内田樹さんのブログ「内田樹の研究室」に面白い話がありました。
「肩書について」ということです。
内田さんの名刺には「凱風館館長」と書かれています。
凱風館とは内田さんが神戸で開いている道場・学塾の名前です。
しかし諸メディアにはなかなかこの肩書では紹介してもらえず、神戸女学院大学名誉教授とか、思想家、著述業などということもあるとか。
やはり世間的にはいくら活動が活発でも小さな私塾よりは大学名の方が通るということでしょうか。
私は現在は間違いなく「無職」なのですが、どうもそう名乗るというのも座りが悪いという感触です。
会社退職後、数年間は家で学習塾らしきことをしていたのですが、その間は「○○塾塾長」としていました。
しかし、教えていた生徒は最大でも2人ですので、ちょっとそれも言い辛いものでした。
一応、現在の公的にも存在している役割は、所属している合唱グループの「会計係(財務部局長と称しています)」と、かつて勤めていた会社のOB会の幹事ですが、その時だけはそう名乗っても良いのですがそれ以外の時には邪魔になります。
なお、時々地元の新聞社に投稿することもありましたが、新聞社の方からはできるだけ「無職」とするより「元会社員」等にしてほしいということがありました。
やはり無職というのは分かりづらいということなのでしょう。
さて、内田さんの記事の後半部は、自己紹介の一環として「これだけは人に負けない才能」は何かということが紹介されています。
それは、「嫌なことに我慢できない才能」だそうです。
もちろん、それを「才能」と呼べるかどうかわからないとはその次に書かれていますが。
しかし、嫌なことを我慢してやがて忘れてしまう方が精神衛生的には非常に有利であるにも関わらず、嫌なことは嫌で追求し続けるという姿勢は貴重なものでしょう。
そのせいか、「内田樹の研究室」ブログの次の記事の題名は「それでも五輪中止を求める」でした。
立派なものと思いますし、だからこそ「思想家」なのかもしれません。
私など、ちょっと金メダルが続くと何となく嬉しくなってしまうという中途半端ぶりです。
それでも私にもやはり才能はあると思います。
それは「理屈に合わないことには我慢できない才能」でしょう。
太陽光発電がコスト最安などと言いながら、「導入できないのはコスト高のせい」などと同じ省庁から発表するという「まったく理屈に合わない行動」には我慢なりません。
これからも当分はそれで続けていくことになるでしょう。