爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

2022-05-01から1ヶ月間の記事一覧

除草剤グリホサートの発がん性について、松永和紀さんの解説

除草剤グリホサートは発がん性があるという報告がされており、一般的にも関心が高いものです。 これは日本ばかりではなく欧米でも同様(あるいはそれ以上?)で専門家もさかんに研究をしているようです。 ただし、その情報には誤ったものの多く含まれており…

「タックス・イータ― 消えていく税金」志賀櫻著

タックス・イータ―、すなわち税金を食い物にする人々。 日本の財政は極めて厳しい状況にあるとは言われていますが、実際にはそれを食い物にしている人々のために相当な割合の税金が無駄に(あるいはごく一部の人々のためだけに)消費されています。 著者の志…

「4パーミル・イニシアティブ」とは何か

またまた変な言葉を聞きました。 「4パーミル・イニシアティブ」というものです。 もちろん「4パーミル」というのは0.4パーセントのことですが、その比率が表すものが問題です。 聞いたのは「山梨県でのブドウ剪定の枝の処理」というものについてのニュース…

「〈危機〉の正体」佐藤優、富岡幸一郎著

佐藤さんは言わずと知れた元外交官で政争に巻き込まれ投獄された後現在は著述家、評論家として大活躍されています。 富岡さんはあまり存じ上げなかったのですが、文芸批評家で保守派論客として活躍されているそうです。 しかし、お二人にはそれ以上に重要な…

市町村の名前は「地名」でなければいけないのか。

テレビの番組で日本中のあちこちを自転車で走るというものがあり、この一週間は山梨県が舞台でした。 しかしそこに出てくる「市の名前」がまったく馴染みのないもので、どこの辺りかということもよく分かりませんでした。 青少年時代とその後子育て時代には…

新型コロナウイルス感染状況の疑問

おおかたの予想通り、連休で各地の人出も多くなったため(と称していますが)新規感染者数はまたも増加。 特に地方での感染増加が著しく最高数を更新というところも続出しています。 ワクチン接種は2回が80%以上、3回接種も55%と過半数を越えていますが、…

当ブログの状況と運営方針について

「方針」なんて言ってもそれほど大したものではありませんが。 よくご覧頂いている方にはお判りでしょうが、最近はだいたい「1日2記事」の公開を行っています。 朝の6時と午後1時(13時)の2回が多くなっています。 私のブログで取り上げている内容は多いも…

「コロナ後の世界」内田樹著

内田さんのブログ「内田樹の研究室」はしばしば拝見してそれを種にこちらのブログなども書いていますが、そのブログやあちこちに寄稿したものなどを中心にしてひとまとめにしたのが本書です。 対象期間は2020年あたりのようですので、文章の中にはすでに目に…

経済安全保障法成立、政府の関与が強まるそうだが、無能な政府が何を関与しようというのか。

経済安全保障法が成立しました。 半導体やレアメタルなどの重要な品目を特定の国に依存することにより、供給が滞る事態になった時には我が国の経済に大きな影響が出るのは確かですが、それを避けるために国が関与するということです。 www.fukuishimbun.co.j…

沖縄返還50年

敗戦後アメリカの統治下に置かれた沖縄が日本に返還されたのが1972年、それから50年が経ちました。 ryukyushimpo.jp 私はその当時は高校生でニュースなどで見聞きはしたもののその意味もほとんど分からず、「ドルが円になる」とか「車が右側通行から左になる…

加工肉は食べない方が良いのか。栄養疫学の論文から村上健太郎さんが解説。

ハムやソーセージなどの加工肉と呼ばれるものを食べると発がん確率が上がるという報告もあり、避けている人も居るようですが、それはどの程度のものか、栄養学者の村上健太郎さんが多くの論文の結果を整理していました。 kmnutri.com ハムやベーコン、ソーセ…

「教会と千歳飴 日本文化、知恵の創造力」上野誠著

著者の上野さんは万葉集が専門の国文学者ですが、専門外を承知であえて日本文化論を書いてみたということです。 書名の「教会と千歳飴」とは、著者のご両親が福岡県の町で小さな商売をしていたためか、いろいろな付き合いがあり中には宗教関係のものも多く、…

赤ちゃんポスト(こうのとりのゆりかご)開設から15年

熊本市の慈恵病院が開設している「赤ちゃんポスト(こうのとりのゆりかご)」が15年になったそうです。 news.yahoo.co.jp さすがに地元では折に触れいろいろと報道されていますが、15周年ということで全国ニュースでも流れていました。 15年で159人の赤ちゃ…

リスク学者永井孝志さんのブログで「知床観光船事故から考える、事故が起こってからの規制強化と事前のリスク評価」

リスク学者永井孝志さんが、知床半島での遊覧船沈没事故から見える「事故後の対策」についてブログで書いていました。 nagaitakashi.netd 多数の死者・行方不明者を出し、さらに運営業者の実態があまりにも杜撰であることが報道され、多くの人々が興味を寄せ…

「ウソの科学 騙しの技術」日垣隆

ウソや騙しというと悪いことのようですが、動物が生き残るための技術であるとも言えます。 この本は科学ジャーナリストの日垣隆さんが、このテーマについて様々な方面の専門家たちと対談した記録をまとめたものです。 この対談はTBSラジオのサイエンス・サイ…

