爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

生物

誤った安心感を与える「人工酵母で雑草からエタノール」

MITの研究者たちが雑草のセルロースをエタノールに変える人工酵母を開発し、バイオエタノール製造に進んで行くそうです。 fabcross.jp 記事中にもあるように、現在のバイオエタノールと称するものはおもにトウモロコシを原料に作られていますので、食料と競…

「人間の本質にせまる科学 自然人類学の挑戦」井原康雄、梅崎昌裕、米田穫編

人類学といえば日本では「文化人類学」の方が盛んなのですが、自然人類学も広い範囲の学問領域であり、研究が進められています。 この本は、その自然人類学の概要をとらえることができるように、各分野の専門家がそれぞれの領域をコンパクトに解説し、その結…

新型コロナウイルスの免疫は感染者よりワクチン接種の方が強い?忽那賢志さんの記事より。

ウイルスや細菌の感染症に対し、感染して回復した人は免疫を獲得することが知られています。 それに倣って開発されてきたのがワクチンです。 水ぼうそうや風疹には一度罹って回復すれば一生免疫によって守られることが判っていますが、一方インフルエンザな…

「飼いならす 世界を変えた10種の動植物」アリス・ロバーツ著

人類は農耕と牧畜を始めたことで地球上のすみずみまでも広がるほど繁栄することができました。 そこには多くの生物の中から農耕と牧畜に適した種を選び、それを飼いならしてきたという歴史が存在します。 この本ではそのような観点から「ヒトに飼いならされ…

コロナウイルス変異株はどこへ行くのか。

インドで変異したと言われるコロナウイルス変異株、デルタ株というのが感染力が非常に強いということで、流行のウイルス株がどんどんデルタに置き換わっているということです。 このため、日本では爆発的感染増加が起きそうな状況ですが、いったんはほぼ制圧…

オリンピックにおける性別判定の話。テストステロン濃度

リスク学者永井孝志さんの、「リスクと共により良く生きるための基礎知識」は永井さんが夏休みということで通常のリスクに関する話もお休みなのですが、それに代わってちょうどオリンピック開催中ということで、オリンピックにおける出場選手の性別判断とい…

「分かちあう心の進化」松沢哲郎著

著者の松沢さんは、京都大学霊長類研究所で長くチンパンジーのアイをパートナーとした研究、アイ・プロジェクトを続けていますが、それは「比較認知科学」という学問の一つの方法であり、チンパンジーの心の動きを見ることにより人間の心理というものも分か…

「〈正義〉の生物学」山田俊弘著

〈正義〉の生物学などと、ちょっと意味がわからないような題名だったのですが、実はこれがこの本の内容を正確に描写しているものでした。 しかしそれが分かるのが最後まで読んでからということでした。 扱われている内容は本書副題を見ればすぐに理解できま…

なぜ変異ウイルスは感染力が強いのか

新型コロナウイルスの変異株が次々と現れ、いずれも感染力が強くなっているということでこれまでのものに置き換わっています。 なぜそんな都合の良い変異株が出来て来るのか、不思議に感じる方も居るかもしれません。 その辺の事情を少し、分かりやすく?説…

「話を聞かない男、地図が読めない女」アラン・ビーズ、バーバラ・ビーズ著

もうかなり前の本ですが、出版当時には世界的に話題になったものです。 取っつきやすい、一般受けの書名のように見えますが、実はこの内容を極めて学術的に、しかし語り口は易しく書いています。 今ではさらに激しくなっていますが、欧米ではこの本の出版の2…

「ときめく微生物図鑑」鏡味麻衣子監修、塩野正道・塩野暁子写真

生物界の圧倒的多数は微生物なのですが、それについての認識は少ないようです。 微生物と言っても古細菌、細菌からカビやキノコといった真菌類、そして藻類と様々ですが、その広い範囲の微生物を非常にきれいな写真と共に紹介しています。 特に、藻類の写真…

「目的に合わない進化 上」アダム・ハート著

人も動物としての進化を重ね現在の状況になっているのですが、ここ1万年あまりの急激な社会の変化でせっかく進化で取得した形質が役に立たなくなっているようです。 こういった趣旨の本はこれまでにも読みましたが、この本も昆虫学者にして一般向けの生物に…

「きみの脳はなぜ『愚かな選択』をしてしまうのか」ダグラス・T・ケンリック、ヴラダス・グリスケヴィシウス著

人は意思を決定する際、合理的に考えるということを前提としていた古典経済学は間違っており、結構いい加減な決定をしているというのが行動経済学の考察ですが、実はその「いい加減」に見えるような決定過程は、人間の「生物としての進化」によって影響され…

「ヒトはなぜ、夢を見るのか」北浜邦夫著

なにしろ、「夢の話」といったコーナーをブログにも設けているほどですので、夢についてはかなり興味があります。 この本は、高校生の頃に瀕死の状況に陥いった時にまさかのような夢を見て生き返ったという経験から「意識と夢」についての研究を志し、脳生理…

「世界を変えた 微生物と感染症」左巻健男編著

今まさに、感染症が世界中を覆っているようですが、人類の歴史というものは感染症とともに存在していたようなものです。 この本は2020年8月出版ですので、新型コロナウイルスについての記述も含まれていますが、それだけではなく他の多くの感染症についても…

