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爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

「海の向こうから見た倭国」高田貫太著

よく読ませていただいている、オヤコフンさんのブログで紹介されていた本です。 図書館に購入希望を出しても待ちきれないので、スカイツリーから飛び降りるつもりで久々に自分で買いました。 massneko.hatenablog.com 著者の高田さんは岡山大学で考古学を学…

「フランス中世歴史散歩」レジーヌ・ペルヌー、ジョルジュ・ペルヌー著

フランス歴史物は昔から好きであれこれ読んできたつもりでしたが、三銃士やああ無情など、せいぜい16世紀以降のものばかりということに、この本を読んで気付かされました。 本書は新しくても13世紀まで、中世のフランスのあれこれを現在のフランス各地の…

「日本人 祝いと祀りのしきたり」岩井宏實著

日本には全国的な年中行事、祝祭日の他にも各地に地方的な行事が多く行われています。 しかし、その詳細な点はもはやかなり忘れられているようで、私自身も知らないことが多くなっています。 そういったことをきちんと押さえられるという点でなかなか優れた…

「古代日本のルーツ 長江文明の謎」安田喜憲著

著者は環境考古学が専門ということで、さらに元々は地中海文明を研究対象としていたのだそうですが、成り行きで中国の長江流域の古代文明の遺跡発掘に携わることとなり、その成果からこの長江文明というものが大きな意味を持つことに確信を持ったようです。 …

「わかりやすい朝鮮社会の歴史」朴根鳳著

著者(「根」の字は本当は土偏)は韓国の民間の歴史研究者で、この本も韓国国内向けにあまり知られていない歴史を解説するというものになっています。 本書「はじめに」に書かれているように、韓国人が自国の歴史を振り返る時にともすると固定観念にとらわれ…

「倭国 東アジア世界の中で」岡田英弘著

この本も最初に読んだのはかなり昔になります。 昭和52年に初版発行ですので、その直後に買ったとすれば大学時代ということになります。 若い時から歴史それも特に古代に関心が深く色々と本も読んでいましたが、この本はその中でも非常に刺激的なものでし…

NHKヒストリア、日本のポンペイから探る ようやく見ました

よく読ませていただいている「オヤコフン」さんのブログで紹介されていた、NHKのヒストリアという番組の「日本のポンペイから探る」という回の再放送、それも録画したものをようやく見ることができました。 別にそれほど忙しいわけではないのですが、どうも…

「独裁者ヒトラーの全貌」荒地出版社刊

非常に多数の執筆者たちが項目別に書いたものをまとめてあるものですが、よくある本のように無名のライターが集まって書いたというものではなく、数十人に上る執筆陣はそれぞれが大学教授や評論家等、専門家が集まっているということです。 したがって、内容…

「歴史音痴が知りたい 大東亜戦争の真相」赤堀篤良著

著者の赤堀さんは歴史研究者ではありません。それどころか、歴史学教育も通常の学生並のものだけという、元土木技術者ということです。 しかし、建設会社に長年勤務され、外国での工事もしていく中で外国人との交際も多く、近代の歴史が話題となることもあり…

「ダルタニャンの生涯 史実の三銃士」佐藤賢一著

本書冒頭に書かれているように、「世界で最も有名なフランス人はダルタニャンではないかと思う」というのが多くの人の意見かもしれません。 ルイ14世などを押さえて堂々の一位となる資格はあるでしょう。 もちろんアレクサンドル・デユマの小説「三銃士」の…

「軍人皇帝のローマ 変貌する元老院と帝国の衰亡」井上文則著

歴史学者で早稲田大学教授の著者ですが、ご専門が古代ローマ帝国衰亡時ということで、まさに専門の中心のところを一般向けの書物として刊行されています。 ローマの初代皇帝アウグストゥスから、西ローマ帝国滅亡までの約500年間の間に、ローマ皇帝となった…

「幕末明治 不平士族ものがたり」野口武彦著

著者の野口さんは評論が主の著述家です。 したがって、幕末明治の歴史的なことがらを書いていますが、あくまでも物語として扱われていると感じます。 ただし、個人の感覚や言葉などは創作でしょうが、大きく歴史事実と異なるものではないと思います。 明治維…

「日本人の生命観」鈴木貞美著

本の題名を見ただけのイメージでは、歴史を振り返り日本人の生命というものについての感覚がどのように変化してきたのかということを書かれたものかと思いましたが、少し異なるもののようでした。 著者の鈴木貞美さんは近代文学の研究者で、自らも著作、評論…

