爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

「太陽光発電を増やせばCO2が減るというのは幻想」元日立製作所の櫻井さんという方が数字を挙げて説明。

太陽光発電風力発電などの、いわゆる「再生可能エネルギー」などはいくら増やしても化石燃料エネルギーの代替にはなり得ず、エネルギーと資源の無駄使いでしかないということは、ここで繰り返し書いていますが、元日立製作所という櫻井さんという方が、詳しい数字を挙げてそれが幻想でしかないということを示しています。

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まず、「太陽光発電は天気の良い時しか発電できない」という大問題です。

これに対し、現在では火力発電をバックアップとして使うしか実用的な対処方法はありません。

そのため、太陽光発電を増やせば増やすほど安定供給のための火力発電が必要となるという、子供にも分かる理屈です。

 

それに対し、「蓄電池を大量に備えて安定化を図る」ということが言われています。

これについて、櫻井さんはそのようなことをするためにはどの程度の蓄電池が必要かということを計算で示しています。

 

なんと、3700万トン。

蓄電池の量を重量で示すしかないというすごい話ですが、一般的な電気自動車の搭載蓄電池量が約0.5トン(これもすごい数字ですが)ということですから、電気自動車7400万台分の蓄電池が必要ということです。

想像を絶する量だということでしょう。

もちろん、現状では蓄電池を作るためにはコバルトやリチウムといったレアメタルが必要ですが、それをこんなに確保できるはずもありません。

 

このように、太陽光発電を増やしていけばそれだけエネルギー供給だけでなく様々なところにしわ寄せがくるということです。

 

なお、残念ながら私が常に主張している、太陽光発電などの装置の製造・維持・廃棄に必要なエネルギーを取り戻すことができない(EPRが小さい)点については触れられていませんでしたが、それを言わなくても単に技術的に不可能、そしてそれを解決するための技術開発はほとんど間に合わないということは明らかということです。

 

どうも現場に疎いために具体的な数字が出しにくいものですから、このような明確な数字を提示していただけるとありがたい。