爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

2023-01-01から1年間の記事一覧

「日本の体罰 学校とスポーツの人類学」アーロン・L・ミラー著

今は学校での問題発生といえばいじめばかりのように見えますが、体罰というものがニュースをにぎわせたこともありました。 しかし今でもどうやら体罰は広く深く存在しているようです。 特に問題なのが体育関係の部活のようですが、今はストレートに監督やコ…

都道府県一つずつ、「私の一番の心の風景」 その1 北日本

NHKBSの人気番組で「日本縦断こころの旅」というのがあり、2011年から始まってもう13年も続いています。 視聴者からの手紙で募集した「私のこころの風景」を俳優の火野正平さんが自転車で訪ねるというもので、もう私も何回も手紙を出していますが、ま…

「政治とカネの問題に国民はうんざり」といった言葉が飛び交うが、これは本当に「政治」の問題か。

自民党安倍派のパー券問題で報道もあきれ果てて「国民は政治とカネの醜聞に飽き飽きだ」などと書かれています。 しかしこれは本当に「政治」の問題でしょうか。 パー券問題では売り上げを裏金化することが派閥全体で共有されていたようで、それが最も大きな…

COP28閉幕、「化石燃料の廃止」とは言えず、「化石燃料からの脱却を進める」でごまかす。

「気候変動対策の国連会議」であるCOP28が閉幕し、最終的な合意文書では「化石燃料の段階的廃止」という文言を入れようとしたものの、結局は「化石燃料からの脱却を進める」という表現に落ち着きました。 www3.nhk.or.jpまあ、そもそも「気候変動対策」など…

「算数文章題が解けない子どもたち」今井むつみ他著

有名校進学の熱が加速する中、一方では落ちこぼれと言われる子どもたちが多く発生しています。 著者の今井さんたちは教育学者としてその問題と取り組んできましたが、広島の県教委からの依頼で小学校低学年の子どもたちの学習のつまづきの原因がどこにあるの…

政府の言う「新しい資本主義」特に「資産運用立国」の胡散臭さ、危うさ。

岸田政府は「新しい資本主義」ということを言っていますが、その中でも特に「資産運用立国」ということを強調しているようです。 資産運用、すなわち投資ですが、その投資の意味をかつての資本主義の根本ともいえる産業への投資から金融投資、つまり賭博資本…

知らないことってまだまだ多いですね、「チタンの歴史」

いろいろなところで耳にする「チタン」ですが、その歴史はそれほど長いわけではなく、ごく最近と言える時間内のことだったようです。 gigazine.netGigazineというところで出ていた記事ですが、元はブライアン・ポッターという人が書いたものだそうです。 チ…

「救急車購入をクラウドファンディングで」って、何かおかしいんでは。

ニュースで「救急車購入をクラウドファンディングで」ということが報道されていましたが、ちょっと調べるとその病院だけでなく全国各地の病院で同様の事例が頻発しているようです。 確かにそれを見ていくらかでも出そうという善意の人は多いのかもしれません…

自殺のリスク評価、若年層の自殺が増えているので影響は大きくなっている

リスク学者永井孝志さんのブログですが、「自殺のリスク評価」という記事が出ていました。 nagaitakashi.net特に最近は若年者の自殺が増えているようだという印象はありますが、それをはっきりと数字で示しています。 年代別の自殺リスクの経年変化というも…

「世界を変えた100のシンボル 上」コリン・ソルター著

いろいろなところで使われているシンボル、それを見ただけでその意味が分かるものとなっていますが、言語や文字ができる前から使われていたものもあったようです。 そのようなシンボルの歴史などを解説しています。 アスクレピオスの杖というシンボルがあり…

BBCがハマスを「テロリスト」と呼ばないことをイギリス政府や一部市民が攻撃

いつもブログネタを数々提供してくれるNHKの朝の番組ですが、今回は「BBCがハマスをテロリストと呼ばない」ことについてのものでした。 www3.nhk.or.jp(この記事は放映された番組とは若干違うようです) 欧米のメディアではそれぞれの政府方針に従って、パ…

EV用の電池の問題点は何か。

電池で動く電気自動車が脱炭素化への大きな役割を果たすと言われていますが、その電池に関しては多くの問題点があるとされています。 それについて、自動車ジャーナリストという池田直渡さんという方が分かりやすい解説をしていました。 news.yahoo.co.jp 現…

パー券裏金問題は安倍派排斥を目指したのか。

パー券裏金問題では松野官房長官は更迭という報道が流れましたが、どうやらその他の「安倍派五人衆」も排斥するようです。 news.yahoo.co.jp政治資金パーティーの売り上げのノルマ達成分を越えるものを議員側に戻すキックバックという資金についてそれぞれの…

「たちどまって考える」ヤマザキマリ著

ヤマザキマリさんはテルマエ・ロマエの作者として有名ですが、若いころからイタリアに渡りその後もイタリアから世界各地で暮らしてきた方です。 今でもイタリアにご夫君と家族が住んでいるのですが、ヤマザキさんはイタリアと日本を行ったり来たりの生活をし…

アメリカの銃撃事件で日本出身の女性が死亡

アメリカでまたも起きた銃撃事件で日本出身の女性が死亡しました。 ひっきりなしに起きているような事件ですが、日本関係者が亡くなるということで衝撃を受けました。 news.yahoo.co.jp 特に犠牲となった方が私と同年ということで、もしかしたら知人ではない…

