爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

トランプの進めた「エネルギー休戦」とは。

ウクライナ戦争に対してトランプ米大統領がいきなり「エネルギー休戦をロシア・ウクライナ共に承諾した」と発表しました。

嘘だらけのトランプですので、怪しいとは思っていましたが、直後からウクライナのゼレンスキー大統領は「初耳だ」という反応。

ロシア側も休戦どころかさらに猛攻をウクライナエネルギー施設に対して行っているようです。

www.bbc.com

いったいなぜこんなことが起きているのか。

 

もちろん、その寸前にアメリカとロシアが合意したロシア産軽油の世界向け(といいながらアメリカだけ)への供給ということにあるのは間違いない事でしょう。

 

それを妨害するようなウクライナのロシア攻撃を止めさせる必要がある。

そこで「たがいにエネルギー施設への攻撃はしない」という合意があったかのように言い出した。

 

これをトランプはロシア側には告げたかもしれません。しかしウクライナには何の話もせずに突っ走った可能性はあります。

 

どうせウクライナはアメリカに逆らえないだろうと見くびっているのでしょうか。

 

しかしロシアは予想通りそんなもの無かったかのようにウクライナの発電所などへの攻撃を続けているそうです。

かといって、ウクライナがその報復としてロシアの石油施設などを攻撃すればアメリカが怒り出すだろうということは考えているのでしょう。

 

トランプはウクライナで大統領選挙をやっていないことを持ち出してゼレンスキーをけん制しています。

これで無理やりウクライナに休戦を飲ませるのでしょうか。

そしてそれで「ノーベル平和賞にふさわしい」とでも言うのでしょう。

 

OECDの世界的学力調査の結果発表、のきなみ得点が低下しているとか。

OECDがその加盟国などで実施しているPISAの学力調査の結果が出たそうです。

日本の子どもたちの学力が徐々に低下しているといったことが毎回言われていますが、今回は「各国ともに学力が低下している」ということになってしまったということです。

news.yahoo.co.jp引用されたニューズウィークの記事では、その要因として親の教育への関わりが低下し散るというものと共に、「デジタル機器の普及で勉強に集中できなくなった」ことを挙げています。

 

これは非常に大きなもののようで、子どもにもスマホを持たせる親が多くなっていますが、それは確実に学力低下につながるという説もあります。

 

もちろん細かい解析は今後さらに行われていくでしょうが、どうやら日本政府も推進してきたデジタル化教育というものはかえって逆効果があるのかもしれません。

 

「低空飛行」丸谷才一著

著者の丸谷さんは1925年生まれ(2012年没)、1968年には芥川賞を受賞した小説家ですが、文芸評論や随筆の作品が多いようです。

その丸谷さんが1960年代後半から1970年代にかけて色々なところに書いた随筆をまとめた本となっています。

テーマもその掲載誌により違いがあり、時事問題、自伝、付き合いのあった人たちについて、そして田村隆一氏との交換日誌ならぬ交換随筆といったものが並んでいます。

 

さすがに時事問題は今となっては歴史的な事実になってしまい、ロッキード問題の詳細などもはやほとんど知っている人もいないかもしれませんが、当時は小佐野賢治氏の話題などいろいろと出ていたものです。

なお、丸谷さんは小佐野さんと一度だけ面識があり、それもハワイで出会って小佐野氏の経営する店でお土産用のムームーをプレゼントされた仲だとか。

さらに野坂昭如氏の四畳半襖の下張りの裁判沙汰などもう覚えている人もいないでしょう。

 

友人知人についての思い出では、様々な人たちの姿が描写されていますが、いずれも大正から昭和初めの生まれの方ばかりで、活躍時期も昭和30-40年代といった方々が多いようです。

福永武彦、大野晋、菊池武一、吉田秀和、ドナルド・キーン等々、昭和50年代に最初にこの本を読んだ時期にもすでに「ちょっと昔の人」という感覚でした。

それでも戦前から戦後にかけて激動の時代を丸谷さんたちと共に生きた人らしく、なかなか面白いエピソードが多数です。

 

