爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

科学全般

「サピエンス異変」ヴァイパー・クリガン=リード著

現代人は腰痛、眼精疲労、坐骨神経痛などの病気に苦しんでいる人が多数です。 また、2型糖尿病は多くの患者を数え、それはすでに一つの社会問題となっています。 ホモ・サピエンスという、現生人類が種として確立されたのはおよそ30万年前と考えられてい…

「この数学、いったいいつ使うことになるの?」ハル・サンダース著

学校で習う算数や数学なんて、社会に出て役に立つのかという疑問は誰しも(数学嫌いの人は)持つものらしく、それに対して数学好きの人が反論しようという本も出ています。 この前は日本人の人が書いた本を読みました。 sohujojo.hatenablog.com 今度はアメ…

「ガリレオ裁判 400年後の真実」田中一郎著

ガリレオが地動説を唱えたことで宗教裁判にかけられ、学説を放棄させられたけれど「それでも地球は動いている」と言ったとか。 もちろん、そんな独り言を誰が記録していたのか怪しい話だとは感じますが、その背景などは知りませんでした。 この逸話は、ガリ…

「NATROMのブログ」より、「HPVワクチンをめぐる『ファクトロンダリング』」

ニセ医学情報と闘う内科医「NATROM」さんのブログより、HPVワクチンをめぐる問題についての指摘です。 natrom.hatenablog.comHPVワクチンとは、ヒトパピローマウイルスに対するワクチンで、これに感染した場合は子宮頸がんにかかることが多いというこ…

「地理、8月号 特集ブラタモリの探究」古今書院発行

古今書院から発行されている月刊誌「地理」の8月号では、テレビ番組「ブラタモリ」について特集されています。 「ブラタモリ」はNHKで放送されている番組で、タモリさんがある町を訪れ歩き回るというものですが、タモリさんが特に地質学マニアであるためか…

「地理が解き明かす地球の風景」松本穂高著

私達が見る地球の風景というものは、何らかの形で「地理」というものが関与して出来上がっています。 漫然と見ていてはわからないかもしれませんが、その風景がどのような「地理」の影響を受けているか、実例を示しながら解説しています。 ただし、「地理」…

「再生可能エネルギー発電は資源浪費にすぎない」近藤邦明さんの「環境問題を考える」より

近藤邦明さんの「環境問題を考える」というサイトでは色々と勉強させていただいていますが、このたび近藤さんが「検証温暖化」という書籍を出版されたそうで、それについての記事が連載されています。 その中で、「再生可能エネルギー発電」というものが資源…

「グリーン経済最前線」井田徹治、末吉竹二郎著

経済に「グリーン」とか「ブラック」とかあるのかと思いますが、どうやら自然エネルギーへのシフトを目指したり森林の再生を行なったりする活動を経済と結びつけるとグリーン経済となるようです。 序文にあるように、「地球温暖化の進行、漁業資源の枯渇、森…

FOOCOM.NET専門家コラムより、白井洋一さんが「ゲノム編集技術 研究者・専門家にも欠ける基本知識」と題した記事

ゲノム編集技術を用いた食品などについて、その規制や表示などが議論されています。 私もこの技術については以前から着目し、できる範囲で紹介しようとしていました。 sohujojo.hatenablog.comしかし、どうも実際にどの程度のところまで行っているのか、どこ…

「日本語人の脳」角田忠信著

人間の脳は左右で機能が違い、日本人は母音を左脳で聞くが日本人以外は右脳で聞くという話は聞いたことがありました。 この本の著者の角田さんが、その理論を見つけ出し発表したのだそうです。 角田さんは耳鼻咽喉科が専門の医学研究者であり、補聴器などを…

「ドローンで迫る伊豆半島の衝突」小山真人著

伊豆半島は、フィリピン海プレートの北端に乗っておりそれが日本列島に衝突してできたということは、地質マニアの間では広く知られていることでしょう。 (さすがに、「誰にでもよく知られている」とは言えませんが) そのために、数多くの興味深い地形が形…

「シャーロック・ホームズの科学捜査を読む ヴィクトリア時代の法科学百科」E.J.ワグナー著

シャーロック・ホームズの捜査というものは、もともとは科学的なものであることが売り物でした。 「緋色の習作」では死体の死後硬直の状況を調べたり、「海軍条約文書事件」では科学実験装置で事件の遺留品を調べたりと、当時の最先端の科学捜査を描いていま…

FOOCOM.NET専門家コラムより、長村洋一さんが「食品添加物表示制度検討会」を傍聴した

消費者庁では、食品添加物の含まれている食品での表示制度について検討していますが、その第3回検討会を健康食品管理士などをされている長村洋一さんが傍聴し、その内容を紹介しています。 www.foocom.netその第3回として、事業者団体からのヒアリングが行…

太っている人はなぜ「食べていません」と言うのか。身に覚えのある問題点

栄養疫学研究の児林聡美さんが書かれている文です。 hers-ms.com 栄養疫学とは、食事の量や質、内容について多くの人の現状を調査し分析してその中に含まれる傾向を探るという学問分野で、慎重な調査企画と手法を守り解析をすれば大きな成果も期待できるとい…

「サイエンス・インポッシブル」ミチオ・カク著

SFには既存の物理学から遠く離れたような夢物語が出てきます。 しかし、それらは本当に夢なのか、実現の可能性があるのか、実際はあまり素人には分かりません。 著者のミチオ・カクさんはアメリカの理論物理学者で、超ひも理論の権威ということですが、SF小…

