爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

2021-07-01から1ヶ月間の記事一覧

「プロテインのサプリメントはとったほうがよい?」栄養を科学するブログより。

栄養疫学の研究者、村上健太郎さんと篠崎奈々さんが書かれているブログですが、今回は「プロテインサプリメント」の話題で、村上さんが書いたということです。 kmnutri.com プロテインといっても、日本語にして「タンパク質」と言ってしまうと通常の食生活で…

「みだれ撃ち瀆書ノート」筒井康隆著

本を読んでの感想文なんですが、「読書」ではなく「瀆書」つまり「本を冒瀆する」ということで、かなり捻ったものとなっています。 発表されていたのは、1970年代のSFブーム(と言われていた)頃に発売された「奇想天外」という雑誌で、そこに3年ほどにわた…

首相の「強い危機感」て言っても全然信用ならない

金メダルラッシュなどと浮かれている間に、東京近郊だけでなく全国的に急激な感染者の発生増加が見られます。 しかしほとんど話すこともなく記者会見も避け続けていたスガがようやく緊急事態宣言の拡大を決定、記者会見を行うようです。 www.yomiuri.co.jp首…

「通勤の社会史」イアン・ゲートリー著

世界で毎日5億人の人が通勤をしているそうです。 そのような「通勤」ということはそれほど昔から行われていたわけではありません。 イギリスで19世紀に鉄道が広く普及しだしてからのことです。 鉄道ができるまではどんなに不潔で乱雑であっても都会に皆住…

サステナブル(持続可能性)とは何か その5まとめ

以上のように、「サステナブル」(持続可能性)とはそれほど簡単なものではなく、厳しいものだということは何となく分かっていただけたでしょうか。 SDGs「Sustainable Development Goals」などと言って、どう見ても「ちょっと良いことしています」程度のも…

「箸はすごい」エドワード・ワン著

食事の際の道具として「箸」というものを使うのは東アジアの周辺のようです。 最近は中国料理や日本料理の世界的な広がりで各地で箸を使える人々が増えてはいるようですが、基本的にはその地域の習慣ということでしょう。 こういった箸というものについて、…

「再エネ賦課金」が12.5%、いつまでこんなバカげたことが続くのか。

電力会社からの電気料金の通知が紙ではなくネットになるということで、その手続きをしました。 ついでながら、ほとんど内容なども見たことはなかったけれど、久々に目を通してみました。 我が家の前月電気料金は8106円だったのですが、その中で「再エネ賦課…

「内田樹の研究室」より「肩書について」

内田樹さんのブログ「内田樹の研究室」に面白い話がありました。 「肩書について」ということです。 blog.tatsuru.com 内田さんの名刺には「凱風館館長」と書かれています。 凱風館とは内田さんが神戸で開いている道場・学塾の名前です。 しかし諸メディアに…

「勘違い敬語の辞典」西谷裕子著

日本語の敬語というものは、かなり複雑にできているようで、外国人が日本語を習う場合のかなり大きな障壁となっているようですが、それ以上に日本人が話す場合にも間違いだらけになる要因であるようです。 著者の西谷さんは出版社勤務の後独立して辞典の編集…

サステナブル(持続可能性)とは何か その4資源

資源についての持続可能性というのは、どうもはっきりしたものではありません。 まず「資源」という言葉で何を示すか。 鉄やアルミニウム、ニッケルなどの金属資源は確かに資源と言うべきでしょう。 しかし木材などの植物由来資源はどうするか。 同じ植物由…

「人生論・幸福論」亀井勝一郎著

亀井勝一郎は戦前から戦後にかけて活躍した文芸評論家です。 戦前には左翼思想家として活動しますが、逮捕投獄されて転向、その後仏教に触れて回心しました。 人生論・恋愛論などの著書も多数出版しかなりの売れ行きだったそうです。 この本もそのうちの一冊…

リスク許容度の問題。リスク学者永井孝志さんのブログより。

オリンピックを無観客で行なうということが決まり、欧米などで同じようなスポーツイベントを有観客、それも超満員といった状況で行なって結局感染拡大を招いたこととの対比が言われています。 また、茨城で行われる予定だったロックフェスティバルが中止とい…

「超能力の手口」飛鳥昭雄著

今から30年以上前になりますが、ユリ・ゲラーという世界的な超能力者が来日しテレビに出演して数々の超能力という出し物を披露、大きな話題となりました。 それを真似して日本人でも子供や青年が何人も出現し、次々と話題になったものです。 今となってはも…

サステナブル(持続可能性)とは何か その3エネルギー

人類は多くのエネルギーを使わなければ生存すら不可能です。 そのエネルギーの種類はどういったものでしょうか。 それは太陽の核融合によるエネルギー放射と、地球誕生の頃から蓄えられていたエネルギー(地熱・放射性物質)です。 太陽から放射されてくるエ…

「甲骨文の話」松丸道雄著

甲骨文字は中国古代の殷王朝で占いに使われた骨にその占いの結果を彫り込んでいたもので、19世紀末になって偶然に発見され、その後文字の解析も行われたというものです。 甲骨文字が発展して漢字になったものですが、これを詳しく見ていくことで現在の漢字の…

南島原で「電圧フリッカ」が多発、この先全国に広がるかも。

長崎県の南島原で「電圧フリッカ」が多発しているという報告です。 news.yahoo.co.jp太陽光発電の割合の非常に多い地域ということですが、その電圧変動が直接この原因となっているわけではなく、停電検知の装置の機能のためだということです。 真夏の昼間に…

