爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

「風は山河より 第2巻」宮城谷昌光著

徳川家となる松平に仕えた東三河の豪族菅沼家三代の物語の第2巻です。松平清康が家臣に殺害された後、まだ幼い嫡男の後の広忠を必死で守ったのは、清康を殺害した阿部弥七郎の父の阿部定吉でした。斬られることを覚悟していたのですが、息子の所業とは無関係であることが分かり助命されたのでかえって全身全霊で広忠を守ろうとします。
しかし、清康の叔父の信定、弟の信孝など松平を簒奪しようとする者もあり、また織田や今川などその機会を捉えて一気に三河を併合しようとする勢力もあり、三河国内にも戸田や水野など対抗勢力も多い中で困難な情勢を迎えます。
菅沼定則は松平に仕えることを変えることなく、やがて隠居し息子の定村が菅沼家を継ぎます。

井伊家もまだ松平の配下ではなく、遠州の井伊谷に領地を持ち今川に従っていましたが、謀反の疑いをかけられ今川義元に切られます。その遺児は家来一人とともに逃れますが、その先が信州伊那市田郷の松源寺ということで、また懐かしい地名が出てきてしまいました。私の母の実家のすぐそばです。伊那と東海の近さが改めて感じられます。