「ネアンデルタール人は私たちと交配した」スヴァンテ・ペーボ著

2010年に発表された、現代人のDNAの中にネアンデルタール人のDNAに由来する部分が数%存在するという論文は驚くべきものでした。 この本は、その研究の中心として主導し進めてきたドイツのマックス・プランク進化人類学研究所のスヴァンテ・ペーボ博士がその…

NATROMさんの新著紹介「医師が教える最善の健康法」

現役内科医のNATROMさんが、新著の「医師が教える最善の健康法」の発売が近づいたので、(宣伝のため?)そのまえがきをブログで公開しました。 natrom.hatenablog.com 6月24日の発売ということですので、あと1週間、また買おうか図書館に入るまで待とうか悩…

「火山大国日本 この国は生き残れるか」巽好幸著

地震の多発とともに、このところ火山爆発もあちこちで発生し、不安感が増していきます。 本書副題は「必ず起きる富士山大噴火と超巨大噴火」どちらも、いずれは「必ず起きる」のは間違い無さそうですが、あと数年、数十年の間に起きるかもしれないと言われる…

「先入観はウソをつく」武田邦彦著

武田さんの本はちょっとどうかと思う部分も多いのですが、どんなことでもはっきりと言い切ってしまうという、すっきりしたところに惹かれて時々読んでしまいます。 読んでから、ちょっと困ったなと言うことも多いのですが。 この本は「先入観」というものが…

「心理学を変えた40の研究」ロジャー・R・ホック編

心理学に限らず科学の分野においては画期的な研究が実施されてそれによって分野全体が変えられ、あるいは進歩するということが常に起きています。 そのような心理学全体を変えるような大きな影響をもたらした研究を40選び、それがどのような仮説を基に、ど…

「抗生物質と人間 マイクロバイオームの危機」山本太郎著

抗生物質という薬の登場で、多くの感染症が治るようになりました。 しかし、その一方で抗生物質の使いすぎで薬剤耐性菌というものが増加し、それに感染して亡くなるという人も増えています。 巻頭には、この抗生物質により生命を左右された例として、著者の…

「マグマの地球科学 火山の下で何が起きているか」鎌田浩毅著

火山学者として有名な鎌田さんの本はこれまでにも読んでいますが、「マグマ」そのものについて詳しく説明されている本書は、非常に興味深い内容です。 別の本で、「マグマはプレート運動で海水がマントルと触れ合ってできる」ということを知り驚きました。 …

「大絶滅時代とパンゲア超大陸」ポール・B・ウィグナル著

生物の大絶滅というと、白亜紀末の恐竜を絶滅させた隕石の衝突が有名ですが、実はその前の時代のペルム紀から三畳紀にかけて起きた絶滅の方がはるかに多くの生物を死滅させました。 その原因については未だ明確となっているわけではなく、様々な学説が出され…

「ヘンテコノミクス 行動経済学まんが」佐藤雅彦、菅俊一、高橋秀明著

行動経済学ということについては、以前も何冊か本を読んだことがあります。 sohujojo.hatenablog.com 経済学の分野の中では新しく生まれたもので、経済学というよりは心理学といった要素が強いように感じました。 とはいえ、役に立つという意味では従来の経…

「東日本大震災を分析する 1地震・津波のメカニズムと被害の実態」平川新、今村文彦編著

2007年に、当時東北大学の東北アジア研究センター長であった編者の一人、平川さんは、宮城県沖地震の発生が間近に迫っていると考え、地震や津波の専門家だけでなく文系研究者も含めて地震災害全般についての研究を急ぐ必要があると考え、賛同者を得て「…

IPBES(生物多様性及び生態系サービスに関する政府間科学政策プラットフォーム)が報告書「動植物100万種が絶滅危機」

IPBES(略称も覚えられないが、正式名称はもっと難しい)が、「動植物100万種が絶滅危機」という報告書を発表したそうです。 www.asahi.comそれによれば、人間活動で世界の海域の66%が影響を受け、湿地の85%が消滅、16世紀以降に少なくとも680…

「確率で読み解く日常の不思議」ポール・ナーイン著

日常生活で出会ういろいろな事も、確率を考えればそれがどのようになるかということがより正確に判定できるかもしれません。 そのような観点から、次のような事柄を確率論で推計してみせるという本です。 ただし、その結論として出てくるのは数式であり、そ…

長村洋一さんが「FOOCOM.NET」で書かれている、「科学立国の危機(豊田長康著)」の書評が良い。

長年、臨床検査技師教育に携わり、食品衛生などに詳しい長村洋一さんは、FOOCOM.NETの専門家コラムで記事を書いておられ、前回は「健康食品の品質の問題」と題して現在の日本の現場の品質管理技術の低落を糾弾されていたのですが、今回のコラムでは、現在鈴…

「人はなぜ集団になると怠けるのか 『社会的手抜き』の心理学」釘原直樹著

世の中の仕事や作業というものは、ほとんどが多くの人との共同作業です。 しかし、そこでは1+1=2となることはほとんど無く、大抵の場合はかなり効率が落ちるようです。 そこには「社会的手抜き」という現象が生じます。 様々な要因が関与しますが、やは…

「データ栄養学のすすめ」佐々木敏著

栄養疫学というものを広めようと奮闘されている、東京大学教授の佐々木敏さんが昨年出版された本です。 実は、出版直後から大きな話題となっており、特に栄養士さんなどの間では今でも多くのツイッターが書かれています。 私もできるだけ早く読んでみたいと…