爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

歴史

「古墳のはじまりを考える」金関恕、森岡秀人、森下章司、山尾幸久、吉井秀夫著

この本は2003年に大阪府文化財センターが開催した「古墳のはじまりを考える」という市民向けの講座の内容をもとに作られました。 本書著者として挙げられている5人の方々が一回ごとに講師を務めるという形で開かれました。 講座開催時には活字化を考えていな…

「白村江 古代東アジア大戦の謎」遠山美都男著

「白村江」、昔の歴史授業では「はくすきのえ」と読みましたが、今は読み方が不明とあって「はくそんこう」と読んでいるそうです。 中大兄皇子が皇位に就く頃、朝鮮半島では長く続いていた並立体制が崩れ、百済が滅亡に瀕していました。 一旦は敗れて王や王…

「十二支になった動物たちの考古学」設楽博己編著

年のめぐりと動物とを組み合わせた「十二支」は、中国古代に出来上がりました。 その起源は殷の時代にまでさかのぼるようですが、動物を当てはめるという現代まで続く形になってきたのは秦の時代だったようです。 そこで使われていた動物は、当時の中国で身…

「昭和『娯楽の殿堂』の時代」三浦展著

もうかなり昔のような気がする「昭和」の時代には、「娯楽の殿堂」という言葉がありました。 そしてそれは都会、とくに東京という場所と結びついていたように思えます。 今でも確かにリゾートホテルを中心とした観光施設などが地方にある場合もありますが、…

「世界史で読み解く現代ニュース 宗教編」池上彰、増田ユリヤ著

現代の世界でいろいろな問題の原点となっているのが宗教ということがよくあるようです。 戦争や国際紛争を知るためにも宗教について知らなければ理解しにくいところがあります。 そのために、世界の宗教の中でも大きな位置を占めているイスラム教、キリスト…

「女ことばと日本語」中村桃子著

日本語には「女ことば」というものがある。 誰もがそれは事実だと感じているでしょう。 それが好ましいものか忌まわしいものかという捉え方は人により違いはあるでしょうが、その存在自体はあまり疑われていないはずです。 また諸国の言語にもこれほど明確な…

「武士の起源を解きあかす」桃崎有一郎著

武士という人々は実に日本の歴史時代の半分を支配していたのですが、それではその「武士の起源」は何かということは、あまりはっきりとしてはいません。 かつての教科書では「地方の富裕な農民が成長し、土地を守るために一族で武装し武士となった」と書かれ…

「暗殺が変えた世界史 上」ジャン=クリストフ・ビュイッソン著

政治がどうしても指導者によって大きく動かされている以上、その指導者を暴力で消し去り状況を変えようという欲望にかられる人が出るのは仕方のないことなのでしょう。 歴史をみても多くの政治指導者が暗殺によって葬られました。 それは決して過去だけのも…

「イギリスの歴史を知るための50章」川成洋編著

イギリスは大陸と隔てられてはいるもののその距離が近かったためか、繰り返し民族の移動が起きました。 複雑な歴史を持ち、それが現在の英語の複雑さ(というか混迷と言うか)につながっています。 そのようなイギリスの歴史について、古代から現代まで50章…

「江戸・明治 百姓たちの山争い裁判」渡辺尚志著

かつては農村の周辺の山と言うものは、非常に重要なものでした。 そこで取れる枯れ枝などは薪として燃料とし、下草は田畑にすき込んで肥料とし、間伐した木は炭に焼いて換金しと、農村の生活を支えるためには無くてはならないものでした。 研究によれば、田…

「感染症と文明 共生への道」山本太郎著

今まさにウイルス感染症が世界を覆っているかのような時ですが、この本はそれを扱っているわけではありません。 出版は2011年、SARSまでは内容に含まれています。 著者の山本太郎さんは感染症学が専門のお医者さんですが、実際に感染症対策でアフリカな…

「美しい言葉づかい フランス人の表現の技術」井村順一著

フランス人は会話好きだそうです。 そして、自らの言語のフランス語の美しさというものも誇りに思っているようです。 そのような、フランス語というものは自然にできてきたばかりではありません。 かなり意識的に磨き上げようとした人々がいました。 17世…

「日本の古墳はなぜ巨大なのか」松木武彦、福永伸哉、佐々木憲一編

日本の古墳は世界的に見ても巨大なモニュメントであるということは言われていますが、実際にはどのようなものか。 2018年に国立歴史民俗博物館が主催した「日本の古墳はなぜ巨大なのか」と題した国際シンポジウムの内容をもとにして本にしたものです。 …

「日米〈核〉同盟」太田昌克著

現在、日米関係は強固な「日米同盟」であると言われます。 しかし、その実態は〈核〉を中心とした「日米核同盟」であるとも考えられます。 太平洋戦争の終わりに人類史上初めての核爆弾を落としたアメリカと、落とされた日本が戦後は一転して同盟関係となり…

「精進料理考」吉村昇洋著

「精進料理考」といっても、寺や専門店で作られているあの料理のレシピを集めた本ではありません。 寺院で僧が食べている料理が精進料理と言って間違いはないのですが、その宗教的な背景、歴史、そして寺院での現実など、精進料理をめぐる広い話題を扱ってい…

