爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

科学全般

今度の水害は温暖化のせい? TBS”サンデーモーニング”の報道に「環境問題を考える」の近藤邦明さんが激怒

広範囲に大規模な水害を起こした西日本豪雨について、日曜日のTBS系の朝の番組「サンデーモーニング」で地球温暖化の影響という決めつけが為されたということです。 「環境問題を考える」というサイトで以前から二酸化炭素温暖化説に対してその矛盾と不備を…

「生態学が語る東日本大震災」日本生態学会東北地区会編

様々な生物の分布などを研究する生態学は、地域の実態調査を繰り返し行い、その生物種や生態を研究していくのですが、この本を書いた「日本生態学会東北地区会」の皆さんは、その研究対象として、東北地方太平洋岸を扱ってきた人が多数居ました。 その研究対…

「グリーン資本主義」佐和隆光著

まあ題名だけ見れば、環境と資本主義の折衷案という感じのものかなというところでしょうか。大体そのようなものです。 著者の佐和さんは、京大名誉教授にして滋賀大学前学長、かなり偉い方のようです。 そんな人でも、社会の連中が環境保護の世界の大勢に背…

「はたらく数学 25の『仕事』でわかる数学の本当の使われ方」篠崎菜穂子著

「学校で習う数学なんて社会に出たら何の役にも立たない」と言い張る人が多数居るようです。 著者の篠崎さんは、大学では数学を専攻し卒業後は中高の数学講師をしばらく勤めたものの、その後フリーアナウンサーとなり、多くの人と知り合いました。 その中で…

「耳で考える 脳は名曲を欲する」養老孟司、久石譲著

音楽というものが、脳に対してどのように働きかけているのか、考えてみれば色々と面白い話がありそうです。 というわけで、養老さんが作曲家の久石譲さんと対談し、音楽と脳の関係についてあれこれと話題にしましたという本です。 目で見て耳で聞く楽しみ、…

「よくわかる 渋滞学」西成活裕著

「無駄学」「誤解学」といった本も書いておられる西成さんですが、その論議の進め方は極めて科学の原則に従ったものと見えます。 しばらく前に「誤解学」という本を読みましたが、その中で「渋滞学」に関する言及もありました。 sohujojo.hatenablog.com 渋…

「微笑みのたくらみ」マリアン・ラフランス著

笑顔を見せることで社会の緊張をほぐすことにつながります。 それを意識的に見せることも、無意識で見せることもあります。 赤ちゃんも笑いますが、それも無意識ではないかもしれません。 笑顔というものについて、様々な方向から科学的に解析しているのは、…

「南海トラフ地震」山岡耕春著

この次の大規模地震は南海トラフだとよく言われます。しかしその予測される全体像は東日本大震災などから連想されるものとは少し違うようです。 その差が被害の拡大につながる危険性もあります。 駿河湾から四国沖まで延びる南海トラフでは、これまで100…

「依存症臨床論」信田さよ子著

「依存症」といってもいろいろなものに対しての依存というものがあるようで、最近では「ギャンブル依存」というものが、カジノ法案審理の際に問題となりました。 この本では、「アルコール依存」を主に扱っています。 著者の信田さんは、アルコール依存症と…

「洗脳の世界」キャスリーン・テイラー著

「洗脳」と言う言葉が生まれたのは、朝鮮戦争の時でした。 もちろん、同様の事例はそれ以前にもいくらでも存在したのでしょうが。 国連軍の主力として参戦したアメリカ軍の兵士の中には戦闘中に捕虜になり、その後捕虜交換等で帰国した時にはまるで根っから…

ニュージーランドで牛を多数殺処分。マイコプラズマ・ボビスの感染症

「安心?!食べ物情報」で紹介されていましたが、ニュージーランドで病原菌マイコプラズマ・ボビスの牛への感染が明らかになり、多数の牛が殺処分されるそうです。 http://food.kenji.ne.jp/review/review967.html その数は12万頭に上りますが、この菌は非…

「ノーベル賞の真実 いま明かされる選考の裏面史」アーリング・ノルビー著

ノーベル賞に日本人が選出されるかどうか、毎年大騒ぎをしていますが、その選考ということについては日本ではほとんど話題になることもないようです。 本書著者のノルビーさんはスウェーデンのカロリンスカ研究所の教授を長く務め、ノーベル賞の生理学・医学…

「生命の数理」巌佐庸著

生物学や生命現象の中には、数理学的検討を加えるべき分野があるようです。 この本はそういった生命に関しての数理学(数式などでの解析)について、簡単に?説明しているものであり、生物学や生命科学の大学生、大学院生が学ぶ際の教科書として使えるように…

「『課題先進国』日本 キャッチアップからフロントランナーへ」小宮山宏著

著者の小宮山さんは化学工学が専門ですが、東京大学の工学部長から副学長、そして本書出版時の2007年は東京大学総長の職にあったという方です。 それだけで反発を覚える人も居るかもしれません。 しかし、まあ我慢して読み進めました。 日本は様々な課題が山…

「ノアの洪水」ウィリアム・ライアン、ウォルター・ピットマン著

キリスト教の聖書に描かれているノアの洪水については、実際に大洪水があった記憶が残っているのではないかという推測から、あちこちにその痕跡を探るということが行われてきました。 しかし、陸上でいくら探してもさほど大きな洪水の痕跡というものは見つか…

