爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

科学全般

「世界をつくった6つの革命の物語 新・人類進化史」スティーブン・ジョンソン著

人類の文明がどのように進化してきたか。 そこにはそれが無ければ現代文明が無かった、あるいはかなり違ったものになったような重要な発明と発見があります。 そのような6つのもの、「ガラス」「冷たさ」「音」「清潔」「時間」「光」と取り上げそれらがど…

「NATROMのブログ」より、「裁判事例から学ぶ健康情報の読み方」

今回のNATROMさんのブログは、「裁判事例」についてのものですが、NATROMさん自身が裁判の証人としてかかわったということです。 natrom.hatenablog.com ある企業(一応匿名にしてあります)の販売するA飲料水というものに対し、専門家が批判的な記事を書い…

誤った安心感を与える「人工酵母で雑草からエタノール」

MITの研究者たちが雑草のセルロースをエタノールに変える人工酵母を開発し、バイオエタノール製造に進んで行くそうです。 fabcross.jp 記事中にもあるように、現在のバイオエタノールと称するものはおもにトウモロコシを原料に作られていますので、食料と競…

リスク学研究者永井孝志さんのブログより「デパ地下とロックフェス」

リスク学の研究者でブログ「リスクと共により良く生きるための基礎知識」を連載している、永井孝志さんが最近の話題が集まっている「デパ地下」と「ロックフェス」について比較しています。 nagaitakashi.net 専門家の指摘ではデパートの食品売り場、いわゆ…

「暇と退屈の倫理学」國分功一郎著

暇で退屈、よく感じることですが、それについて哲学的な考察を行います。 哲学者の國分さんが書く本ですから、簡単なはずはないですが、新書サイズながら437ページの本はかなりの分量でもあり、読み通すのは大変なものでした。 しかも、結論の部分に、「この…

アルミの削りくずを水と反応させて水素発生、できるのは確かだがそんなもの実現できるはずもなし。

福岡工業大学というところで、アルミ加工工場などから生じるアルミの削りくずを使って水と反応させ「クリーンエネルギーとして期待される」水素を発生させるという研究?(ままごと?)をやっているそうです。 www.jc.fit.ac.jpこんなものがニュースで流れて…

「人間の本質にせまる科学 自然人類学の挑戦」井原康雄、梅崎昌裕、米田穫編

人類学といえば日本では「文化人類学」の方が盛んなのですが、自然人類学も広い範囲の学問領域であり、研究が進められています。 この本は、その自然人類学の概要をとらえることができるように、各分野の専門家がそれぞれの領域をコンパクトに解説し、その結…

「ppmへの挑戦」大八木義彦著

講談社発行の科学関係の新書、ブルーバックスはすでに2000冊以上が出版されているそうですが、その最初は1963年だったそうです。 本書はそのシリーズの247番目、1974年の発行です。 著者は当時千葉大学教授の大八木さんで、生体内の重金属の分析を専門とし、…

「食の人類史」佐藤洋一郎著

人が生きるために一番大事なことは「食べる」ことですが、地球上一杯に広がってしまった人類はその地域に合わせた食をするようになり、それぞれ特有の「生業(なりわい)」を繰り広げるようになりました。 人類の歴史から語り始め、特徴的な3地域についてそ…

「新型コロナ『正しく恐れる』」井上亮編、西村秀一談

この本は井上亮さんが西村秀一さんにインタビューしてまとめたものです。 西村さんは感染症の専門家の中でもウイルスが専門と言う、コロナ禍の中でも最も中心にいるべき人だったのかもしれません。 しかし、政府や行政からしかるべき役割への招聘ということ…

「NATROMのブログ」より、「新型コロナに対するイベルメクチンのケースシリーズを発表してほしい」

NATROMさんの今度のブログのテーマは「新型コロナに対するイベルメクチン」です。 natrom.hatenablog.com イベルメクチンとは言わずと知れた、ノーベル賞の大村智博士が発見した抗寄生虫薬です。 それが新型コロナウイルス感染症の治療に効果があるのではな…

「大絶滅時代とパンゲア超大陸」ポール・B・ウィグナル著

生物の大量絶滅と言うと、恐竜が死滅した6600万年前の白亜紀末のものが有名ですし、現在も人類によるものが急速に進行しているという話もありますが、大量絶滅で最も激しかったものはペルム紀ー三畳紀境界大量絶滅という、2億5100万年前のものでした。 さら…

「ニセ科学の栄光と挫折」齋藤勝裕著

ニセ科学といっても、あの商魂丸出しで科学的な装いで騙そうとする連中のことにはほとんど触れておらず、わずかに水成ガソリン事件やポリウォーターが取り上げられている程度です。 この本の多くは、かつての錬金術や現代の論文捏造など、また迷信というもの…

赤身肉はダイエットに良いのか、健康被害があるのか。「栄養を科学するブログ」より

赤身肉、と言ってもいわゆる「脂肪の少ない肉」といった用法ではなく、牛・豚・羊などの哺乳類の食肉を指します。 糖分が少なくタンパク質が多いことから、「ダイエット向き」(日本的用法の”ダイエット”)と言われることもありますが、一方では発がん性があ…

「リスク管理」と「リスクマネジメント」とは違うのか。永井孝志さんのリスク学ブログより。

「リスクと共により良く生きるための基礎知識」で今回永井孝志さんが書かれていたのが、「リスク管理」と「リスクマネジメント」は違うのかということでした。 nagaitakashi.net 実はリスク学の用語で、「リスク管理」とは英語で「Risk Management」であり、…

