爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

エネルギーバブルの行く末はどうなるのか。 その3

一応この項の最後です。

 

4.崩壊を避ける道はあるのか。

エネルギー供給の先細りで現代文明の行き詰まりとなるなら、早めに脱エネルギーを成し遂げるしかありません。

エネルギー供給危機はいつでも起こり得ます。

実際に今この時もその片鱗が見えています。

ただし今回はもしもロシアが侵攻をあきらめて兵を引けば元に戻る可能性が高く、その時は危機は消え去ります。

しかし同様な事態は次々と発生し、その度ごとにエネルギー高騰が起き、やがてそれが常態となっていくのでしょう。

 

エネルギー価格が高騰するならそれを逆に好機としてエネルギー浪費から離れるような姿勢を取るべきなのですが、誰もそれを考えようともせず、日本政府などは価格安定補助金という、子孫の負担をさらに増すような愚策を行っています。

 

このように、脱エネルギーは早く取り組むほど結局は痛みを最小に抑えて軟着陸を実現できるものとなります。

 

しかし、その道は非常に厳しいものとなるでしょう。

現在のほぼすべての産業はエネルギー浪費型のものであり、ほぼすべての人の職業はそれに依存しています。

それらのすべてを変え、変えられないものは廃止して行かなければなりません。

全国民にとって苦難の道となるでしょう。

 

しかしそれを考えずにエネルギー浪費文明のままエネルギー供給枯渇の状況を迎えた場合、経済社会のすべてが一気に崩壊することとなります。

文字通り、「食べる物もない」状態になるでしょう。

 

もちろん、現状でこのような政策を採る国が出現したら、国際的にはもはやその国は無いも同然となります。

貿易のうまみもなくなり、どこからも相手にされなくなるでしょう。

それが狙いの一つでもあります。

もはや「防衛力」も不要となります。

 

こういった予測は現在は誰も理解できはしないでしょう。

しかし徐々にこの兆候はあちこちに出現するようになり、いつかは危機が見えるようになると思います。

 

(終わり)