爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

2013-10-01から1ヶ月間の記事一覧

食品表示 ホテルレストラン

予想通り、ホテルレストランなどの誤表示(偽装)事例が続出しています。テレビのレポーターなどの決まり文句「私達は何を信じれば良いのでしょうか」が連発されています。自分の舌を信じていればこんな問題は起こらなかったのですが。さて、当地の九州の片…

「江戸の病」氏家幹人著

医学研究者ではないようですが、歴史学者の氏家さんが江戸時代、ほとんど江戸近郊の病気・病死等の記録を集めたものです。死亡者の年齢・死因等をまとめた記録というのは色々と残っているようですが、肺病(結核)梅毒、流行病の死者が多いのには改めて圧倒…

「人はなぜグローバル経済の本質を見誤るのか」水野和夫著

水野さんの新刊、「終わりなき危機君はグローバリゼーションの真実を見たか」(2011年)を先に読んでしまったのですが、これはその4年前の本です。当時はまだ三菱UFJ証券在籍ということですが、その後大学教授に転身されています。 この本でも著者の主張は変…

「地名の社会学」今尾恵介著

民間で地名などの研究を進め、現在では日本地図センター客員研究員という今尾さんが書かれた地名をめぐる社会学的考察の本です。 自然地形から由来した地名では「はけ」または「はげ」と言う地名が数多くありますが、それぞれ様々な当て字がしてあるので、場…

読書週間

この1週間が読書週間とか。土曜の新聞には読書に関するアンケートの結果が載っていました。 月に読む本の数は平均1.9冊とか。 他の設問では、村上春樹の「色彩」百田尚樹の「海賊」を買ったかというのもありましたが、読んだというのは3−4%でほとんどが買…

食品表示問題

阪急阪神ホテル(面倒な名前になってますね)に続いてリッツカールトンでもと、食品の表示が実際と異なる(偽装というほどかどうかは問題ですが)事例が相次いで明らかになっていますが、少し前の三重の米穀業者は論外ですが、ホテルのレストランについては…

「司馬遼太郎の歴史観 その”朝鮮観”と”明治栄光論”を問う」中塚明著

歴史学者で奈良女子大名誉教授の中塚さんが、表題の通り司馬遼太郎の「坂の上の雲」などの作品に表れる”明治栄光論”について論じたものです。司馬遼太郎は昭和に入っての軍部のリードによる戦争突入の歴史については激しく批判しています。しかし、それ以前…

「風は山河より 第1巻」宮城谷昌光著

「夏姫春秋」で1991年に直木賞を受賞し、その後中国の春秋戦国期を中心とした題材で続けざまに小説を出版してきた宮城谷さんが日本の歴史小説として最初に手掛けたのがこの本です。 題材は戦国時代中期の東三河の豪族の菅沼家三代の定則、定村、定盈ですが、…

笑っていいとも 終了

昨日はたまたま昼食後に昼寝もせずにテレビを見ていたので、最後につるべさんが出てきて何かと思ったらあっさりとタモリが言っちゃったですね。 一部では大騒ぎになっているようですが、兆候はあったように思います。なにか最近タモリさんが静かなようで、お…

「ダブルトーン」梶尾真治著

梶尾さんの著書としては最近のもので、2010年より月刊誌に連載し、昨年単行本として出版されました。二人の女性の意識が交互に移り替わると言う出だしで、単なる旦那の浮気話になるのかと思っていましたが、実は二人の意識が同時ではなく数年のずれがあ…

「酒を楽しむ本」佐藤信著

これも昔読んだ本の再読です。 国税庁の鑑定官だった佐藤さんが書かれ、昭和39年に初版が出版された講談社ブルーバックスです。私が買ったのは昭和48年の第10版で、そこから考えると大学に入ってすぐかと思います。 してみると、まだ大学の学部・学科…

「史的検証竹島・独島」内藤正中・金柄烈著

読みました。

「日本国憲法の逆襲」佐高信編

評論家の佐高さんが、憲法改正論議が大きく沸き起こった2000年当時に雑誌「世界」でそのテーマで毎月対談したものをまとめたもので、対談相手には田原総一郎、河野義行、田中康夫、原田正純など、そうそうたる面々です。 現憲法に書いてあることすら守れ…

「食べる。」中村安希著

著者の中村さんはバックパッカーとして世界数十カ国を旅行され、その旅行記も出版されてかなり話題になっている方のようです。この本は、その旅行の中で食について特に印象的なものをまとめたものと思いますが、ほとんどが家庭での食べ物についての詳述です…

はごろもフーズシーチキンでヒスタミン中毒

ニュースでも流れましたが、はごろもフーズのシーチキンマイルドでヒスタミンが多く含まれているということで回収が始まったそうです。 FOOCOM.NET編集長の松永和紀さんがそれについて書いています。http://www.foocom.net/column/editor/10137/ まさにその…

