爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

科学全般

カルデラ噴火につながるのか 巨大溶岩ドームが鬼界島周辺で発見される

7300年前に巨大なカルデラ噴火を起こし、南九州の縄文文化を埋め尽くしたことが知られている鬼界カルデラで、巨大な溶岩ドームが発見されたそうです。 www.hazardlab.jp カルデラ噴火とは超大型とも言うべき噴火で、阿蘇山などを形成した形式のものですが、…

「思い違いの科学史」科学朝日編

かつて朝日新聞社から発行されていた「科学朝日」という雑誌があったのですが、そこで1970年代に連載されていたシリーズを単行本化したものです。 科学朝日はその後「サイアス」と名称変更したものの、売れ行き不調は止まらずに休刊となりました。 科学雑誌…

「恐竜はなぜ鳥に進化したのか」ピーター・D・ウォード著

ヒマラヤ山脈の頂上付近では酸素が薄くて人間は酸素マスクで吸入しなければ生きていられません。 しかし、そこで上空を見ると渡り鳥が飛び去るのが見えます。 そこは山の上よりもさらに酸素が薄いはずですが、それでも鳥たちは平気で飛行を続けています。 ど…

「ほんとうの”食の安全”を考える ゼロリスクという幻想」畝山智香子著

国立医薬品食品衛生研究所の室長をしておられる、畝山智香子さんはネット上で「食品安全衛生ブログ」という活動もされており、大変参考にさせていただいています。 以前に近著の「健康食品のことがよくわかる本」という本を読みその書評は書いています。 soh…

「寒天・ところてん読本」松橋鐵治郎著

寒天と言えばところてんにして食べたり、サイコロにしてみつ豆に入れたりというところでしょうか。 最近は健康にも良いということで食べている人もいるようです。 ただし、私達のように微生物学や生化学をやってきた者にとっては別の見方もあります。 それは…

「だまされる視覚 錯視の楽しみ方」北岡明佳著

「錯視」といえば、同じ長さの平行した直線に内向き・外向きの矢印を付けるとあたかも長さに差があるように見えるといったものです。 そのような「錯視」にも様々な種類があり、それを用いて大きな作品を作る「錯視デザイン」というものを提唱しているのが、…

「神経内科 頭痛からパーキンソン病まで」小長谷正明著

著者は大学で基礎医学研究をした後、医療現場の病院に神経内科医として転進したそうですが、そこでは看護師や保健師などの医療スタッフも神経内科の病気についてあまり理解できていないことに驚いたそうです。 ベテランの看護師でも脳血管障害とパーキンソン…

「再読:ダイエットを医学する」蒲原聖可著

ちょうど3年ほど前に読んだ本ですが、また興味を持ち読んでみました。 (というのはウソで、読んだことなどすっかり忘れて図書館で手に取ってしまいなんの疑問もなく読了し、ブログを書こうという段になってなんとなく著者名に覚えがあり、調べてみたら読ん…

伊方原発の運転差し止め判決 その理由が「阿蘇山噴火」???

四国電力伊方原発の運転差し止めを求める裁判で、広島高裁が差し止め仮処分の判決を出しましたが、その理由が「阿蘇山の巨大噴火」だそうです。 www.nikkei.com裁判官などに科学的事例についての判断などさせるから、こういった判決が出ることもあります。 …

「ブナ帯と日本人」市川健夫著

「ブナ帯」という、ブナやミズナラといった木々が自然に生育する地域は、東北地方から中部山岳地帯まで日本の東北部に広く分布しています。 日本の植生を「照葉樹林帯」と呼ぶことが多いのですが、これはあくまでも西日本から関東沿岸部までであり、ブナ帯と…

「検索の新地平 集める、探す、見つける、眺める」高野明彦監修

インターネットで代表される電子情報空間には莫大な情報が収められていますが、その中から必要なものを効果的に探し出す検索というものがなければ何の利用価値もありません。 検索と聞いてまず思い浮かべるのは、グーグルやヤフーといったウェブ検索サービス…

FOOCOM.NET専門家コラムより「低炭水化物ダイエットを通して見つめる世界の食事情」児林聡美さん

よく拝見して参考にさせていただいている、FOOCOM.NETの専門家コラムに、東大で栄養疫学を研究していらっしゃる児林さんが「低炭水化物ダイエット」にまつわる話を書いています。 www.foocom.net「低炭水化物ダイエット」とは、普通は「低糖質ダイエット」と…

いつもの「安心?!食べ物情報」より、今回はインフルエンザ異常行動

いつも参考にさせて頂いている、渡辺宏さんの「安心?!食べ物情報」ですが、今回は食べ物ではなくインフルエンザ患者の異常行動についてです。 http://food.kenji.ne.jp/review/review940.html インフルエンザ患者が走り回ったり飛び降りたりという異常行動…

「土壌汚染 フクシマの放射性物質のゆくえ」中西友子著

2011年3月の東日本大震災で起きた福島第一原発の事故による、放射性物質の放出は大きな社会問題を引き起こしました。 本書著者の中西さんをはじめとする、東京大学農学部の人々は総力をあげてその状況の調査研究を繰り広げました。 農学部には、土壌、各種農…

「健康不安社会を生きる」飯島裕一編著

世界でもトップクラスの長寿国でありながら、健康不安が増大している日本ですが、そこには巨大になった健康産業も大きく関わってきます。 このような「健康不安社会」の様相を、信濃毎日新聞社の編集委員である編著者飯島さんを中心として各分野の専門家に取…

