爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

生物

小林製薬の紅麹サプリ事件、原因は本当にプベルル酸なのか。

小林製薬の紅麹サプリを食べて腎臓疾患となり死亡者まで出たという事件で、その原因物質が青カビがつくる「プベルル酸」という物質ではないかという話が、やや唐突に出てきましたが、今のところそれを疑うといったものはあまり出てこないようです。 私も一応…

「進化が同性愛を用意した」坂口菊恵著

LGBTなどと言って同性愛者などを認める動きが強まっていますが、これはあくまでも人間の多様性を許容し人権を守るということから出てきたことでしょう。 しかし、どうやら同性愛というものは広く生物の中には分布しているもののようです。 そういった観点か…

「眠りがもたらす奇怪な出来事」ガイ・レシュジナー著

睡眠について悩みを持っている人はかなりの数になるかもしれません。 しかし、多少の不眠などはこの本の睡眠障害の実例を見ていくと些細な出来事のように思えてしまいます。 著者のガイ・レシュジナーさんはイギリスの神経科学者で、臨床医でもあります。 睡…

ナノプラスチックを血液の中から検出

我が家の購読新聞、熊本日日新聞で21日付けの紙面の1面に大きく掲載されていた記事が以下のものです。 news.yahoo.co.jpごく微量のようなので、問題は分析技術次第だと思います。 記事中にもあるようにオランダの研究グループの例がすでに発表されているよ…

フリーラジカルも悪いばかりではない。抗酸化物質の摂りすぎも悪影響。

「フリーラジカル」といえば体の中でガンの原因となったり老化を進めたりと悪いばかりのように言われています。 フリーラジカルを抑制する効果があるとされているのが、抗酸化性物質でこれを含むと言われるサプリメントを摂取することが健康のためのように言…

「ホルモン全史」R・H・エプスタイン著

今はホルモンという言葉は広く知られており、またオキシトシンだのテストステロンなどといったホルモンの名称も聞いたことがある人は多いと思います。 しかしそのようなホルモンという物質が人体の働きを左右するような重要な役割を果たしているということは…

「『協力』の生命全史」二コラ・ライハニ著

人類という生物は「協力」をするものであり、その度合いは近い種である類人猿と比べてもはるかに多いものです。 それが他の種をはるかに超えた人類の繁栄につながったとも言えます。 ただし、他の生物種を見てみるとさらに協力するものも見られます。 そうい…

「『人間とは何か』はすべて脳が教えてくれる」カーヤ・ノーデンゲン著

昔の人は人間の思考というものが心臓で行われていると考えていたようですが、現代ではそれが脳であることを疑うものはいません。 しかし脳の働きということはそれほど理解されていないことなのかもしれません。 この本ではノルウェーの神経科学者の著者が分…

「運動しても痩せないのはなぜか」ハーマン・ポンツァー著

太りすぎを何とかしようとして運動してもあまり効果が無いと言われます。 その理由がよく分からなかったのですが、この本では代謝学の最新の情報でそれを解説してくれます。 そこではこれまでの「運動すれば痩せる、食べ過ぎると太る」といった直感的な感覚…

「おとなのための動物行動学入門」今福道夫著

人間には知恵があり、それで行動していると考えられるかもしれませんが、実際には本能に左右されていることが多いのでしょう。 だからこそ動物の行動を調べる動物行動学の成果を見ていくと人間の行動が分かりやすいということがあるようです。 本書は動物行…

中国北部で増加の呼吸器疾患はインフルエンザか。

中国北部で呼吸器疾患の患者が急増しているということで、新たなコロナウイルスかともいわれていましたが、どうやらインフルエンザが多いようです。 www3.nhk.or.jpなお、インフルエンザ以外にもライノウイルス、マイコプラズマなどによる肺炎も増えていると…

「生き物たちよ、なんでそうなった!?」五十嵐杏南著

生物の中には「どうしてそんな恰好なの」と言いたくなるようなものがあります。 だいたい、そもそも人間というものが体毛がほとんどなくなり直立二足で歩き回るという変な動物ですし、やたら動きの遅いナマケモノ、卵で生まれるカモノハシ、首の長いキリンや…

「ドードーをめぐる堂々めぐり」川端裕人著

ドードーといえば最も有名な絶滅鳥とも言われています。 インド洋の孤島モーリシャス島にのみ生息していたのですが、ヨーロッパ人が上陸し発見されてからわずか後には絶滅してしまいました。 その間、わずかな観察例がありまた数羽が捕獲されヨーロッパやイ…

カマキリを操るハリガネムシの遺伝子の由来は、理化学研究所の発表より。

カマキリに寄生してその行動をコントロールするハリガネムシという寄生生物が知られています。 そのハリガネムシの遺伝子を解析したところ、寄生されるカマキリに由来する遺伝子が多く含まれていてそれで行動制御が可能となっているという話です。 www.riken…

「毛の人類史」カート・ステン著

著者のステン博士は医学部で病理学や皮膚科学を研究してきて、特に毛包の研究を専門に行ってきました。 しかしこの本ではそういった方向だけでなく「毛」について社会的、文化的な方向からも考察を加えています。 最初はやはり生物学的、医学的にみた毛とい…

