爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

生物

マイクロプラスチックの土壌と作物への影響、西尾道徳さんの「環境保全型農業レポート」より

土壌などを通して農業を研究しておられる、西尾道徳さんのレポートを時々拝見しているのですが、話題の「マイクロプラスチック」が土壌と作物に与える影響を調査した研究をまとめていたので見てみました。 lib.ruralnet.or.jp引用されている研究論文はドイツ…

「怖くて眠れなくなる植物学」稲垣栄洋著

植物と言うものは「怖くて眠れなくなる」ものでしょうか。 植物学者である著者は、以前に同じ出版社から「面白くて眠れなくなる植物学」という本を出したのですが、その続編として「怖くて眠れなくなる」を書いてくれと頼まれました。 本人も植物はそんなに…

新型コロナウイルスのワクチン開発には困難があるのかもしれない

新型コロナウイルスの制圧に向けて各国でワクチンと治療薬の開発が全力で進められていますが、そのワクチン開発の可能性について気になる指摘がされています。 獣医師でもある星良孝さんという方が書かれている記事が公開されていました。 コロナウイルスに…

「有機質液肥」っていったい何なの。

当方で購読している新聞は県内のみが営業範囲の地方紙なのですが、それに時々入ってくるのがその新聞社の別部署で作られていると思われる生活情報誌というものです。 いつもは他愛のない内容ながら、県内各地の観光案内やレストラン、パン屋の紹介など、地元…

「動物に『心』は必要か 擬人主義に立ち向かう」渡辺博著

心理学の世界の中では、動物にも人間のような「心」があるかのように研究を進める「擬人主義」という一群があります。 著者は心理学者としてそのような擬人主義とは相容れない立場からその歴史から説き起こし批判を加えます。 本書の序にもあるように、100年…

「ヒトがいまあるのはウイルスのおかげ!」武村政春著

ウイルス病の一種、新型コロナウイルス肺炎のせいで世界中が大変なことになっていますが、「ウイルス」というものを知っているという人は少ないのではないのでしょうか。 今さら「ウイルス学」を勉強したところで現在のウイルス肺炎禍に対処する仕方が変わる…

「人類の進化が病を生んだ」ジェレミー・テイラー著

人類が進化し、かつて苦しんだ病とはまったく異なる病にかかりやすくなっているようです。 よく「文明病」などと言うことがありますが、どうやらそれとは違って意味で現代の病の特徴と我々の進化とは関係しているようです。 著者のジェレミー・テイラーさん…

「美しい生物学講義」更科功著

副題には「若い読者に贈る 感動する生命のはなし」とあります。 もうまったく「若くはないが」と思いましたら、まえがきには「自分が若いと勝手に思っている読者に」だそうです。 安心して読み進められました。 著者の更科さんは「分子古生物学」がご専門と…

新型コロナウイルス、検査法についてちょっと一言知ったかぶり

横浜港で足止めされたままのクルーズ船で感染者が急増しており大きな問題となっていますが、乗客乗員がまだ3500人以上残っており、その人たちのウイルス検査をするかどうかでもめているようです。 ウイルス検査と言っても、インフルエンザのように簡易検…

トランプの押し売りトウモロコシの理由に使われた害虫が本当に流行のきざし

昨年のトランプ訪日の際にアメリカ産トウモロコシの大量な押し売り(その後希望業者がほとんど現れず単なる宣伝に終わりそう)が行われましたが、その際に理由付けに使われたトウモロコシの害虫が本当に流行しそうということです。 www.foocom.netFOOCOM.NET…

「世界の起源 人類を決定づけた地球の歴史」ルイス・ダートネル著

現在の人類の社会というものは、これまでの地球の歴史によりできあがっていると言えます。 それはどういうものなのか、非常に広い範囲の事柄を取り上げています。 著者のダートネルさんの専門は「宇宙生物学」 なにやら得体のしれない学問ですが、そこから見…

「あなたの体は9割が細菌 微生物の生態系が崩れはじめた」アランナ・コリン著

テレビではコマーシャルで「菌が、菌が」の大合唱が続いています。 それに脅されて除菌剤などで一所懸命に有害?微生物の駆除に励む人々がこの本を読んだら、自分が何をしてきたのかを唖然として見ることでしょう。 とはいえ、そういった人々が簡単に読んで…

「ヒトの脳にはクセがある 動物行動学的人間論」小林朋道著

「クセがある」という言葉は、「かなり偏った性質がある」という意味で使われますが、この本はまさにそういった意味で人間の脳の働きを解説しています。 人類が現生人類になってから20万年、それ以前の原人となってからは200万年以上が経ちますが、そのほと…

「ミトコンドリアと生きる」瀬名秀明、太田成男著

もうかなり前の話になりますが、1997年に映画「パラサイト・イヴ」が作られました。 ホラー映画という印象が強いのですが、これは本書著者の一人の瀬名秀明さんが書いた小説が原作となっており、その基本には「ミトコンドリア」という細胞内の一器官がありま…

「NATROMのブログ」より、「何も悪いことをしていなくても人々は病気になる」

内科医NATROMさんが書いているブログは、医学関係の話題でいつも参考にさせてもらっています。 今回の記事は「何も悪いことをしていなくても人々は病気になる」 どうしても原因と結果を考えてしまう人間の習性が間違ったものを生み出しているということです…

