爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

2016-10-01から1ヶ月間の記事一覧

「地名の社会学」今尾恵介著

著者の今尾さんは専門の研究者ではないようですが、地名や地理・鉄道などに関する著書を多数執筆されている作家の方です。しかし、地名というものについては非常に詳しい検討をされており、知識も多い方とお見受けしました。 本書は地名というものについて、…

「富士山噴火の歴史 万葉集から現代まで」都司嘉宣著

著者は元東大地震研の研究者で、津波がご専門ということですので、テレビでもお顔は拝見したことがあります。 そのかたわら、古い時代の地震や火山噴火の記録も古文書の中から拾い上げるということをなさっており、本書はその富士山噴火に関するものを詳細に…

久しぶりに温泉旅行 黒川温泉

久しぶりに温泉旅行に行ってきました。 阿蘇北方の黒川温泉、熊本県南部地方からは片道100km以上とけっこう遠いところです。 ニュースにも流れているように、阿蘇への出入り口である国道57号線は阿蘇大橋と共に地震の際の崖崩れで流れてしまい、まだ当分は不…

「世界をやりなおしても生命は生まれるか?」長沼毅著

現在の地球は生命に溢れていますが、それが奇跡的な偶然なのか物質の性質として条件が揃えば必ず生命になるものかは確実なことはわかりません。 しかし、もしも奇跡であれば宇宙には他には生命が存在する可能性は非常に低いことになりますし、必然であれば(…

「職業としての科学」佐藤文隆著

職業としての科学 (岩波新書) 作者: 佐藤文隆 出版社/メーカー: 岩波書店 発売日: 2011/01/21 メディア: 新書 クリック: 2回 この商品を含むブログ (13件) を見る 著者は理論物理学が専門の京都大学名誉教授の方です。 現在では「科学」を職業として選び生活…

”賀茂川耕助のブログ”を読んで No.1165 嘲笑の対象「陰謀論」

今回の賀茂川さんのブログは表題からは意味が取りにくいかもしれません。 kamogawakosuke.info 「陰謀論」という言葉がよく使われますが、賀茂川さんブログにも引かれているように、911のアメリカ同時多発テロは公式発表のようなビン・ラディンらのテロで…

「朝日新聞オピニオン 日本がわかる論点2016」朝日新聞出版編

現在の日本の問題について、朝日新聞の編集委員、論説委員といった人たちが項目別に詳しく解説をしているものです。 まあ、朝日新聞をお嫌いの方も多いでしょうが、かと言って初めから捨ててしまうのももったいないというような内容でしょう。 問題点として…

「ヒトラーの経済政策 世界恐慌からの奇跡的な復興」武田知弘著

ヒトラー、ナチスといえばその侵略戦争とユダヤ人などの虐殺といったマイナスイメージばかりが強いのですが、その政権奪取の過程は民主的な選挙によって行われたというところは知られている方でしょう。 しかし、それがどのようなものだったのか、これもイメ…

「頭にちょっと風穴を 洗練された日本人になるために」廣淵升彦著

著者はテレビ局の海外支局に勤め取材を重ねた後、日本で大学の講師・教授などに転身しました。 海外経験や知識が豊富ですが、日本で大学の学生に教える立場になって、彼らの知識の無さというものを知りショックを受けたそうです。 国際的に活躍する人材とな…

「勝てないアメリカ 対テロ戦争の日常」大治朋子著

著者は毎日新聞の特派員として2006年から4年間アメリカに滞在しました。 その間にアメリカ軍の実態について取材したいという希望を持ち軍に数回の従軍取材を行います。 アフガニスタンで取材した際には非常に危険な状態も経験したということです。 従軍…

「永続敗戦論 戦後日本の核心」白井聡著

2013年に出版され、大きな話題になったということですが、全然知りませんでした。 たまたま図書館にあった、小川仁志さんの「脱永続敗戦論」という本を読み、それで初めて元の「永続敗戦論」の存在を知ったという、迂闊さです。 「脱永続敗戦論 民主主義を知…

「軍事革命(RMA) 情報が戦争を変える」中村好寿著

著者は防衛大学卒業後、同校の助教授や自衛隊幕僚として勤務、現在は退官して軍事アナリストという方です。 軍事革命(RMA the Revolution in Military Affairs)とは、18世紀末にフランス革命がもたらした軍事の大変革以来の大きな変化が現在起きつつあると…

夢の話「温泉 利き湯対決」

今度の夢は我ながらおかしな夢です。 なにか対決をしている2つのグループの一員らしい自分ですが、目の前に大きな9つのボックスがあり、そこにお湯が満たされています。 それが温泉の湯であり、どれが何かを当てるというゲームを競うということです。 お湯…

「新書漢文体系5 戦国策」林秀一・福田襄之介著 町田静隆編

「新書漢文大系」とは、「新釈漢文大系」というシリーズを作成した明治書院が新書版でその簡易版を出版したものです。 漢文そのままではなく、書き下ろし文という読み下した文を説明文を並べて掲載し漢文の口調とその意味をつかめるようになっています。 「…

NHKニュースで、「信号のない横断歩道で歩行者がいても9割の車が一時停止せず」

今朝のNHKニュースを見ていたら、表題のとおりの報道です。 www3.nhk.or.jp (この映像は削除されてしまうかもしれないので見るならお早めに) ちょっとショッキングでした。小学生の女の子が横断歩道を渡るために止まっていたので、車載カメラを載せた車が…