高校の寮食堂でウェルシュ菌食中毒

群馬県の前橋育英高校の学生寮食堂で「ウェルシュ菌」の食中毒が発生したそうです。 www.sankei.com 原因食は特定されていないようですが、4月の25から27日の間に出された八宝菜やチキンソテーなどの食事を食べた234人中43人が発症したということです。 ウェ…

「国語は好きですか」外山滋比古著

外山さんは数年前に亡くなりましたが、英文科卒で英文学者とされていますが、本書の内容を見ると国語(日本語)の方により思い入れが強いようです。 この本は2014年出版ということですから、著者90歳を過ぎてからのものですが、国語というものについてあれこ…

「内田樹の研究室」より「ロシアと日本 衰運のパターン」

内田さんが大阪のある市民集会で講演を依頼され、ロシアと日本には共通パターンがあるということを話したそうです。 blog.tatsuru.com ロシアはすでに経済的にはまったく大国とは言えません。 GDPは世界11位で韓国より下、一人当たりGDPとなると世界66…

「山の名前っておもしろい」大武美緒子著

山の名前にはかなり変わったものもあり、面白いものもありますが、その紹介だけに留まらない内容の本です。 著者の大武さんは山岳雑誌の編集者を務めたあとフリーのライターとして活躍しているという方ですが、もともとは大学で民俗学を専攻していたというこ…

ヨーロッパで急性肝炎にかかる小児が急増、日本でも発生。今判っていることについて忽那賢志さんの解説。

ヨーロッパ特にイギリスで小児の急性肝炎患者が急増しているというニュースが流れましたが、それについて忽那さんが「今判っていること」と題した記事を書いていました。 news.yahoo.co.jp ヨーロッパで多いようで、特にイギリスでは111人の患者が出ています…

「リベラルとは何か」田中拓道著

リベラルという言葉は聞いたことがあります。 欧米の政治勢力で保守とリベラルというのが対抗しているという程度の印象ですが、正確な定義などははっきりとはしません。 日本でも一時はリベラルということが言われたようですが、現在ではすっかり忘れ去られ…

ごまかしは状況をさらに悪化させる。秀岳館サッカー部暴行事件

わが町の高校、秀岳館高校で発生したサッカー部コーチによる暴行事件は燃え広がり全国版ニュースにまで登場するようになってしまいました。 news.yahoo.co.jp 私の親類知人にも当校関係者が何人かいるためちょっと触れにくいのですが、一言だけ。 現代では事…

「私たちはいつまで危険な場所に住み続けるのか」木村駿、真鍋政彦、荒川尚美著

近年自然災害が頻発し、多大な被害が出ていますが、それは気候変動により降雨量が多くなったという理由ばかりでなく、どうやら人口が増え産業が活発になったために「昔は使われていなかった場所」に住宅や工場などを建てるようになったということも大きな要…

「子どもの日」ということで少子化の実態が改めて強調されているが。

5月5日は子どもの日、しかし子どもの数は減り続けているということです。 テレビでも色々と報道されていますが、大前研一さんの記事も掲載されていました。 news.yahoo.co.jp 「人口減少」が国力を落とすという見方で、何とか対策をということです。 一方、…

エネルギーバブルの行く末はどうなるのか。 その3

一応この項の最後です。 4.崩壊を避ける道はあるのか。 エネルギー供給の先細りで現代文明の行き詰まりとなるなら、早めに脱エネルギーを成し遂げるしかありません。 エネルギー供給危機はいつでも起こり得ます。 実際に今この時もその片鱗が見えています…

「観光ブラック企業」を見分けて避ける方法は。

知床で荒天下沈没し多くの犠牲者を出した知床遊覧船という会社のひどさは連日報道されていますが、こういった「観光ブラック企業」とでも言うべき会社は他にも数多くあるようです。 そういった企業を見分けて避ける方法というのをIT mediaで窪田順生さんとい…

エネルギーバブルの行く末はどうなるのか。その2

言いたい放題の続きです。 3.エネルギーバブルがはじけたらどうなるのか。 経済のバブルは対象物(不動産やチューリップ?)の価格がつり上がっていくものの、いつまでも続くはずもなく、結局は誰も買う人が居なくなり暴落しておしまいです。 エネルギーバ…

さて憲法記念日ですが。

憲法記念日ですが、改憲・護憲の声はおそらくどんどんと強くなっているのでしょう。 ウクライナのあのような惨状を見せつけられ、防衛では心もとないと「反撃能力」などと言うことを声高に言う人が居ますが、そんなものが現実的かどうか考えるまでもないこと…

エネルギーバブルの行く末はどうなるのか。その1

再生可能エネルギーと称する太陽光発電や風力発電にどんどんと変わっていくのかと思っていたら、ロシア産の石油や天然ガスが入らなくなるというだけで価格が高騰、世界各国があたふたしているということは、やはり実際には全く変換は進んでいなかったという…

「服から服への完全リサイクル」は有効か

またNHKの朝のニュース番組から 「服から服への完全リサイクル」ということで、化学繊維を溶解し再び繊維にしようという会社の取り組みを放送していました。 確かに素材としてはリサイクルです。 しかし、そのためには溶解するための薬剤を加えさらに高温…