「捕食者なき世界」ウィリアム・ソウルゼンバーグ著

生物の形作る生態系というものは、それぞれの生物が密接に関係していますが、中でも最大の関係というものが「捕食」でしょう。 他の生物を食べて生きている「捕食者」は、場合によっては自分も別の生物に食べられることもあります。 しかし、最上位の捕食者…

「捏造の科学者 STAP細胞事件」須田桃子著

STAP細胞事件とは、山中教授のiPS細胞のような何にでも分化できる万能細胞ですが、それよりはるかに簡単な処理で体細胞から作り出すことができるとして、大きな注目を集めたものの、その実験についての疑いが集中し、結局は論文取り下げ、所属の理研も揺るが…

「疑似科学はなぜ科学ではないのか」チャールズ・M・ウィン、アーサー・W・ウィギンズ著、シドニー・ハリス画

占星術やUFO、超能力といったものが「科学的」ではないということは認める人が多いでしょうが、それが「なぜ」科学的ではないのかということを説明できるという人は少ないでしょう。 著者のお二人はアメリカの化学と物理の大学教授、挿絵を描いているハリス…

「バイオエシックス」米本昌平著

バイオエシックス(bioethics)は生命倫理学と訳されるようです。 生命全体を対象としますが、最近では人間の医療関連で言われる方が多いように感じます。 1970年代からアメリカで発展してきました。 日本への紹介は、この本の著者の米本昌平氏も早くか…

「金属疲労のおはなし」西島敏著

飛行機や車の大事故、発電所の事故などの時によく聞く「金属疲労」 針金などを何度も曲げたり伸ばしたりしていると、そのうちにポキっと折れるというのと同じ現象だということは聞いていて、そんなものかと納得してしまいますが、実際はかなり奥の深い問題の…

「ITリスクの考え方」佐々木良一著

ITのリスク、それは益々大きくなる一方のようです。 様々な方面にリスクが有り、外部からの攻撃・機器やソフト自体の問題・等々すでに現実化したものもあり、また大きな影響が考えられるものもありそうです。 これはすでに10年ほど前の本ですが、著者は日立…

「生命とは何だろう?」長沼毅著

生命で溢れている地球ですが、これがどのように発生し進化してきたのか、まだまだ分からないところが多いようです。 生命の発生からその進化、そして最後の人類の誕生から未来まで、生命全体を綴った生物学者長沼さんの本ですが、間違いないところを扱った教…

「飛行機をとばすコマ」森菊久著

「飛行機をとばすコマ」とはジャイロスコープのことです。 コマ(独楽)とは子供の遊びと思っていたら、それだけではなく色々な応用がされているようです。 おもちゃの中で、地球ゴマ、(あるいは宇宙ゴマ)と呼ばれる、枠の中でコマが回転するようなものが…

「人類20万年遙かなる旅路」アリス・ロバーツ著

現生人類は20万年前にアフリカで生まれ、その後世界各地に広がっていったと考えられています。 その足跡は多くの考古学者たちの発掘調査で判明してきました。 その現場、そして出土した人骨や石器などを実際に見てやろうという企画をイギリスのBBCテレビで担…

カルデラ噴火につながるのか 巨大溶岩ドームが鬼界島周辺で発見される

7300年前に巨大なカルデラ噴火を起こし、南九州の縄文文化を埋め尽くしたことが知られている鬼界カルデラで、巨大な溶岩ドームが発見されたそうです。 www.hazardlab.jp カルデラ噴火とは超大型とも言うべき噴火で、阿蘇山などを形成した形式のものですが、…

「思い違いの科学史」科学朝日編

かつて朝日新聞社から発行されていた「科学朝日」という雑誌があったのですが、そこで1970年代に連載されていたシリーズを単行本化したものです。 科学朝日はその後「サイアス」と名称変更したものの、売れ行き不調は止まらずに休刊となりました。 科学雑誌…

「恐竜はなぜ鳥に進化したのか」ピーター・D・ウォード著

ヒマラヤ山脈の頂上付近では酸素が薄くて人間は酸素マスクで吸入しなければ生きていられません。 しかし、そこで上空を見ると渡り鳥が飛び去るのが見えます。 そこは山の上よりもさらに酸素が薄いはずですが、それでも鳥たちは平気で飛行を続けています。 ど…

「ほんとうの”食の安全”を考える ゼロリスクという幻想」畝山智香子著

国立医薬品食品衛生研究所の室長をしておられる、畝山智香子さんはネット上で「食品安全衛生ブログ」という活動もされており、大変参考にさせていただいています。 以前に近著の「健康食品のことがよくわかる本」という本を読みその書評は書いています。 soh…

「寒天・ところてん読本」松橋鐵治郎著

寒天と言えばところてんにして食べたり、サイコロにしてみつ豆に入れたりというところでしょうか。 最近は健康にも良いということで食べている人もいるようです。 ただし、私達のように微生物学や生化学をやってきた者にとっては別の見方もあります。 それは…

「だまされる視覚 錯視の楽しみ方」北岡明佳著

「錯視」といえば、同じ長さの平行した直線に内向き・外向きの矢印を付けるとあたかも長さに差があるように見えるといったものです。 そのような「錯視」にも様々な種類があり、それを用いて大きな作品を作る「錯視デザイン」というものを提唱しているのが、…