爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

科学全般

「アリストテレス 生物学の創造 上」アルマン・マリー・ルロワ著

アリストテレスは古代ギリシャの哲学者ですが、自然の観察も行い、生物の特徴を記載した「動物誌」などの著作もあり、生物学や博物学の始祖ともみなされています。 その後、紀元1世紀にはローマで大プリニウスが「博物誌」を著しましたがその内容は色々なと…

なぜ変異ウイルスは感染力が強いのか

新型コロナウイルスの変異株が次々と現れ、いずれも感染力が強くなっているということでこれまでのものに置き換わっています。 なぜそんな都合の良い変異株が出来て来るのか、不思議に感じる方も居るかもしれません。 その辺の事情を少し、分かりやすく?説…

「となりの心理学」星薫著

放送大学で心理学を教える著者は、放送大学で学ぼうとする社会人たちには非常に強い「心理学への興味」があることを感じています。 一方、授業で心理学を習う学生たちにとっては、あまり人気の無いのも心理学だということです。 やはり、ある程度人間関係や…

「MIT 音楽の授業」菅野恵理子著

MIT すなわちマサチューセッツ工科大学です。 科学や工学の大学としては最高峰とも言えるところで、ノーベル賞受賞者も多数輩出しているところです。 そこには「音楽学科」というものも設置され、専門の学生も在学しているのですが、それ以外に全学を対象と…

「『バカ』の研究」ジャン=フランソワ・マルミオン編

「バカ」といっても色々あるのでしょうが、フランス語で「Connerie」、辞書で調べると「愚行」などという訳があります。 つまり知識の量やIQなどには関係なしに、愚かなことをしてしまうという「バカ」なのでしょう。 フランスの心理学者で心理学専門誌(そ…

「消滅絶景」ナショナルジオグラフィック編、吉田正人監修

「はじめに」に記されているように、本書では「世界から失われてしまった、あるいは消失の瀬戸際にある自然や生物の姿を写真でめぐる」ということを行っています。 それを見ていると、今では見ることのできなくなってしまった、風景や動物、植物の姿を目にし…

「グリーン水素」なんていうものが本当にできるのか。

トヨタ自動車が一見EV化の潮流に乗り遅れたかのように見せていたものの、実際は水素化を先導しようとしていたということです。 しかし、現状では水素製造というものは天然ガスなどから作り出す方が主流であり、化石燃料からの脱却にはならないということも知…

ちょっと困った科学成果発表、豊田中研が「植物を上回る光合成開発」

トヨタ自動車の関連の豊田中央研究所というところが、光から化学物質を作り出す研究を行っているそうですが、その変換効率が植物の葉緑体を上回ったという報告です。 scienceportal.jst.go.jp 植物はその体内の葉緑体で、光エネルギーを使い水と二酸化炭素か…

「話を聞かない男、地図が読めない女」アラン・ビーズ、バーバラ・ビーズ著

もうかなり前の本ですが、出版当時には世界的に話題になったものです。 取っつきやすい、一般受けの書名のように見えますが、実はこの内容を極めて学術的に、しかし語り口は易しく書いています。 今ではさらに激しくなっていますが、欧米ではこの本の出版の2…

「アストラゼネカ社製ワクチンを接種すべき人とは」忽那賢志さんの記事より。

現在接種が行われているファイザー社製のワクチンに続き、モデルナ社製とアストラゼネカ社製のワクチンが承認されましたが、アストラゼネカ社製ワクチンは「当分の間使用しない」という扱いになりました。 どういうことなのか、よく分かりませんでしたが、新…

これを狙っているのか、トヨタが「水素エンジン車」の開発を進めレース参戦

自動車の電動化を進めても、鉱工業用重機や大型輸送車などは難しいのではという提起を繰り返ししています。 しかし、それを一見打ち破るのではと思えるようなニュースが流れました。 news.yahoo.co.jpトヨタ自動車が、水素を使った「水素エンジン車」でレー…

「ときめく微生物図鑑」鏡味麻衣子監修、塩野正道・塩野暁子写真

生物界の圧倒的多数は微生物なのですが、それについての認識は少ないようです。 微生物と言っても古細菌、細菌からカビやキノコといった真菌類、そして藻類と様々ですが、その広い範囲の微生物を非常にきれいな写真と共に紹介しています。 特に、藻類の写真…

「オリンピックは中止すべきは59%」?世論調査の問題点

「オリンピックは中止すべき」の調査結果は正しくない。統計はウソをつく こういった題名の記事がBLOGOSに出ていました。 著者はメディア論の大学教授、新井克也さん。 世論調査の手法としてよく用いられるアンケート調査では、その設問の作り方などでまった…

大学入試共通テストの不適切な英語問題、続報

大学入試共通テストの英語の問題で、人工甘味料について不適切な内容のものがあり、様々な方面から批判が出たという事態がありました。 松永和紀さんの記事で知ってここにも取り上げました。 sohujojo.hatenablog.com その件の続報が、小島正美さんの「フー…

「『ニセ医学』に騙されないために」NATROM著

「ニセ医学と闘う内科医」NATROMさんは、その「NATROMのブログ」を以前から読ませていただいていましたが、書籍も何冊か出版されています。 そのうちの最初に刊行したものがこの本です。 なお、この本のみ著者名を「NATROM」としていますが、その後の本は「…