「超耐性菌」マット・マッカーシー著

人類は長く苦しめられてきた微生物による感染症に対し効果のある抗生物質というものを手にして感染症には勝利したかのように見えました。 しかしすぐに抗生物質は効かなくなりました。 耐性菌というものが出現しいくら抗生物質の投与を続けても効果がありま…

線虫がん検査の疑惑、NATROMさんも言及

ごく小さい生物の線虫の一種が癌患者の尿の臭いを好むという話は前から聞いていました。 それを癌患者のスクリーニングに使おうという動きもあり、それを受注して実施するという会社もその研究を行なってきた人が中心となって作られ、業務を開始しています。…

「多様性の維持」は絶対正義なのか。

よく見ているテレビ番組に「所さんの目がテン」というものがあります。 日本テレビ系の日曜朝の番組で、科学というものを主題として様々なテーマを取り上げています。 その姿勢は中々しっかりとしたもので、少し前ですが「レタスの睡眠誘導効果」ということ…

「セレンゲティ・ルール 生命はいかに調節されるか」ショーン・B・キャロル著

セレンゲティとはタンザニアの国立公園で、火山のカルデラの中にあるために他との行き来が難しくそこの独自の生態系が維持されています。 そこでは食物連鎖の系統が形成され有機物を分解する菌類や昆虫、日光で光合成する植物、植物を食べる草食動物、草食動…

「食糧と人類 飢餓を克服した大増産の文明史」ルース・ドフリース著

人類がたどってきた道はその根本に食糧をどうやって得てきたかということと関わっています。 この数百年に人口が爆発的に増加しているのもそれを支えるだけの食糧生産があってこそのことです。 しかし何を食べていくかということはそれをどうやって得るかと…

時間感覚の異常。あまりにも刹那的なこと。

利益は四半期や半年でしか見えず、5年計画などと言えばもう長期計画。 10年も続けばそれは「持続的」などと言うあまりにも刹那的な時間感覚しか持てないのが現代人でしょうが、それが気候変動や気象災害と言ったところにも広がっているのでしょうか。 ここ数…

「孤独な子育て」が問題化。人類の特徴を失った結果。

特に都会に多いのでしょうか、夫婦だけの世帯で子育ては事実上母親だけに押し付けられ、孤独感によって追い詰められるという事態が多いということです。 select.mamastar.jp 旦那も頼りにならないといったことが上記記事では語られていますが、ほとんどの場…

「40℃超えの日本列島でヒトは生きていけるのか」永島計著

気温が上がっているのは間違いないようで連日のように猛暑日だという話が続いています。 熱中症で救急搬送をされたとか、何人亡くなったといったニュースも続いていますが、このように猛暑となった日本列島で本当にヒトが生きていけるのだろうか。 著者の永…

AF2(フリルフロマイド)は悪の添加物だったのか。

AF2といえばかつて豆腐や魚肉ソーセージなどにも殺菌料として使われていた添加物ですが、発がん性があるとして使用禁止となりました。 しかしその発がん性を確認した試験には多くの疑問があったという報告があったそうです。 FOOCOM.NETで斎藤勲さんが紹介し…

アルツハイマー病治療薬「レカネマブ」承認、しかし課題は多そう。

エーザイなどが開発していたアルツハイマー型認知症治療薬の「レカネマブ」が承認されました。 mainichi.jpアルツハイマー病の原因に直接働きかける薬は初めてですが、その問題点はかなり多いようです。 この薬はアルツハイマー病の原因とも言える脳内に溜ま…

「超圧縮地球生物全史」ヘンリー・ジー著

訳者あとがきに翻訳者の竹内薫さんが書いているように、「最初に原書を手にした時にずいぶんと無謀な試みだなと驚いた。なにしろ38億年にわたる地球生命の誕生から絶滅(?)までをわずか200ページ(原著)で書くのだから」 という本です。 地球誕生の直後と…

「オンライン脳」川島隆太著

コロナ禍を契機に仕事をオンラインでこなすということが普通のようになってきました。 緊急事態だとはいえ、まったくオフィスに顔を出すことなく仕事をしているということが多くの人で実現してしまいました。 ただし、それが人間の脳の働きにどのような作用…

新型コロナウイルス、さらに新しい変異株がアメリカで広がっている

日本では新型コロナウイルス(もういい加減に”新型”は止めたら)のオミクロン株XBBという変異株が広がっており、この株では昨年流行したBA-5型の免疫があまり効かないらしいということで再感染の危険性もあるようです。 しかしアメリカではさらに変異株のEG.…

「物語 遺伝学の歴史」平野博之著

親がいて子が生まれるということは昔から分かっていたことでしょうが、子どもはどうも親に似ているといったことから遺伝ということが考えられました。 しかしその遺伝というものがどのように作用しているか、これは難題でした。 多くの科学者がその難題に挑…

「意識の川をゆく 脳神経科医が探る『心』の起源」オリヴァー・サックス著

著者のオリヴァー・サックスさんは、脳神経科の医師で多くの患者を診察してきましたが、その症例を小説として書くということもしてきました。 「レナードの朝」や「妻を帽子と間違えた男」はかなり有名なもので、映画化などもされています。 2015年に82歳で…