爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

科学全般

「感染症と文明 共生への道」山本太郎著

今まさにウイルス感染症が世界を覆っているかのような時ですが、この本はそれを扱っているわけではありません。 出版は2011年、SARSまでは内容に含まれています。 著者の山本太郎さんは感染症学が専門のお医者さんですが、実際に感染症対策でアフリカな…

「『モナリザ』の微笑み 顔を美術解剖する」布施英利著

「美術解剖学」という学問があります。 特に人間について、筋肉や骨格といった人体の内部の構造を、実際に解剖して知ることで美術表現をより正確にしようというものです。 それがいつから始まっていたのかは分かりませんが、かのレオナルド・ダ・ヴィンチが…

「医学の近代史 苦闘の道のりをたどる」森岡恭彦著

まだまだ治療の難しい病気はいくらでもありますが、ほんの少し前の状況を考えても多くの病気が治療できるようになっており、寿命も延びています。 特に近代になってからの医学の進歩というものは、非常に大きなものがあったのでしょう。 そのような医学の近…

やっぱりそうか。新型コロナの抗体は長続きしない。

感染症の専門家、忽那賢志さんの記事は何回か引用させていただいていますが、今回は「新型コロナウイルスに対する抗体は長続きしない」という大変な内容です。 一般的に、感染症に罹患し回復した人は一定の期間は感染しなくなることが多く、例えば麻しん(は…

新型コロナウイルスは風邪の一種?田中宇さん「国際ニュース解説」より

新型コロナウイルスの感染については、非常に楽観的な見方をしている田中宇さんの「国際ニュース解説」ですが、そのまとめのような文章が掲載されました。 tanakanews.com これまでも都市封鎖などの対策は過剰であり、それによって経済が崩壊するリスクの方…

「怖くて眠れなくなる植物学」稲垣栄洋著

植物と言うものは「怖くて眠れなくなる」ものでしょうか。 植物学者である著者は、以前に同じ出版社から「面白くて眠れなくなる植物学」という本を出したのですが、その続編として「怖くて眠れなくなる」を書いてくれと頼まれました。 本人も植物はそんなに…

「生命の星の条件を探る」阿部豊著

地球上には生命が溢れていますが、太陽系の他の星にはどうやら無いようです。 それでは他の恒星の周囲ではどうなのか、銀河系でも数千億の恒星があるという話ですから、少しはあるのじゃないかと思いますが、はっきりしたことはわかりませんでした。 その条…

短期集中連載:人類とエネルギー、そのまとめ(4-2)EPRの実施上問題点  (5)エネルギーをめぐる問題 (6)結局、エネルギーに依存した現代文明は変わらなければならない

人類とエネルギーとの関わり (1)エネルギーの本質 (2)人類がエネルギーを使うということ (3)人類のエネルギーの使い方 (4)エネルギーを評価する方法、EPR、EPT (4-1)EPRの根本的問題点 (4-2)EPRの実施上問題点 (5)エネルギーをめぐ…

短期集中連載:人類とエネルギー、そのまとめ (3)人類のエネルギーの使い方  (4)エネルギーを評価する方法、EPR、EPT (4-1)EPRの根本的問題点

人類とエネルギーとの関わり (1)エネルギーの本質 (2)人類がエネルギーを使うということ (3)人類のエネルギーの使い方 (4)エネルギーを評価する方法、EPR、EPT (4-1)EPRの根本的問題点 (4-2)EPRの実施上問題点 (5)エネルギーをめぐ…

短期集中連載:人類とエネルギー、そのまとめ (1)エネルギーの本質、(2)人類がエネルギーを使うということ

外出自粛で暇なので「人類とエネルギー」について今の時点での自分の考えというものをまとめてみました。 それだけではつまらないので、一応ブログに掲載してみますが、分かり易い解説というわけではないので、その点はご容赦ください。 目次 人類とエネルギ…

「エネルギー400年史 薪から石炭、石油、原子力、再生可能エネルギーまで」リチャード・ローズ著

今の人類文明が巨大なエネルギー消費に依存したシステムであるということは、これまでにもこのブログで強調してきましたが、その「人類のエネルギー依存に向かっていく過程」を非常に細かくたどってくれたのが本書です。 とはいえ、そこにはほとんど歴史的事…

「江戸時代の数学最前線」小川東、森本光生著

江戸時代に発達した「和算」という日本独自の数学は非常に高いレベルであったという話だけは有名ですが、その内容まではなかなか知られていないのではないでしょうか。 江戸時代も初期の関孝和は、和算における高等数学研究の先駆けとなった人ですが、高次連…

コロナウイルスのワクチン開発が進んでいるのか。

新型コロナウイルスCOVID-19の感染流行に対処するには、治療薬が必要である以上に、ワクチンが重要です。 現在も世界各国でワクチン開発が進められていますが、アメリカの企業が進展を確認されたというニュースです。 (TBSニュースより) 新型コロナウイル…

「ユークリッド原論を読み解く」吉田信夫著

2000年以上前に書かれた「原論」はギリシャの数学者ユークリッド(ギリシャ名エウクレイデス)がまとめたと伝えられている数学書です。 実際は一人で書いたというわけではなく多くの数学者のグループがギリシャ数学の成果をまとめたもののようです。 古…

「音楽療法はどれだけ有効か」佐藤正之著

認知症患者や脳卒中リハビリなどで、音楽を聞かせたり音を出させたりする「音楽療法」というものは、誰でもなんとなく効果がありそうに感じるものです。 「音楽療法士」という人々も居て、病院で活動しています。 ところが、本書著者の佐藤さんから見ると医…

