爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

歴史

「ことばでたどる日本の歴史 幕末・明治・大正篇」今野真二著

今野さんは日本語学が専門ということですが、歴史にも深い造詣がおありということで、歴史を「ことば」すなわち文献や史料で詳細にたどるということをされています。 歴史を簡潔に記載するなら不要なのですが、やはり原資料を基に示すとまた新たな発見ができ…

湘南地方の鉄道 3駅の記憶 1,茅ヶ崎駅

また若い頃に戻った夢を見まして、高校の同窓生と修学旅行に出かけるというものですが、「夢の話」で書くにもあまりにも荒唐無稽な内容なのでちょっと控えておきます。 しかし、その中で「藤沢駅に集合」というところがあり、そこに出てきた駅は若い頃の駅で…

「傑物が変えた世界史 上」アラン・ドゥコー著

歴史と言うものは大きな流れというものはあるものの、変革の時には並はずれた個人の働きが作用することもあります。 その意味では「傑物が変えた」ということもあるのかもしれません。 この本は歴史家でテレビプロデュ―サーでもあるという、フランス人のドゥ…

「偽書が揺るがせた日本史」原田実著

現在進行の事実でもいくらでもフェイクがあるということが明らかになっていますが、歴史を文字で記録するということが始まってすぐに「偽物の歴史」を書いた「偽書」というものが現れました。 何らかの思惑や個人的な目的で偽書を作るという行為は数限りなく…

「日本植民地探訪」大江志乃夫著

歴史学者で日本近代史が専門の大江志乃夫は、1995年日本敗戦から50年が経過したころにその機会にかつての日本の植民地を回って見ることを思い立ちます。 その時大江は60代後半でした。 1945年の敗戦時にはまだ学生でしたので、戦前の植民地時代には訪れたこ…

「だから拙者は負けました」本郷和人監修

図書館の本の借り出しがネット予約になり、実物を見ないで借りるようになりましたので、手に取っていれば読むはずのないような本を読む事態になっています。 この本も子供から若者向きで、マンガも取り入れており若者言葉満載のものです。 しかし、一応歴史…

八代市立博物館で開催予定だった「松井家の武器と武具」展が休館のため、ウェブ開催になっちゃいました。

八代市立博物館では、5月から「八代城主松井家の武器と武具」という展示を公開する予定だったのですが、コロナ禍のため休館せざるを得ず、公開予定だった文物をウェブ公開することとなってしましました。 www.city.yatsushiro.kumamoto.jp 松井家とは、肥後…

「フィッシュ・アンド・チップスの歴史」バニコス・バナイ―著

魚とジャガイモのフライ、フィッシュ・アンド・チップスはイギリスの国民食とも言われますが、他の国のそういった料理とは違って「家庭料理」という性格はないようです。 そこにはイギリスが他の諸国とはかなり違った歴史をたどっているということも関係して…

「『世界史』で読み解けば日本史がわかる」神野正史著

著者の神野さんの本は前に一冊読みました。 sohujojo.hatenablog.comそこでは「語り口は分かりやすくポイントを強調する」という感想を書いていますが、この本でもその印象は同様です。 ただし、ここでは「日本史だけを見ていては分からないことが世界全体を…

「なぜ必敗の戦争を始めたのか 陸軍エリート将校反省会議」半藤一利編・解説

偕行社(かいこうしゃ)と呼ばれる陸軍将校の集会所がありました。 終戦とともに解散したのですが、その後陸軍OB有志により再開され旧陸軍軍人そして現在では陸上自衛隊の元幹部の懇親や通信連絡の活動を続けています。 そこで発行され会員に配布されている…

「本土空襲全記録」NHKスペシャル取材班著

太平洋戦争末期に日本全土に大きな被害があった「空襲」 しかし、日本の政府も軍部もまともな調査はしておらず、アメリカ軍もまとめていません。 その犠牲者が何人なのかも諸説あるような状態ですが、そもそも何日にどこが空襲されたかということすら記録は…

「旧石器時代」堤隆著

日本の古代に興味のあるという人でも、それはせいぜい縄文時代以降であり、それ以前の旧石器時代にはほとんど目が向かないのではないでしょうか。 それに対し、旧石器時代を対象に考古学的研究をされている堤さんが、その解説を試みています。 旧石器時代と…

「アフリカからアジアへ 現生人類はどう拡散したか」西秋良宏編

現生人類ホモサピエンスはアフリカで誕生し、その後アフリカを出て全世界へ広がっていきました。 その大まかなところは固まってきましたが、まだ細部は分かっていないことも多く、また考古学的な発見、遺伝子解析の結果などで日々新たな知見が積み重なってい…

「呉漢 下」宮城谷昌光著

中国漢王朝の時代、王莽に簒奪された皇位を取り戻した劉秀(後漢光武帝)に従って全国を統一した呉漢の物語、その下巻です。 上巻の時にも書きましたが、「呉漢」という人名についてまったく聞いたことも無く、いつの時代の人かも分からないまま読み始め、劉…

「ロシアの歴史を知るための50章」下斗米伸夫編著

北方の大国として存在感だけは大きいロシアですが、かつては共産圏を率いて世界を二分したものでした。 今はかなりその勢力を落としているとはいえ、やはり有数の大国と言えるでしょう。 そんなロシアの古代から現在まで、歴史をたどりますが、あまり知らな…