「よくわかるクリスマス」嶺重淑、波部雄一郎編

クリスマスといえばキリスト教の行事ですが、日本ではそれとは関係なく商業的なものとして多くの人を熱狂させています。 そのようなクリスマスというものは、歴史的にどういう経緯でできてきたのか、そして世界各地ではどのようなものとなっているのか。 さ…

「医学の近代史 苦闘の道のりをたどる」森岡恭彦著

まだまだ治療の難しい病気はいくらでもありますが、ほんの少し前の状況を考えても多くの病気が治療できるようになっており、寿命も延びています。 特に近代になってからの医学の進歩というものは、非常に大きなものがあったのでしょう。 そのような医学の近…

「流言のメディア史」佐藤卓己著

「フェイクニュース」や「ポスト真実」といった言葉がクローズアップされています。 しかし、そういった事態は今になって始まったものかどうか。 実は80年前の状況をみてもそういったものがいくらでも見られます。 第二次世界大戦が始まった1939年、ドイツの…

「事大主義 日本・朝鮮・沖縄の『自虐と侮蔑』」室井康成著

「事大主義」という言葉は、最近では韓国の政情に関わるものであるような感覚を持っていましたが、実は色々な場面で使われてきたもののようです。 「事大」つまり、「大」に「事える」(つかえる)という言葉自体は中国の古典にあるもので、孟子の一節にあり…

人種差別に反対する運動が広がる。歴史上の人物は誰もアウトでは。

アメリカで警察官に殺された黒人男性の事件に対する抗議活動が広がる中、世界中でかつて奴隷制度に加担したりした人物の銅像などが倒されるといったことが相次いでいます。 www.yomiuri.co.jp形だけは平等となった社会でも実質的差別が残っているのは明らか…

「鉄道快適化物語」小島英俊著

今の鉄道の旅はかなり楽になっており、ほんの数時間で東京から大阪まで、しかも苦痛もほとんどなく(まあ心理的には苦しい人もいるようですが)旅することができるようになりました。 また、何十万円もの費用で旅行をできる高級クルーズトレインなるものも出…

「首相になれなかった男たち」村瀬信一著

政治家を志す者は誰しも夢見るのが「首相」総理大臣になることでしょう。 しかしほとんどその夢がかなうことはありません。 ところが、有力ポストを歴任し実力は認められながらもあと一歩が足らずに首相に届かなかった人たちがいます。 この本ではそういった…

「錆と人間 ビール缶から戦艦まで」ジョナサン・ウィルドマン著

人類は鉄を始めとする金属類を使いこなすことで文明を築いてきました。 しかし、その金属はすぐ「錆びる」 これをどうにかしないことには、不経済ということもありますが、直接に生命に関わることにもなります。 この本では、そういった錆をめぐる話をいくつ…

「ヒトラー演説 熱狂の真実」高田博行著

昔の資料映像などを見ると、ヒトラーが熱弁をふるいそれに聴衆が熱狂的な反応をするといった場面がしばしば出てくるようで、ナチスがドイツ国民の支持を取り付けるには重要な要素だったのかと思わせるものがあります。 著者の高田さんはドイツ語史が専門と言…

「ラグビー伝説 ひた走る闘魂の物語」スポーツグラフィック ナンバー編

昨年のラグビーワールドカップ日本大会は大会としても大成功と言えるでしょうが、それ以上に日本代表チームの躍進が素晴らしく、多くの人を魅了し「にわかラグビーファン」が続出しました。 しかし、これまでの日本のラグビーもマイナーではあるものの熱心な…

「征夷大将軍になり損ねた男たち」二木謙一著

征夷大将軍という役職は律令体制の始めからあり、奈良時代や平安時代にも蝦夷征伐のために任命されていましたが、日本の歴史で「将軍」といえばやはり鎌倉幕府に始まる武家政権の最高位として存在感がありました。 その後、室町幕府、江戸幕府と征夷大将軍を…

「本能寺の変に謎はあるのか?」渡邊大門著

ちょうど大河ドラマでは明智光秀を主人公とした物語が放映されていますが、その本能寺の変の描き方はどうなるのでしょうか。 絶大な権力を手にした織田信長を一瞬の隙をつき打ち取った本能寺の変は、その裏に何があるのかということは多くの人々の興味をひい…

「江戸時代の数学最前線」小川東、森本光生著

江戸時代に発達した「和算」という日本独自の数学は非常に高いレベルであったという話だけは有名ですが、その内容まではなかなか知られていないのではないでしょうか。 江戸時代も初期の関孝和は、和算における高等数学研究の先駆けとなった人ですが、高次連…

「鷲頭氏はどこから来た 轡が証す下松の渡来人」斎藤順著

この本はいつも通っている市立図書館で、「ご自由にお持ちください」というコーナーに置いてあったものを貰ってきました。 定期的に蔵書を見直し、廃棄するものを希望者に無料配布するということのようです。 まあ、ただなら良いかと思って持ってきました。 …

「150年前の科学誌『NATURE』には何が書かれていたのか」瀧澤美奈子著

「NATURE」といえば科学論文の発表舞台としては「SCIENCE」と並んで世界最高峰と言えるものでしょう。 そのNATUREがイギリスで創刊されたのが1869年、ほぼ150年前でした。 それは日本では幕府が倒れ明治政府ができて直後のことです。 その当時のNATUREには何…