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爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

「裸体人類学 裸族からみた西欧文化」和田正平著

昔の「南洋」を描いた漫画や小説などには、腰ミノを着けただけの「土人」(昔はそう言ってたんです。お許しを)が出てくるというものでしたが、いつからかそういった描写はできなくなりました。 しかし、熱帯地方を中心としてかつてはほとんど衣服を身に付け…

「活断層」松田時彦著

この本が出版されたのは1995年12月、1月に阪神淡路大震災が起きてすぐのことですので、活断層によって起きる内陸型地震の怖ろしさを知らぬままに被害を受ける人々の多いことを、活断層研究者の著者が危機感をもったのだと思います。 東日本大震災のよ…

「サナダから愛をこめて」藤田紘一郎著

藤田さんといえば有名な寄生虫博士ですが、いろいろなところで発言をして騒動となることもありました。 しかし、さすがに寄生虫などの海外病については詳しくご存知のようです。 この本はそのご専門の寄生虫病やウイルス病等、海外で蔓延している病気につい…

「太陽からの光と風」秋岡真樹編著

太陽光発電などに注目が集まっていますが、太陽というものについての知識はそれほど深く行き渡っているとも言えないのではないでしょうか。 本書は太陽に関しての様々な方面からの解説が、様々な分野の専門家によって記されています。 ただし、ちょっと詳し…

「できたての地球 生命誕生の条件」廣瀬敬著

著者の廣瀬さんは東京工業大学の地球生命研究所の所長として地球誕生や初期の地球環境、そして生命誕生について研究されているそうです。 これまでも地球科学というものに関しての本は何冊か読んできました。 「”地球のからくり”に挑む」大河内直彦著 - 爽風…

「NHKスペシャル MEGAQUAKE巨大地震」NHKスペシャル取材班、主婦と生活社ライフプラス編集部編

NHKスペシャルという番組の中で、巨大地震というものを扱ったものは何度もありますが、この本は2010年に4回シリーズで放映されたものを書籍化したものです。 したがって、まだ2011年の東日本大震災は発生する前の状況を扱ったものですが、それを警告するよう…

「数に強くなる」畑村洋太郎著

「失敗学」の方が有名な畑村さんですが、一般の人々に数学的な考え方をしてもらうということにも意欲を持っていらっしゃるということです。 以前に「直感で分かる数学」という本を出版されたのですが、これは「ヨコ書き」の本でした。 「ヨコ書き」本は一般…

「太っている人の”食べていない”はウソ?」 栄養調査の面白い話

FOOCOM.NETの専門家コラムで栄養疫学の分野での興味深い話を連載されている、児林聡美さんの記事に面白いものがありました。 www.foocom.net 現在、東京大学の公共健康医学専攻というところで栄養疫学の研究をされている児林さんですが、これまでにもFOOCOM.…

「数学まちがい大全集」アルフレッド・S・ポザマンティエ、イングマール・レーマン著

著者は長年アメリカとドイツで数学教育にあたってこられた方々です。 数学が得意という人でも基本的な間違いを犯すということは多々あるようです。 数学に拒否感を持つ人は小学校などでつまづいたまま数学を受け入れる気がなくなってしまったのかもしれませ…

「性格のパワー」村上宣寛著

心理学者村上さんのご著書は、IQに関するものと知能テストを扱ったものを読み、非常に的確な心理学的記述をされているものと感じていました。 本書は「IQってホントは何なんだ」を出版後に、出版社から現代で広く「性格」をめぐる話題を取り上げた新刊をとの…

「食卓からマグロが消える日」良永知義著

著者は水産庁での研究職を経て東京大学に戻り研究を続けている方で、専門は魚介類の病害ですが、養殖技術に関しても詳しいということです。 したがって、水産資源の減少の問題を扱っていても養殖に話題が移りがちなのも仕方のない事でしょうか。 魚種によっ…

「科学者が人間であること」中村桂子著

著者の中村桂子さんは私が大学卒業時に就職探しをしていた頃にすでに三菱化学生命科学研究所で大活躍をされていた方で、こちらの方面では有名な方でした。 その中村さんが最近取り組んでおられたのが、「生命誌」という分野だったそうです。 これは「生命科…

「フグはフグ毒をつくらない」野口玉雄著

フグはフグ毒(テトロドトキシン)を持っており猛毒ということは誰でも知っていることでしょうが、最近はこれは食物連鎖でフグが体内に取り込んでいるだけで、毒を作っているのは別の生物だということが徐々に知られてきたようです。 本書はその研究を長年や…