「有害事象報告」では因果関係は分からない。NATROMのブログより。

ちょっと前にNATROMさんのブログに出ていた記事で、ちょっと難しい内容を含むのでこちらに転載するのもどうしようかと思ったのですが、やはり紹介しておきます。 natrom.hatenablog.com表題が「有害事象報告ベースでは因果関係の推論はできない」というもの…

「女たちの本能寺」楠戸義昭著

本能寺の変では織田信長が明智光秀に殺害されました。 そしてそれは信長、光秀の周囲の女性たちにも大きな影響を及ぼしました。 織田家の人々は明智軍により殺された人も多かったのですが、そのわずか後には秀吉軍によって光秀は殺され、明智家の女性たちも…

軽自動車に軽油?入れたらどうなるか。

自動車の燃料にはガソリンや軽油といった種類がありますが、それを間違えたらどうなるか。 そんなことは考えられないと思っていましたが、結構発生するようです。 news.yahoo.co.jp記事冒頭の事例のようにガソリンスタンドのミスで起こるのはどうしようもあ…

「紙 二千年の歴史」ニコラス・A・バスべインズ著

紙というものは日常の生活のあちこちで人間を取り巻いています。 それがもし無かったら、人々の暮らしは全く違ったものとなっていたでしょう。 本書では紙の歴史について様々な方向から見ていきます。 その発祥は中国であったのでしょうが、そこから東には朝…

熊本地震で倒壊した阿蘇神社楼門が7年かけて再建

熊本地震で倒壊してしまった重要文化財の阿蘇神社楼門が7年間の再建工事の末ようやく竣工しました。 kumanichi.com 熊本ローカルのニュースではその再建工事の様子なども細かく報じられていました。 重要文化財であるためできるだけ元の資材を使うことが必…

「琉球王国と倭寇」吉成直樹・福寛美著

琉球(沖縄)の歴史を見ると、15世紀に尚氏が統一王国を作り、さらにその後別の系統の尚氏が王朝を継いで明治時代に琉球処分で沖縄県とされるまで続きます。 先の王朝を第一尚氏、次を第二尚氏と言います。 第一尚氏の王国ができる前は、北山、中山、南山の…

熊本県蒲島知事が来年3月の県知事選に不出馬表明

熊本県の蒲島知事が来年の3月に選挙予定の次期県知事選に不出馬することを表明しました。 これまで4期16年を務め熊本県知事としては最長だったのですが、5期目には挑戦しないこととなりました。 kumanichi.com蒲島知事は大学教授などを務めた後に県知事…

「研究不正 科学者の捏造、改竄、盗用」黒木登志夫著

社会的な不正というものは次から次へと明るみに出るようですが、科学者の研究不正というものも特に最近は数多くなってきたように感じます。 その中でも特に医学や生命科学の分野で目立つようです。 本書著者の黒木さんは発がん機構の研究を長年やってきまし…

「政治資金パーティー開催自粛」って何のこと。

パーティー裏金問題が明るみに出ていますが、それに対する岸田首相の「対策」が出ました。 www3.nhk.or.jpパーティー開催を「自粛することを求める」ということです。 しかもそれを「調整中」 あまりの勘違いぶりにはもう笑うしかありません。 政治資金規正…

「不名誉な化石賞」?COPで恒例のイベントでした。

温暖化問題についてのCOPのバカ騒ぎ。 そこで毎回出てくるのがNGO団体が選定するという「化石賞」です。 化石燃料の廃止に向けた活動を妨げるような国を「化石」だと称して発表します。 今回も日本は堂々の2位。(1位でないのが驚き) それについて木村正人…

「漱石の地図帳」中島国彦著

夏目漱石はその作品の中にその舞台となる地域の特性を反映させる描写をしていることが多いようです。 漱石は東京生まれで、一時は松山や熊本、ロンドンに滞在していたもののほとんどの時期を東京で過ごしました。 作品の中ではそれがどこかということを明示…

こんな状態でも「次の政権も自民党」?、事態は大きく変わっているのに。

お手盛りで作った政治資金規正法すら守れない自民党の醜態がさらされていますが、このような状況でも「次の政権」は自民党しかないというのが世論の多数だそうです。 news.yahoo.co.jp女性自身誌がアンケート調査をしたということですが、それほど統計的な確…

「山火事と地球の進化」アンドルー・C・スコット著

温暖化のせい?なのか、世界各地で大規模な山火事が発生しているといわれます。 その原因も失火や放火と報じられることも多いようです。 しかし、古植物学が専門で世界各地で木炭の化石を発掘し研究してきた著者から見るとかなり誤解が多いようです。 まず、…

職業から見る人物の信頼性

フランスの調査会社が世界各国で「職業から見た信頼性」の調査をしたそうです。 www.nikkan-gendai.com どんな職業の人が信頼できるか、また信頼できないかということを31か国の2万人余り(日本人は500人)(ちょっと少ないか)に尋ねました。 日本の…

エネルギーや温暖化の問題で人々が完全に勘違いしていること その3

エネルギーや環境問題と言っているのに、なぜ経済成長が出てくるのと思われても仕方ないかもしれません。 しかし、ちょっと勘違いの脱炭素化やエネルギー削減といった課題に取り組むにもまず立ちふさがるのが「経済成長の呪縛」ですから、この際考えておくこ…