小林製薬の紅麴サプリによる健康被害はさらに広がりを見せていますが、案の定というかなんと言うか、食品添加物の「ベニコウジ色素」をも危険視する風潮が始まっており、それについて食生活アドバイザーの森田満樹さんがFOOCOM.NETで詳しく解説されていました。
foocom.net食品添加物のベニコウジ色素はすでに数十年も使われており、事故は起きていません。
なにより、その製造方法に大きな差があるようです。
使われるカビはMonasucusと言われる属のものであるのは共通です。
しかしベニコウジ色素の製造の場合は液体培養を行い、短期間の培養で目的となるモナスカス色素を作り出し、その後精製して色素のみを抽出して目的物としています。
それに対し、小林製薬の紅麹原料は米を原料としてそこにモナスカス属カビを接種して固体培養を行い、40日から50日間という長期間培養で目的物であるモナコリンKばかりでなくGABAなども作らせ、その培地ごと食品原料としていたそうです。
私の前報で、他のカビの混入(コンタミネーション)は簡単には起きないだろうと書いていますが、それはあくまでも液体培養の場合です。
固体培養でしかも長期間の培養期間というのはコンタミネーションを防ぐというのはかなり難しいかもしれません。
森田さんの記事の中にも「固体培養の管理の難しさを物語っている」とありますが、同感です。
米に接種して固体培養ということでは、米麹と全く同じですが、培養期間は酒類用の米麹の場合はせいぜい2日間であり、しかも旺盛な麹菌の増殖で他の菌のコンタミネーションはあったとしても無視できるほどです。
しかし40日間以上も固体培養で継続するということはたとえ無菌培養であっても混入の危険性は完全には排除できないでしょう。
問題はそのような危険性があるものを「そのまま濃縮してサプリに」するということの方でしょう。
そのような培養物でも例えば有効成分のモナコリンKのみを精製して製品化したのなら問題が起きる危険性はほとんどなかったはずです。
安易にそういったサプリ製造に向かったのが間違っていたのでしょう。
さらに言えば、他のサプリでもこういった「天然物をそのまま濃縮」したというものが多数販売されています。
そこには危険性があると考えるべきでしょう。