爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

2016-11-01から1ヶ月間の記事一覧

「日本はなぜ開戦に踏み切ったか」森山優著

著者は歴史学者で特に日本の近現代史のなかでも太平洋戦争の開戦に至る経緯というものを一番の研究対象としてきたという、この時代の日本の政治、軍部等についての専門家です。 1941年12月8日、日本軍はイギリス領マレーシアのコタバルに上陸して戦闘…

「脱グローバル化が日本経済を大復活させる」三橋貴明著

どうもこの方の本はアクが強すぎて読んでいると悪酔いしそうな気分になるのですが、題名に惹きつけられて手に取ってしまいます。 三橋さんの著書は多数出ていますが、これらを読む読者層というのは、推定ですが大学は一応卒業して就職してサラリーマン、政治…

「教養としての宗教入門」中村圭志著

中東などでの武力衝突が宗教対立と言った観点から捉えられたりすることが多くなり、イスラム教とキリスト教の違いと言ったものに関心を持たれる方も多いかもしれません。 また、日本人は一般的に「無宗教」と言われることがありますが、一方では毎年の初詣は…

やはりドゥテルテは曲者 勝川俊雄さんが指摘

水産資源の状況について見るべき意見が多い、東京海洋大学の勝川俊雄さんのサイトで、フィリピンのドゥテルテ大統領が南シナ海の領有問題に妙手を出したと報じています。 katukawa.com ドゥテルテ大統領は訪中時の発言などは大々的に報じられたものの、その…

”賀茂川耕助のブログ”を読んで No.1168 米ロの対立劇化

トランプ次期大統領がプーチンロシア大統領とエールの送り合いをしているなどという他愛もないことは報道されていますが、本当は現在は米ロ関係は最悪というのが賀茂川さんの指摘です。 kamogawakosuke.info 欧米や日本の報道機関はロシアの軍備増強がその原…

「アメリカよ、美しく年をとれ」猿谷要著

著者は1923年生まれ、戦争中に旧制高校、敗戦直後に大学に進み英語を専攻し、その後アメリカに渡り調査研究をされたそうです。 「アメリカかぶれ」のアメリカ礼賛かと思って読み出したのですが、実はこの方はアメリカにおける黒人やネイティブアメリカン(イ…

「拉致被害者を見殺しにした安倍晋三と冷血な面々」蓮池透著

なんとも刺激的な題名ですが、著者はあの北朝鮮拉致事件の被害者で2002年に小泉純一郎の北朝鮮訪問と平壌宣言のあと帰国した蓮池薫さんの実兄です。 本書はその拉致被害者家族としてのこれまでの経験、そしてそれをめぐる政治家や官僚たちの動きなどを記して…

熊本県八代市 妙見祭神幸行列見てきました。

全国33箇所の祭礼とともにユネスコ無形文化遺産に登録が確実となったということで話題にもなっている、八代市妙見宮(八代神社)の神幸行列が23日朝7時30分よりスタート、半日をかけて塩屋八幡より八代神社までのコースをたどる大祭が行われました。 朝から…

FOOCOM.NET 松永編集長が、機能性表示食品の取り下げについて語る

FOOCOM.NET専門家コラムにおいて、松永和紀さんが今年より開始された機能性表示食品制度により表示された食品の中でも問題の大きかった「北の国から届いたブルーベリー」(八幡物産㈱)が消費者庁への届け出を取り下げるという記事を書いています。 www.fooc…

「名字と日本人 先祖からのメッセージ」武光誠著

武光さんの本は以前にも読んだことがありますが、歴史のいろいろな話題を並べてあるといったもので、「歴史観が通説通りで面白味がない」などと失礼なことを書いてしまいました。 sohujojo.hatenablog.com しかし、この本の内容はどうも武光さんの歴史学研究…

「アベノミクス崩壊 その原因を問う」牧野富夫編著

編著者の牧野さんは日本大学名誉教授にして労働総合研究所顧問、したがって、全労連の思想と共通のものが多いのでしょう。 本書はアベノミクスと呼ばれる安倍政権の経済政策などがほぼ崩壊に直面しているとしてその原因を論じるというものです。 牧野さん他…

「考えないヒト ケータイ依存で退化した日本人」正高信男著

正高信男さんはサルの行動学研究が専門で執筆当時は京都大学霊長類研究所の教授だった方ですが、そこから現代の日本人の行動についても類推し、2003年には「ケータイを持ったサル」という本を出版しかなりの話題となりました。 本書はその直後、2005…

夢の話「原付で東京から茅ヶ崎まで」

本日未明に見た夢は表題通り「原付バイクで東京から神奈川県茅ヶ崎まで走る」というものです。 とはいえ、出発地でウロウロしている間に冷えてきたもんだからトイレに行きたくなって目が覚めたのでそれ以上の展開はありませんでした。 今はもうまったく乗る…

最近ゲームサイトによく出てくるうっとうしいダイエット広告

毎日必ず遊んでいるゲームのサイトで、最近頻繁に表示されているダイエットの広告があります。非常にうっとうしく感じられるCMです。 その惹句に曰く、「1週間で6kg痩せた人もいる生酵素ダイエット」だそうです。 触るのも穢らわしい感じがしますので、これ…

「古代日本の気候と人びと」吉野正敏著

温暖化の影響ということが過度なほどに言われていますが、これまでも大きな気候変動は何度も起きています。 しかし、著者の筑波大学名誉教授の吉野さんによれば、歴史学者たちが歴史を研究するに際しては史実の解明・解釈において気候条件にまったく触れてい…