「帝国王国の意外なウラ事情」祝田秀全著

「世界史がもっと面白くなる」と銘打ったものですが、至って気軽な読み物といったところでしょうか。 著者の祝田さんは出版当時は代々木ゼミナールの人気講師とあります。 研究者が知られていない歴史的事実を書いたというものではなく、周知のことをまとめ…

「”超”入門 失敗の本質」鈴木博毅著

この本は大東亜戦争戦史を扱った有名な本「失敗の本質」(1984年ダイアモンド社刊行)の解説ということを目標に書かれています。 「失敗の本質」は旧日本軍の戦史研究者の防衛大関係者などがノモンハン事件、ミッドウェー海戦、インパール作戦などの負け戦で…

「日本はなぜ開戦に踏み切ったか」森山優著

著者は歴史学者で特に日本の近現代史のなかでも太平洋戦争の開戦に至る経緯というものを一番の研究対象としてきたという、この時代の日本の政治、軍部等についての専門家です。 1941年12月8日、日本軍はイギリス領マレーシアのコタバルに上陸して戦闘…

「名字と日本人 先祖からのメッセージ」武光誠著

武光さんの本は以前にも読んだことがありますが、歴史のいろいろな話題を並べてあるといったもので、「歴史観が通説通りで面白味がない」などと失礼なことを書いてしまいました。 sohujojo.hatenablog.com しかし、この本の内容はどうも武光さんの歴史学研究…

「古代日本の気候と人びと」吉野正敏著

温暖化の影響ということが過度なほどに言われていますが、これまでも大きな気候変動は何度も起きています。 しかし、著者の筑波大学名誉教授の吉野さんによれば、歴史学者たちが歴史を研究するに際しては史実の解明・解釈において気候条件にまったく触れてい…

「周 理想化された古代王朝」佐藤伸弥著

中国古代の周王朝は紀元前11世紀後半(年代は諸説あり)に殷(商)王朝を倒して建国し、およそ800年後の紀元前256年に滅びました。 紀元前771年までの前半を「西周」と呼び、それ以降を「東周」と呼びます。 さらに東周時代を春秋時代と戦国時代に分けるのが…

「名城と合戦の日本史」小和田哲男著

日本中世史研究の第一人者という著者が、戦国時代の合戦、特に城の攻防の戦いを紹介しているものですが、有名なものばかりでなく各地方のあまり知られていないものまで取り上げています。 戦国時代と言えば信長、秀吉、家康といった天下統一を中心として武田…

「富士山噴火の歴史 万葉集から現代まで」都司嘉宣著

著者は元東大地震研の研究者で、津波がご専門ということですので、テレビでもお顔は拝見したことがあります。 そのかたわら、古い時代の地震や火山噴火の記録も古文書の中から拾い上げるということをなさっており、本書はその富士山噴火に関するものを詳細に…

「ヒトラーの経済政策 世界恐慌からの奇跡的な復興」武田知弘著

ヒトラー、ナチスといえばその侵略戦争とユダヤ人などの虐殺といったマイナスイメージばかりが強いのですが、その政権奪取の過程は民主的な選挙によって行われたというところは知られている方でしょう。 しかし、それがどのようなものだったのか、これもイメ…

「新書漢文体系5 戦国策」林秀一・福田襄之介著 町田静隆編

「新書漢文大系」とは、「新釈漢文大系」というシリーズを作成した明治書院が新書版でその簡易版を出版したものです。 漢文そのままではなく、書き下ろし文という読み下した文を説明文を並べて掲載し漢文の口調とその意味をつかめるようになっています。 「…

「草原の風 全3巻」宮城谷昌光著

宮城谷さんの本は最近はあまり読んでいなかったのですが、久しぶりの未見のものです。 この本は後漢の光武帝 劉秀を主人公としてものです。 これまであまり小説などの題材となったことはないので、その経歴やエピソードもあまり知りませんでしたが、唯一知っ…

「戦後日本漢字史」阿辻哲次著

著者は言語学者で中国文化、漢字も専門としている方ですが、文化庁の文化審議会の委員として常用漢字表の改正にも参加されたそうです。 本書「はじめに」の部分に書かれているエピソードですが、平成20年の改正の審議の際に、嗅覚の「嗅」という字を常用漢字…