丸谷さんは独特の旧仮名遣いで文章を書いており、それが一つのスタイルだったようですが、それでいて文章はくだけた感覚ですので、少し戸惑うこともあります。

「実は何を隠さう、巨人軍のあの軍の字が虫が好かないのだ。そのためわたしは、巨人といふチームのひいきにならなかつたのではないか」とこういった感じで続いていきます。

読みにくいというほどのことはないのですが、今の若い人には受け入れがたいものでしょう。

 

私からみても父母の世代といえる人の文章で、その雰囲気にはなにか懐かしいものを感じます。

 

低空飛行

 

イラン戦争が進まないのに対しサウジアラビアとフーシ派の戦闘激化

イラン攻撃をいつやるのか、トランプの動きが途絶える中、フーシ派のサウジアラビア攻撃が激化しています。

www.nikkei.comイランは「対話支援の用意」などと言っていますが、フーシ派はイランが支援していたのは明白であり、イランと連動しているのでしょう。

 

トランプは米軍がフーシ派を攻撃する用意もあると言っていますが、本当にやるのかどうかも怪しいもので、もうほとんどその発言には信用が置けません。

 

サウジアラビアはアメリカから防衛ミサイルの装備の支援を受けていたのですが、どうやらこれまででそれを使い果たしてしまい、防御能力が落ちているようです。

アメリカもそれを補充することができないのでしょう。

 

アメリカのイランに対する総攻撃が本当にあるのか。

理由が定かではありませんが、アメリカの中間選挙前には攻撃しないとトランプは言っているようです。それも信用置けませんが。

それともずるずるとフーシ派のサウジアラビア攻撃を続けされるのか。

 

まったく混沌とした状況です。

トランプ外交は何でもあり、ロシアからの軽油輸入を再開

トランプがプーチンと電話会談し、ロシアからの軽油輸入を再開するということを決めました。

30万トンを輸入するということです。

news.yahoo.co.jp

ウクライナのロシア国内製油所攻撃で、ロシアでも燃料不足が起きているというニュースがあったため、このニュースも「アメリカがロシアへ軽油供給?」かと思ったのですが、「ロシアからアメリカへ」で間違いないようです。

 

ロシアは制裁により燃料輸出が制限されており、資金不足になっているということで、これはその解消に役立ちます。

そしてなによりアメリカにとっては軽油不足からの燃料価格高騰でアメリカ国内の世論がトランプに逆風になっているため、それを緩和しようというのでしょう。

まさに「なんでもあり」というところです。

 

なお、ガソリン不足などになっているロシア国内ですが、軽油の場合はロシアでは極寒の気候のため夏用と冬用では軽油の品質を変えており、そろそろ切り替えのため余った夏用軽油は輸出可能ということのようです。

 

さっそく反応したのがウクライナでロシア国内の精油設備を攻撃と出ましたが、それに対してはトランプは攻撃停止を要求、もしもそれに従わなければウクライナに対する情報提供を停止すると脅しをかけました。

さらにゼレンスキーは大統領にふさわしくないなどとの攻撃も始めました。

 

もはやウクライナは見放しロシア側の要求通りに停戦させようという姿勢です。

これで停戦が実現すればノーベル平和賞にさらに近づくとでも思っているのか。

 

こんな大統領で本当に良いのかとアメリカのトランプ支持派には問いかけたい思いです。高市支持の日本に言われたくないぞと言われそうですが。

 