FOOCOM.NET専門家コラム 児林聡美さんの「感謝されないお医者さんとの出会い」

FOOCOM.NETに書かれている、東大の栄養疫学の研究者、児林聡美さんの今回の記事は栄養疫学というものに進もうとしたその契機について振り返られているもので、出会いとそれによる進路変更というものについて考えさせられます。 www.foocom.net 児林さんは大…

TPP審議特別国会なんていう番組を嫌々ながら見てしまった

月1回病院に通って薬を貰っているのですが、ちょうど昨日行ってきました。 病院の待合室ではテレビが映されているのですが、いつもの民放の他愛ない番組ではなく、なぜかNHKの国会中継が流れていました。 しかもなぜか昨日は先客が多く、しばらくのあいだ見…

「日本の真実 安倍政権に危うさを感じる人のための十一章」植草一秀著

植草さんの名前はスキャンダルで以前拝見しました。 痴漢事件の容疑者被告として報道され大きな話題となったものですが、そのときにはどのような活動をしている方かということを知らなかったのでその意味も不明でした。 しかし、本書のような著作を読むと非…

トランプ大統領のアメリカと日本の現状

実際にトランプが大統領選挙で当選という事態に至り、狼狽していると言える状態なのが日本の政府や経済界、マスコミです。 これまでの彼の言動からアメリカが保護主義に陥り、世界経済への悪影響を危ぶむと言ったところが大体の反応でしょうか。 business.ni…

「”地球のからくり”に挑む」大河内直彦著

著者は地球科学専門ですが、その中でも特に生物関連が主のようです。 地球温暖化といった地球環境について話題が尽きないようですが、それは実は生物の活動と大きな関わりを持っています。 そもそも石油や石炭といった化石燃料も生物活動の結果生まれたもの…

「周 理想化された古代王朝」佐藤伸弥著

中国古代の周王朝は紀元前11世紀後半(年代は諸説あり)に殷(商)王朝を倒して建国し、およそ800年後の紀元前256年に滅びました。 紀元前771年までの前半を「西周」と呼び、それ以降を「東周」と呼びます。 さらに東周時代を春秋時代と戦国時代に分けるのが…

「日本まじない食図鑑」吉野りり花著

日本には五穀豊穣や大漁祈願、家内安全、厄除け、病気平癒などを願って食べ物を頂くという祭りが数多くあるようです。 著者の吉野さんはこういった「まじない食」というものが大好きなフリーライターということで、全国どこかにこういった祭があると聞くと出…

トランプがアメリカ大統領選を制す 世界はさらに流動的に

もしやと思っていたのですが、実際にトランプが大統領選を制してしまいました。 まあクリントン優勢の情勢分析と言ってもほんの数%でしかなく、アメリカも日本同様世論調査の精度は落ちている状況ですから、それほどの驚きはありませんでした。 しかし、そ…

渡辺宏さんの「安心?!食べ物情報」でジャガイモ食中毒は学校が大半との記事

昔から参考にさせて頂いている、渡辺宏さんが毎週記事を書かれている「安心?!食べ物情報」の今週号では「ジャガイモ食中毒は学校が大半」と書かれていました。 http://food.kenji.ne.jp/review/review887.html ジャガイモの芽や日光の当たった皮にはソラニ…

”賀茂川耕助のブログ”を読んで No.1166 どうなる米大統領選

いよいよ投票が迫っているアメリカ大統領選についての賀茂川耕助さんのブログです。 kamogawakosuke.info 報道でも両候補の支持は拮抗しておりどちらに転ぶか予断を許さない状況のようです。 賀茂川さんの指摘のように、トランプ候補はその過激発言などのマ…

「名城と合戦の日本史」小和田哲男著

日本中世史研究の第一人者という著者が、戦国時代の合戦、特に城の攻防の戦いを紹介しているものですが、有名なものばかりでなく各地方のあまり知られていないものまで取り上げています。 戦国時代と言えば信長、秀吉、家康といった天下統一を中心として武田…

「脱成長のとき 人間らしい時間をとりもどすために」セルジュ・ラトゥーシュ、ディティエ・アルバシェス著

脱成長ということを主張しているラトゥーシュは以前に一冊読んだことがありますが、それはかなり難解なものでした。 sohujojo.hatenablog.com 今回の本は教え子のアルバシェスと共著となっているためか、かなり分かりやすく書かれているように感じます。(実…

「日本の大問題”10年後”を考える 本と新聞の大学講義録」モデレーター 一色清、姜尚中

朝日新聞社と集英社が共同で開催した「本を新聞の大学」という公開セミナーの、第3回目、2014年の「10年後を考える」という統一テーマでの講義録です。 モデレータとして、朝日新聞の一色清氏と東大名誉教授の姜尚中氏の2人が登場し、全部で8回の講…

「科学の落し穴 ウソでもないがホントでもない」池内了著

著者はもともとは天文学者・宇宙物理学者ですが、その後の活躍は科学哲学や科学教育といった分野に移ったようです。 また、疑似科学の批判もされています。 本書は科学というものについてあちこちに書いたエッセイをまとめたものです。 中日新聞や「グラフィ…

「つながり進化論 ネット世代はなぜリア充を求めるのか」小川克彦著

著者の小川さんは旧電電公社に入社、研究職を勤めその後慶応大学の環境情報学部に移られたそうです。 言わば、電話を通したコミュニケーションの専門家ということでしょうか。 この本は2011年3月の発行ですので、まだスマホはそこまで普及はしておらず…