群馬県の前橋育英高校の学生寮食堂で「ウェルシュ菌」の食中毒が発生したそうです。
原因食は特定されていないようですが、4月の25から27日の間に出された八宝菜やチキンソテーなどの食事を食べた234人中43人が発症したということです。
ウェルシュ菌(Clostridium perfringens)であるということは分かっているようです。
この菌は属名を見れば分かるように、クロストリジウム属の菌ですので、嫌気性で芽胞を作る性質があります。
つまり、酸素に触れるような通常の調理環境では増殖することができず、大鍋で煮込む料理の鍋底で加熱終了後に増殖することが多いようです。
そのため、大量調理のカレーなどでの発生が目立ちます。
また、芽胞は熱に強いため加熱が不十分だと菌が死滅せずその後長い時間放置されると増殖を開始し食べる頃には中毒に十分なほどになるという危険性があります。
ウェルシュ菌食中毒は「給食病」とも言われていたそうです。
やはり大量調理、調理後の長時間放置が危険性を増すようです。
最近では給食は大丈夫かもしれませんが、この例のような学校の学生寮などは注意が必要でしょう。
なお、菌は自然界にはあちこちに存在しており、生肉や生魚に特に限られたわけではないようです。
野菜類、芋類などにも付着していることは十分に考えられますので、油断しないことです。