爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

科学全般

どさくさに紛れて「富士山噴火の危険性」レポート。それにしてもなぜ「宝永噴火と同規模」しか考えないの。

こんな時期になんですが、「富士山噴火の危険性」なるレポートが出され、首都機能が止まる危険性があるということです。 www.nikkei.com政府中央防災会議作業部会で報告書案をまとめたということですが、「最悪の場合」鉄道停止、首都機能停止といったことが…

「踊る『食の安全』」松永和紀著

科学ライターとして活躍しておられる松永さんの、これは早い時期の著作です。 2006年という時期は農薬に関しても色々な動きがあったころで、中国産の農産物に過剰な農薬が残留しているとして大きな問題にもなったことがありました。 また、農薬の規制が…

新型コロナウイルスに抗体検査キットが開発、販売へ。

新型コロナウイルスに感染しているかどうか、現状では鼻や喉から採取した検体にウイルスのDNAが含まれているかどうかをPCR検査によって分析していますが、ウイルスに対する抗体が血液中に含まれているかどうかを検査できるキットを開発しており、実用段階に…

「人類の進化が病を生んだ」ジェレミー・テイラー著

人類が進化し、かつて苦しんだ病とはまったく異なる病にかかりやすくなっているようです。 よく「文明病」などと言うことがありますが、どうやらそれとは違って意味で現代の病の特徴と我々の進化とは関係しているようです。 著者のジェレミー・テイラーさん…

「コピペと捏造」時実象一著

コピペすなわちコピーアンドペースト、それと捏造というのは必ずしも同じ程度の不正とは言えませんが、種々の「表現」という行為に付随して現れてくるものです。 著者の時実さんは、化学系の学術研究に関する不正行為の調査を進めてこられたそうですが、この…

「PCR検査法の精度が悪い」なんて言わないでね。本当はものすごい分析方法です。

新型コロナウイルスの検出法として、これしか使えない状況なので「PCR検査法」と言う言葉が広く使われるようになっています。 しかし、どうも患者の検査で偽陰性や疑陽性が頻発しており、「PCR検査法の精度が悪い」などと言われることもあるようです。 かつ…

新型コロナウイルス感染症について、忽那賢志さんの解説が詳しい。

新型コロナウイルスCOVID‐19による肺炎の流行が収まりませんが、現時点での最新の解説が国立国際医療研究センターの忽那さんによりまとめられています。 非常に分かりやすく正確な記述であると思いますので引用させていただきます。 note.com すでにあちこ…

「人はなぜ過ちを犯すのか」マイケル・カプラン、エレン・カプラン著

人間は過ちばかりを犯しているように見えます。 きちんと考えればより良い選択があるはずのところで、とんでもない悪手を取ってしまいます。 そこには、脳の働きや人類が進化してきた経緯から仕方のないものもあるようです。 そういった様々な事柄を説明して…

「”意識高い系”がハマる ニセ医学が危ない!」桑満おさむ著

医者や科学者から見れば明らかに非科学的であることが分かるような主張をしていても、不思議に多くの人の心を掴むようなものがあります。 世の中にあふれるほどある「ニセ医学」というものもその信者とも言える人々を取り込んで勢力を広げています。 本書の…

「世界の起源 人類を決定づけた地球の歴史」ルイス・ダートネル著

現在の人類の社会というものは、これまでの地球の歴史によりできあがっていると言えます。 それはどういうものなのか、非常に広い範囲の事柄を取り上げています。 著者のダートネルさんの専門は「宇宙生物学」 なにやら得体のしれない学問ですが、そこから見…

「あなたの体は9割が細菌 微生物の生態系が崩れはじめた」アランナ・コリン著

テレビではコマーシャルで「菌が、菌が」の大合唱が続いています。 それに脅されて除菌剤などで一所懸命に有害?微生物の駆除に励む人々がこの本を読んだら、自分が何をしてきたのかを唖然として見ることでしょう。 とはいえ、そういった人々が簡単に読んで…

ノーベル賞受賞者の政治利用。使われる吉野さんが痛々しい。

リチウムイオン電池開発研究の業績で昨年のノーベル化学賞を受賞した吉野彰さんですが、「ゼロエミッション国際共同研究センター」のセンター長に就任するそうです。 www.aist.go.jp「ゼロエミッション」と銘打った所にいかにも胡散臭いものを感じますが、そ…

「あなたはなぜあの人の『におい』に魅かれるのか」レイチェル・ハーツ著

嗅覚と匂いについては、心理学的には非常に大きなものなのですが、あまり深く研究されたことは少なかったようです。 それらに関わる多くの話題を、嗅覚心理学の第一人者と言われるアメリカのブラウン大学のハーツ博士が一般向けに解説します。 人間の感覚の…

「子どもの脳と仮想世界」戸塚滝登著

著者の戸塚さんは小学校で教諭として教育に携わるかたわら、極めて早い時期からパソコンを教育に取り入れるということを行ってきました。 また、脳科学の最新の研究論文のチェックも怠りなく、幅広い知識をお持ちのようです。 世の中はあっという間にネット…

「『買ってはいけない』は嘘である」日垣隆著

もう20年ほど前になりますが、「週刊金曜日」という雑誌を発行している発行元からその雑誌に掲載された記事をまとめた本「買ってはいけない」が出版され、大きな評判となりました。 週刊金曜日という本自体が、大企業などの不正を糾弾するといった方向で書…