「君主論」マキアヴェッリ著

「マキャベリズム」という言葉の元にもなった15世紀イタリアのニッコロ・マキアヴェッリの有名な著作です。 権謀術数の限りを尽くし反道徳的であっても国の利益を守るという、確固たる意志で行なっていくという、崇高な姿勢のようでもあり、そうでないようで…

「逆転の大戦争史」オーナ・ハサウェイ、スコット・シャビーロ著

1928年に多くの国々が署名した不戦条約、いわゆるパリ不戦条約はその後の第二次世界大戦を防ぐことができなかったために、ほとんど評価されていません。 しかし、この条約以降は「戦争を起こすこと」が「違法」とされたのであり、その意味は大きなものです。…

「三国志名臣列伝 後漢編」宮城谷昌光著

中国古代を舞台とする宮城谷昌光さんの歴史小説は、最初は春秋戦国時代を題材としたものが多かったのですが、徐々に漢や三国時代へと幅を広げてきました。 中でも三国時代は三国志を始めとして多くのものが読まれており、宮城谷さんも三国志を直接扱ったもの…

「近現代日本を史料で読む」御厨貴編著

史料と言っても、ここで取り上げているのは政治家や軍人、官僚などの個人の日記や書簡といったものです。 期間は明治時代から昭和まで、大久保利通から楠田實(佐藤栄作秘書官)までの範囲です。 明治期から現代まで見ても、多くの人々が日記を書いており、…

「リンゴの歴史」エリカ・ジャニク著

リンゴは人類が最初に栽培した果樹とも言われています。 そのためか、古代の神話から現代にいたるまで頻繁に登場し、その重要性も確かなものです。 そのリンゴの歴史から現在の栽培状況まで、さまざまな視点から書かれています。 リンゴの原産地はカザフスタ…

「孔丘」宮城谷昌光著

孔丘とは儒教の始祖孔子の本名です。 通常は「孔先生」という意味の孔子としか呼ばれることはありませんが、それをあえて本名の丘を使ったところに宮城谷さんの意図もあると感じます。 漢の時代以降、儒教は多くの帝国の国教となり、その始祖である孔子は尊…

「戦国時代は何を残したか」笹本正治著

歴史好きという人にはかなりの比率で戦国時代が好きという人がいるようです。 有名な大名や武将のファンという人も多く、その合戦なども興味を集めます。 テレビでも戦国時代を題材としたドラマは繰り返し流されています。 しかし、武田信玄や上杉謙信が人気…

「反穀物の人類史」ジェームス・C・スコット著

人類が狩猟採集の時代から農業を始め定住し、やがて国を作って文明化していくという歴史のイメージというのは、やはり「文明という光が広がっていく」というものでしょう。 しかし、著者のスコット教授は人類の文明化初期の「国家」というものは人々を家畜の…

「『宗教』で読み解く世界史」宇山卓栄著

現在でも世界で起きる戦争や紛争の多くに宗教というものが関わっています。 歴史的にはさらに多くの例が見られるでしょう。 本書は「宗教学」について書かれているわけではなく、いわば「宗教地政学」とでも言うべき内容になっています。 本書序文には「宗教…

「ヴィクトリア朝の子どもたち」奥田実紀、ちばかおり著

イギリスのヴィクトリア朝といえば、ヴィクトリア女王が即位した1837年から亡くなる1901年までの64年間を指します。 日本でいえば江戸時代末期から明治時代前半にあたります。 イギリスでは産業革命による社会の変化がかなり進み、農村から都会へ…

「古代日中関係史」河上麻由子著

古代の歴史を振り返れば多くの人、文化、その他のものが中国から日本に渡ってきたのは間違いないことです。 その最初は大国にヘリ下り貴重な文物を下賜してもらったのでしょうが、いつの頃からか日本の国が隆盛に向かうとその関係も対等であることを目指した…

「敗北を抱きしめて 下」ジョン・ダワー著

太平洋戦争での日本の敗戦から、占領時代に何が起きたのか、豊富な資料と洞察力で明らかにしたダワーさんの「敗北を抱きしめて」上巻に続いて下巻も読みました。 上巻では、敗戦当時の人々の心情や生活などをまとめていましたが、この下巻では占領軍と天皇が…

「シルクロードをつなぐ昔話 中国のグリム童話」百田弥栄子著

ドイツのグリム兄弟が古代ゲルマンの民話や伝説をもとに童話集を刊行してから約200年経つそうです。 しかし、その中の有名な話とそっくりのものが中国各地の民話として残っているということはあまり知られていないようです。 本書著者の百田さんは長年にわた…

「再読:戦国時代の大誤解」鈴木眞哉著

戦国時代について多くの人々が持っている印象の多くは誤解だというこの本は、かなり以前に読んでいましたが、まだこのブログで書評を書き出した初期の頃で素っ気ないものでしたので、書き直してみます。 歴史好きという人は多く、その興味の向かう先は戦国時…

「敗北を抱きしめて 上」ジョン・ダワー著

先日読んだ「新現代歴史学の名著」という本の中で紹介されていたものです。 それに惹かれていつもの市立図書館の蔵書を調べたらあったので、借りてみました。 著者のダワー氏は1938年生まれのアメリカの歴史学者で、終戦時にはまだ7歳、終戦後の日本と…