「150年前の科学誌『NATURE』には何が書かれていたのか」瀧澤美奈子著

「NATURE」といえば科学論文の発表舞台としては「SCIENCE」と並んで世界最高峰と言えるものでしょう。 そのNATUREがイギリスで創刊されたのが1869年、ほぼ150年前でした。 それは日本では幕府が倒れ明治政府ができて直後のことです。 その当時のNATUREには何…

給食を食べられなくなって子供の栄養状態が悪化、佐々木敏教授が指摘。

栄養疫学の東京大佐々木敏教授が、学校が休校となり給食が食べられなくなった子供たちの栄養状態悪化が心配という話をしています。 食品関係の記事を多数書いておられる松永和紀さんがインタビューしました。 wedge.ismedia.jpすでに2か月の間、給食を食べて…

「四季の地球科学 日本列島の時空を歩く」尾池和夫著

日本列島は4つのプレートが押し合うという地球の中でも特異な状態にあり、地震や火山の活動も非常に盛んなところですが、山河が美しく四季の移り変わりもあり自然の恵みも多いところです。 そういった日本について、もともと地球物理を専門としながらも京都…

「地球とは何か 人類の未来を切り開く地球科学」鎌田浩毅著

火山学者として有名な鎌田さんですが、地球の誕生から現在の様子まで地球科学の概略が見られるように幅広い内容で紹介されています。 細かい点はまたそれぞれの詳説を読めば良いのでしょうが、この本だけでもかなりのところまでは理解できそうです。 色彩豊…

「次の震度7はどこか! 熊本地震の真相は『熱移送』」角田史雄、藤和彦著

角田さんは地震の研究を続け埼玉大学名誉教授までなった人ですが、現在の主流のプレートテクトニクス理論では地震や火山噴火の真相はつかめないと考え、「熱移送理論」を提唱しています。 藤さんは、経産省の官僚だったのですが、角田さんの理論に傾倒しその…

「PCR検査装置」が無かったら今回の肺炎流行はどうなっていたか。

新型コロナウイルス肺炎の大流行で、誰もが名前だけは聞くようになった「PCR検査」ですが、それほど古くからあるものではありません。 DNAポリメラーゼという酵素を使い、さらに目的とする遺伝子DNAの構造を考慮することで短時間でその遺伝子が含まれている…

「シミュレート・ジ・アース 未来を予測する地球科学」河宮未知生著

まず最初に言い訳から書いておきます。 私が読む本は、購入する場合も少しはありますが、ほとんどは市立図書館から借りてきたものです。 ところが肺炎流行の影響で先月初めから休館になってしまいました。 ようやく今月になり、ネットなどから貸し出し予約を…

「動物に『心』は必要か 擬人主義に立ち向かう」渡辺博著

心理学の世界の中では、動物にも人間のような「心」があるかのように研究を進める「擬人主義」という一群があります。 著者は心理学者としてそのような擬人主義とは相容れない立場からその歴史から説き起こし批判を加えます。 本書の序にもあるように、100年…

「進化形態はイクメン」アンナ・メイチン著

イクメンと言う言葉が流行し、父親が子育てに参加するということがそれほど珍しくはなくなったようですが、まだまだ日本では本格的なことはできないようです。 多くの父親が育児休業を取得するイギリスでも、ほんの少し前までは日本同様の状況でした。 しか…

PCR検査の意味を理解できているのか、検査ミスの悲劇

愛知県でPCR検査の際に検体が他の陰性の検体を汚染し間違って陽性判定をしてしまい、亡くなった方は通夜もできないまま火葬されたということです。 headlines.yahoo.co.jpPCR検査ではDNAを非常に高度に増幅させて検出するために、ごくわずかの混入でまったく…

「科学する心」池澤夏樹著

作家の池澤夏樹氏は大学は物理学科で学んだという理系の人物で、これまでも科学関係のエッセイなどは書いていたそうですが、それを本格的にまとめてみたという本です。 内容は物理関係だけにとどまらず、生物や進化、AIまで広い内容になっていますが、どれも…

「日本をどのような国にするのか 地球と世界の大問題」丹羽宇一郎著

著者の丹羽さんは商社の伊藤忠商事の社長・会長まで勤められたのち、政府の各種委員会などを歴任して駐中国大使まで勤めた方で、単なる商社経営者というにとどまらず政財界の問題を広く考えるだけではなく、自然科学的な分野にも興味を持ちそれが現代社会に…

科学ライター松永和紀さんが、新型コロナウイルスに便乗して売りたがる商品に警鐘

科学ライターの松永和紀さんが、このところ急激に目立ってきた「免疫力向上」などという健康食品類などについて注意喚起をしています。 gendai.ismedia.jp 多くの人が不安を感じる中で、これを好機とばかりに商品売り上げ向上を目指す人々が多いようです。 …

「ヒトがいまあるのはウイルスのおかげ!」武村政春著

ウイルス病の一種、新型コロナウイルス肺炎のせいで世界中が大変なことになっていますが、「ウイルス」というものを知っているという人は少ないのではないのでしょうか。 今さら「ウイルス学」を勉強したところで現在のウイルス肺炎禍に対処する仕方が変わる…

どさくさに紛れて「富士山噴火の危険性」レポート。それにしてもなぜ「宝永噴火と同規模」しか考えないの。

こんな時期になんですが、「富士山噴火の危険性」なるレポートが出され、首都機能が止まる危険性があるということです。 www.nikkei.com政府中央防災会議作業部会で報告書案をまとめたということですが、「最悪の場合」鉄道停止、首都機能停止といったことが…