「飼いならす 世界を変えた10種の動植物」アリス・ロバーツ著

人類は農耕と牧畜を始めたことで地球上のすみずみまでも広がるほど繁栄することができました。 そこには多くの生物の中から農耕と牧畜に適した種を選び、それを飼いならしてきたという歴史が存在します。 この本ではそのような観点から「ヒトに飼いならされ…

「歴史のなかの地震・噴火」加納靖之、杉森玲子、榎原雅治、佐竹健治著

地震や噴火はある間隔で繰り返し起きるということが分ってきましたが、まだその方面の研究は十分に進んでいるとは言えません。 その研究の進め方には文理双方からのアプローチがあり、理科系で言えば断層の構造や堆積物の観察を行うということですし、文科系…

「『美しい顔』とはどんな顔か 自然物から人工物まで、美しい形を科学する」牟田淳著

きれいな女性を見ればうっとりと見ほれます。 しかし、どのような人が「きれい」か、それは人によっても違いそうですし、あまりそのことについて科学的な解析がされているとも言えないようです。 この本の著者の牟田さんは、理論物理学で理学博士号を取った…

EPR(エネルギー産出比)を考えていく上で、使用する機材の使用エネルギーを厳しく考えるべきか。

脱炭素化などという掛け声ばかりが響いていますが、それに応えて出てくるものが変なものばかりです。 これは絶対に「EPR(エネルギー産出比)」というものを考えてもいないということが明らかなのですが、その道の専門家らしき人々が出している数字を見ても…

「おいしい健康」というサイトで松永和紀さんがうま味調味料や顆粒だしについて解説。

広く使われているにも関わらず、「健康に悪い」といった風説が出され、「化学調味料無添加」といった表示が何か素晴らしいことのように堂々と示されることが多いのですが、こういった風潮に対し松永和紀さんが「おいしい健康」というサイトの中の「読む、え…

「プロテインのサプリメントはとったほうがよい?」栄養を科学するブログより。

栄養疫学の研究者、村上健太郎さんと篠崎奈々さんが書かれているブログですが、今回は「プロテインサプリメント」の話題で、村上さんが書いたということです。 kmnutri.com プロテインといっても、日本語にして「タンパク質」と言ってしまうと通常の食生活で…

サステナブル(持続可能性)とは何か その5まとめ

以上のように、「サステナブル」(持続可能性)とはそれほど簡単なものではなく、厳しいものだということは何となく分かっていただけたでしょうか。 SDGs「Sustainable Development Goals」などと言って、どう見ても「ちょっと良いことしています」程度のも…

サステナブル(持続可能性)とは何か その4資源

資源についての持続可能性というのは、どうもはっきりしたものではありません。 まず「資源」という言葉で何を示すか。 鉄やアルミニウム、ニッケルなどの金属資源は確かに資源と言うべきでしょう。 しかし木材などの植物由来資源はどうするか。 同じ植物由…

サステナブル(持続可能性)とは何か その3エネルギー

人類は多くのエネルギーを使わなければ生存すら不可能です。 そのエネルギーの種類はどういったものでしょうか。 それは太陽の核融合によるエネルギー放射と、地球誕生の頃から蓄えられていたエネルギー(地熱・放射性物質)です。 太陽から放射されてくるエ…

「サステナブル(持続可能性)」とは何か その2環境

色々な面でサステナブル(持続可能)を実現させるための問題があるはずですが、現在は環境、とくに二酸化炭素濃度上昇による温暖化と気候変動だけに意識が向いているような情勢です。 それも大切なのかもしれませんが、そこにだけ注目することによる弊害も多…

「サステナブル(持続可能性)」とは何か その1「サステナブルの意味」

最近聞くことが非常に多くなった言葉です。 ちょっと前までは「サステナブル」なんて言ってもほとんど誰も知らなかったでしょう。 まあ、今でも意味を理解している人がどれほどいるか怪しいものですが。 そんなわけで、ちょっと知ったかぶり解説。 サステナ…

「エネルギーの物語」マイケル・E・ウェバー著

エネルギーをめぐる諸問題がかつてないほどに大きくなっていますが、しかしエネルギーとはどういうものかということが、意外に知られていないようです。 この本はアメリカのテキサス大学でエネルギー資源学の教授をしているという、著者が現在の社会がどうエ…

「人間と機械のあいだ 心はどこにあるのか」池上高志、石黒浩著

AI、ロボットの進歩は急激であり、日に日に変わっていくようにも見えます。 一見しただけでは人間との見分けもつかないようなロボットも登場しています。 しかし、まだその多くは人間がプログラムしたままの動きをするだけに過ぎません。 ロボットが「心」を…

「果物を食べると太る」と言うことは無い? 「栄養を科学するブログ」より

栄養疫学の研究者、村上健太郎さんと篠崎奈々さんが書いている、「栄養を科学するブログ」はなかなか興味深いことが次々と出てきますが、今度は「果物を食べると太る」わけではないということが紹介されていました。 kmnutri.com 果物には糖分が多いので食べ…

「分かちあう心の進化」松沢哲郎著

著者の松沢さんは、京都大学霊長類研究所で長くチンパンジーのアイをパートナーとした研究、アイ・プロジェクトを続けていますが、それは「比較認知科学」という学問の一つの方法であり、チンパンジーの心の動きを見ることにより人間の心理というものも分か…