「IQってホントは何なんだ? 知能をめぐる神話と真実」村上宣寛著

心理学者村上さんの知能指数IQをめぐる事態についての解説です。 冒頭にあるように、「私の知能指数は150だ」といって自慢する人が居ます。 これはどうやら何重もの意味で誤ったことだそうです。 まず、最近の知能テストでは150などという指数は出るは…

「誤解学」西成活裕著

西成さんは非線形動力学がご専門という物理学者ですが、社会現象にも興味を強く持ち、「渋滞学」や「無駄学」といった分野の研究もされているそうです。 その一環として?、「誤解学」というものも取り上げて本にしてしまいました。 この経緯は本書中にも書…

「”心理テスト”はウソでした。 受けたみんなが馬鹿を見た」村上宣寛著

著者は心理学の研究者で、ご専門は認知心理学、性格測定といった分野だそうですが、コンピュータが世に出だした頃からそれを使ったデータ分析といったところにも手を広げたためか、行きがかりでロールシャッハ・テストの解析プログラムといったものをパソコ…

「いま地震予知を問う 迫る南海トラフ巨大地震」横山裕道著

著者の横山さんは1969年に毎日新聞社に入社、科学記者として活躍されていたのですが、ちょうどその時期は東海地震が迫るという危険性が唱えられ大規模地震対策特別措置法(大震法)が制定され地震予知も多くの予算をつぎ込まれて推進されていたころです…

「地図化すると世の中が見えてくる」伊藤智章著

著者の伊藤さんは高校の先生ですが、地理が専門で日本地図学会でも教育関係で活動をされているようです。 現在はインターネット上で地図ばかりでなくいろいろなデータを取得することができます。 また、地図もフリーソフトを利用して書くことができ、ネット…

「耐震、制震、免震の科学」高橋俊介監修 高層建築研究会編著

近年多くの大地震が発生し、今年に入ってからも熊本地震、鳥取地震と続いています。 そんな中、建物の地震に対する強さを求める傾向も強まっており、高層建築ばかりでなく個人住宅でも耐震性などが言われることも珍しくなくなりました。 とはいっても、耐震…

「植物が出現し、気候を変えた」デイヴィッド・ビアリング著

生物出現以降、多数の化石が残され、それを見ると今の生物とはまったく異なる形状、大きさのものがあることが分かりますし、様々な証拠からこれまでに何回もの大量絶滅という事件が起きたことも判ってきました。 こういった現象が起きた理由はこれまでは地殻…

最近ゲームサイトによく出てくるうっとうしいダイエット広告

毎日必ず遊んでいるゲームのサイトで、最近頻繁に表示されているダイエットの広告があります。非常にうっとうしく感じられるCMです。 その惹句に曰く、「1週間で6kg痩せた人もいる生酵素ダイエット」だそうです。 触るのも穢らわしい感じがしますので、これ…

「古代日本の気候と人びと」吉野正敏著

温暖化の影響ということが過度なほどに言われていますが、これまでも大きな気候変動は何度も起きています。 しかし、著者の筑波大学名誉教授の吉野さんによれば、歴史学者たちが歴史を研究するに際しては史実の解明・解釈において気候条件にまったく触れてい…

FOOCOM.NET専門家コラム 児林聡美さんの「感謝されないお医者さんとの出会い」

FOOCOM.NETに書かれている、東大の栄養疫学の研究者、児林聡美さんの今回の記事は栄養疫学というものに進もうとしたその契機について振り返られているもので、出会いとそれによる進路変更というものについて考えさせられます。 www.foocom.net 児林さんは大…

「”地球のからくり”に挑む」大河内直彦著

著者は地球科学専門ですが、その中でも特に生物関連が主のようです。 地球温暖化といった地球環境について話題が尽きないようですが、それは実は生物の活動と大きな関わりを持っています。 そもそも石油や石炭といった化石燃料も生物活動の結果生まれたもの…

「科学の落し穴 ウソでもないがホントでもない」池内了著

著者はもともとは天文学者・宇宙物理学者ですが、その後の活躍は科学哲学や科学教育といった分野に移ったようです。 また、疑似科学の批判もされています。 本書は科学というものについてあちこちに書いたエッセイをまとめたものです。 中日新聞や「グラフィ…