敵を作り続けるのがトランプの戦略なんだろうが、アメリカをさらに分断、AIをSIと呼ばない人は敵だとか。

トランプ大統領はAI(人工知能)をSI(超知能)と呼ぶこととしました。

それを強制しようと、「SIと呼ばない人は敵」だとSNSに投稿したそうです。

www.yomiuri.co.jp

ささいなことと思えるものでも、敵味方を分ける物差しとして使う。

結局はどんどんと敵を増やし続けるということなのでしょう。

すでに32%にまで下がった支持率ですが、その支持者に中にも「AI」を使い続けている人はいないのでしょうか。

いや、最後の支持者たちはトランプが何を言ってもその通りに振る舞う人だけなのかもしれません。

それがアメリカ人の3分の1程度はいるということなのか。

 

日本人はどうでしょう。「簗を守り続ける」と言っても支持し続ける人が過半数はいるのでしょうか。

 

熊本地震で被害を受けたJR鹿児島線も完全復旧

熊本地震で被災し長く不通が続いていたJR鹿児島線の宇土八代間がようやく開通し、10日始発より運行開始しました。

kumanichi.com

地震直後の映像では架線がすべて倒れ、線路も波打っているような状態でいつまで復旧工事が続くのやらと心配されましたが、74日で完成したということになります。

 

八代から接続する肥薩おれんじ鉄道も13日には不通区間の修復工事が完成し再開するそうです。

これで鉄道関係の被災区間の復旧はできたことになります。

しかし在来線でも徐行区間は残るとか。

新幹線も新八代周辺では徐行を続けており、いつもならあっという間に走り去る列車がじわりじわりと走っています。

しかし、これでまあ(まず行くこともありませんが)熊本方面へも一応は行く手段が揃ったことにはなります。

 

道路もまだ開通していないところもあちこちにあり、まだまだ復旧工事は続きそうです。

 

ノーベル平和賞は元ICC判事のナビ・ビレイ氏、アメリカへの対抗意識鮮明

ノーベル平和賞には南アフリカ出身で元ICC判事などを務めたナビ・ビレイ氏が決まりました。

www.jiji.com

もしかしたら今年の平和賞はICCそのものや赤根所長になるのではとも思っていたのですが、そこまではいかなかったもののかなりそれに近いものだったと言えるでしょう。

 

しかしアメリカはすぐその直後にICCそのものに対しても制裁を加えると発表しました。

www.yomiuri.co.jp

アメリカはよほど自国の国家主権に少しでも障りがあるようなことには拒否感を強く持つようです。

 

それに対し高市首相は今回は「深く懸念」としています。

前回の赤根所長への制裁の時は「遺憾」でしたっけ。

少し上がったのかもしれませんが、まあ他国と違ってアメリカを非難という色合いは薄いものでしょう。

 

アメリカだけでなくロシアや中国など、現在の国際社会で大国とされる国はどこもICCのような自国の主権を制限するようなものには大きな反発を見せます。

ロシアは赤根所長に対して国内の裁判で有罪として身柄引き渡しを求めるという、ポーズだけでしょうがとんでもない暴挙を行って言います。

しかしそれこそがICCの存在価値そのものを示しているとも言えます。

大国の横暴を少しでも押しとどめるような世界の中小国家の代表ともいえる存在だということでしょう。

 

もはや小国の一つとなったことは疑いのない日本としてもできるだけそれを後押しすべきでしょう。

乗客や貨物の移動をどうするかという哲学なしに赤字だけを問題とするのが政治の在り方か。

これまでは鉄道のローカル線の赤字を理由にその存続から議論するということをしていましたが、鉄道のいわゆる「幹線」でもそれを始めるということです。

news.web.nhk

NHKニュースの中では「人口減少や自動車利用の増大」でローカル線だけでなく幹線でも赤字化が進行しているといった解説がされています。

 

確かに利用者が減れば鉄道事業の赤字は増えていくでしょう。

しかしそれをそのまま受け入れて対応するとなれば、赤字補填を周辺自治体に放り投げるか、それができなければその路線廃止ということになります。

 

