爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

2016-06-01から1ヶ月間の記事一覧

「パロティングが招く危機 メディアが培養する世論」石川旺著

パロティングとはparrot(オウム)より生まれた言葉で、他人の意見をそのまましゃべって自分の意見のように見せることのようです。 著者の石川さんはこの本の出版時には上智大学の新聞学科教授ということですが、政治姿勢は反政府反権力というもののようです…

”賀茂川耕助のブログ”を読んで No.1153 安全対策ないネット取引

いつも読んでいる賀茂川耕助さんのブログ、最新記事は「安全対策ないネット取引」ということです。 No. 1153 安全対策ないネット取引 | 耕助のブログ ネット取引といってもネットオークションや通販だけでなく、広く捉えてクレジットカードの決済まで含んで…

夢の話「学生食堂で食事をしようとするがなかなか食べられない」

昼食を食べに食堂へ行くのですが、そこはセルフサービスで、しかも単品毎に自分でトレーに載せていくという面倒なシステムです。 なお、自分自身はとても若い身体であるようなので、やはり学生時代ということなのでしょう。 ご飯と味噌汁はなんとかトレーに…

「”原発ゼロ”プログラム 技術の現状と私たちの挑戦」安斎育郎、舘野淳、竹濱朝美編著

福島第1原発事故により大きな放射能汚染をもたらした原発の廃止を訴える人々は増加していますが、一方現政権は原発なしでの社会運営はできないと主張し原発の再稼働を進めています。 そのような状況で、原発ゼロを目指すためにどうすればよいかということを…

「乱獲 漁業資源の今とこれから」レイ・ヒルボーン、ウルライク・ヒルボーン著

著者のレイ・ヒルボーンは漁業資源学者で現在はワシントン大学教授ということです。 世界の漁業資源については、乱獲され減少しているというのが一般的イメージですが、すでに厳しい漁業コントロールによって回復されているのではという地域もあるようです。…

「イギリスのいい子 日本のいい子 自己主張とがまんの教育学」佐藤淑子著

アメリカ人は自己主張ばかり、日本人は自己抑制ばかりといった観念論はよく目にしますが、イギリス人はその中間といった面があるようです。 こういった点を教育学が専門でしかもご自身も子供の頃から世界各地で過ごしてきたという著者の佐藤さんが幼児教育を…

イギリスがEU離脱 国民投票の結果

僅差ですがイギリスのEU離脱派が残留派を上回り離脱が決まりました。 結果速報の報道では、そのたびごとに為替相場と株式が乱高下でしたが、これで当分は株式市場低迷、円高相場となるのかもしれません。 実際、どのような変化が起きるのかというのは想像を…

「南アジアの歴史 複合的社会の歴史と文化」内藤雅雄、中村平治編

最近読んだ本で、アフリカから出発した現代人の祖先はその後しばらくは南アジアで過ごし人口を増やしていたと知りました。 そこからさらに他の土地に移った人々のうち、インド・ヨーロッパ語族と呼ばれる人たちは再びインドの地に戻りそこで暮らしていくこと…

クロロフィルが予防する謎の疾病 「月琴病」とはなにか NATROMの日記より

現役のお医者さんで怪しいニセ医学などを糾弾する活動を以前から進めておられる、NATROMさんの「NATROMの日記」6月21日の記事に傑作な話が載っています。 NATROMの日記 (2016.6.21の記事) クロロフィルの効用について、「月琴炎」に効果があるという話…

「ことばの苑 英語の語源をたずねて」寺澤芳雄著

非常にお名前が似通っていますので、「寺澤芳男」さんかと思いましたが別人でした。 こちらは英語がご専門で東大と岐阜女子大の名誉教授になっておられる方です。 ちなみに寺澤芳男さんは野村證券副社長等を歴任、その後政界に入り参議院議員、経済企画庁長…

FOOCOM.NET専門家コラム 児林聡美さんの栄養疫学の基本の解説

FOOCOM.NETの専門家コラムで注目している児林さんの最新記事です。 「減塩で高血圧予防」も疫学が生きている:疫学調査の裏側お見せします1 | FOOCOM.NET 前の記事では「女性3世代研究」という調査から得られた知識で、タンパク質を多めに摂るのが虚弱を防ぐ…

夢の話「地震についての講演会」

本日未明に見た夢は非常にリアルなものでした。 在職中には仕事関係で数多くの講演会に参加しました。 ほとんどが聴講しにいったものですが、最後の数年間は主催者側にまわることも多く、開催準備などもやったものです。 そんなわけで、夢の中では地震に関す…

「五十歳から貝原益軒になる 心と体のことわざ養生術」山崎光夫著

貝原益軒といえば養生訓とその著書名はすぐに出てきますが、読んだことのある人はまずいないでしょう。 その内容として節制を勧めるものであろうと言うことは分かるにしても、細かいことは聞いたこともありません。 貝原益軒は江戸時代初期の1630年に福…

”賀茂川耕助のブログ”を読んで No.1152パナマ文書

賀茂川耕助さんのブログの最新記事は、多くの政財界要人や大企業が租税回避のための法人を置くなどした記録を公表したパナマ文書についてのものです。 No. 1152 パナマ文書 | 耕助のブログ いつもながらコンパクトにまとめられたブログ記事ですが、先進国の…

FOOCOM.NET松永編集長 水素水の記事の反応 抗議文が来たそうです

FOOCOM.NET松永編集長が最近の水素水と称する「ただの水」に関する現状を取り上げた記事を書かれましたが、その続報です。 前の記事についての紹介はこちら。 水素水なるもの蔓延中 - 爽風上々のブログ 今回の記事はこういったものです。 www.foocom.net マ…