「つながり進化論 ネット世代はなぜリア充を求めるのか」小川克彦著

著者の小川さんは旧電電公社に入社、研究職を勤めその後慶応大学の環境情報学部に移られたそうです。 言わば、電話を通したコミュニケーションの専門家ということでしょうか。 この本は2011年3月の発行ですので、まだスマホはそこまで普及はしておらず…

FOOCOM.NET松永編集長に、受験大手Z会から取材

FOOCOM.NETの松永編集長に、通信教育の㈱Z会から取材が来たということが書かれていました。 www.foocom.net Z会といえば、40年以上前の私の大学受験当時にもその名は有名なもので、一時入会した覚えがあり、懐かしいものです。 そのZ会が会員向けの情報誌…

「こうして、世界は終わる」ナオミ・オレスケス、エリック・コンウェイ著

最初にお断りしておきます。 いつもの図書館でパラパラと内容を見て借りてきた本ですが、読み出して唖然とするものでした。 社会科学の本棚から選んだのですが、中味はSF、近未来から21世紀を振り返るという体裁のものです。それもあまり出来の良くない。 …

「富士山噴火の歴史 万葉集から現代まで」都司嘉宣著

著者は元東大地震研の研究者で、津波がご専門ということですので、テレビでもお顔は拝見したことがあります。 そのかたわら、古い時代の地震や火山噴火の記録も古文書の中から拾い上げるということをなさっており、本書はその富士山噴火に関するものを詳細に…

「世界をやりなおしても生命は生まれるか?」長沼毅著

現在の地球は生命に溢れていますが、それが奇跡的な偶然なのか物質の性質として条件が揃えば必ず生命になるものかは確実なことはわかりません。 しかし、もしも奇跡であれば宇宙には他には生命が存在する可能性は非常に低いことになりますし、必然であれば(…

「職業としての科学」佐藤文隆著

職業としての科学 (岩波新書) 作者: 佐藤文隆 出版社/メーカー: 岩波書店 発売日: 2011/01/21 メディア: 新書 クリック: 2回 この商品を含むブログ (13件) を見る 著者は理論物理学が専門の京都大学名誉教授の方です。 現在では「科学」を職業として選び生活…

中国漁船を抑えるためには 勝川俊雄さんのご意見

以前にご著書を拝見して以来、 「漁業と言う日本の問題」勝川俊雄著 - 爽風上々のブログ 公式サイトも参考にさせて頂いている三重大学の勝川さんが中国漁船の問題に関して面白いことを書いて居られます。 katukawa.com 日本ではこれまで日本漁船がさんざん乱…

「人類のやっかいな遺産 遺伝子、人種、進化の歴史」ニコラス・ウェイド著

白人、黒人、黄色人種(なぜか”黃人”とは言わない)といった「人種」には見た目の違いばかりでなく能力の差があるという議論がかつては数多くされていたのですが、最近では人種差別と見なされできるだけそれを避けるような風潮になっているようです。 しかし…

「日本語の科学が世界を変える」松尾義之著

2008年にノーベル物理学賞を授賞した益川敏英博士はその受賞記念講演を英語ではなく日本語で行いました。もちろん、益川さんも英語の読み書きというものは支障なく使いこなすことができるはずですが、しゃべる方はそこまで得意ではないということです。 …

「飛行機はなぜ落ちるか 設計者から見た航空システムの安全性」遠藤浩著

飛行機の事故で死ぬ確率は自動車よりもはるかに低いという話ですが、この本を見るとあまりにも多くの事故があったということが分かり、あまりいい気持ちはしません。 特に、これから飛行機で旅行をしようという時にはそうでしょう。 飛行機が落ちるというこ…

”ソルトウォーターバッシング”とかいう変なダイエット法についてNATROMさんが警告

医学関係の変な動きを見張るには的確な、「NATROMの日記」で内科医のNATROMさんが「ソルトウォーターバッシング」とか言うダイエット法を取り上げています。 NATROMの日記(2016年9月20日記事) 1リットルの生理食塩水を朝起きてすぐに20分間で飲むというも…

「”健康食品”のことがよくわかる本」畝山智香子著

国立医薬品食品衛生研究所の室長さんで、「食品安全blog」という有名なサイトをほぼ毎日更新されているという、畝山さんが健康食品に関する本を出版されたという話はかなり以前に聞きましたし、他のところで多数の書評が書かれているのを見て早く読みたいも…

「パンデミックとたたかう」押谷仁、瀬名秀明著

2009年4月に北米のアメリカ、メキシコで新型インフルエンザが流行しました。 これが21世紀初めてのインフルエンザ・パンデミック(世界的流行)であったのですが、その感染力、毒性は幸いにも弱いものであり、多くの死者が出るという事態にはならずに…

