爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

歴史

「戦乱と政変の室町時代」渡邊大門編

時代小説や映画テレビで扱う歴史時代のほとんどは室町時代末期の戦国時代か江戸時代幕末で、その他の時代はあまり見たことも無く、そのイメージもつかみにくいものです。 辛うじて学校時代の歴史で習ったことでは、初期には南北朝の争いがあり、応仁の乱から…

「戦争の世界史」マイケル・S・ナイバーグ著

今まさに世界を揺るがすような戦争が行われており、戦争を考えたいという思いは誰も持っているものかもしれません。 この本は戦争というものの歴史を人類文明の初期から現代まで振り返っています。 ただし、「戦争を止める・防ぐためにはどうすれば良いか」…

「スペイン通史」川成洋著

スペインは日本との関係がそれほど深いとは言えず、戦国時代の末期にやや触れ合った程度でその他はさほど馴染みのある歴史ではないようです。 歴史の教科書で習った覚えがある事項でも、アルタミラ洞窟の壁画、かなり飛んで後ウマイヤ朝、レコンキスタ、新大…

「オランダ風説書」松方冬子著

江戸時代の日本が鎖国であったというのは正確ではないようですが、それでも日本人の海外渡航は厳しく禁止され、海外からの来訪も制限されていました。 そのような状況の中で世界情勢について海外からもたらされた貴重なものが「オランダ風説書」でした。 こ…

「ハーブの歴史」ゲイリー・アレン著

ハーブといえばハーブティーや料理に加えて香りを楽しむものといったイメージですが、その定義というものは意外に明確では無いようです。 人によってその言葉の使い方が異なるのですが、本書ではそれらを紹介したあとに著者のまとめてして次のように述べられ…

「歴史アルバム 万里の長城 巨龍の謎を追う」長城小站編 馮暁佳訳

万里の長城といえば秦の始皇帝が作り始め、その長さは万里(5万キロ)にも及び、また北京から観光で見に行けるといったイメージがあります。 しかし実際の万里の長城はそれほど簡単なものではないようです。 この本は中国のインターネット上のサイトで一般の…

「地形と地理でわかる大江戸の謎」大石学監修

江戸時代について、いろいろな本を読んだりまた映画やドラマになったものを見たりと、そういった知識は入ってきますが、しかし実際にその舞台は現在で言えばどこにあたり、どのような場所かということはなかなか想像しづらいことかもしれません。 そういった…

「司馬遷」武田泰淳著

中国前漢時代の司馬遷は歴史家の始祖とも言われていますが、史記を書きあげて後の世の中国歴代王朝の歴史書の起源となったと考えられます。 この本はその司馬遷の史記について、戦前から戦後にかけて作家として活躍した武田泰淳が書いたものですが、小説では…

「災害とたたかう大名たち」藤田達生著

江戸時代は自然災害などが多い時代でもありましたが、そういった災害に対処した大名についての本かと思いました。 ところが、この本はそれだけにとどまらず、江戸時代の幕藩体制というものを支えた思想というところまで考察を進めていました。 戦国時代は大…

「戦争犯罪と歴史認識」北原惇著

現代の戦争でも数多くの戦争犯罪が起きていますが、日本に関わりのある問題としては第二次世界大戦が大きなものでした。 日本の軍隊があちこちで戦争犯罪を犯したとして戦後の東京裁判などで裁かれました。 また歴史認識と言われる問題も今に至るまで中国や…

「馬上の星 小説・馬援伝」宮城谷昌光著

小説はほとんど読まない私ですが、SFと宮城谷さんの歴史小説だけは読みます。 この本は宮城谷さんの中国古代歴史小説の最新のもののようです。 馬援という名を聞いてもほとんど分かりませんが、時代は前漢が王莽によって滅ぼされ新という王朝になるも、すぐ…

「『ユダヤ』の世界史」臼杵陽著

書名が少し変わっています。 「ユダヤの歴史」といった本は何冊も出ていますが、この本では「ユダヤの世界史」 そこに著者の意図がありそうです。 また、「ユダヤ」であり、「ユダヤ人」でも「ユダヤ教徒」でもないというところにも意図があります。 英語な…

「中世の高野山を歩く」山陰加春夫著

高野山は現在でも一大霊場として存在していますが、その最初は弘法大師空海が9世紀に創建した小さな寺から始まりました。 その後もさほど大きな力を持つこともなかったのですが、11世紀頃から摂関家、王家の支援のもと繁栄するようになりました。 さらに13世…

「皇子たちの悲劇 皇位継承の日本古代史」倉本一宏著

皇位継承者が居なくなりそうで問題だと言われている現在ですが、古代には皇位継承をめぐって激しい争いとなり、血生臭い戦いも数多く起きました。 そういった争いで敗れていった皇子たちについて、日本古代史が専門の倉本さんが詳述しています。 範囲は倭王…

「高地文明 『もう一つの四大文明の発見』」山本紀夫著

日本では必ず学校の世界史の時間で、古代文明として「四大文明」というものを習います。 メソポタミア・エジプト・インダス・黄河というもので、いずれも大河のそばであることから「大河文明」とも呼ばれますが、それが古代文明の必須条件かのように言われま…

