爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

2015-12-01から1ヶ月間の記事一覧

東京オリンピックへのドタバタ劇と不安

今年は2020年の東京オリンピックに向けて準備が進むのかと思ったら次々とドタバタ劇が繰り広げられました。 新国立競技場は建設費が莫大になるということでプラン変更、何とか次の計画が決定はしました。 エンブレムも盗作疑惑が持ち上がり再度公募で決…

まだまだ猛威を振るう特殊詐欺(振り込め詐欺)

家内が娘夫婦を駅まで送って行ったのですが、いかにも帰省家族を見送りという風に見えたのか、チラシを配っていた警察官がすぐに寄ってきて、「特殊詐欺警戒」というチラシを渡されたそうです。 一昔前の「オレオレ詐欺」からは今もどんどんレベルアップして…

「食の歴史と日本人 もったいないはなぜ生まれたか」川島博之著

「もったいない」と言う言葉は英語などには訳せないということで、英語でもそのまま「MOTTAINAI」として紹介されるなどの動きがあり、他にも紹介しているようにエネルギー減耗について議論している「もったいない学会」というものもあります。 この「もった…

「西南戦争 西郷隆盛と日本最後の内戦」小川原正道著

西南戦争は本書題名の通り日本最後の内戦と呼ばれている大きな反乱でした。 鹿児島で挙兵し陸路を北上して当時の熊本鎮台、熊本城での攻防戦と田原坂の戦いが有名ですが、いずれも南九州一帯が舞台であり私の現住所付近でも様々な跡地が残っています。熊本城…

「趣味の焼酎つくり」高千穂辰太郎著

日本では酒税法の規定上、市販の焼酎などを使って浸漬する果実酒以外の自家での酒類製造は禁じられていますが、この本はそれに真っ向から逆らい家庭での焼酎造りの方法を記したものとなっています。 著者は宮崎出身の「高千穂」さんということですが、偽名か…

「老後の生活破綻 身近に潜むリスクと解決策」西垣千春著

高齢者が生活困難となり、生活保護を受けたり、悪くすると孤独死するなどといった話題は多く聞くようになりましたが、大学で教える傍らソーシャルワーカーとしても活動されている著者がいろいろな実例を引いている本書を読むと他人事とは思えません。 社会や…

2015年を振り返る 10月~12月

10月 ノーベル賞に北里大の大村智氏、東大の梶田隆章氏が選ばれました。 大村先生の仕事は自分自身が昔やっていた分野と関係があり、また大村先生の下で研究をしている人の中に昔の友人もいるということで、非常に嬉しく感じました。その内容は難しい理論と…

2015年を振り返る 7月~9月

7月 世界産業遺産として明治期の製鉄、造船、炭鉱等の施設が登録されました。 熊本県内でも荒尾の万田坑と三角西港が登録され、県内の観光業者が喜びました。 長崎の三菱造船所、北九州の八幡製鉄所も同様です。 産業立国の礎となったものですが、それが良か…

2015年を振り返る 4月~6月

4月 首相官邸屋上で落下していたドローン発見。それからのドタバタ劇はお笑いでした。 まあ程度の低い物体がちょろちょろ飛んでいるのも危ないものですが。 なお、こちらの田舎でも飛んでいるのを見かけました。最初は何かと思いましたが。 私事ですが、地元…

毎日新聞社説に瀬戸内海環境保全特別措置法の改正の記事

本日の毎日新聞社説に、「瀬戸内海環境保全特別措置法」が改正され施行されたとの記事がありました。 社説:新しい瀬戸内法 理念転換で豊かな海へ - 毎日新聞 今年の10月にこれに関する問題を扱った「海と湖の貧栄養化問題」と言う本を読んだばかりだった…

2015年を振り返る 1月~3月

去年も書きましたので今年も1年の出来事を振り返ってみましょう。事件等々と私的なことも取り上げてみます。 1月 過激派組織イスラム国により、日本人2名が拘束され殺害されました。後藤健二さんはあの地域での平和活動にも貢献していたために衝撃が広がりま…

”賀茂川耕助のブログ”を読んで No.1133 国民に借金奨励する政策

賀茂川耕助のブログ、今回の記事はスイスのクレディ・スイスのレポートによる世界の富の偏在についてです。 No. 1133 国民に借金奨励する政策 | 耕助のブログ 上記レポートによると世界の上位1%の富裕者が世界の半分の富を所有しており、上位10%まで取…

「安心?!食べ物情報」にアメリカのメキシコ料理チェーン”チポトレ”信用失墜という記事

何度か引用している渡辺宏さんの「安心?!食べ物情報」の今週の記事に、アメリカのメキシコ料理チェーンで非常に伸びていた「チポトレ(Chipotle Mexican Grill)」という店で食中毒事件が相次いでいるということが載っています。 http://food.kenji.ne.jp/…

「お位牌はどこから来たのか 日本仏教儀礼の解明」多田孝正著

現在の仏教と言うもののイメージは寺での法要などの際に見ることができるものから得られますが、供養にあたっての儀式、位牌を祀り、そこには戒名が記されており、数珠を手に焼香をして合掌する、といったものです。 しかし、このような仏教儀礼はもともとの…