「数学記号を読む辞典」瀬山士郎著

数学(小学校では算数)は義務教育から高校大学と多くの時間をかけて学習していますが、分からない、嫌いといった反応を示す人が多いのではないかと思います。 数学には数式や記号といった表記があることがその感情を増しているのではということで、数学教育…

FOOCOM.NET専門家コラム 平川あずささんの”若い女性の「痩せ方」にモラルを”

管理栄養士にして、食生活ジャーナリストの平川あずささんが書いているのが、「若い女性の痩せ方にモラルを」という記事です。 www.foocom.net 早稲田大学教授で産婦人科医の福岡秀興氏によれば、出生時体重が2500g未満の低体重児が増えており、その原因は…

IARCより、「甲状腺がんの患者増加は過剰診断」という研究結果発表

いつも参考にさせて頂いている、畝山智香子さんの「食品安全情報blog」8月19日の記事に表題の紹介がありました。 食品安全情報blog IARCといえば、最近も赤身の肉が発がん性ありなどという研究結果を発表し物議を醸している機関ですが、WHO(世界保健機関…

「研究不正 科学者の捏造・改竄・盗用」黒木登志夫著

著者の黒木先生は長年ガン細胞の基礎研究に携わってきた方ですが、本書中にも記載されているように不正な研究というものは医学分野に非常に多いという関係もあり、研究不正を防ぐということが必要ということを強く感じてこの本を書かれたそうです。 2014…

「南海トラフ地震」山岡耕春著

かつては東海地震ばかりが危険視されその対策が重視されてきましたが、それの引き金となる南海トラフでの地震発生のメカニズムが研究されていくにつれ、東海から東南海、南海まで、すなわち南海トラフ全体が震源となる巨大地震発生の可能性もあるということ…

「内陸都市はなぜ暑いか」福岡義高、中川清隆編著

真夏の暑さの中、毎日「猛暑日」という言葉を聞かないことがないようなこの頃ですが、特に暑い地域というのはたいてい決まっているようで、埼玉県や群馬県、静岡県岐阜県といったところが高温を記録したとニュースになります。 安易なニュースなどではお決ま…

「先端巨大科学で探る地球」金田義行、佐藤哲也、巽好幸、鳥海光弘著

地球の内部に関する学問、地球科学は地震や火山の災害に大きく関わることから研究も注目されますが、実際はまだ地底の実物に触れたということはありません。 時々起こる火山の噴出物や地震の振動の伝わり方を見て解析を進めてきました。 しかし、現在では様…

「生物学の”ウソ”と”ホント”」池田清彦著

池田さんはご専門が生物学なんですが、その他の方面のご活躍の方が有名になっています。 それでも専門分野に関係して一般向けの著書もしっかりと出版されており、本書もその一つと言えるでしょう。 この本の内容は、夕刊フジに連載されていた「池田教授の今…

「現代思想2016年6月臨時増刊 微生物の世界」青土社発行

青土社が発行している雑誌「現代思想」の6月増刊号ですが、テーマが「微生物の世界」ということですので、購入してみました。 現代思想の最近のテーマを見ても科学分野のものが結構多いようです。思想というものとは違うかとも思ったのですが、現代では不可…

テスラの死亡事故は太陽のせいではない 日経BP記事で鶴原吉郎さんの解説が分かりやすい

今年5月7日に、アメリカのテスラ・モーターズ社の「モデルS」という車が運転支援システム「オートパイロット」の動作中にトレーラーに衝突して運転者が死亡するという事故が起きました。 それについて、自動車ジャーナリストの鶴原吉郎さんが日経BPに詳しい…

一見科学的 テレビ番組(この差ってなんですか?)のダイエット効果検証で変な結果

日曜夜になんとなくテレビを見ていたら、TBS系で「この差って何ですか」という番組をやっていまして、様々な事象の差を解説しようと言うものなのですが、その中で 「ジョギングをしてダイエット(体重・体脂肪を減らす行為を何でもこう称します)するには朝…

クロロフィルが予防する謎の疾病 「月琴病」とはなにか NATROMの日記より

現役のお医者さんで怪しいニセ医学などを糾弾する活動を以前から進めておられる、NATROMさんの「NATROMの日記」6月21日の記事に傑作な話が載っています。 NATROMの日記 (2016.6.21の記事) クロロフィルの効用について、「月琴炎」に効果があるという話…