今から30年以上前になりますが、ユリ・ゲラーという世界的な超能力者が来日しテレビに出演して数々の超能力という出し物を披露、大きな話題となりました。
それを真似して日本人でも子供や青年が何人も出現し、次々と話題になったものです。
今となってはもう影も形もないような事ですが、印象深いものでした。
この本はそのブームの直後、自らも超能力者として登場した著者が悔い改めて?自分や周りのいわゆる超能力者たちが行っていたタネありの超能力の出し物の裏を解説したというものです。
取り上げられているのは、スプーン曲げなどの「念力」、封筒に入れたカードを明らかにする「透視」、思いもよらない写真を撮影する「念写」、その他念動力、霊現象、心霊写真、予言といったものの種明かしをしています。
まあこのような裏話を聞かずとも、当時から正当なマジシャンたちは手品でもできることばかりだと評していたのですが、「純真な子供たちがそんな種を使うわけがない」というおかしな思い込みで大騒ぎしていたものでした。
手品の種としては初歩的なものですが、中には失敗することもあったようです。
しかしそこで決まり文句の言い訳というのもありました。
「信じていない人が居るので上手く行かない」
「今日は体調が悪い」
まさに当時聞いたようなセリフです。
しかし、こういった風潮が超能力者を自称する若者たちで止まっているだけまだマシだったのかもしれません。
今では政治家や経済人たちがこれより見劣りする言い訳で終始していますから。