2013-11-01から1ヶ月間の記事一覧
別府大学教授で歴史学者の白峰さんが江戸時代の大名の転封の際の城の明け渡し、引継ぎの手続き、事例を残されている文書に従って紹介したものです。引越しといっても大名家が改易(取り潰し)されて出て行く際などは場合によっては家臣が篭城などという事態…
長野県下伊那地方から戦前の満州移民を多く出し、その多くが引き揚げの際に亡くなったと言うことは聞いたことがありましたが、詳細についてはよく判っていませんでした。それを実に細かく記されている本です。飯田市歴史研究所というのはどうやら飯田市の正…
明治から昭和初期にかけてのジャーナリストで「関東防空大演習を嗤う」という記事を書いたことで軍部から睨まれ、圧力により当時勤めていた信濃毎日新聞をやめざるをえなくされた桐生悠々の、その記事とその後名古屋に住んで自費で出版を続けた個人雑誌「他…
菅沼三代を描いた風は山河よりも最終巻になりました。 徳川に仕えた菅沼定盈ですが、徳川が織田に従うことで織田の戦いにも巻き込まれていきます。姉川の戦いでも徳川軍の一員として戦います。 しかし、その後武田信玄が三河遠江への侵攻の構えを強くし、東…
2007年1月から7月までの間に毎日新聞に連載された特集を単行本化したものです。ネット社会の影響が非常に大きくなってきた中で、その負の側面も強くなっています。それについて取材し記事としたものですが、それから6年経った今、さらに問題は大きくなってい…
名古屋大学教授の数学者大沢先生が数学のかなり高度な内容のものを”できるだけ”一般社会の問題に寄せて解説したものです。 とはいえ、相当難しい内容を含んでいますのでおそらく相当数学に詳しい人でないとなかなか楽しめないでしょう。土星の輪というのはち…
フランスの考古学協会会長というジャン・メスキさんのヨーロッパの城について様々な観点から紹介されているものですが、内容はかなり高度です。城と言うものがヨーロッパに出現したと言うのは意外に新しく11世紀だそうです。それ以前にも戦争は数多くありま…
ギリシア人といっても現代のギリシア在住の人々ではなく、古代ギリシアの人々の食事の話です。 著者の丹下さんは古典が専門と言うことなので、文献上の記述によります。ホメロスの書いたトロイア戦争というのは、少なくとも数万人の戦士がトロイを攻め、何年…
2005年の出版なので、現在では違うかも知れませんが、関東学院大助教授の岡嶋さんがネット社会のセキュリティーについて書いたものです。冒頭に書名にもなっている銀行などのカードの暗証番号について述べられていますが、それが数字4桁というのはいかにも危…
菅沼定村が雨村の戦いで戦死してしまい、まだ若い嫡子の定盈はすぐに父の弟たちの反逆に遭いますが、若くても抜群の人格を見せ無事に危機をくぐりぬけます。 その後は今川の勢力下で束の間の安定を見ますが、その後すぐに桶狭間の戦いを迎えてしまいます。 …
ロンドン大学の研究員で心理学と神経科学が専門のターリさんが、人間はなぜか楽観的に考えてしまうと言う点についてかなり学術的に書いています。社会がどうなるかということについてはかなり正確な予想を立てられる人でも、自分のこととなるとその予想より…
ヴェネツィア生れ・育ちのジャーナリストのルカ・コルフェライさんがヴェネツィアの歴史を物語り、かつ現在の姿や絵画などをふんだんに挿入して目で見えるようにされたものです。塩野七生さんの本をいろいろと読んだこともあり、以前と比べればヴェネツィア…
心理学関係の本としては以前に富山大学の村上宣寛先生の心理学テストや知能テストに関するものを読みましたが、今回のものは中部大学准教授と言う小塩先生の本で、かなり新しい心理学研究の状況も紹介されています。この本の副題は「血液型性格判断に別れを…
暇なもので、週に数回だいたい午前中に散歩に出ますが、犬の散歩をさせている人によく会います。 しかし、ド田舎のためか特に遊歩道などでは犬のリードを放してしまいう無警戒、無神経な飼い主に時折出会います。ノーリードで走らせるのは専用のドッグランだ…
松平三代とからめて菅沼家三代を描いた小説も、どちらも非常に厳しい時代を迎えます。 駿河の今川義元も尾張の織田信秀もどちらも国内をある程度制圧したので三河遠江に手を伸ばしてきます。そのような動きのなか、松平広忠は今川に仕えることとし、嫡子の竹…
