爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

科学全般

「富士山大噴火」の被害シミュレートって、宝永噴火を想定していて良いと思ってるの。

ニュースを見ていて、「富士山噴火の被害想定」というのが出てきましたが、それが「宝永噴火」と同じ状況想定だというので驚きました。 www.nikkei.com 宝永噴火では、富士山の中腹から爆発的に火山灰が放出され、現在の静岡県東部や神奈川県西部に火山灰が…

「『健康に良い』はウソだらけ」稲島司著

書店でも図書館でも、「食品と健康」といったコーナーは「◯◯は体に良い」とか「✕✕は健康に悪い」といった本が所狭しと並んでいます。 そのほとんどは科学的な証拠など無いものや、量的な検討を無視していたりといった論法を使い、本を売るためや商品の宣伝と…

「孫の力 誰もしたことのない観察の記録」島泰三著

著者はサルの観察を長年続けてきた霊長類研究者ということです。 まだ現役で研究を続けていますが、そんな中、娘さんに子供が生まれて初孫を持つことができました。 サルの社会の観察をずっと続けてきており、サルの子供の誕生から成長といったものも様々な…

「歴史は実験できるのか」ジャレド・ダイアモンド、ジェイムズ・A・ロビンソン編著

科学の多くの分野では「実験」というものが重要です。 物理学や分子生物学では、これが最大の課題解決の手法でありそれ以外の方法がない分野も存在します。 しかし、多くの科学の分野では「実験」が不可能と考えられています。 とくに、「過去」に関わる科学…

「なぜウソをついちゃいけないの?ゴットフリートおじさんの倫理教室」ライナー・エアリンガー著

「南ドイツ新聞」というドイツの有力新聞で、「良心の相談室」というコラムを連載している著者が、その内容をまとめて倫理学というものに触れることができるような内容にしたというものです。 ただし、一問一答式で並べるといったよくあるような形式ではなく…

「再読:石油文明はなぜ終わるか」田村八洲夫著、石井吉徳監修

5年ほど前に購入し読んだ本ですが、この内容に関する考えをまとめる必要があったために、再読しました。 sohujojo.hatenablog.com 著者の田村八洲夫さんは、本書出版当時は「もったいない学会」副会長ということでしたが、現在は理事ということです。 「も…

「日本の海はなぜ豊かなのか」北里洋著

日本の沿岸は、乱獲で獲れなくなった魚種が多いのはともかく、非常に様々な生物に富んでいるらしいということは感じていました。 地中海などは海藻もあまり生えず生物に乏しいと言うことも聞いたことがあります。 しかし、本書によるとその感覚は正しく、2…

「ロボットからの倫理学入門」久木田水生、神崎宣次、佐々木拓著

今話題のロボットと言うことに寄せて、倫理学を説明してしまおうと言う本に見えます。 しかし、まえがきにもあるように、ここでロボットと倫理学を重ねると言うことには2つの意味があり、一つは確かに倫理学に初めて触れる人にも興味をもたれやすいと言う意…

NATROMのブログより、「副腎疲労」は根拠が不明確な疾患である

内科医NATROMさん(最近のペンネームは”名取宏”)のブログより、「副腎疲労」と言う疾患?についての記事が興味深いものでした。 natrom.hatenablog.com 記事の後半にあるように、「副腎疲労」とネット検索すると、その上位には多くの医者の解説や、サプリメ…

「NATROMのブログ」より、”軽症であればインフルエンザが心配だからと病院へ行くのはおすすめしない”

医学関連のニセ科学の糾弾を以前から続けておられるNATROMさんの「NATROMのブログ」に、インフルエンザについての話が書かれていました。 なお、先日あらたなご著書を出版された時から、ペンネームをNATROMから「名取宏」に変えられています。 やはり「NATRO…

「糖質オフ」の酒は飲んでも大丈夫なのか 「データ栄養学のすすめ」という本で注目の佐々木敏さんが指摘

最近、「糖質オフ」を謳い文句にしたお酒、特にビール類の発泡酒やリキュール、チューハイなどで目に付きます。 糖尿病やその予備軍の人々、ダイエットに夢中(目を覚まさずに考えていないという意味で)の人たちに人気なようですが、「データ栄養学のすすめ…

「人間と遺伝子の本当の話 ウソばっかり!」竹内久美子著

竹内さんは大学院で動物行動学を勉強したものの、研究者の道を歩まずに著述家として活躍されており、「そんなバカな!遺伝子と神について」(1991年)はベストセラーとなりました。 この本も内容はそれと同じようなもので、人間の行動というものが遺伝子…

「詭弁論理学」野崎昭弘著

論理学とは、「思考のつながりを明らかにし、論証を過不足なく行う」ことで、中国やインド、ギリシアの古代文明でもその発展が見られるほど古くから研究が重ねられてきた哲学の一分野です。 しかし、それと似て非なるものが「詭弁」(きべん)です。 一見論…

「世界一深い 100のQ」ロジェ・ゲスネリ、ジャン=ルイ・ボバン他著

色々な質問を並べてそれに答えるという本は時々見かけますが、その多くはどうでもいいようなネタや薀蓄といったものを扱う気楽な読み物です。 しかし、この本は科学の難問を次々と並べ、それに科学者たちが答えるという本格的なものです。 ただし、フランス…