「ヒトの脳にはクセがある 動物行動学的人間論」小林朋道著

「クセがある」という言葉は、「かなり偏った性質がある」という意味で使われますが、この本はまさにそういった意味で人間の脳の働きを解説しています。 人類が現生人類になってから20万年、それ以前の原人となってからは200万年以上が経ちますが、そのほと…

「ミトコンドリアと生きる」瀬名秀明、太田成男著

もうかなり前の話になりますが、1997年に映画「パラサイト・イヴ」が作られました。 ホラー映画という印象が強いのですが、これは本書著者の一人の瀬名秀明さんが書いた小説が原作となっており、その基本には「ミトコンドリア」という細胞内の一器官がありま…

「NATROMのブログ」より、「何も悪いことをしていなくても人々は病気になる」

内科医NATROMさんが書いているブログは、医学関係の話題でいつも参考にさせてもらっています。 今回の記事は「何も悪いことをしていなくても人々は病気になる」 どうしても原因と結果を考えてしまう人間の習性が間違ったものを生み出しているということです…

「健康になれない健康商品 なぜニセ情報はなくならないのか」佐藤健太郎著

著者の佐藤さんは医薬品メーカーで研究員を勤めた後、サイエンスライターとして活動しているそうです。 現代は「健康商品」というものが溢れています。 医療の水準は上がり、多くの人が長寿を全うすることができるようになりましたが、その反面特に高齢者の…

「鉄学 137億年の宇宙誌」宮本英昭、橘省吾、横山広美著

鉄というものは現代社会にとって非常に重要であることは誰でも知っています。 少々古い言葉ですが「鉄は国家なり」などということも言われました。 しかし、そればかりではなく鉄は生物の体のためにも必須であり、欠乏すると貧血などの症状が出ることもあり…

「異常気象」は増えているのか、「異常でなかった時代の気象」はいつの話か。

世界的に「異常気象」が増え、人類はその危機にさらされていると言われています。 またそれが「温暖化」の影響であり、さらに「温暖化」は「二酸化炭素濃度の上昇」によるということも、多くの人々が真理かのように考えています。 しかし、「異常でなかった…

ノーベル賞受賞の吉野彰さんが講演「持続可能社会の構築に責任」はちょっと無理では。

本年度ノーベル化学賞を受賞した吉野彰さんが講演を行い、リチウム電池をさらに発展させて持続可能社会構築に責任を果たすと語りました。 www.nikkei.comリチウムイオン電池の実用化という大きな業績を上げ、現代社会の発展に大きく寄与したその業績は素晴ら…

首都直下地震や南海トラフ地震などの番組が放送されたが、一番やるべきことは何か。

NHKで集中して「首都直下地震」を題材とした番組や南海トラフ地震対策のものが放送されました。 www.nhk.or.jp まあほぼ内容も想像できるのでほどんと番組を見ることもありませんでしたが、やはり多くの人が衝撃を受けたことでしょう。 最悪の場合何万人…

「科学者が消える ノーベル賞が取れなくなる日本」岩本宣明著

この数年、毎年のように日本人のノーベル賞受賞者が出ており、だんだんとそれが当然のように感じられるほどになってきました。 韓国や中国ではなかなか受賞者が現れないということで、そちらでは焦りを感じていると言った報道も、(日本メディアが優越感を感…

「血液1滴で13種類のガンを発見」東芝が発表したけれどNATROMさんによれば非常に疑問。

「血液1滴で13種類のガンを発見できる」装置を東芝が開発しているという発表がされ、テレビのニュースでも報道されて、素晴らしいというコメントが語られていました。 www.fnn.jp しかし、あのNATROMさんによれば、それほど「素晴らしい」というものでも…

松永和紀さんが「ゲノム編集」について分かりやすく?解説

食品問題について詳しい解説をされる松永和紀さんが、「ゲノム編集」について説明されています。 president.jp 「ゲノム編集」技術は医療分野でも可能性が追求されていますが、食品分野では実用段階に近づいており、開発研究が進められています。 しかし、こ…

「電力化亡国論」近藤邦明著

「環境問題を考える」というサイトの主宰者、近藤邦明さんが2012年に出した、核・原発事故・再生可能エネルギー買取制度などの施策が亡国につながるという意見を述べた著書です。 上記「環境問題を考える」で既に議論を掲載されているため、私にとっては…

「マヤ・アンデス・琉球 環境考古学で読み解く『敗者の文明』」青山和夫・米延仁志・坂井正人・高宮広士著

考古学で絶対年代を測定するということは簡単ではなく、放射性同位体を使った測定でもその同位体の比率というものが「常に一定」であることを仮定して測定していたのですが、実際はかなりずれがあることが分かってきました。 そんな中で、福井県の水月湖とい…

1160万年前にも巨大隕石衝突で生物絶滅

生物の大量絶滅は大きなものが5回あったと言われていますが、1160万年前にも鳥島付近に隕石が衝突し、生物の絶滅が起きたということが発表されました。 www.asahi.comそれまでの5回の大量絶滅ほどではないようですが、それでも当時の生物種の15%ほ…

「地球の歴史(下) 人類の台頭」鎌田浩毅著

地球の歴史全3巻の下巻です。 この下巻の最後に「長めのあとがき」が置かれ、著者が本書を著した気持ちが書かれています。 これを最初に読んだ方が良いのかもしれないと思いますが、「あとがき」である以上は最後に置かなければならないのでしょう。 理科4教…