「水道が語る古代ローマ繫栄史」中川良隆著

古代ローマは技術的にも優れた建造物を残しており、中でも水道は石畳の街道とともにローマの繁栄に直結したインフラとして優れたものです。 そのような古代ローマの水道と繁栄について語るのは、現在は大学工学部の教授ですが、かつて建設会社の技術者として…

「〈階級〉の日本近代史」坂野潤治著

「士農工商」という身分階級が定まっていた江戸時代から明治となり、それは士族と平民というものになりました。 そこから徐々に階級というものが無くなっていくのですが、それには長い時間がかかりました。 そのような階級というものの歴史を、明治期から太…

「モダン語の世界へ」山室信一著

モダンという言葉は英語のmodernからきているのでしょうが、辞書で見ると「現代的、近代的」とあります。 現代と近代とではかなり違うようですが。 しかし、日本の歴史上では「モダン」が大量に使われたことがありました。 1910年代から1930年代にかけて、年…

「ことばあそびの歴史」今野真二著

「ことばあそび」というものは、どこにでもあるのでしょうが特に日本語では多いように感じます。 なぞなぞ、縁語、掛詞、折句、いろは歌、さらに、判じ絵、回文等々。 どうやら古くは万葉集の中にもそれらしきものが見られるようです。 そういったことば遊び…

「貨幣の条件 タカラガイの文明史」上田信著

「貨幣の条件」といっても経済学的な本ではなく、タカラガイという貨幣としても使われていた貝殻の文明史というものです。 著者の上田さんは中国社会史が専門という歴史学者で、とくに中国西南部の雲南地方やチベットなどを探訪されたのですが、そこでタカラ…

「熊本県の歴史散歩」熊本県高等学校社会科研究会編

山川出版社は「歴史と教科書の」と謳っているように、それに特化した業務内容となっています。 その中で、この各県の歴史散歩というシリーズは非常に細かい事例まで拾い上げるという方針か、編集も県の高等学校の先生方でつくる「社会科研究会」という所に任…

「第三帝国を旅した人々」ジュリア・ボイド著

第三帝国、すなわちナチス・ドイツは現在では絶対的な悪であり、誰もその行為を認めることはなく、擁護するような発言をすることは、少なくとも欧米では命取りにもなり兼ねない存在です。 しかし、これはあくまでも世界大戦後にナチスの行為の多くが明るみに…

「六国史 日本書紀に始まる古代の『正史』」遠藤慶太著

朝廷が作らせた歴史書としては日本書紀が有名ですが、その後も続けて正史が作られました。 全部で六つの正史が作られましたが、その後は途絶えています。 日本書紀、続日本紀、日本後紀、続日本後紀、日本文徳天皇実録、日本三大実録を指します。 その対象範…

「『木』から辿る人類史」ローランド・エノス著

人類史を見ていくと、石器や青銅器、鉄器といったものが重要視されています。 しかし本書著者のエノス氏によれば人類の歴史において本当に重要だったのは「木」だということです。 ところが「木」というものは歴史史料としてはほとんど発掘されることも無く…

「女たちの壬申の乱」水谷千秋著

壬申の乱と言う言葉だけは誰でも高校時代に習った日本史の中で聞いたことはあるでしょうが、その中味はほとんど印象にないものかもしれません。 まだ記録というものがほとんど無く、正史の日本書紀くらいにしか描かれていないということもあるのでしょう。 …

「中国人はつらいよ その悲惨と悦楽」大木康著

中国はその長い歴史の中、延々と同じような文化が続いたという世界でも稀に見るようなものです。 その人々もその長い伝統の中で培われた性質があり、日本人から見れば驚くようなこともあるようです。 この本では、その特色を「悲惨」と「悦楽」という面から…

「真実の日米開戦 隠蔽された近衛文麿の戦争責任」倉山満著

日本人の多くがアメリカにはかなわないと考えていたはずなのに日米開戦に至った。 そこには軍部の暴走があったとか、色々な解釈がされています。 著者の倉山さんは自由な立場からの考察を重ね、やはり近衛文麿の責任が強いものとしています。 ただし、その書…

「剣と清貧のヨーロッパ 中世の騎士修道会と托鉢修道会」佐藤彰一著

キリスト教の修道院といえば古代から町を離れた荒野の中で信仰の生活を送るというものでしたが、中世の12世紀になってそれとは別の修道会が生まれました。 それが主に十字軍などで異教徒との戦いで活躍する騎士修道会と、それまでの修道院のように農業などで…

「日本の合戦 こうすれば勝てた」柘植久慶著

柘植さんはフランス外人部隊やアメリカの特殊部隊に所属、その後軍事評論家として多くの本を書いています。 この本では日本の有名な合戦を取り上げ、勝敗を分けた点を解説、「こうすれば勝てた」というところも指摘しています。 対象は源平合戦の一の谷の合…

「船の食事の歴史物語」サイモン・スポルディング著

人類は移動や運送の手段として古代から船を利用してきました。 乗組員は必ず食事をしなければならないのですが、彼らはいったいどのようなものを食べていたのでしょうか。 この本では船に関して他の事にはほとんど触れず、ただただ「船での食事」に興味の対…