野顯著

すごいお名前の漢字の著者ですが「アキラ」と読むそうです。 それはともかく、 現在も「ことわざ」として使われているものの多くは江戸時代に成立したもののようです。しかも、そのうちの多くは「江戸」と言う地域でのもののようです。 そういった多くのこと…

「図説 世界の文字とことば」町田和彦編

世界の言語を様々な方面から解説するということは良く行われていますが、そこに使われている文字がどのようなものかと言うことは意外に焦点を当てられることが少ないようです。 現在、世界には5000から7000と言われる言語があるそうですが、使われている文字…

「食を考える」佐藤洋一郎著

著者は植物遺伝学が専門と言う研究者ですが、農業と環境といった問題や食の未来にも関心を広げ意見を提起しているということです。 本書は食に関するあれこれを一般読者に分かりやすい観点から解説しているもので、「食の環境負荷」「今どきの食」「ハイテク…

「高度経済成長と生活革命」国立歴史民俗博物館編

これは平成22年に国立歴史民俗博物館に第6展示室として「現代」を開室するにあたり歴博フォーラムとして平成21年6月に本書題名で開催された発表と討論の内容をまとめたものです。 歴史民俗博物館の総合展示室「現代」で高度経済成長と生活の変貌というコーナ…

「殷 中国史最古の王朝」落合淳思著

著者は立命館白川静記念東洋文字文化研究所の研究員ということで、本書も甲骨文字の解明から見た中国の最古の王朝「殷」の歴史の真実を明らかにするという立場のものです。 殷王朝の頃、王朝中心部の王周辺で行われた占いの直接の記録である甲骨に書かれた文…

「博多 町人が育てた国際都市」武野要子著

小学校の頃に福岡で過ごしたこともある私にとっては博多というのは懐かしさもありまた九州第一の都市としていろいろな関係もあるところです。 その博多の主に歴史的な発展過程について、長崎生まれながら九大を出て福岡大名誉教授と言う著者が解説をされてい…