爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

「踏切の世界」chokky著

線路を横断しようとするとその寸前にカンカンと音が鳴り、遮断機が下りてきてそのまま長い間待たされたという経験は多くの人が持っていることでしょう。

しかしその「踏切」というものに魅せられて各地で観察を重ねている人もいます。

そういった人が踏切の魅力を紹介しています。

 

まずは「踏切の基礎知識」から。

踏切には一種から四種までの段階があり、自動遮断機があるかまたは踏切保安係が配置されているのは一種、警報機だけはあるが遮断機が無いのが三種、標識だけがあるのが四種といった区別があります。

一種の場合の各部は、警報音発生スピーカー、踏切警標、警報灯、踏切遮断機、遮断桿、踏切支障押ボタンなどがあります。

なお、堰き止めるために降りてくる棒のことが遮断機と思われているでしょうが、あれは「遮断桿」で、それを降ろす装置が遮断機だということです。

 

第三章では各地の鉄道で面白い踏切があるところが紹介されています。

愛媛県伊予鉄道には面白い構造の踏切や絶景の踏切などがあるそうです。

梅津寺港山駅の間の踏切からは瀬戸内海が間近に見えて絶景だとか。

また、ここには鉄道の線路同士が交差する「ダイアモンドクロス」という踏切があり坊ちゃん列車などが走る路面電車の路線と郊外に通じる高浜線が交差していて、高浜線が優先なので路面電車が待つ光景が見られるそうです。

前記の港山駅の反対側には、第四種踏切でありながら手動の遮断桿が付いている踏切があります。

常時遮断桿が降りていて、歩行者が渡ろうとする時に自分で持ち上げて渡るのだそうです。

 

近鉄の路線の一つで、生駒山の山上駅まで通じる生駒鋼索線生駒ケーブルカー)という路線があります。

ここは日本の中で唯一、踏切のあるケーブルカーだそうです。

鳥居前駅宝山寺駅の間の踏切は自動車も通ることのできる踏切となっていますが、ケーブルカーのために線路の間にはケーブルが通っており、それが動いています。

歩行者の足が引っかかると大惨事となりかねないので、注意書きがいくつも出されています。

 

石川県の北陸鉄道にも面白い踏切がいくつもあるようです。

実は以前に北陸鉄道のすぐそばに住んでいた時期があり、時々は乗ったこともあったのですが、そのような踏切にはまったく気づきませんでした。

石川線額住宅前駅にある踏切は警報音が独特で時限爆弾が爆発する前のような「ジージー」という音が流れるということです。

それも知らなかった。

 

道路の通行の邪魔をしているばかりのような踏切ですが、なかなか面白いところもあるようです。