またも選挙用の顔 首相遊説で改憲についてまったく語らない

すでに事実上の参議院選挙遊説に入っている安倍首相は、その演説の中ではほとんどが経済政策についてのみ語り、改憲に関してはまったく触れていないということが毎日新聞の社説に報じられています。 mainichi.jp経済が最大の争点であるのでそれを強調してい…

「巨大地震と高速鉄道 新潟県中越地震をふりかえって」仁杉巌監修 久保村圭助、町田富士夫編著

先日の熊本地震では九州新幹線で回送列車が脱線、長期にわたり運休し、運転再開した現在でも2ヶ月弱が経過し未だ徐行、変則ダイヤでの運転が強いられています。 同様の状況が、平成16年の中越地震でも発生し、新幹線開業以来初の運転中の列車の脱線事故が…

「英語の不思議再発見 再読」佐久間治著

前にも一度読書記録を書いた本ですが、最近高校生に英語を教え始めた関係で、ちょっと知ったかぶりをしたくてまたこの本を再読しました。 その目的には最適の本かと思います。 英語は元々のゲルマン民族の一部族のアングル族の言葉から生まれたものの、その…

「資本主義の終焉と歴史の危機:再読」水野和夫著

水野さんのこの本はちょうど1年ほど前に読み、大きな衝撃を受けました。 その時の書評にはかなりのスペースを割き書き込んでいます。 「資本主義の終焉と歴史の危機」水野和夫著 - 爽風上々のブログ 1年前には長く続いたゼロ金利政策を疑問に思い、何かそ…

「構造災 科学技術社会に潜む危機」松本三和夫著

福島第1原発事故は人災か天災かということは議論になりましたが、ほぼ人災と言えると思うものの確定しているとも言えないでしょう。 その辺りの論点を整理する意味でも、この松本三和夫さんが提唱されている「構造災」という考え方は有効かもしれません。 松…

酒税法改定で酒類の安売り規制

法律改定については先月にもニュースが流れていましたが、今日の渡辺宏さんの「安心!食べ物情報」に詳細な解説が出されていました。 http://food.kenji.ne.jp/review/review866.html 酒類安売り店での過度な値引き販売を防ぐために、酒類販売免許の取り消し…

「似ている英語」おかべたかし・文、やまでたかし・写真

日本語では同じ言葉で表せることが、英語の場合は別の言葉で使い分けるという例は多いものと思います。 この本はそういった例を、「現物の写真」ではっきりと分かるように並べて示すという、楽しいものです。 写真も非常に美しいやまでたかしさんのもので、…

「生物多様性 ”私”から考える進化・遺伝・生態系」本田達雄著

生物の種の滅亡が続き、生物多様性というものが失われているということが言われていますが、これについて生物学者ではあるものの、生態学や環境学が専門ではなく、ナマコの研究をしていたという、前東京工大教授の本田さんが書かれています。 そのためか、と…

「小国主義 日本の近代を読みなおす」田中彰著

明治維新後に当時の政府の主要メンバーを米英に派遣した岩倉使節団というものがあったということは歴史の知識として知っていましたが、その派遣報告「特命全権大使米欧回覧実記」というものを、本書著者は研究の対象としてきました。 その中には当時のイギリ…

安保法制 自衛隊の海外派遣した場合の問題点

自衛隊の戦闘を伴う海外派遣が現実のものとなりそうな状況になる中で、毎日新聞に気になる記事が出ていました。 mainichi.jp戦場に赴くということは当然のことながら隊員の死亡、負傷といった自体も現実のものとなるでしょう。 しかし、どうも日本の自衛隊で…

「インダス文明の謎 古代文明神話を見直す」長田俊樹著

古代の四大文明というと、エジプト・メソポタミア・インダス・黄河と歴史の授業で覚えさせられ、どれもが大河の流域に栄えたと言われてきました。 また、インダス文明にはモヘンジョダロやハラッパ遺跡で高度に計画された都市が建設されたとも習いました。 …

硝酸の摂取は高血圧を是正し長寿につながるのか 西尾道徳さんの環境保全型農業レポートより

元筑波大学教授で土壌微生物がご専門の西尾道徳さんが書いておられる「環境保全型農業レポート」に非常に悩ましい?記事が書かれていました。 No. 299 沖縄県人の長寿命は食事からの高硝酸摂取による | 西尾道徳の環境保全型農業レポート 京都大学の家森さん…

「地震の揺れを科学する 見えてきた強震動の姿」山中浩明編著 武村雅之/岩田知孝/香川敬生/佐藤俊明著

本書のあとがきに書かれているのは無署名ですがおそらく編著者の山中さんだと思います。 そこには「これまでの地震に関する一般向けの啓蒙書の多くは、一方でプレートテクトニクスなどの基礎的な地球科学を扱うものと、もう一方で耐震・防災に関するものであ…

FDA(アメリカ食品医薬品局)は食品企業向けに加工および市販の調理済み食品の自主的ナトリウム削減ガイド案を発表

畝山智香子さんの「食品安全衛生ブログ」(2016.6.02)によれば、アメリカ食品医薬品局が食品企業向けの自主的ナトリウム削減ガイド案を発表したとのことです。 食品安全情報blog 2016年6月1日付けのFDA News Releaseに出ています。 www.fda.gov 畝山さんの…

「2時間でわかる 問題なニッポン」鳥越俊太郎著

現代ニュース用語(それが出版時の2007年当時のだというのが、いつもながら古い本ばかりの市立図書館の辛さなんですが)を取り上げて、ジャーナリスト(と呼ばれるのは本人はお嫌いだそうで、”ニュースの職人”と自称しているそうですが)の鳥越俊太郎さんが…