爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

「鳥獣戯画のヒミツ」宮川禎一著

京都の高山寺に伝わった鳥獣戯画は日本漫画の祖とも言われており、教科書にも掲載されているため誰でも一度は目にしたことがあるでしょう。 ウサギやカエルが相撲をとったりする絵で有名です。 これがどのように描かれたか、鳥羽僧正が作者という伝説もあり…

大相撲大阪場所は大波乱で終了。

大相撲大阪場所が新入幕の尊富士の優勝という、稀に見る事態で終了しました。 www.sanspo.com新入幕の力士が優勝したということは110年ぶり、しかも当時は取組編成やその体制もかなり違っていたということを考えれば、上記記事のように「史上初の快挙」と…

「リスクの世界地図」菅原出著

世界のあちこちで緊張が高まり、犯罪の危険性も増加しています。 観光旅行にも大きなリスクがあるのですが、それ以上に問題なのがビジネスで出けたり滞在したりする場合で、そういった人々が犯罪などに巻き込まれることも多発しています。 少し前の事件です…

「テロリストに未来はない」とプーチンは語る。自分の事か。

モスクワ近郊で大規模な銃撃事件があり多くの人が殺害されました。 その方々には本当にお気の毒としか言いようがなく、ご冥福をお祈りいたします。 しかし、プーチン大統領は様々なことをしゃべっており、ウクライナとの関係を疑ったりというのは戦争に利用…

小林製薬の機能性表示食品で健康被害か。

小林製薬が発売していた機能性表示食品で腎臓に障害が出たという被害が出たとして謝罪、製品回収を行っています。 www.sankei.com当該製品は紅麴の成分を配合したという機能性表示食品のサプリメントだということで、腎疾患の被害が相次いで報告されたという…

「鉄道写真 ここで撮ってもいいですか」渡部史絵・結城学共著、長島良成監修

鉄道ファンが増加し、乗り鉄とか撮り鉄といった言葉も普通に使われるようになってきました。 しかし鉄道写真を撮ろうという撮り鉄の中には撮影マナーが悪い人たちもいるようで、時々トラブルを起こしたというニュースが流れることもあります。 そんな人向け…

ナノプラスチックを血液の中から検出

我が家の購読新聞、熊本日日新聞で21日付けの紙面の1面に大きく掲載されていた記事が以下のものです。 news.yahoo.co.jpごく微量のようなので、問題は分析技術次第だと思います。 記事中にもあるようにオランダの研究グループの例がすでに発表されているよ…

「ブラック生徒指導」川原茂雄著

「ブラック校則」といったものが話題となりますが、学校において行われる生徒指導というものは多くの問題を含んでいるようです。 「学校での生徒指導」という、至って普通のことのようなものの中に、どのようなものが含まれているのか、高校で長く生徒指導に…

FIT(再エネ賦課金)が4月からさらに60%上がるとか。

再生エネルギー業者などに助勢するために電気使用のすべての人にかかるFIT(再エネ賦課金・電力固定価格買い取り制度)が4月からさらに60%も増加するということです。 agora-web.jp 電気料金の明細を見ると溜息が出るばかりですが、それにさらにこの賦課…

「歴史修正主義」武井彩佳著

歴史上の事について、これまでの定説をひっくり返すようなことを主張する人々がいます。 「ヒットラーは偉かった」とか「ホロコーストなど無かった」とか。 そういった論説を「歴史修正主義」と言います。 この歴史修正主義について、その起源から現状、さら…

はしか(麻疹)の感染はまだ流行というほどではない。感染症報道の在り方について。

最近はしか(麻疹)の流行を警告するような報道が相次いでいますが、それについて報道の在り方といったものを見直そうという記事がありました。 agora-web.jp医師で医療経済ジャーナリストという森田洋之さんという方が書いたものです。 すでにこの感染につ…

「中華を生んだ遊牧民」松下憲一著

中国には中華思想というものがあります。 しかしその「中華」という言葉が表すものは変化してきました。 漢代の「中華」と唐代の「中華」とはかなり異なるものです。 本書冒頭に掲載された、唐代の女楽士の練習風景を描いた「宮楽図」という絵は今は台北の故…

世界的なワインの生産過剰、オーストラリアで農家がブドウの木を引き抜いている

ワインが世界的に生産過剰になっており、オーストラリアでは多くの農家が生産継続をあきらめブドウの木を引き抜いているというニュースです。 news.yahoo.co.jpかつて勤めていた会社がワインの製造販売もやっていたため、今でもワインを飲むことが多いのです…

発電装置について、EPRを持ち出すと誤解する場合がある

このブログでは「エネルギー文明論」というカテゴリーを作りいろいろと書いてきましたが、最近その初期の文章を「雑草Z」さんが読んで下さり、コメントを頂いたことがありました。 sohujojo.hatenablog.comそれによると上記の産総研の解説ページはすでに無い…

「鬼平犯科帳(十)」池波正太郎著

多くの作品を読んでいますが、それぞれ凝った作りになっており飽きるということがあまりありません。 「犬神の権三」盗賊犬神の権三郎は火盗改与力佐嶋忠介と町で出くわし捕まってしまいます。しかし夜になって火事が起きその騒ぎの中で牢破りしてしまいます…