「細川ガラシャ キリシタン史料から見た生涯」安廷苑著

明智光秀の娘として生まれ、細川忠興に嫁ぎ、その後キリシタンとなり最後は関ヶ原の戦いに先立ち石田三成に人質とされようとして非業の最後を遂げた、細川ガラシャという名は有名でしょう。 キリシタンとなった女性としては最高位の一人であったことで、イエ…

「サステナブル(持続可能性)」とは何か その2環境

色々な面でサステナブル(持続可能)を実現させるための問題があるはずですが、現在は環境、とくに二酸化炭素濃度上昇による温暖化と気候変動だけに意識が向いているような情勢です。 それも大切なのかもしれませんが、そこにだけ注目することによる弊害も多…

「公孫龍 巻一青龍篇」宮城谷昌光著

中国の周王朝の時代の後半は秦や斉など大きく成長した列国が競い合う中で、諸子百家と呼ばれる思想家たちが活躍します。 その中で、「名家」と呼ばれる一群の人々がいました。 彼らは、言語哲学とも言うべき論を展開しますが、それは詭弁とも捉えられるもの…

「サステナブル(持続可能性)」とは何か その1「サステナブルの意味」

最近聞くことが非常に多くなった言葉です。 ちょっと前までは「サステナブル」なんて言ってもほとんど誰も知らなかったでしょう。 まあ、今でも意味を理解している人がどれほどいるか怪しいものですが。 そんなわけで、ちょっと知ったかぶり解説。 サステナ…

「2030年には太陽光発電が最コスト安」って言ってもね。

経産省の試算で2030年には太陽光発電が「原子力を抜いて」コスト最安になるということが発表されました。 news.yahoo.co.jp上記のニュースでは「原発の発電コスト上昇」の方に力点が置かれているようですが、最も問題なのは「太陽光発電がトップ」という方で…

「太陽光発電を増やせばCO2が減るというのは幻想」元日立製作所の櫻井さんという方が数字を挙げて説明。

太陽光発電や風力発電などの、いわゆる「再生可能エネルギー」などはいくら増やしても化石燃料エネルギーの代替にはなり得ず、エネルギーと資源の無駄使いでしかないということは、ここで繰り返し書いていますが、元日立製作所という櫻井さんという方が、詳…

「エネルギーの物語」マイケル・E・ウェバー著

エネルギーをめぐる諸問題がかつてないほどに大きくなっていますが、しかしエネルギーとはどういうものかということが、意外に知られていないようです。 この本はアメリカのテキサス大学でエネルギー資源学の教授をしているという、著者が現在の社会がどうエ…

巨人ファンの少年が巨人嫌い野球嫌いになったのは、そしてオリンピック

私のような戦後まもなく生まれた世代では、スポーツと言えば野球でした。 東京(のちょっと郊外)で生まれ、その後父の転勤で幼児期は名古屋、少年期は福岡で暮らしました。 このどちらも、地元プロ野球球団があるという意味では同じです。 名古屋は中日、福…

「図説 スイスの歴史」踊共二著

スイスの歴史と言ってもあまり印象が無いのですがウィリアム・テル、スイス人傭兵、永世中立国といったところでしょうか。 また、機械工業が盛んとか言語も複雑と言った話は聞きますが。 そういったスイスの歴史について、ローマ時代から現代までを多くの図…

「人口政策は国が決める」? 賀茂川耕助のブログに触発されて

「賀茂川耕助のブログ」で、「人口政策は国が決める?」と題された記事が掲載されていました。 その中味はどうやらコロナウイルスワクチンに対する疑問の方が多いようで、肝心の表題に関してはそれほど書かれていないものでした。 kamogawakosuke.info そこ…

「時代小説で旅する 東海道五十三次 舞阪~京・三条大橋編」岡村直樹著

著者の岡村さんは「旅行作家」を名乗っており、あちこちを実際に歩いて作品を書いているそうです。 この本では、東海道五十三次の宿場町の現在の姿を見て歩き、その宿場が登場する時代小説を紹介してその雰囲気を伝えようということをしています。 なお、図…

健康診断の精密検査受診、眼底検査でひっかかる

注:こういった自分の健康上の話を書くのも何ですが、現在は日記を書いていないためそのうちに忘れてしまいそうなので、備忘録代わりに記録しておきます。 国民健康保険加入者向けの市主催の健康診断を毎年受診していますが、その結果が先日送付されてきまし…

「魅せる方言 地域語の底力」井上史雄、大橋敦夫、田中宣廣、日高貢一郎、山下暁美著

地方に行っても方言を話す人々は高齢化が進み、若い人はあまり使わなくなっている傾向が強いようですが、それでもこれまでとは違った使い方がされている面もあります。 この本は2013年の出版ですが、2011年の東日本大震災のあと、復興が進む中で住民を応援し…

ツイッターで見かけた指摘「コレラの流行の時人はそれを酒屋のせいにした」

ツイッターで見かけたのですが、須藤巧さんと言う方が指摘していました。 ベンヤミンという人の「パサージュ論」という本の中に次のような文章が書かれていたそうです。 ベンヤミン『パサージュ論』を読んでいて、目に飛び込んできた一文。「コレラが流行し…