「くる病」増加

テレビのニュースで忘れかけていたような病気の子供が増加しているということを聞きました。 「くる病」というと、ビタミンDが不足することでカルシウムの骨への沈着ができなくなるため、とくに幼児で足などの骨の発達が悪くなると言う病気ですが、栄養状態…

「イタリア遺聞」塩野七生著

これも塩野さんのエッセイ集で、1979年から3年間、雑誌「波」に連載されたものをまとめたものだそうです。 「現代」について書かれた部分ではすでに相当変化してしまった点もありますが、古代・中世について記された部分にはまったく劣化したものはあり…

「教えてください!!」オーケーウェブ選

ネットには質問解答サイトというのがあり、何か質問をするとそれを読んだ人が解答を寄せるということをしています。 いろいろなところでやっていますが、これはその中でオーケーウェブのサイトに寄せられた質問と解答の中から面白いものを集めたものです。 …

「正統と異端」堀米庸三著

以前に買って読んだ本の再読です。 東京大学名誉教授ですでに1975年に亡くなっている堀米先生ですが、この本は1964年(前の東京オリンピックの年です)に出版され、これは1981年の第18版になります。その頃に買ったとすると、私は就職して九州…

カンピロバクター食中毒は年間350万人

食品関係の情報が非常に詳しく出ているFOOCOM.NETで、編集長の松永和紀さんが紹介している研究報告で興味深い記事が出ていました。(http://www.foocom.net/column/editor/10097/) それによると、食中毒の中でもカンピロバクターによるものが、一応保健所…

「ゆきずりエマノン」梶尾真治著

生物が始まって以来のすべての記憶を受け継ぐというエマノンという女性の物語ですが、1979年の”おもいでエマノン”から始まり延々と書き続けられており、これは最近の発表作品を集めたものです。 すでにエマノンについては読者に熟知されているためか、エ…

教育論「学歴資格と職業資格」

読書記録の方にも書きますが、教育評論家の佐々木賢さんという方の本を読んでいますが、教育による資格付与に関して興味ある指摘がされています。 教育に関する規制緩和と言う形で、商業資本が教育産業に進出する動きが強まっていますが、所詮、金儲け目的で…

国公立大学入試2次学力試験廃止?

11日の報道によれば政府の教育再生会議とやらが標記提言をしたそうです。 知識偏重の学力試験は行わず、面接など他の選考方法をとのことですが、そんなの上手く行くのかという疑問が噴出しますね。入試科目をどんどん減らしていった私立大学の学生の質低下…

「教育と格差社会」佐々木賢著

教育評論家の佐々木さんの本ですが、経済のグローバル化という一見自然な流れのようで実はほとんどすべての世界の人々の生活を破壊してしまう動きに対して問題意識を強く持ち、特に教育の分野から大変な状況を告発しています。 その主張は間違いの無いことだ…

「さらば国策産業」安西巧著

日本経済新聞編集委員という安西さんが福島原発事故以降、激変した原発についていろいろとまとめたものです。 事故以降、ヨーロッパでも多くの国が原発廃止を決めていますが、日本ではまだはっきりとした決定がないままですが、とは言っても再稼動もできてい…

「かぐや姫の結婚」繁田信一著

神奈川大学日本常民文化研究所の特別研究員と言う繁田さんが、平安時代のお姫様の生涯について記したものです。 藤原道長の全盛期に、「かぐや姫」と世間から呼ばれていたお姫様が居たそうです。藤原千古(ちふる)といって、小野宮右大臣と呼ばれた藤原実資…

「失敗学実践講義」畑村洋太郎著

失敗学を広く知らしめたともいえる東京大学名誉教授の畑村先生が良く知られた失敗事例を使ってその要因を分析する方法の実例を示したものです。失敗を分析するのに、”失敗マンダラ”と名づけた分析図を利用していますが、原因・行動・結果のそれぞれについて…

「サロメの乳母の話」塩野七生著

歴史上の有名人を身近な者の目から見たらどうなるかと言う話です。 オデュッセウスの妻、サロメの乳母、ダンテの妻、聖フランチェスコの母など、ある程度は挿話なども知られている有名人ですが、身近なものに取ってみればどういう人だったのかということを想…

「この胸いっぱいの愛を」梶尾真治著

羽田発北九州行きの飛行機に乗り合わせた人の何人かが途中の記憶もないまま、ちょうど20年前の北九州に着きます。それぞれが心に何らかの後悔を抱えており、それがちょうどその時の門司にかかわりがあったという共通点がありました。 そういった人達がその後…

「物語 タイの歴史」柿崎一郎著

東京外国語大学でタイ語を専攻し、その後タイの研究を続けて現在は横浜市大の准教授の柿崎さんがタイの歴史を書かれた物です。ご本人もあとがきに書かれた様に、タイの通史と言うのは大きなテーマで、力不足と謙遜されていますが、それでも書いたのは、日本…