爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

科学全般

「これからの時代を生き抜くための生物学入門」五箇公一著

著者の五箇さんはダニが専門の昆虫学者ですが、国立環境研究所で生物多様性や生態学を担当しているということで、生物学と人間の生き方との関わりといった方向でも盛んに活動されているようです。 テレビのコメンテータとしても登場されるということです。 …

「空を飛べるのはなぜか」秋本俊二著

「空を飛ぶ」ことができるのは、鳥だけでなく蝶やコウモリなども入ります。 さらに人工のものとして、飛行機、ヘリコプター、ロケットなども違う原理でそれぞれ飛び回ります。 この本は「飛行機の飛べる原理」だけを書いているのかと思ったら、こういった「…

「科学的とはどういう意味か」森博嗣著

科学とは何か、科学的とはどういうことかといったものを問うという本は何冊も出ていますが、この本はいわゆる「文系」という人たちにできるだけ「科学的」考え方をしてもらおうといった意図がはっきりと表れているものです。 著者の森さんはもともと建築学の…

全国的に快晴の中、天体ショー。

皆既月食が起きている最中に天王星を月が隠すという惑星食が起こりました。 全国的に天候が良かったようで、あちこちで空を眺めたというニュースが流れました。 地上は真っ暗闇ですが、少しは空の上に目を留めるのも良いのでしょう。 www.fukuishimbun.co.jp…

「ジェンダーと脳」ダフナ・ジョエル、ルバ・ヴィハンスキ著

人間は生まれた時に生殖器の形状により、ごくわずかな非定型の人を除けば男性と女性に分けられます。 そしてそれに従って「男・女」として育てられて行きます。 その違いは生殖器だけでなく脳の中にも存在するという説が古くからあり、「男性脳・女性脳」な…

「すごすぎる実験の図鑑」株式会社ライブ企画・編集

自然科学の多くの分野では実験というものが重要な位置を占めていますが、しかしいつでも実験ができるというわけではなく、実施が難しい場合も数多くあります。 この本ではそういった中から、こんな実験よくやったものだというものを集めて紹介しています。 …

「世界の発酵食をフィールドワークする」横山智編著

発酵食品といえば日本が非常に盛んだというイメージがあるかもしれませんが、実際には世界の各地で作られ食べられています。 しかしその研究はさほど行われはおらず、あまり知られていないものも多いようです。 特にこういった発酵食品については現地でどの…

ニセ医学と戦う内科医NATROMさんのブログで、養老孟司氏と和田秀樹氏の対談記事を批判

上記2人の対談の記事がプレジデント誌の10月24日号に掲載されましたが、それについてNATROMさんが厳しい批判を繰り広げています。 natrom.hatenablog.com 対談の主導権は和田氏が取っているようですので、批判の先もそちらに向かっています。 和田は現在の通…

「人類冬眠計画」砂川玄志郎著

SF小説では「人工冬眠」で眠っている乗員を乗せて宇宙船がはるばる彼方の星へ向かうという光景が描かれることも普通ですが、実際には人間を冬眠させるということは今はできません。 著者の砂川さんは医者になって最初は小児科の臨床医として重病の患者さんを…

「『木』から辿る人類史」ローランド・エノス著

人類史を見ていくと、石器や青銅器、鉄器といったものが重要視されています。 しかし本書著者のエノス氏によれば人類の歴史において本当に重要だったのは「木」だということです。 ところが「木」というものは歴史史料としてはほとんど発掘されることも無く…

「料理の科学 加工・加熱・調味・保存のメカニズム」齋藤勝裕著

料理とは食材に変化を加えているのですが、その変化とは化学的・物理的なものであるということは、なかなか実感できないものかもしれません。 しかし、見る人が見ればそういった実態が分かるということで、有機化学などが専門の大学教授、齋藤さんが色々な調…

リスク学者永井孝志さんのブログより「環境科学への違和感の正体」

リスク学者永井孝志さんのブログで、「環境科学」というものについて書かれていました。 nagaitakashi.net 環境科学といっても対象は広いのかもしれませんが、環境汚染、気候変動といったものを扱うものが最近では主流でしょうか。 しかし、結構レベルの高い…

「和食とうま味のミステリー」北本勝ひこ著

和食では「うま味」というものが非常に重要です。 どこの料理でもうま味は必ずあるはずなのですが、それが和食の場合は基本的に肉を食べないということがあったためか、うま味を上手に取り入れることで味に深みを増すことになりました。 そのような「うま味…

「内田樹の研究室」より「日本の研究力の低下」

今ちょうど今年のノーベル賞受賞者の発表が続いていますが、どうやら今年は日本人(および日本出身者)の受賞はないようです。 日本の研究力という題で、内田さんがブログ「研究室」に書いています。 blog.tatsuru.com 多くの人々が意見を発していますが、研…

科学を装った現代の錬金術師に手も無く騙されるのか。二酸化炭素を集めて燃料を作る?