「草原の風 全3巻」宮城谷昌光著

宮城谷さんの本は最近はあまり読んでいなかったのですが、久しぶりの未見のものです。 この本は後漢の光武帝 劉秀を主人公としてものです。 これまであまり小説などの題材となったことはないので、その経歴やエピソードもあまり知りませんでしたが、唯一知っ…

中国漁船を抑えるためには 勝川俊雄さんのご意見

以前にご著書を拝見して以来、 「漁業と言う日本の問題」勝川俊雄著 - 爽風上々のブログ 公式サイトも参考にさせて頂いている三重大学の勝川さんが中国漁船の問題に関して面白いことを書いて居られます。 katukawa.com 日本ではこれまで日本漁船がさんざん乱…

”賀茂川耕助のブログ”を読んで No.1164刑務所ビジネス

今回の賀茂川さんのブログでは日米の刑務所事情について語っています。 kamogawakosuke.info まあ、題名の「刑務所ビジネス」という点ではアメリカの事情でしょう。 アフリカに行っては大盤振る舞いで大歓迎を受けていい気になっている安倍首相ですが、日本…

「なぜ新耐震住宅は倒れたか 変わる家づくりの常識」日経ホームビルダー編

著者は明らかになっていませんが、日経ホームビルダーという日経関連の住宅建設技術者のための出版社が書いていますので、かなりの専門性が感じられます。 本年4月に発生した、熊本地震では震度7の激震が2日の間に2回発生するという大変な揺れが起き、多…

今日見かけた交通違反 携帯電話の通話で停車

まあ厳密に言えば違反じゃないんですが、とても迷惑な行為です。 今日も4kmちょっとの散歩に出ましたが、その数十分の間にも無数の交通違反を目にします。 熊本県南の田舎町とは言え、市内中心部の道路はけっこう車の通行も多いところです。 その交差点を…

「戦後日本漢字史」阿辻哲次著

著者は言語学者で中国文化、漢字も専門としている方ですが、文化庁の文化審議会の委員として常用漢字表の改正にも参加されたそうです。 本書「はじめに」の部分に書かれているエピソードですが、平成20年の改正の審議の際に、嗅覚の「嗅」という字を常用漢字…

加工食品の原産地表示義務付け FOOCOM.NET解説より

FOOCOM.NET解説によれば、加工食品の原料原産地表示に関する検討会の報告書につながる事務局案が10月5日に出されたそうです。 www.foocom.net このまま行けば、全加工食品には原料原産地の表示が義務付けられるということになります。 しかし、この解説に見…

「セピア色の機関車」小口喜生著

著者の小口さんは私より少し年下のようです。 そのせいか、盛んに鉄道写真を撮りだした頃には蒸気機関車はもはやほとんど残っていなかったのでしょうか。 だからというわけでもないのでしょうが、その当時はまだ大活躍をしていた旧型の電気機関車やディーゼ…

「イスラム国の正体」黒井文太郎著

本書は2014年12月出版、イスラム国はその年6月にイラク第2の都市モスルを制圧し、アメリカなどの空爆などを受けてもまだかなりの勢力を保っていた時でした。 しかし、その後も徐々に勢力範囲を狭めながらも支配地域を維持しており、さらにヨーロッパ…

「人類のやっかいな遺産 遺伝子、人種、進化の歴史」ニコラス・ウェイド著

白人、黒人、黄色人種(なぜか”黃人”とは言わない)といった「人種」には見た目の違いばかりでなく能力の差があるという議論がかつては数多くされていたのですが、最近では人種差別と見なされできるだけそれを避けるような風潮になっているようです。 しかし…

ちょっと気になる話 3Dテレビ眼鏡のボタン電池を飲み込んだ幼児が死亡

畝山智香子さんの食品情報blogの10月5日の記事に気になる話が載っていました。 食品安全情報blog 元記事はBBCの次のものです。 www.bbc.com 3Dテレビ眼鏡のボタン電池を取り外しておいたところ、2歳の子どもが飲み込んでしまったそうです。 しかし、親…

「イタリア”ケルト”紀行」武部好伸著

著者の武部さんはエッセイストということですが、どうも”異様なほど”ケルト文化に興味をお持ちのようです。 ケルト人といえば古代ローマがヨーロッパの多くを制覇する以前には広く住んでいたのですが、その後は辺境に追いやられ現在ではアイルランドやウェー…

「教科書が教えられない政治学」土屋彰久著

政治についての言葉を一つ見開き2ページで解説するという体裁ですが、その内容は非常に辛辣であり、日本の政治の現況を批判的に捉えています。 このような書き方ができるのはジャーナリストか作家かと思いましたが、著者の土屋さんは政治学者ということで、…

「日本語の科学が世界を変える」松尾義之著

2008年にノーベル物理学賞を授賞した益川敏英博士はその受賞記念講演を英語ではなく日本語で行いました。もちろん、益川さんも英語の読み書きというものは支障なく使いこなすことができるはずですが、しゃべる方はそこまで得意ではないということです。 …

”賀茂川耕助のブログを読んで” No.1163 アメリカのシンクタンク

賀茂川さんのブログ、今回は「アメリカのシンクタンク」と題しています。 kamogawakosuke.info 日本でシンクタンクというと記事中にもあるように銀行などが作ってどうでも良いようなことを言っているだけというイメージが?あります(私だけ?)が、アメリカ…