本には著者紹介はなかったのですが、調べてみたら元イラン国営通信の東京駐在員で、イラン情勢に不満をもち退職してそのまま日本に在住している方のようです。 モクタリさんが世界の国々のジョークを紹介しているものですが、ポピュラーなものもありまた新し…
青山学院大学教授で中世文学が専門と言う佐伯さんが武士道というものについてどのような認識の変遷があったかを説明しています。 最初に、平家物語にある、越中前司の最後と言う場面を引いています。一の谷の合戦で戦いの帰趨はほぼ決して平家の負けとなった…
文芸春秋の記者から編集者、取締役などを経て作家となった半藤さんですが、戦後いろいろな大戦時の軍人にインタビューをしたようです。 太平洋戦争時のエピソードというのはよほど興味のある人以外ではそれほど知られていないと思いますが、断片的な知識は少…
編者の松田さんという方はどのような経歴かということは書いてありませんが、他にマジックの本などを多数著しているようです。 ジョークに関する本はいろいろと出ていますが、それらを参考にテーマを分けて典型的なものを挙げています。たとえば、「おろかも…
中学高校の理科教師を務めた後、大学教授に転身し法政大学教授という左巻さんが物理学の基本と生活の中で出会うということについて例をあげて解説したものです。例えば、物が見えるということは目のレンズの働きですが、レンズというものは屈折率の違いから…
料理家の瀬尾さんが、主に東京在住のいろいろな職業の方に昭和時代の食生活の思い出をインタビューし、そのメニューを作ってみたという本です。 対象は大体昭和20年代の生れの人で、子供の頃の食べ物の記憶というと昭和30年くらいでしょうか。まだまだ皆貧し…
このところ毎日のようにレストランやホテルなどでの食品表示に関する報道がされています。 テレビでは何故こんなに次々にという感想が述べられていますが、またまたマスコミの低脳加減を露呈するような発言で、うんざりします。このような問題が明らかになる…
徳川家となる松平に仕えた東三河の豪族菅沼家三代の物語の第2巻です。松平清康が家臣に殺害された後、まだ幼い嫡男の後の広忠を必死で守ったのは、清康を殺害した阿部弥七郎の父の阿部定吉でした。斬られることを覚悟していたのですが、息子の所業とは無関係…
福島原発事故以降、専門的に解説をされている核・エネルギー問題情報センターの舘野さんが中心となってプルトニウムに関する問題点を専門家が解説された2006年の本です。 当時はもちろん福島事故が起こるとは思われなかった時点で、さらに北朝鮮の核兵器開発…
フランス文学者で明治大学教授という鹿島さんが、ヨーロッパの文学で重要な引用句というものを使って、それぞれの引用文に対して色々と考えをつづったものです。欧米では議論の際にも有名な引用句を適宜引いて述べるというのがアピールする技法となっており…
ブラックユーモアという分野で知られ、星新一さん亡き後はショートショートでも第一人者という阿刀田さんが世界名作について書かれた一連の作品の一つです。ガリバー旅行記といってもあらすじは知ってはいても読んだことがあるという人はほとんどいないでし…
新聞社記者や編集者を経て大学教授も務めた山本さんが歴史の裏側というべきところを書き綴ったものです。稗史(はいし)という言葉がありますが、正史というべき歴史観とは別に裏側から見たような噂話です。正史は時の権力者が綴ったもので、権威を持った歴…
「歴史読本」編集部を経て歴史アナリストとして独立したという外川さんが日本の歴史時代の記録に残った天災について記したものです。日本史上初めて文書に記録されたのは416年の地震だそうです。しかし、その詳細はほとんど分からず、ただ「地震」とあるのみ…
梶尾さんの新しい作品で、平成24年出版ですので、一応あらすじは伏せておきます。 もはや完全にSFという概念からは離れてしまい、伝奇小説というべきでしょう。著者の地元のシンボルというべき阿蘇山の噴火活動をめぐる闘争を描いています。 我が家からも阿…
中国出身で京都大学で博士を取られた歴史学者の徐さんが三星堆文明について1998年に書かれた本です。その後の展開もあるかもしれませんが、その時点での分析と言うことです。 三星堆遺跡は中国四川省で1986年に発見され、特異な形状の金製品の大量の出土とい…