「イタリア”ケルト”紀行」武部好伸著

著者の武部さんはエッセイストということですが、どうも”異様なほど”ケルト文化に興味をお持ちのようです。 ケルト人といえば古代ローマがヨーロッパの多くを制覇する以前には広く住んでいたのですが、その後は辺境に追いやられ現在ではアイルランドやウェー…

「”三国志”の政治と思想 史実の英雄たち」渡邊義浩著

三国志演義を元にした物語で中国史の中でも特に知られている後漢から普に至るまでの三国時代ですが、よく知られているエピソードとはかなり違う所に歴史の真実はありそうです。 歴史学者で中国古代史、特に三国時代の研究が専門という著者が、極めて詳しい歴…

「これならわかる台湾の歴史Q&A」三橋広夫著

日頃から「各国の歴史を理解しなければその国の人々と話もできない」と考えている自分ですが、台湾の歴史というものもあまり知らなかったことをこの本を読んで考えさせられてしまいました。 熊本は台湾の南部高雄との間に定期航空路線を開設していることもあ…

「階級にとりつかれた人びと 英国ミドル・クラスの生活と意見」新井潤美著

著者の新井さんは子供の頃からご父君の仕事の関係でイギリスなどで過ごし、学校生活で階級の違いというものを身にしみて感じたそうです。 たまたま、知り合いの紹介で全寮制の女子校に入ったということですが、そこは当時でも珍しいほどの厳格なお嬢さん学校…

「世界遺産 新たなる謎の発見」寺沢精哲監修

ユネスコが定める世界遺産は毎年多数の登録がされており、2016年で1000件以上に上っています。 この本はそのうち世界各国の文化遺産について歴史が専門で高校の教諭を勤められた寺沢さんが34件を解説されているものです。 有名なものはその概略はおぼろげな…

「地上絵 古代人の遺した謎のメッセージ」ポール・G・バーン著

地上絵といえば南米ペルーのナスカのものが有名ですが、イギリスの考古学者バーン氏の書いたこの本によると、イギリスやアメリカ、チリ、オーストラリアなどにも古代に描かれた地上絵が残っているところがあるようです。 もちろん雨の多いところではそのよう…

「歴史の嘘と真実」井沢元彦著

「逆説の日本史」のシリーズや歴史ミステリー小説といった著書を多数出版している著者ですが、元々は歴史学者というわけではなくテレビ局の記者だったそうです。 この本は著者があちこちに発表していた随想などを15年分まとめて一冊にし、平成9年に出版した…

「つくられた縄文時代 日本文化の原像を探る」山田康弘著

縄文時代というと教科書にも出てきたように、魚介類や果実・木の実の採取などを行い、縄文土器を使うという印象を持たれ、戦争など無い時代であったというイメージがあるでしょうが、国立歴史民俗博物館の教授で先史時代の研究者である著者の山田さんによれ…

「時代考証 おもしろ事典」山田順子著

テレビの時代劇というものは今でも人気のある番組ですが、歴史上の真の姿を表していないということはよく言われることです。 著者はテレビでの時代劇の考証に長く携わってきたという方ですが、間違っていてもやむを得ずそのままということも多いようです。 …

「日本の地名」藤岡謙二郎著

以前にまったく同じ書名「日本の地名」という本を読みましたが、そちらは1997年出版の谷川健一さんの著書でした。 この本はそれよりもかなり古い、1974年出版、藤岡謙二郎さん当時京都大学教授の著書です。 谷川さんの本は地形やそこから来る表現に…

「黒曜石 3万年の旅」堤隆著

黒曜石というと石器時代から縄文時代までの間に石器の貴重な原材料として使われていた石ですが、その優れた品質のものは長野県の和田峠や神津島、隠岐の島など限られたところから採られたものです。 そしてそれがかなり遠く離れたところまで運ばれて使われて…

「NHKスペシャル 故宮 至宝が語る中華5000年 第1巻」 NHK取材班 陳舜臣 阿辻哲次著

故宮といえば中国の旧王朝時代の宮殿のことですが、それを中華民国成立以降は歴代王朝の財宝の博物館として使っていました。 その後、国共内戦の時に国民党が大陸内での戦闘で敗れ台湾に逃げる際にその多くを持ち去り作ったのが台北にある故宮博物院です。 …

「創氏改名 日本の朝鮮支配の中で」水野直樹著

第二次大戦までの歴史の中で、日本が植民地としていた朝鮮半島と台湾で現地の人々に日本風の名前を付けさせたという創氏改名ということがあったということは、おそらく多くの人が知っては居るでしょうが詳しいことはほとんどわからないままでしょう。 実施さ…

