爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

2020-06-01から1ヶ月間の記事一覧

「論語知らずの論語読み」阿川弘之著

「論語読みの論語知らず」というのは普通に使われる言い回しですが、それを逆転させて「俺は論語なんて知らないよ」と言いながらそれについて色々と書いてしまおうという手法を使ったエッセイです。 小説家の阿川弘之さんが、1977年に出版したもので、著者57…

「給付金私も貰っていいの」と悩む老人もいる。

国民全員に10万円ずつ給付と言う、特別定額給付金ですが、それを「私がもらっても良いのか」と悩む方がいらっしゃるという話です。 www.moneypost.jp70代の年金生活の夫婦ですが、裕福とは行かなくても生活に困らないだけの年金も蓄えもあり、贅沢をしよ…

「笑いのモツ煮こみ」東海林さだお著

漫画家ですが非常に多数のエッセイも書いている東海林さんのエッセイの中の一冊、1993年に出版された本です。 題名には「モツ煮込み」とありますが、内容はそれほど料理や食品に関係したものではないようです。 冒頭は「バアチャンたちの原宿」 今では知らな…

人種差別に反対する運動が広がる。歴史上の人物は誰もアウトでは。

アメリカで警察官に殺された黒人男性の事件に対する抗議活動が広がる中、世界中でかつて奴隷制度に加担したりした人物の銅像などが倒されるといったことが相次いでいます。 www.yomiuri.co.jp形だけは平等となった社会でも実質的差別が残っているのは明らか…

「必ず役立つ 合唱の本 ボイストレーニングと身体の使い方編」北條加奈著、相澤直人監修

歌を歌う時に気になるのは「良い声」というものです。 ただし、どんな声が「良い声」かと言われるとすぐに答えることができません。 せいぜい、誰それのような声といったことしか言えないようです。 この本では「良い声」とは「柔軟な声」だということです。…

「内田樹の研究室」より「書評・白井聡『武器としての資本論』」

内田樹さんの「研究室」というブログはいつも注視していますが、白井聡さんの新著「武器としての資本論」について書評を書かれています。 blog.tatsuru.com内田さんも現在マルクスについての著書出版を準備されているそうですが、白井さんに先を越されてしま…

「婦国論 消費の国の女たち」小原直花著

著者の小原さんは、伊藤忠ファッションシステムという企業戦略や商品企画といった分野でのコンサルティングを行う会社で、女性の消費行動を分析するという活動を行ないその成果をまとめたということです。 いくつかの視点から分析をしているのですが、やはり…

やっぱり出ちゃった。「医療従事者支援」の弁当で大量食中毒発生。

京都の話ですが、「医療従事者支援」ということで無料で提供された弁当で、多数の食中毒者が発生したそうです。 www.jiji.com京都府長岡京市の病院に、無償提供された弁当が原因となり、医師や看護師など53人が食中毒の症状を発したということで、患者から…

助成金受給事業委託の問題で、一番大きいのは「事業遂行の能力の低いところに委託した」こと、それで受給の大幅遅延が起きている。

コロナ感染対策としての助成金などの受給事業の委託に関し、その選定や委託先の問題点などが国会でも追及されています。 委託先と政治家や官僚との癒着や、金の流れの不透明さなど、疑惑も数々ありますが、今その事業で一番問題になっているのは「実際の助成…

「シンクタンクとは何か」船橋洋一著

シンクタンクとは「政策起業家」が集まるところだそうです。 著者の船橋さんはアメリカのシンクタンクにも参加した経験を活かし東日本大震災と福島原発についての民間での事故調査を行う組織を運営するシンクタンクを立ち上げたということです。 シンクタン…

「あおり運転規制法」成立、ドライブレコーダーの普及でとんでもない画像が流れるが、実際の立証はできるのか。

ドライブレコーダーが広く普及したためか、運転中のトラブルの画像が報道にもあふれ、規制を求める世論が強くなり、規制する法律が制定されました。 jafmate.jp 最高で5年以下の懲役、免許取り消しなどの罰則が強化されています。 ちょうど時を合わせたかの…

「Googleをお使いのあなた おめでとうございます」が出ちゃいました。

今朝、いつも通りにGoogleで検索を始めたところ、いきなり「Googleをお使いのあなた おめでとうございます」と表示され、アンケートと称して使用状況を入力していったら「当選」と来ました。 ここで「なにかおかしい」と気付いてそれ以上の入力はしませんで…

「民法改正を考える」大村敦志著

2020年4月に改正民法が施行されましたが、この本はそれが法制審議会で検討されていた2011年に民法学者の東京大学法学部教授の大村さんが、改正についてだけでなく民法というものの歴史や世界的な傾向など広く解説をしたものです。 民法とは法律の体系のなか…

不安を抱えながらも合唱の練習再開

私が地域の素人合唱団に入っているという話は何度か書いたと思いますが、感染症拡大で3月初めに練習をストップしてから3か月以上がたちました。 ようやく緊急事態宣言も解除ということで、なんと昨夜から練習再開となってしまいました。 とはいえ、まだこれ…

「さらば、裁判員制度」西野喜一著

一般人が選ばれて裁判に参加するという裁判員制度、導入の際には様々な報道がなされましたが、このところほとんど耳にすることもなくなりました。 それなりに定着しているのかと思ったら、どうやらそうでもないようです。 著者の西野さんは、裁判官を経験し…