二酸化炭素を効率的に集め、そこから燃料を作り出すという、まさに錬金術のようなことを「現役東大生」とやらがやっているということです。 www.fnn.jp とにかく今は二酸化炭素を悪者にしてこれを削減すれば良いとばかりの説が飛び交っていますが、これなど…

「ハウ・トゥー バカバカしくて役に立たない暮らしの科学」ランドール・マンロー著

かつてはNASAのロボット技術者だったがその後著述業に転進したという著者が、暮らしの様々な要望に対し、非常に壮大で科学的な解決策を提示します。 ただし、そんな解決策はほぼ不可能ですしやったら大変なことになる場合も多そうです。 暮らしの要望自体は…

リスク学者永井孝志さんのブログで、除草剤グリホサートのリスクについて連載されているので紹介 その2

永井孝志さんのブログより、グリホサートのリスクについて、その2です。 ブログのその3にはグリホサートの発がん性のリスクはどれほどかという、このシリーズの中心となる話題が扱われています。 nagaitakashi.net 特にヨーロッパで反グリホサートの活動が…

まだまだお元気で活躍、フードファディズム紹介者の高橋久仁子群大名誉教授の講演

日本へのフードファディズム紹介の先駆者、高橋久仁子群馬大学名誉教授が講演をされたそうです。 www.jc-press.com フードファディズムとは、まだそれほど知名度が高くはない言葉かもしれませんが、「食品の有効性・有害性を過度に強調すること」を言います…

リスク学者永井孝志さんのブログで、除草剤グリホサートのリスクについて連載されているので紹介 その1

リスク学者永井孝志さんのブログは色々と参考にさせて頂いていますが、このところ連続で除草剤グリホサートのリスクについて書かれています。 さまざまな方向から見た除草剤リスクということで、こちらでも紹介していきたいと思います。 グリホサートは1970…

「ちいさい言語学者の冒険」広瀬友紀著

母語というものは乳児の頃に周囲の人々が話していたから身に付いたということでもないようです。 徐々に言葉を話すようになると、たいていの子どもでは「かわいい言い間違い」ということをするのは親なら経験があるでしょう。 それが実は、子どもが言葉を覚…

「道を見つける力 人類はナビゲーションで進化した」M・R・オコナ―著

最近はGPS機器の発達でスマホを手にすれば完璧なほどの道案内ができるようです。 しかしほんの少し前、人類が荒野を歩き回り獲物を探していた時代にはGPSなどなくても狩場から家族のもとに帰らなければならず、それを誰もがやっていたはずです。 本書著者の…

「免疫学の基本」松本健治監修

感染症流行が止まらないためか、テレビを見ても「菌が・菌が」の大合唱の次によく出てくるのが「免疫力を強めるために何々(健康食品など)を」といったコマーシャルが溢れています。 しかしその割に免疫というものについて、ちゃんと知っているという人はほ…

「絶滅の地球誌」澤野雅樹著

現代は第6の大絶滅時代だと言われています。 この本でも第1部は古生物学的な「絶滅」をも対象としています。 しかし、第2部、第3部では核兵器についてや資本主義の暴走まで視野に入れるという、非常に広い範囲を論じるものとなっています。 著者の澤野さんは…

「分類思考の世界 なぜヒトは万物を『種』に分けるのか」三中信宏著

生物を「種」というものに分類するということはだいたい誰でも知っていることでしょう。 動物園に行けばおそらく和名とともにアルファベットで学名も書かれているのを見ることができます。 しかし、その「種」とはいったい何だろうと考えると、それほど簡単…

「二酸化炭素排出”実質ゼロ”」の疑問。

脱炭素化の大合唱の元、企業だけでなく自治体なども目標を置いて「何年までの二酸化炭素排出の実質ゼロ」と言っています。 「正味のゼロ」と言うところは決してありません。 すべて「実質ゼロ」という言葉を使っています。 この「実質ゼロ」とは何か。 エネ…

「NATROMのブログ」より、「抗がん剤療法を否定する医師のツイート」

NATROMさんのブログで抗がん剤療法否定のツイートについて書かれていました。 natrom.hatenablog.com 抗がん剤治療否定のツイートはしばしば出てくるようですが、今回のものは「自称医師」の人が書いたということで、リツイート、「いいね」もたくさんついて…

リスク学者永井孝志さんのブログより、「熱中症と塩分摂取の関係」

毎日の猛暑で熱中症になる人も多数出ています。 熱中症の対策として水分をとるだけでなく塩分もと言われていますが、日本人は塩分摂取量が多く高血圧患者もかなり多数居るはずで、発汗で多少塩分が減ったくらいでは関係ないんじゃないのと永井さんも長く疑問…

「物語 日本の治水史」竹林征三著

川は急流であり降水量は極めて多い日本列島では、治水というものは古代から現代まで非常に大事なものでした。 その治水というものの歴史を神話の時代から説き起こして現代までを説明するのは、建設省勤務から始まり治水の現場に関わり続けてきた著者の竹林さ…

「面白くて眠れなくなる進化論」長谷川英祐著

「面白くて眠れなくなる」というシリーズの本は科学の色々な分野について一般向けに分かりやすく専門家が説明するというものですが、この回の「進化論」については他にも「面白くて眠れなくなる生物学」なども書いている進化生物学者の長谷川さんが執筆しま…

「滅亡へのカウントダウン 人口大爆発とわれわれの未来 下」アラン・ワイズマン著

欧米の科学関係の本は非常に細かく描写され、エピソードが多すぎるほど連続するために、この本のように上下巻やそれ以上の複数巻の場合は最初の上巻だけでもう十分と言う感覚になることが多いのですが、この本の場合は下巻に「日本」の部が含まれていたため…