「遺伝子の川」リチャード・ドーキンス著

「利己的な遺伝子」で良く知られるドーキンスですが、その出版の直後に続けて書かれたのがこの「遺伝子の川」です。 1995年の出版ですが、文庫版としては2014年になって発行されました。 文庫版あとがきとして、訳者の垂水雄二さんが「内容は古びていない」…

「人類はなぜ短期間で進化できたのか」杉春夫著

図書館の生物関係の書籍を置く棚にあったので、生物学の本だと思ったのですが、どうもそれだけではなかったようです。 副題にあるように「ラマルク説で読み解く」と、獲得形質遺伝説(要不要説)を唱えたラマルクの学説による進化論も含まれているのですが、…

ウイルスの変異株とは

コロナウイルスの感染拡大が抑えられるかどうか問題となっているところに、各種のウイルス変異株が検出されたということで、報道も加熱しているようです。 ウイルスの変異株ということについてまとめておきましょう。 ウイルスに限らず、すべての生物には変…

「感染源 防御不能のパンデミックを追う」ソニア・シャー著

「パンデミック」という言葉は今では誰でも知っているでしょう。 しかし、感染病というものはこれまでも人類に繰り返し襲い掛かり苦しめてきました。 その歴史を振り返り、実際にどういうことが起きたのかを思い出させてくれる本です。 もちろん本書は2016年…

「嗅覚はどう進化してきたか」新村芳人著

「匂い」を感じるとはどういうことなのか。 その機能を研究していくと不思議な生物の働きが分ってきます。 香料というものは、人類の文化が生まれた当初から重要な働きをしていました。 イエスが産まれた時に東方からやってきた三賢人は黄金・乳香・没薬の贈…

PCR検査法に疑惑、賀茂川耕助さんのブログより。

賀茂川耕助さんのブログの最新記事に現在Covid-19(新型コロナウイルス)検査の標準法となっているPCR検査法についての疑惑が書かれていました。 kamogawakosuke.info 賀茂川さんのことですから事実関係に間違いはないと思いますので、すべての裏付けを取る…

「『先送り』は生物学的に正しい」宮竹貴久著

著者の宮竹さんは進化生物学者ですが、大学院終了後沖縄県庁に入りそこで10年以上働いた後に大学に戻り研究生活に入ったということで、俗世間のことにも通じているのでしょうか。 進化生物学とは、色々な生物の行動や生態などが進化の必然性で説明がつくと…

兵庫県赤穂市の飲食店で出された魚料理で「パリトキシン」中毒発生

赤穂市の飲食店で「紋クエ料理」として出された魚料理で、8人の人が食中毒となったそうです。 www.kobe-np.co.jpこの魚には猛毒の「パリトキシン」という物質が含まれていた模様です。 パリトキシンとは下記ウィキペディアの記述によれば、非ペプチド系の毒…

「その〈脳科学〉にご用心」サリー・サテル、スコット・リリエンフェルド著

脳科学という分野が脚光を浴びています。 平常な状態でも脳の活動状況が測定できるという、fMRI(機能的磁気共鳴画像法)が開発され、それで画像化された脳の映像は誰でも見たことがあるかもしれません。 何らかの刺激とそれに対応する脳の画像を解析するこ…

COVID-19ワクチンはいつ供給できるのか、トランプとCDCで全く違う意見

世界各国で新型コロナウイルス(COVID-19)に対するワクチンの開発が進められていますが、アメリカではトランプ大統領がこの先3-4週間で供給できると言明したのに対し、CDC(アメリカ疾病センター)のレッドフィールド所長は国民への提供は来年半ば以降であ…

「ビジュアル パンデミック・マップ」サンドラ・ヘンペル著

今回のコロナウイルス感染の広がりも世界に大きな影響を与えていますが、人類の歴史ではこれまでにも何度も社会を揺るがすような感染症の広がり、パンデミックというものが起きていました。 そのパンデミックを記した書物は数多いのですが、本書の目新しいと…

もうすでに免疫は獲得されているのか、コロナウイルスの現状は

コロナウイルス感染はかなりの広がりを見せましたが、ここにきてややその勢いが落ちているかのようです。 この状況について、特に日本ではすでに免疫が獲得されているのではと唱える人も出ています。 「国際ニュース解説」の田中宇さんも、さすがに抗体検査…

「人類の祖先はヨーロッパで進化した」デイヴィッド・R・ビガン著

類人猿の祖先はアフリカでサルの仲間から分離して進化し、3000万年ほど前には独立しました。 その後さまざまな種が出現しましたが、その多くはアフリカで発見されています。 ただし、1300万年から1000万年前の間の類人猿の化石はアフリカから見つかっていま…

熊など野生動物の被害相次ぐ。山に食料が乏しいのかも。

長野県のキャンプ場などで熊が食べ物をあさりに出没、人が襲われるという事件が発生しています。 www.shinmai.co.jp 先日は三重県でサルが群れで町に出没と言うニュースも流れていました。 どうやら、長く続いた雨の影響で山の中の食料が乏しくなってしまっ…

現在日本で感染拡大しているコロナウイルスは変異型?

さて、非常に困った話です。 現在日本で感染拡大しているコロナウイルスは、変異型で6月ごろに出現しその後全国に広がっているということです。 www.yomiuri.co.jpどの程度の変異か分かりませんが、その度合によっては従来のウイルス用に作られたワクチンが…