「危険不可視社会」畑村洋太郎著

「危険学」で有名な畑村さんは、東日本大震災、福島原発事故のあとも大活躍されていますが、この本はその直前、2010年に出版されたものです。 したがって、東日本大震災、原発事故の教訓については含まれていないばかりか、本書中の原子力発電所について…

「人はなぜ、同じ間違いをくり返すのか」野崎昭宏著

著者の野崎さんは、数学を専攻したのち電電公社でコンピュータの研究に従事、その後大学に戻って数学教育論などを研究されました。 論理学の解説書も著されており、「詭弁論理学」という本は私もかつて読んだことがあります。(書評はまだ) この本は、数学…

佐々木敏さんの記事より 「禁煙すると太るからかえって健康に悪い?」

栄養疫学の佐々木敏さんが書いている、HUFPOSTのブログですが、今回は「禁煙すると太る。そっちのほうが悪い?」という題です。 www.huffingtonpost.jp こういう話は昔からよく聞きますので、誰もが経験したり見聞きすることなのでしょう。 そして、「だから…

「重金属のはなし 鉄、水銀、レアメタル」渡邉泉著

金属というと、鉄やアルミを始め多くの元素のことを指します。 その中でも比重の重いものを「重金属」と呼びます。 定義としては鉄より比重が重い金属元素ということですが、アルミやナトリウムなどの軽金属以外のものを指すということです。 これら重金属は…

「なぜ本番でしくじるのか プレッシャーに強い人と弱い人」シアン・バイロック著

ここ一番という大舞台で実力が発揮できる人と、できない人。 スポーツや芸術のプロ、政治や学問の場でもそういった実例がいくらでも見つかります。 それがなぜなのか、そしてどうすれば防げるかということを、心理学の一線級の研究家のバイロックさんが、最…

「ゲノム編集」が実施され子供が産まれたというニュース。ほとんどの人は理解できないだろうな。

中国で、HIVウイルスに感染した父親の子供???の受精卵にゲノム編集を施し、出生したというニュースが流れ、大きく扱われています。 www.buzzfeed.com ゲノム編集技術というものについては、私も数回ここで記事にしていました。 sohujojo.hatenablog.com …

「サピエンス全史 下」ユヴァル・ノア・ハラリ著

翻訳物の長編で、上下巻があるものはたいてい上巻だけでもういいやとなるのですが、この本は上巻の出来がかなりのものと感じたので、続けて下巻も読んでみました。 しかし、ちょっとがっかり。 人類の歴史というものを、細かな史実などは取り上げずに大きな…

「ゲームの理論入門」モートン・D・デービス著

ゲーム理論とは、数学の新分野とも見られますが、経営学や社会工学など多くの分野との関係も深いものです。 その歴史も源流はかなり古くからあるとはいえ、一般的には1944年のフォン・ノイマンとモルゲンシュテルンによる「ゲームの理論と経済行動」の出…

「超能力ははたしてあるか」大槻義彦著

1970年代から80年代にかけて、超能力と言うものがブームとなり、外国人の由利某とやらが大きく取り上げられ、日本人でも清田某とかの少年(その後青年から中年、高年となった)が何度もテレビ出演をするなどしていました。 最近ではあまりそういった番…

「ゲノムが語る人類全史」アダム・ラザフォード著

DNA分析を用いる人類進化の解析は、分析技術の急速な進歩により日々新たな知見が得られるような状況となっています。 この本はイギリスの遺伝学者にしてサイエンスライターでもある著者が、2016年に出版したものですので、最新に近い内容が盛り込まれて…

グリーンランドの氷河の下に巨大クレーター発見 隕石衝突か

グリーンランドの氷河の下に直径31kmのクレーターが発見され、巨大隕石衝突の跡と見られるそうです。 www.hazardlab.jp 6500万年前の巨大隕石衝突は恐竜の絶滅を引き起こしたと言われていますが、そこまでの大きさではなく、直径1km程度のものと考えられ…

疑似科学とされたもの、ブルーベリー

「面白いサイトを見つけました」と紹介した、明治大学科学コミュニケーション研究所主催の「疑似科学とされるものの科学性評定」から、「ブルーベリー」についての評定を取り上げます。 ブルーベリーエキス | 疑似科学とされるものの科学性評定サイト 「ブル…

「DNAで語る 日本人起源論」篠田謙一著

DNA分析技術はすごい勢いで発展しており、一つの生物たとえば一人の人間の全遺伝子を解析することすら可能となっています。 遺伝子のDNAの分析が、人間のグループ化を可能としているということは、かなり以前から知られており、その方向での研究も多くの研究…

面白いサイト発見 「明治大学科学コミュニケーション研究所」の疑似科学評定サイト

他の方のブログからたどって、明治大学科学コミュニケーション研究所と言うところが公表している「疑似科学とされるものの科学性評定サイト」というところを見つけました。 「見つけました」と言っても、急に出てきたわけではなくて、私の不勉強でこれまで知…

「〈わかる〉とは何か」長尾真著

本書まえがきにあるように、この本の題名だけ見ると、学校の教室で生徒が先生の言うことを理解することについて語る教育論や、社会や事象の仕組みを理解する方法を解説しているように一般には感じられるだろうが、この本では科学技術に関して「科学における…

「楽器の科学」橋本尚著

著者は音楽家ではなく電気工学が専門の科学者ですが、音楽愛好家として長く聞いてこられたようです。 オーケストラでは、弦楽器、管楽器、打楽器といった多くの種類の楽器が同時に音を発し、それが調和して一つの音楽として聴衆の心を掴みます。 しかし、そ…