「日本が”神の国”だった時代 国民学校の教科書をよむ」入江曜子著

1941年は真珠湾攻撃から太平洋戦争が始まる年ですが、ちょうどその年にそれまでの小学校が「国民学校」と名を変え、中身も変えて国民の教育というものの本質を戦争のために邁進するためのものにしてしまいました。 著者の入江さんはちょうどその年に国民…

「南アジアの歴史 複合的社会の歴史と文化」内藤雅雄、中村平治編

最近読んだ本で、アフリカから出発した現代人の祖先はその後しばらくは南アジアで過ごし人口を増やしていたと知りました。 そこからさらに他の土地に移った人々のうち、インド・ヨーロッパ語族と呼ばれる人たちは再びインドの地に戻りそこで暮らしていくこと…

「小国主義 日本の近代を読みなおす」田中彰著

明治維新後に当時の政府の主要メンバーを米英に派遣した岩倉使節団というものがあったということは歴史の知識として知っていましたが、その派遣報告「特命全権大使米欧回覧実記」というものを、本書著者は研究の対象としてきました。 その中には当時のイギリ…

「インダス文明の謎 古代文明神話を見直す」長田俊樹著

古代の四大文明というと、エジプト・メソポタミア・インダス・黄河と歴史の授業で覚えさせられ、どれもが大河の流域に栄えたと言われてきました。 また、インダス文明にはモヘンジョダロやハラッパ遺跡で高度に計画された都市が建設されたとも習いました。 …

「DNAで語る 日本人起源論」篠田謙一著

以前に埴原和郎氏の日本人の二重構造起源論に触れ、衝撃を受けたのですが、それはそれ以前の単一民族幻想の日本人論が無意識に基盤にあったためにそれを完全に打ち壊したように思えたのでした。 しかし、その後のDNA分析の長足の進歩により古代人の人骨化石…

「沖縄人はどこから来たか」安里進・土肥直美共著

沖縄の考古学的考証について、考古学者で浦添市教育委員会の安里氏と古人骨研究者の琉球大学の土肥氏が対談の形で沖縄史を語り合っています。 1999年発行ですので、まだ旧石器遺跡捏造事件も明るみになっておらず、また埴原氏の日本人二重構造論も出てき…

「北朝鮮帰国事業 壮大な拉致か追放か」菊池嘉晃著

朝鮮半島から日本へ移住した人々は植民地支配時代に数十万人、そして戦争中に多くの強制連行の人々も来日しており、多くは戦争直後に帰国したのですが、朝鮮戦争時にもまだ60万人以上の人たちが残っていました。 彼らのほとんどは現在の韓国、朝鮮半島南部…

「沖縄歴史物語」伊波普猷著

著者は高名な沖縄歴史学者で、1947年には没しているのですが、これはその亡くなる寸前に書かれた沖縄歴史物語にいくつかの短編を併せたものです。 沖縄歴史物語というものは、1928年よりアメリカに伊波氏が講演旅行に出かけて主に沖縄出身の移民を前…

「邪馬台国 魏使が歩いた道」丸山雍成著

著者は歴史学者で九州大学名誉教授ということですが、ご専門は近世交通史ということで、邪馬台国など古代史専門ではないようです。 そういった方でもやはりひきつけられるものがあるのが古代史なんでしょうか。 もちろん、歴史学者の書かれた本であるためか…

「朝鮮史 その発展」梶村秀樹著

かなり古い本なのですが、中身はそれ以上に古色蒼然といったものです。 購入した本は第15刷で1986年出版ですから買ったのはその後のはずですが、初版は1977年発行です。 著者の梶村さんは朝鮮近現代史が専門ですが、一応朝鮮半島の古代の歴史から…

「真田幸村と真田丸」渡邊大門著

まさに今年はNHK大河ドラマで扱われている真田幸村(信繁)ですが、その最も有名なエピソードは豊臣家の最後の戦いである大阪冬の陣、夏の陣で徳川を苦しめたというところでしょう。 しかし、その実像はどうやらかなり歪められて伝えられていたようです。 こ…

「邪馬台国への旅 日本全国比定地トラベルガイド50」邪馬台国探検隊編

邪馬台国がどこにあったかということは昔から論争の種でしたが、ここぞその地という説が何十もあるという状態です。 この本はそのうち代表的な50の地域についてその地域を邪馬台国と提唱している人の名前、遺跡などの写真、地図、アクセス等の情報を簡潔に…