本当にそれでよいのか。

自動車交通というのがこれからも増大し伸びていくのか。

石油の供給が危険視されている中で、もしも自動車に回せる石油がなくなったらそれでも交通を維持するためにはどうすればよいのか。

エネルギーを使用して旅客や貨物を輸送する効率からみれば鉄道はかなり優位なものですが、利便性は自動車にはかなわない。そのためにエネルギーの供給量、価格に余裕がある場合は自動車が進出しますが、その条件は変わります。

石油がなくなってもEV化すればよいか。まあそんな夢物語は置いといて。

 

赤字は仕方ないから何とか埋めろというだけでは今後の状況の対応に完全に立ち遅れる危険性もあります。

赤字鉄道は要らないから廃止してしまえで無くなった後に自動車使用が難しくなったらどうするつもりなのか。

 

今の世の中の流れがこうだからそれに最も適した方向に進めばよいというのは、ペーパーテストで正解を書きましたというだけのものであれば〇が付けられるかもしれませんが、現実の世界では通用しないかもしれません。

現代の最大の危険性は東京一極集中です。

そこから変えようという信念を持てば、現行の鉄道だけでなくさらに増強した鉄道網を基に国土再編という目標もあり得るはずです。

それに向かい、人々をそちらに誘導していくのが政治の取るべき道でしょう。

東京都知事の鼻息を怖がって副首都構想すら骨抜きにしているようではお先真っ暗です。

「反三国志 下」周大荒著

劉備の蜀漢が魏や呉を破り漢王朝を再興したという「真の歴史」を記す「反三国志」も下巻となり、いよいよ中国統一に向けて戦いを進めます。

 

呉は一度叩けばもう手も足も出なくなるというのは、現在伝わる偽史でも同様の形勢判断ですので、それに従い主力は魏を相手の戦いに向かいます。

北方は既に長安は蜀の手に落ち、そこから函谷関もものともせずに落とし、さらに洛陽も。そして魏軍はもとの本拠地許昌で守ろうとしますがそれもかなわず、劣勢となるなか、曹操は病死します。

 

著者の周氏も魏、呉の面々でも相当好き嫌いが多いようで、司馬懿、張遼、徐盛などは敵ながらあっぱれといった書き方ですが、華斳、張昭などは品性下劣の卑怯者で漢に敗れた後は八つ裂きにされる運命です。

 

魏軍の残党も北方に追いやられ、いよいよ呉を滅ぼして中国統一となりますが、孫権はそれを前に病死、後を継いだ孫亮は船で南方に逃げることとなります。

諸葛孔明の兄諸葛瑾は孫氏への忠誠を尽くすため孫亮と共に海に逃れますが、南方で暴風雨に遭い皆遭難してしまいます。

 

勝ち続けた蜀漢ですが、犠牲も少しは出なければおかしいと思ったのでしょうか、劉備の息子の劉禅が呉の遺臣に暗殺されるという場面も作っています。

また諸葛孔明も統一を目前にして病死します。

 

そしていよいよ中国統一というところで劉備も生命が尽き後は劉禅の息子劉甚が再興した漢王朝の帝位につくというところで終わり。

 

日本で中国を描いた小説などでは、人名の呼称は本名を使うことが多いと思いますが、この本では中国の習慣通りに字(あざな)で呼びかけます。

「孟起よ」とか「文長よ」といった具合ですが、それでは誰か分からないので、訳者の渡辺精一さんはそのたびごとにカッコで(馬超)とか(魏延)と書き加えています。

分かりやすく、かつ原文に忠実にということでしょう。

 

なお、中国の歴史小説の戦争描写でよくあるように、「必ず大将同士の一騎打ちで戦いが始まる」ということになっています。

実際にはそんなことがあるはずもないのですが、まず大将が両軍の陣地の前で槍や長刀を抱えて馬で走り寄り数十合も撃ち合うというのがお決まり。

これが伝統的な戦争風景ということなのでしょうか。

 

まあ無理やり蜀漢に勝たせた三国志ですが、なんとも変な感覚です。