爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

沖縄返還50年

敗戦後アメリカの統治下に置かれた沖縄が日本に返還されたのが1972年、それから50年が経ちました。

ryukyushimpo.jp

私はその当時は高校生でニュースなどで見聞きはしたもののその意味もほとんど分からず、「ドルが円になる」とか「車が右側通行から左になる」などといった程度のことしか認識していませんでした。

 

その後、米軍基地が沖縄にばかり集中してしまったこと、軍人の犯罪や軍用機の墜落などの事件が多発していること、そして経済の自立ができず困窮していることなど徐々に知識を増やしていったものです。

 

この前見た全国対象の世論調査でも、沖縄に米軍基地が集中しているという事実は多くの人が「どちらかといえば」も含めれば「問題である」という認識はあるようですが、しかし米軍基地を自らの都道府県に引き取ろうという気は全くないようです。

 

さらに「米軍基地があることで日本の安全が守られている」という宗教的な信仰を持っているひとが大部分と、「基地があることは日本のためになっている」とは考えているようなのですが、そのあるべき姿を議論しようという気はなく、放っておけば沖縄に押し付けておけるというのが本音なのでしょう。

 

沖縄に日本の米軍基地の7割以上が集中しているということは、大きな問題と認識されていますが実はそれよりも大きなものは東京周辺に在日米軍司令部があるということです。

陸軍は座間、海軍は横須賀、空軍は横田にそれぞれの司令部を置いています。

また東京中心部にも米軍施設が置かれ、日本の治外法権となっています。

これは今のようなアメリカの属国状態に満足している政権であれば見逃しても、反抗したらすぐにでも制圧できるという状態とも言えます。

 

とは言え、沖縄に駐留しているのが兵士の資質の問題も大きい海兵隊が多いということもあり、兵士などの起こす犯罪が多いのは沖縄ということになります。

 

しかし「なぜ沖縄なのか」

敗戦直後には進駐軍としてやってきた軍隊は全国各地に散らばっていました。

そのため兵士の起こす事件も全国各地であったようです。

ところが日本との講和条約が成立すると基地も沖縄に集中させるようになったのでしょう。

その約20年の間に本土と沖縄の格差が拡大してしまいました。

72年に形だけは沖縄の返還ということになりましたが、政府にその状況を変えるといった気持ちは全く無かったようで、口先だけの約束を振りまき、補助金を出して黙らせるという政策が続いています。

 

しかし戦後当時は最大の仮想敵国はソ連でありその前線から離れた沖縄に基地を置くことは意味があったのでしょうが、現在ではそれが中国の方に移ったようです。

そうなると基地が最前線に位置することとなり得策ではないのでしょう。

もちろんロシアとの摩擦が過熱すれば再びかつての状態に戻るのかもしれませんが。

 

まだ簡単には変わりそうもない沖縄の状況ですが、せめて道筋だけは見てみたいものです。