「本当のかしこさとは何か 感情知性(EI)を育む心理学」日本心理学会監修 箱田裕司・遠藤利彦編

人間の知性を測る方法としては、知能指数(IQ)がありますが、これは知性のごく一部のみを測っているにすぎないものです。 すくなくとも心理の働きとしては、感情と理性とがあるはずですが、その両方をつなぎ合わせるものとして、感情知性(emotional intelig…

「地球の履歴書」大河内直彦著

大河内さんの本は以前にも読んだことがあり、地球科学の分野以外にもエネルギー資源等の議論も肯ける論旨と感じました。 sohujojo.hatenablog.com この本は統一したテーマというわけではなく、地球科学に関する様々な文を集めたというもののようです。 第2…

「日本の火山 ウォーキングガイド」火山防災推進機構編

著者は特定非営利活動法人火山防災推進機構のメンバーで、各火山の研究者が主ということです。 そのため、各地の火山をできるだけ歩いて見てもらいたいと思いながらも、決して事故があってはいけないということから諸注意もあちこちに書かれています。 全国…

「”科学的”って何だ!」松井孝典、南伸坊著

科学全般を誰にも分かりやすく説明しようとして、科学にはまったく素人と見える有名人と、科学者とが対談をして行くという、よくある作りの本です。 素人として出場してきているのが、イラストレーターの南伸坊さん。 科学者の方が、東大の惑星物理学の教授…

「酸素のはなし 生物を育んできた気体の謎」三村芳和著

酸素は大気中に21%含まれておりそれは簡単に変わるものではないような気になってしまいますが、地球の成り立ちを考えるとそれはほんの偶然にすぎなかったようです。 本業はお医者さんですが、山登り好きがこうじて酸素について考えることも多くなってしま…

「あやしい健康法」竹内薫、徳永太、藤井かおり著

健康法については様々な俗説が出回っていますが、それらについて有名なサイエンスライターの竹内さんが、医師の徳永さん、ヨガインストラクターの藤井さんとともに、指摘しています。 それぞれの専門分野で健康法を取り上げて評し、それについてあとの2人が…

「ゲノム編集を問う 作物からヒトまで」石井哲也著

「遺伝子組み換え」という技術は実用への応用が広がり農産物の種類によってはそのほとんどが組み換えによる種子から作られているという状況になっていますが、最近ではそれをさらに高度にしたような「ゲノム編集」という技術が急速に発達しようとしています…

因果関係と相関関係 栄養疫学では切実な問題 児林聡美さんのコラムより

FOOCOM.NET専門家コラムで興味深い記事を書いている、栄養疫学研究者の児林聡美さんが、相関関係と因果関係ということについて解説しています。 www.foocom.net 栄養疫学に限らず、「疫学」という研究手法はあるがままの実態を様々な方向からみていくことで…

「岩石から読み取る 地球の自叙伝」マーシャ・ビョーネルード著

著者は地質学者であり、岩石の研究をされてきた方ということです。 地球科学という分野では地球誕生から現在までの地球の経歴というものをダイナミックに推論されていますが、それらの根拠となるものは一つ一つの岩石の詳細な検討から生まれてきたものという…

「遺伝子改造社会 あなたはどうする」池田清彦、金森修著

ゲノム編集と言うことがここ数年急激に発展しているようですが、この本は2001年出版でありながらこういった事態を予測しそうなったらどうなるかということを取り上げています。 池田さんは有名な?生物学者で、金森さんは哲学出身の科学史専攻の方です。…

「科学者はなぜ一番のりをめざすか」小山慶太著

最近でも、医学や遺伝子関係などで科学的な発見の発表をめぐり熾烈な競争が繰り広げられていることが話題になることもありますが、ノーベル賞クラスの発見でもそういった一番乗り争いがあったこともよく知られていることと思います。 しかし、昔からそうであ…

「森を食べる植物 腐生植物の知られざる世界」塚谷裕一著

腐生植物というと、なにか字面からの印象で動植物の死体などの腐った物に生えているというイメージが強いかと思います。 実際にかつての植物図鑑などにはそのように書かれているものもあるようですが、実際はそうではなく、「生きているカビやキノコから栄養…

NATROMの日記で、高価な「先端医療検査」の実態を暴いています。

現役の内科医でありながら、もう長いことネットでニセ医学とも言うべきものの問題点指摘を続けられており、「ニセ医学に騙されないために」という著書も出版されている、NATROMさんのサイト「NATROMの日記」で、まだ研究途上であるのに一部のクリニックで高…

「日本人はどこから来たのか?」海部陽介著

著者の海部さんは国立科学博物館で人類史を研究していらっしゃいますが、台湾から沖縄へ古代の舟で渡るという実験を企画したということでニュースにもなりました。 その実験も、この本も現生人類がアフリカで生まれそこから世界中へ広がっていった過程を明ら…

「ゲノム革命 -ヒト起源の真実-」ユージン・E・ハリス著

著者は化石の形態観察という方法で進化をたどるという分野から研究を始めたものの、遺伝子解析による霊長類起源探求という方向に転換しその草分けの一人となったという研究者です。 その最先端の研究者が一般向けにゲノム解析による霊長類進化の過程の解明状…