「教養としてのラテン語の授業」ハン・ドンイル著

図書館の語学の棚にあったのでラテン語の文法などの本かと思いましたが、中身はラテン語というものを通じて古代ローマや中世のヨーロッパ社会、そして現代イタリアに至るまでの文化的なエッセーというものでした。 著者のハン・ドンイルさんは韓国出身ですが…

太陽光や風力発電の電力が使い物にならないものだとは思っていたけれど、「砂電池」とは。

太陽光発電や風力発電の電力は安定性が乏しく、品質の悪いもので使いづらいものだということはある程度は知れ渡っていると思います。 そのため、なんとかして平準化することが必要なのですが、それを電力会社に押し付けようとしてひどいことになっています。…

「気候テック伸び期待の5分野」だそうで。

日経新聞に出ていた記事ですが、気候テックとやらで期待が高まる5つの分野を紹介とのことです。 www.nikkei.com まず「気候テック」という言葉自体かなり違和感を覚えるところです。 地球温暖化という問題が大きなもののように見せようという思惑で動いてき…

見た目で判断するな、パックンの経験談

ハーバード卒の芸人というパックン、パトリック・ハーランさんがユーモアを交えながらですが深刻な事態について書いていました。 news.yahoo.co.jpパックンはすでに来日30年になるのですが、これまで全く経験のなかったことに出会います。しかも立て続けに。…

「鬼平犯科帳(九)」池波正太郎著

鬼平犯科帳もようやく半分近くまで進みました。 今回も人情たっぷり、剣戟たっぷり。 「雨引きの文五郎」一人働きの盗賊文五郎を見かけた平蔵はわざと泳がせますが、盗賊間の争いが起きます。 「鯉肝のお里」鯉の肝臓というものはうっかりつぶしてしまうと苦…

食糧不足による戦争では殺戮に歯止めがかからないと思われるが、すでにガザ地区の様相はそれに近いのか。

戦争での殺戮はどんどんと激化しており、1次2次世界大戦では死者数もそれまでの戦争とは桁違いに増加しました。 しかしもしも今後世界的な食糧不足によって戦争が勃発するならばその殺戮には歯止めがかからなくなるだろうと以前に何度か書いたことがありま…

北陸新幹線敦賀まで延伸スタート、しましたけど。

北陸新幹線が延伸し福井県敦賀までの運転がスタートしました。 www3.nhk.or.jp福井の人が東京に出るには便利になったということなんでしょうが、多くの問題点が明らかになっているようです。 最大の問題は関西・中京と北陸の利便性をほとんど上げないばかり…

ロシアの大統領選

ロシアでは大統領選挙が行われており、その報道もされていました。 その中で「愛国」という言葉が何度も語られていました。 しかし、ロシアでの「愛国」は「愛プーチン」とほぼ同じです。 ウクライナに攻め込んでいる兵士たちも「愛国」のためと信じさせられ…

「SF西遊記」石川英輔著

石川英輔さんのデビュー作です。 SF同人誌「宇宙塵」に連載されたあと、1976年に単行本として出版されました。 なかなかの売れ行きとなったようで、その後「SF水滸伝」などのSFシリーズを続けています。 その名の通り、中国の西遊記の設定をそのまま取り…

核融合炉「日本は勝てるか」って、何に勝つというの。

核融合発電が実現間近、アメリカでは急速に建設が進み日本は後れを取るのかと言わんばかりの記事がありました。 www.nikkei.com まだまだ点火ができたという程度の段階ですが、それがもう建設計画まであるかのような報道にはあきれるばかりです。 開発研究に…

「踏切の世界」chokky著

線路を横断しようとするとその寸前にカンカンと音が鳴り、遮断機が下りてきてそのまま長い間待たされたという経験は多くの人が持っていることでしょう。 しかしその「踏切」というものに魅せられて各地で観察を重ねている人もいます。 そういった人が踏切の…

はしか(麻疹)が世界的流行、国内でも患者発生

「はしか」の感染者が急増しているということです。 news.yahoo.co.jp上記記事では欧州で60倍、国内でも感染者発生が急増とあります。 はしか(麻疹)は麻疹ウイルスによって感染しますが、このウイルスの感染力は極めて強いことが知られています。 新型コ…

「生食のはなし リスクを知っておいしく食べる」川本伸一編集代表

生食(なましょく)というものに対する日本人の嗜好というのは世界でも稀なほどのものですが、それが多くの食中毒の原因ともなっています。 そこでいろいろな食物を生で食べるということの現状、危険性などを専門家が詳しく解説してやろうという本です。 読…

ガザ地区南端のラファに対するイスラエルの攻撃はエジプトを危機に堕とすのか。

ガザ地区の人々を南端のラファに押し込めたイスラエルですが、そこを攻撃することで人々をエジプトに逃れさせ、それによってエジプトを混乱させて弱体化するのが目標だという、田中宇さんの解釈です。 tanakanews.comすでに100万人以上がラファに逃れてい…

「鬼平犯科帳(八)」池波正太郎著

またも強敵が現れ、火付け盗賊改め方全体が危機となります。 「用心棒」茶店笹やの主お熊の昔馴染み、高木軍兵衛が久しぶりに江戸に現れ、大店の用心棒に雇われる。しかし彼は一時盗賊の手伝いをしたことがあり、その頃の仲間に見つかって今の店への手引きを…