爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

科学全般

「詭弁論理学」野崎昭弘著

論理学とは、「思考のつながりを明らかにし、論証を過不足なく行う」ことで、中国やインド、ギリシアの古代文明でもその発展が見られるほど古くから研究が重ねられてきた哲学の一分野です。 しかし、それと似て非なるものが「詭弁」(きべん)です。 一見論…

「世界一深い 100のQ」ロジェ・ゲスネリ、ジャン=ルイ・ボバン他著

色々な質問を並べてそれに答えるという本は時々見かけますが、その多くはどうでもいいようなネタや薀蓄といったものを扱う気楽な読み物です。 しかし、この本は科学の難問を次々と並べ、それに科学者たちが答えるという本格的なものです。 ただし、フランス…

「危険不可視社会」畑村洋太郎著

「危険学」で有名な畑村さんは、東日本大震災、福島原発事故のあとも大活躍されていますが、この本はその直前、2010年に出版されたものです。 したがって、東日本大震災、原発事故の教訓については含まれていないばかりか、本書中の原子力発電所について…

「人はなぜ、同じ間違いをくり返すのか」野崎昭宏著

著者の野崎さんは、数学を専攻したのち電電公社でコンピュータの研究に従事、その後大学に戻って数学教育論などを研究されました。 論理学の解説書も著されており、「詭弁論理学」という本は私もかつて読んだことがあります。(書評はまだ) この本は、数学…

佐々木敏さんの記事より 「禁煙すると太るからかえって健康に悪い?」

栄養疫学の佐々木敏さんが書いている、HUFPOSTのブログですが、今回は「禁煙すると太る。そっちのほうが悪い?」という題です。 www.huffingtonpost.jp こういう話は昔からよく聞きますので、誰もが経験したり見聞きすることなのでしょう。 そして、「だから…

「重金属のはなし 鉄、水銀、レアメタル」渡邉泉著

金属というと、鉄やアルミを始め多くの元素のことを指します。 その中でも比重の重いものを「重金属」と呼びます。 定義としては鉄より比重が重い金属元素ということですが、アルミやナトリウムなどの軽金属以外のものを指すということです。 これら重金属は…

「なぜ本番でしくじるのか プレッシャーに強い人と弱い人」シアン・バイロック著

ここ一番という大舞台で実力が発揮できる人と、できない人。 スポーツや芸術のプロ、政治や学問の場でもそういった実例がいくらでも見つかります。 それがなぜなのか、そしてどうすれば防げるかということを、心理学の一線級の研究家のバイロックさんが、最…

「ゲノム編集」が実施され子供が産まれたというニュース。ほとんどの人は理解できないだろうな。

中国で、HIVウイルスに感染した父親の子供???の受精卵にゲノム編集を施し、出生したというニュースが流れ、大きく扱われています。 www.buzzfeed.com ゲノム編集技術というものについては、私も数回ここで記事にしていました。 sohujojo.hatenablog.com …

「サピエンス全史 下」ユヴァル・ノア・ハラリ著

翻訳物の長編で、上下巻があるものはたいてい上巻だけでもういいやとなるのですが、この本は上巻の出来がかなりのものと感じたので、続けて下巻も読んでみました。 しかし、ちょっとがっかり。 人類の歴史というものを、細かな史実などは取り上げずに大きな…

「ゲームの理論入門」モートン・D・デービス著

ゲーム理論とは、数学の新分野とも見られますが、経営学や社会工学など多くの分野との関係も深いものです。 その歴史も源流はかなり古くからあるとはいえ、一般的には1944年のフォン・ノイマンとモルゲンシュテルンによる「ゲームの理論と経済行動」の出…

「超能力ははたしてあるか」大槻義彦著

1970年代から80年代にかけて、超能力と言うものがブームとなり、外国人の由利某とやらが大きく取り上げられ、日本人でも清田某とかの少年(その後青年から中年、高年となった)が何度もテレビ出演をするなどしていました。 最近ではあまりそういった番…

「ゲノムが語る人類全史」アダム・ラザフォード著

DNA分析を用いる人類進化の解析は、分析技術の急速な進歩により日々新たな知見が得られるような状況となっています。 この本はイギリスの遺伝学者にしてサイエンスライターでもある著者が、2016年に出版したものですので、最新に近い内容が盛り込まれて…

グリーンランドの氷河の下に巨大クレーター発見 隕石衝突か

グリーンランドの氷河の下に直径31kmのクレーターが発見され、巨大隕石衝突の跡と見られるそうです。 www.hazardlab.jp 6500万年前の巨大隕石衝突は恐竜の絶滅を引き起こしたと言われていますが、そこまでの大きさではなく、直径1km程度のものと考えられ…

疑似科学とされたもの、ブルーベリー

「面白いサイトを見つけました」と紹介した、明治大学科学コミュニケーション研究所主催の「疑似科学とされるものの科学性評定」から、「ブルーベリー」についての評定を取り上げます。 ブルーベリーエキス | 疑似科学とされるものの科学性評定サイト 「ブル…

「DNAで語る 日本人起源論」篠田謙一著

DNA分析技術はすごい勢いで発展しており、一つの生物たとえば一人の人間の全遺伝子を解析することすら可能となっています。 遺伝子のDNAの分析が、人間のグループ化を可能としているということは、かなり以前から知られており、その方向での研究も多くの研究…

