爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

「鬼平犯科帳(三)」池波正太郎著

鬼平犯科帳第三巻では、平蔵が火付け盗賊改め方を一時的に解任され休みが与えられたためにその機会に父の墓がある京都を訪れることとなります。

その先で平蔵に最大の危機が訪れ、あやうく命を落とす寸前まで行ってしまいます。

 

「麻布ねずみ坂」前作で登場した中村宗仙の物語です。大阪の闇の帝王の女と不倫となった宗仙はその代償として金を払いますが。

「盗法秘伝」京都旅行に向かう平蔵はその途中で老盗と出会い、非常に気に入られてその「秘伝」を伝授されることとなります。

「艶婦の毒」旅行に同行したのは木村忠吾ただ一人。忠吾は京都を満喫しようとしますが、そこで出会ったのが年増女、その女のとりこになってしまいます。

しかしその女お豊はなんと平蔵が二十数年前に入れあげたその人であり、しかも盗賊でした。

それを手繰り寄せて盗賊一味を一網打尽という、またも忠吾の女好きが手柄になります。

「兇剣」前作で捕らえた盗賊の兄弟が平蔵に復讐を企てます。奈良を訪問するために少人数で向かった平蔵一行に十数人の手練れの浪人たちが襲い掛かり、平蔵ももはやこれまでとあきらめかけたところに岸井左馬之助が間に合い、なんとか助かることができました。

「駿州・宇津谷峠」怪我も癒えた平蔵は江戸からの帰還命令を受け東海道を東へ向かいます。一人となった左馬之助は幼馴染と出会いますが、彼は盗人の一味となりしかも仲間内で殺し合いをしていました。

「むかしの男」ちょうど平蔵が留守であった時を狙うかのように妻久栄に「むかしの男」からの連絡が入ります。この近藤勘四郎と言う男は今は盗賊霧(なご)の七郎の一味となっており、七郎はその前に平蔵に捕らえられ処刑された小川や梅吉の実弟で平蔵への復讐をする目的でした。

久栄と幼女のお順を殺すつもりでしたが、久栄の機転と長谷川屋敷の門番鶴造の働き、そして留守居の佐嶋忠介たちにより無事救い出されます。

 

次から次と強敵が出てくるのはハラハラドキドキというものです。