「寺院消滅」鵜飼秀徳著

著者は新聞記者をしている方ですが、京都のお寺の生まれで忙しい時は実家の手伝いもされるとか。そのような寺院の実情にも詳しいために現状の厳しさを伝えようと各地の寺院の取材をされ、存亡の危機を迎えている寺院について本にしました。 本書の初めの部分…

「火山と地震の国に暮らす」鎌田浩毅著

火山学者の鎌田さんは火山の知識についての書籍も多数出版されていますが、この本はそういった知識以外の随筆的な思いを書かれたものです。 したがって、特に火山や地震の災害発生と科学者の研究との関連など、知識を伝えるということに関しての思いと言った…

「スウェーデン民話名作集 Ⅳ」藪下紘一訳

著者は北欧の言語を研究してきた言語学者で、若い頃にスウェーデンを訪れ言葉の習得のための勉強をしたのですが、その時にストックホルムの書店で見つけたのが本書の原書だったそうです。 1600ページに16世紀からの民話が170話収められていたということで、…

夫婦別姓の判決 どうすればいいのか、何がおかしいのか

夫婦別姓を認めない民法の是非を争った判決が降りました。 今回は別姓を認めないことは合憲という判断になりました。 この奥にあるものは単純な男女間の関係性についての問題点だけではありません。 現状については、私は次のように考えます。 「結婚にあた…

「”常識”の日本史」井沢元彦著

「逆説」の日本史というシリーズを出版されている井沢さんですが、常識的な日本史というものは何かというと歴史学者がスタンダードだと認めたものとしています。 しかし、歴史学者の常識は一般人が普通に考えるものと相当違うという主張です。 歴史学者はた…

消費税軽減税率の茶番

再来年の消費税率10%へ引き上げ時に軽減税率を導入する件について、公明党と自民党の交渉が成立し、食料品のうち生鮮食品と加工食品は軽減税率として現行の8%として酒類、外食は引き上げ対象とすることになったようです。 交渉の経緯は公明党が消費税引…

「<世界史>の哲学 中世編」大澤真幸著

「世界史」の方に惹かれて選んだ本でしたが、「哲学」の色合いが非常に濃いものでした。したがってその読み方も難しく結局理解できなかった部分も多いまま残ってしまいました。 著者の大澤さんは社会学博士ということですが、哲学の方向に進まれたようです。…

「日本人の身体」安田登著

著者は能楽師のかたわら、ほかにも様々な活動をされているようです。 また、本書も能に関連した事柄ばかりでなく、中国古代の甲骨文字やギリシア古典文学についての話題も取り上げられ、非常に広い知識をお持ちと感じさせます。 日本人の身体観というのは良…

COP21なんとか閉幕

壮大な茶番劇のCOP21もようやく終了しそうです。 京都議定書の時代と異なり、全参加国が行動を起こすという「歴史的な」転換が起こるそうですが、実効性がどこまであるのやら。 開催中は温暖化による気候変動の影響での気象災害のプロパガンダが相次いでいま…

「台風学入門 最新データによる傾向と対策」村山貢司著

九州に住んでいると気象災害でもっとも恐ろしいのは台風です。 その台風について解説してあるらしい本を見つけたので読んでみました。 著者は気象予報士でテレビでも見かける村山さんです。 台風と言うものが発生するメカニズムの基本としては、太陽からの熱…

「多文明世界の構図」高谷好一著

著者の高谷さんは京都大学で生態学を専攻した東南アジア研究者です。 本書冒頭にあるように、近代は終焉を迎えようとしており、その後の社会すなわちポストモダン社会はグローバルなものではなく地域ごとに独立したものであろうという予測を立てておられるよ…

「”至急”塩を止められて困っています”信玄”」スエヒロ著

これは非常に軽い読み物です。 歴史に題材を取ってはいますが、それを現代のいろいろな事物に当てはめて、どのように感じるかを投げかけるものです。 しかし、歴史上の人物にしてみればその事例の受け取り方はその時代相応のものでしょうが、現代に翻訳すれ…

「”おこぼれ”経済という神話」石川康宏著

トリクルダウンなどという英語で誤魔化していますが、日本語で言えばまさに本書題名お「おこぼれ」経済です。 英語では語感までは分かりませんが、「おこぼれ」経済と言う方がその薄汚い真実をよく示していると感じます。著者の鋭い感覚なのでしょう。中身も…

FOOCOM.NETにて機能性表示食品について合田幸広氏にインタビュー

FOOCOM.NET最新の記事は松永和紀編集長が国立医薬品食品衛生研究所薬品部長の合田幸広さんに、機能性表示食品についてインタビューしたものです。 機能性表示食品、最大の課題は品質保証だ〜合田幸広・国立医薬品食品衛生研究所薬品部長インタビュー | FOOCO…

”賀茂川耕助のブログ”を読んで No.1132 米国の銃乱射事件

数日前にロサンゼルス近郊で起こった事件はテロと言う見方もありますが、そうではない乱射事件がアメリカでは頻発しています。 これについて賀茂川耕助のブログでは銃規制のできないアメリカ社会を批判しています。 No. 1132 米国の銃乱射事件 | 耕助のブロ…

ニューヨークで高食塩料理に表示義務化

渡辺宏さんの「安心?!食べ物情報」の今週最新記事に、「ニューヨーク市のレストランで高食塩料理に表示義務化」というニュースが記されていました。 http://food.kenji.ne.jp/review/review839.html チェーンレストランが対象で、1食あたりナトリウムを23…