ほんと、どうでも良いことなんですが、「うどんは讃岐」は気を付けた方が。

讃岐うどんという、ブランド化したうどんは確かに全国的に繁栄をしているようですが、日本には他にも多くのうどん文化があります。 それを気にせずに「讃岐至上主義」でやっちゃった人の話が出ていました。 joshi-spa.jp 香川県出身の男性と東北出身の女性が…

「鉄道快適化物語」小島英俊著

今の鉄道の旅はかなり楽になっており、ほんの数時間で東京から大阪まで、しかも苦痛もほとんどなく(まあ心理的には苦しい人もいるようですが)旅することができるようになりました。 また、何十万円もの費用で旅行をできる高級クルーズトレインなるものも出…

夢の話「オンライン入試」

また変な夢を見てしまいました。 とはいえ、これを見た理由もほぼ明らかです。 夢の中では私は受験生(若過ぎてすいません) ところが、入学試験は通常の会場に集まって行うということができません。 夢の中ではその理由は特に触れていませんが、当然コロナ…

「アベノミクスの終焉」服部茂幸著

福井県立大学教授と言う服部さんの本は以前にも読みましたが、その鋭い見方には感心させられました。(現在は同志社大学教授になられているようです) sohujojo.hatenablog.com 本書はその本出版の直後、やはり岩波新書に書かれたもので、アベノミクスという…

電話犯罪防止には「常時留守電」が効果的、ただしちょっと困ったことが。

電話を使った詐欺やアポ電強盗などが多発しています。 それに対し、常時「留守電」に設定しておくことが有効であるということは、最近は時々テレビでも放送されていたり、自治体や警察のホームページにも書かれています。 www.npa.go.jp 上記は警察庁のホー…

書評が「図書新聞」に掲載されちゃいました

このブログのかなりの部分を占めているのが、読んだ本の「書評」ですが、その中の1編が「図書新聞」という業界紙に掲載されました。 掲載記事は、「オーケストラ 知りたかったことのすべて」クリスチャン・メルラン著です。 sohujojo.hatenablog.com 「図書…

「首相になれなかった男たち」村瀬信一著

政治家を志す者は誰しも夢見るのが「首相」総理大臣になることでしょう。 しかしほとんどその夢がかなうことはありません。 ところが、有力ポストを歴任し実力は認められながらもあと一歩が足らずに首相に届かなかった人たちがいます。 この本ではそういった…

”賀茂川耕助のブログ”を読んで、No.1289健康は個人の問題ではない

賀茂川さんはアメリカに失望し日本に国籍を移していますが、やはりアメリカの社会の問題点には非常に敏感になるようです。 kamogawakosuke.info「健康は個人の問題ではない」ということは、その他のすべての疾病についても言えることですが、特に新型コロナ…

「錆と人間 ビール缶から戦艦まで」ジョナサン・ウィルドマン著

人類は鉄を始めとする金属類を使いこなすことで文明を築いてきました。 しかし、その金属はすぐ「錆びる」 これをどうにかしないことには、不経済ということもありますが、直接に生命に関わることにもなります。 この本では、そういった錆をめぐる話をいくつ…

コロナウイルス検査結果「微陽性」とは何か

野球の巨人軍の選手がコロナウイルスに感染していたということで、大騒ぎになりましたが、その判定で「微陽性」などということが言われました。 www.tokyo-np.co.jpどうやら非常に少ないウイルス量だったということで、それを強調したかったのでしょう。 た…

「誰が音楽をタダにした? 巨大産業をぶっ壊した男たち」スティーヴン・ウィット著

「そう遠くない昔、音楽は有料だった」 訳者あとがきにこう書かれていますが、これは私たちのような中高年にとっては言われなければ気付かない盲点のような、そしておそらく若者たちにとっては新鮮な驚きなのでしょう。 いつのまにか、「音楽は無料」になっ…

こんな時でも利権あさりに余念のない政権

コロナウイルス感染での非常事態に対し、数々の経済対策を実施しようとしていますが、このような時でも数々の疑念を持たざるを得ない様な事態が噴出しています。 mainichi.jpあのアベノマスク委託業者選定でもうさん臭さが付きまとっていたのですが、そんな…

「ヒトラー演説 熱狂の真実」高田博行著

昔の資料映像などを見ると、ヒトラーが熱弁をふるいそれに聴衆が熱狂的な反応をするといった場面がしばしば出てくるようで、ナチスがドイツ国民の支持を取り付けるには重要な要素だったのかと思わせるものがあります。 著者の高田さんはドイツ語史が専門と言…

毎日新聞小島正美さんが、ブログ「フードニュースオンライン」を始めました。

毎日新聞で食品や医療問題を扱ってきた小島正美さんは、時々誤解や間違いも見られた(私見です)ものの、総体的には真剣な取り組み態度で報道に当たってこられたと思います。 その小島さんが、主に食品関係の事柄についてのブログを始めたようです。 foodnew…

トランプの最後の賭けはアメリカをバラバラにしかねない

感染対策失敗の責任を中国になすりつけたり、WHOを攻撃したりと、何とか大統領再選に向けてあがき続けているトランプですが、折から発生した警察官の黒人殺害事件への抗議活動を利用し、最後の賭けに出たようです。 mainichi.jpアメリカを分断しようが、自分…