「目的に合わない進化 上」アダム・ハート著

人も動物としての進化を重ね現在の状況になっているのですが、ここ1万年あまりの急激な社会の変化でせっかく進化で取得した形質が役に立たなくなっているようです。 こういった趣旨の本はこれまでにも読みましたが、この本も昆虫学者にして一般向けの生物に…

「代替医療 効果と利用法」蒲原聖可著

代替医療とは、英語のalternative medicine の訳語で、「もう一つの医療」という方がその性格を良く捉えているかもしれませんが、普通はこの代替医療という言葉を使っています。 これは一言でいえば「現代西洋医学以外の医学・医療のすべて」を指すもので、…

熊本地域の活断層の活動はまだ続く、熊本日日新聞の記事より。

また熊本日日新聞の記事を引用させていただきます。 まあ、高い購読料を払っていますのでせいぜい利用させてもらいます。 熊本地震で被害を受けた熊本城の天守閣復旧も進み、コロナ禍で公開は延期されましたが天守の雄姿は見られるようになっており、地震か…

Stayhome のリスクはどこにあるのか、永井孝志さんのリスク基礎知識より

永井孝志さんのリスク学に関する基礎知識というブログで、ちょっと前に掲載されていた「Stayhomeのリスク」についてのものですが、その時はそこまで危険性が高まっているとは感じていなかったものの、急激な感染拡大が現実となると、ここに書かれているもの…

リスク学者永井孝志さんの記事より「リスクの比較」

リスク学の現役研究者、永井孝志さんのブログを注視していますが、「リスクの比較の方法解説」という、リスク学の中心とも言える手法の解説がされていました。 nagaitakashi.net 「リスクの比較」がなぜ大切か。 リスクというものを避ければ良いのであればど…

「空間除菌」は危険すぎる

プレジデントオンラインでまともな主張がされていると思ったら、名取宏さんの文章でした。 つまり「NATROM」さんのことです。 president.jp 新型コロナウイルス感染が止まらない中、「免疫力増強」の一連の食品群と並んで目につくCMが「空間除菌」です。 し…

「きみの脳はなぜ『愚かな選択』をしてしまうのか」ダグラス・T・ケンリック、ヴラダス・グリスケヴィシウス著

人は意思を決定する際、合理的に考えるということを前提としていた古典経済学は間違っており、結構いい加減な決定をしているというのが行動経済学の考察ですが、実はその「いい加減」に見えるような決定過程は、人間の「生物としての進化」によって影響され…

勝川俊雄さんが「トリチウム排出問題」を解説

東京海洋大学准教授で漁業問題の専門家の勝川俊雄さんが、「トリチウム排出問題」を解説していました。 news.yahoo.co.jp まず、「トリチウム」というものが何かということから丁寧に説明されています。 トリチウムは水素原子に中性子が2個ついたもので、通…

「イソジンうがいでコロナウイルス重症化を防ぐ」という話の現状、NATROMのブログより

昨年8月に大阪発のニュースで「イソジンなどでのうがいをすることで、コロナウイルスの感染と重症化を防げる」というものがあり、一時それらのうがい薬が売り切れるという騒ぎになりました。 この件のその後について、「NATROMのブログ」で内科医NATROMさん…

「ヒトはなぜ、夢を見るのか」北浜邦夫著

なにしろ、「夢の話」といったコーナーをブログにも設けているほどですので、夢についてはかなり興味があります。 この本は、高校生の頃に瀕死の状況に陥いった時にまさかのような夢を見て生き返ったという経験から「意識と夢」についての研究を志し、脳生理…

「世界を変えた 微生物と感染症」左巻健男編著

今まさに、感染症が世界中を覆っているようですが、人類の歴史というものは感染症とともに存在していたようなものです。 この本は2020年8月出版ですので、新型コロナウイルスについての記述も含まれていますが、それだけではなく他の多くの感染症についても…

化石エネルギーはなぜ使ってはいけないのか

色々な思惑が重なってのことでしょうが、「化石エネルギー」つまり石油、天然ガス、石炭といった古代の生命活動で貯蔵されたエネルギーを使用するという、これまでの「エネルギー依存文明」の基礎とも言える在り方をひっくり返そうという動きが急激に強まっ…

エネルギー産生比(EPR)どころの話ではない、電動重機の効率

風力発電や太陽光発電は環境中に設置する必要があるために、土木工事の必要性も大きいものですが、どうやらそのエネルギー投入についてきちんとした考慮が足りないのではないかという疑問を抱きました。 それが、今広く流通している「EPR」(エネルギー産生…

「いつになったら宇宙エレベーターで月に行けて、3Dプリンターで臓器が作れるんだい!?」ケリー&ザック・ウィーナースミス著

「夢の技術」というものがありますが、SFに出てくるような技術の中でもあたかも「実現性が高い」かのように言われているものがあります。 そういった技術はどういったもので、その開発の現状はどうなっているのか。 そして、もしもそれが実現したら世界はど…

総合エネルギー学のすすめ、やはりEPR(エネルギー産出比)の徹底的な見直しから

「総合エネルギー学」というものを振興していく必要性について前段で示しましたが、その具体策としてはやはりどうしてもEPR(Energy Profit Ratio) (言ってみれば”エネルギー産出比”)を徹底的に見直すというところから始まるでしょう。 以前から参考にさ…