「ヴォイス・ケア・ブック 声を使うすべての人のために」ガーフィールド・デイヴィス、アンソニー・ヤーン著

何度もしつこく書いていますが、私のもう一つの趣味は合唱であり、素人集団ながら地元の合唱団で歌っています。 喉の痛みなど、声の悩みというものも、やはり気になります。 著者のお二人は、イギリスとアメリカで耳鼻咽喉科の医師として活躍され、特に歌手…

「健康になれない健康商品 なぜニセ情報はなくならないのか」佐藤健太郎著

著者の佐藤さんは医薬品メーカーで研究員を勤めた後、サイエンスライターとして活動しているそうです。 現代は「健康商品」というものが溢れています。 医療の水準は上がり、多くの人が長寿を全うすることができるようになりましたが、その反面特に高齢者の…

「菌が菌が」の大合唱で殺菌剤の売上は上がっているのか

会社勤めの頃には考えられなかったことですが、昼間からテレビを見ることが多くなりました。 その視聴者層は圧倒的に年寄りなのでしょうか、コマーシャルの対象もそういった人々向けのようで、その年頃の人々が好みそうな商品のものが多くなっています。 多…

「人間の本能 心にひそむ進化の過去」ロバート・ウィンストン著

「本能」と呼ばれるものがあります。 頭で考えることとは違うことをやってしまう場合、それは本能だと言われることがあります。 人類は数百万年も前に他の猿たちから別れてサバンナの草原に降り立ち、二足歩行をしながら進化を続けてきました。 しかし、その…

松永和紀さんが「ゲノム編集」について分かりやすく?解説

食品問題について詳しい解説をされる松永和紀さんが、「ゲノム編集」について説明されています。 president.jp 「ゲノム編集」技術は医療分野でも可能性が追求されていますが、食品分野では実用段階に近づいており、開発研究が進められています。 しかし、こ…

1160万年前にも巨大隕石衝突で生物絶滅

生物の大量絶滅は大きなものが5回あったと言われていますが、1160万年前にも鳥島付近に隕石が衝突し、生物の絶滅が起きたということが発表されました。 www.asahi.comそれまでの5回の大量絶滅ほどではないようですが、それでも当時の生物種の15%ほ…

「すごい進化 『一見すると不合理』の謎を解く」鈴木紀之著

進化と言っても、大きな変化を扱うものもありますが、昆虫と植物の関係だけを見ても変化しているという小さな?進化もあります。 例えば、有毒の生物に自分自身を似せて身体の構造を変化させてしまったということはしばしば見られることですが、その生物が意…

「もうすぐいなくなります 絶滅の生物学」池田清彦著

生物学者ですが、いろいろなところに顔を出して思い切った発言をしている池田さんですが、この本では本職の生物学について書いています。 地球に生命が誕生した38億年前から今までの間に、6回の大量絶滅があったそうです。 それは大隕石の衝突であったり、急…

「サピエンス異変」ヴァイパー・クリガン=リード著

現代人は腰痛、眼精疲労、坐骨神経痛などの病気に苦しんでいる人が多数です。 また、2型糖尿病は多くの患者を数え、それはすでに一つの社会問題となっています。 ホモ・サピエンスという、現生人類が種として確立されたのはおよそ30万年前と考えられてい…

サンマが不漁、でも外食産業では「生サンマ」が出されるわけ

サンマが不漁となりなかなか見ることもできません。 それについて、ダイアモンドオンラインで気になる記事が出ていました。 diamond.jp8月の漁獲量は1000tあまりと、例年の7分の1程度しかなく、価格も倍以上となっているそうです。 この理由については…

FOOCOM.NET専門家コラムより、白井洋一さんが「ゲノム編集技術 研究者・専門家にも欠ける基本知識」と題した記事

ゲノム編集技術を用いた食品などについて、その規制や表示などが議論されています。 私もこの技術については以前から着目し、できる範囲で紹介しようとしていました。 sohujojo.hatenablog.comしかし、どうも実際にどの程度のところまで行っているのか、どこ…

「近大マグロ配合飼料で飼育成功」でびっくりしたが、魚粉を使うのではまだまだ

近畿大学が養殖している「近大マグロ」が「配合飼料で飼育成功」というニュースが流れびっくりしました。 www.kindai.ac.jp マグロに限らず、他の魚種でも養殖と言うものの実際は生の魚を餌として与えている例が多いようです。 これでは、魚の資源を節約し持…

サンマ漁獲量制限の交渉で初めて量的制限に合意。とはいえ、まったく実効性のないもの。

北太平洋漁業委員会の年次会合で、資源減少が心配されるサンマの漁獲量を制限することで合意しました。 www.asahi.comこれまでは、主に中国の反対により漁獲枠設定には至らなかったのですが、ようやく枠が決まったということです。 しかし、その漁獲枠がなん…

「終わっている臓器」坂井建雄監修

人間の身体というものは、不思議なほど精密に作られたようなもので、人体には無駄な部分など一つもないように思えます。 しかし、よく見てみるとなんとも残念と思えるような不都合なものが数々あるようです。 これは、地球上に最初に生まれた脊椎動物から人…

人工孵化させたウナギ稚魚が成魚に、完全養殖に進めるか。

「人工孵化させたウナギ稚魚が成魚に育った」という記事が出ていました。 こういった記事は、ともすれば誇張されて書かれていることもあり、実際はまだ関門が多いということもあるのですが、今回は確かな情報のようです。 www.nikkei.com この件については、…