色々な面でサステナブル(持続可能)を実現させるための問題があるはずですが、現在は環境、とくに二酸化炭素濃度上昇による温暖化と気候変動だけに意識が向いているような情勢です。
それも大切なのかもしれませんが、そこにだけ注目することによる弊害も多く、弊害の方で大きな痛手になりそうです。
とはいえ、環境自体は人間が動かさなくても他の要因で激しく変動しています。
とても持続しているとも言えないはずですが、とにかく人間の行動で環境変動(破壊)が起きることは避けなければならないのでしょう。
ここでも「サステナブル」とは環境が人為的には変動しないことと考えます。
人間が環境に影響を及ぼしているといえば、二酸化炭素濃度上昇ばかりがクローズアップされ、その他少しばかりですがプラスチック汚染、特に海洋汚染が語られているばかりです。
しかし、人間の行動による大きな環境変化というのはそればかりではありません。
二酸化炭素濃度などよりはるかに大きいと考えられるのは、自然な環境であった森林や草原の農耕地化、都市化でしょう。
人類が農耕を開始し文明化し始めた約1万年前より昔は、地球上には「農耕地」「都市」というものは存在しませんでした。
しかし急激に増加した農耕地、(放牧地も含む)そして都市はそれまでのその地域の自然環境とは激変しています。
当然、そこに住んでいた生物も生存できなくなり、それが現在の絶滅生物種の急増ということにつながっています。
自然分解が不可能な廃棄物の排出や、分解可能であってもそれが追い付かない大量の廃棄物排出と言う問題も大きなものです。
プラスチックばかりが問題視されていますが、もちろんそればかりではありません。
自然であれば徐々に分解されて土地の植物栄養分となる動物の排せつ物も集中すれば激しい環境悪化につながります。
金属やコンクリートなども徐々に分解されるのでしょうが大量に集積されればどうしようもない状態になります。
これらの環境悪化に比べればはるかに問題の少ない二酸化炭素濃度上昇による温暖化ですが、これも決して無視できる話ではなく、止めなければならないのは確かでしょう。
それでは、このような環境変化を防ぎサステナブル(持続可能)とするためにはどうすれば良いのか。
土地の利用方法変更による自然環境の破壊は、人類が生存しようとするならある程度は避けられないものです。
自然のまま狩猟採集で生存できる人口は全世界でせいぜい数十万人から数百万人といったものでしょう。
残りの数十億人はそのような生活方法では生きていけません。
もう現在の世界人口はどうしても環境破壊は避けられないレベルなのですが、それでも最低限、これ以上人間の破壊が及ばないような自然の聖域を広範囲に設ける必要があるでしょう。
ここで誤解されがちですが、現在の自然のままの状態を保っていたところはこれまで使いづらかったというだけで残されていた熱帯や極地がほとんどですが、ここだけを手つかずで残せば良いわけではありません。
人類の生存に好適なためにすでに自然などはほとんど残っていない、温帯や亜寒帯の地域でも広範囲に自然状態に戻すことが必要です。
これには先進国が率先して取り組まなければなりません。
廃棄物の排出による環境破壊は、一番気づきやすいところでしょうから、その解決もおそらく誰もが理解できるでしょう。
自然分解できないものはもともと使うべきではない。
再利用可能なものだけを使い、実際に廃棄はさせずに再利用させる。(可能であってもやらない例が多すぎます)
このような原則を適用すれば、ほとんどのプラスチックは使用不可となります。
紙や木材、ガラス、金属を使っても再利用ができなければいけないとなれば大量生産、大量使用と言うこと自体ほとんど不可能となります。
つまり、現代文明の利便性をほとんど捨てなければならないということになります。
その覚悟がなければサステナブルなどと言うことを言ってほしくない。
最後に、二酸化炭素濃度の上昇ですが、これは現在では化石燃料として地中に埋もれていた炭素がエネルギーとして解放されて空気中に増加しているということに絞られています。
炭素の存在状態は他にも色々とあるのですが、そちらは変化しないものと考えておきましょう(怪しいものですが)
このためには「化石燃料は使わない」という対策しかありません。
まあ、もともといつまでも使えるものではありませんから、早い時期に使用全廃に持っていけば良いだけの話です。
ただし、現在言われている代替エネルギーというものは、ほとんどがこれを効果的に為すというものではありません。
隠れて化石燃料を使わなければ成り立たないものばかりで、自立して使えるものは無いと言えるでしょう。
つまり、エネルギーに依存して成立している現在の「エネルギー依存文明」を変えない限り、達成できないということなのです。
この点については、次回のその3エネルギーで。
(続く)