岸田政府は「新しい資本主義」ということを言っていますが、その中でも特に「資産運用立国」ということを強調しているようです。
資産運用、すなわち投資ですが、その投資の意味をかつての資本主義の根本ともいえる産業への投資から金融投資、つまり賭博資本主義へと付け替え、極めて危ういバブルへの誘導をしようとしています。
まるでかつての「実体産業の株を買ってその配当を貰う」ことなどは「古い資本主義」であるかのように見せています。
これについては慶応大学の小幡教授も東洋経済に書いていました。
toyokeizai.net「新しい資本主義」は「新しいバブル」にすぎない、という表題はその通りと言えるでしょう。
カネとモノが一体であったのが「古い資本主義」であるとするなら、それがなぜ悪いのか意味が分かりませんが、カネとモノとの分離からカネだけの運用ですべてが決まる賭博資本主義へといつの間にか移り変わっているのは間違いないことです。
そしてそのカネの暴走で実体経済も大変な悪影響を受けているのも事実でしょう。
しかしだから皆がその暴走に飛び込まなければならないなどと言うのはその崩壊の時の災禍をとんでもなく大きなものにするばかりです。
今の経済がバブルかどうかは専門家でも多くは否定するでしょうが、実際にはカネが暴走して吊り上がっているならばバブルであるということになります。
そこに国民のなけなしの財産を注ぎ込ませようという政府はいったい何を考えているのか。
バブル崩壊になった場合は全国民に生活保護を受給させようというのか。
もちろんそうなったら国にも金は残っておらず、生活保護費を出すことすらできません。
「資産運用立国」などと言っていますが、私には「資産運用亡国」にしか見えません。