面白いサイト発見 「明治大学科学コミュニケーション研究所」の疑似科学評定サイト

他の方のブログからたどって、明治大学科学コミュニケーション研究所と言うところが公表している「疑似科学とされるものの科学性評定サイト」というところを見つけました。 「見つけました」と言っても、急に出てきたわけではなくて、私の不勉強でこれまで知…

「〈わかる〉とは何か」長尾真著

本書まえがきにあるように、この本の題名だけ見ると、学校の教室で生徒が先生の言うことを理解することについて語る教育論や、社会や事象の仕組みを理解する方法を解説しているように一般には感じられるだろうが、この本では科学技術に関して「科学における…

「楽器の科学」橋本尚著

著者は音楽家ではなく電気工学が専門の科学者ですが、音楽愛好家として長く聞いてこられたようです。 オーケストラでは、弦楽器、管楽器、打楽器といった多くの種類の楽器が同時に音を発し、それが調和して一つの音楽として聴衆の心を掴みます。 しかし、そ…

プラスチックのゴミ対策が叫ばれる中で、バイオプラスチックも注目される

海洋などのプラスチック汚染のひどさが改めて注目され、その対策としてストローの使用禁止、レジ袋の削減など(どちらもセコい対策!)が言われていますが、そこで注目されるのが「バイオプラスチック」と呼ばれる、植物を原料とするプラスチックです。 http…

蓄電池について

私は蓄電池などにはまったくの素人ですが、これからの時代の電力やエネルギーにはこれが非常に大きな役割を果たすと思います。しかし、その影響の大きさの割には現状や将来に関して情報があまりにも少ないようです。 研究開発も鋭意進められていますと言うば…

「サツマイモの世界 世界のサツマイモ」山川理著

著者の山川さんは農林省の農業試験場にてサツマイモの品種改良などにあたり、多くの業績をあげた方です。 サツマイモはかつては「ホクホク」のものがほとんどであったと思いますが、現在では特に焼き芋には「ねっとり」とした食感のものが多くなっています。…

山梨県の保育所でヒスタミン食中毒発生

FOOCOM.NETの瀬古博子さんの記事で、山梨県の保育所でヒスタミン中毒が発生したというものです。 www.foocom.net ニュースの速報では、園児が集団でアレルギー症状と言うことだったので、瀬古さんは おそらくヒスタミン中毒と予想できたのですが、その後の続…

「3D地形図で歩く日本の活断層」柴山元彦著

内陸型の地震の多くは活断層付近で起きるということは知られてきましたが、そんな活断層というものが実際にどこにあって、どのようなものかということはまだそれほど一般に知られているものではないかもしれません。 活断層の分布というものを見れば、日本中…

「80年代SF傑作選 上」小川隆、山岸真編

私も高校生大学生であった1970年代にはよくSF小説を読んだのですが、それから就職、結婚と続いたので80年代にはあまりSF(というか、どういった本であっても)を読む機会が無くなりました。 だからというわけでもないのですが、こういったアンソロジー…

すごい話、「他人にアレルギーを起こさせる疾患」の紹介、NATROMの日記より

いろいろと医学関連で興味深い話を提示されている、内科医のNATROMさんの「NATROMの部屋」に、またまた面白い?話が紹介されていました。 d.hatena.ne.jpなんと、近くの人にアレルギー症状を起こさせるという病気があるということです。 「PATM(パトム, Peo…

「外来種のウソ・ホントを科学する」ケン・トムソン著

ユーモアとウイットに満ちた文章から、著述家かと思いましたが、著者のトムソン教授はイギリスのシェフィールド大学の生物学者ということです。 世界のあちこちで、外来種の生物が在来種を脅かし滅亡させているといったことが話題になります。 しかし、本当…

NATROMの日記より、「子宮がんで人は殆ど死なないのか」

不正確な医学情報や、エセ科学医療などと闘い続けている、内科医NATROMさんのブログに、「子宮がんで人は殆ど死なない」と主張している人を批判されている記事が書かれていました。 d.hatena.ne.jp 様々な病気の死亡率といったものは、数字の使い方次第で印…

「正しく理解する気候の科学」中島映至、田近英一著

地球温暖化ということをめぐっては、多くの論争がされていますが、公式にはIPCCの見解を日本政府も採用していることになっています。 この本は、東京大学のお二人が地球環境について古代の歴史からごく近い時代の変動まで、様々な面から解き明かしています。…

「スポーツ遺伝子は勝者を決めるか?」デイヴィッド・エプスタイン著

国際大会で日本選手がなかなか勝てない競技が間違いなくあります。 そこで勝っているのは黒人ばかり、やっぱり遺伝があるんじゃないのと言うのがほぼ日本人の漠然とした思いだと思いますが、実はこのように「スポーツの優劣は人種による」なんていうことは、…

「ゲノム編集技術」政府の検討の結果、外来遺伝子がない場合は規制しないようだ。

「ゲノム編集」という、遺伝子を改変して性質を変えるという技術の進展が見込まれるなか、どの程度の規制が必要かということを検討していた政府の検討会で、外来の遺伝子の残存がない場合は規制対象外とするという結論を出しました。 www3.nhk.or.jpこれに対…