爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

小林製薬の紅麹サプリ事件、原因は本当にプベルル酸なのか。

小林製薬の紅麹サプリを食べて腎臓疾患となり死亡者まで出たという事件で、その原因物質が青カビがつくる「プベルル酸」という物質ではないかという話が、やや唐突に出てきましたが、今のところそれを疑うといったものはあまり出てこないようです。 私も一応…

「脱炭素化」に原発は必要なのか不要なのか。ブルームバーグに載っていた記事に正反対のものが。

「脱炭素化」という言葉ばかりが独り歩きし、その中身は千差万別、玉石混交(本当は石とも言えないガラクタ)、魑魅魍魎とも言うべき有様です。 ブルームバーグの記事で全く正反対ともいえるものがありました。 www.bloomberg.co.jp電事連副会長の佐々木氏が…

日米首脳会談で日米の同盟強化、いつまで沈みかけた泥船についていくの。

岸田首相がアメリカへ行きバイデン大統領と首脳会談を行いました。 どちらも危うい指導者ですが、それでもここで決まった内容は簡単には崩せないものでしょう。 やはり「日米同盟強化」ということになります。 news.yahoo.co.jp月面着陸に日本人も入れるなど…

「百人一首で読み解く平安時代」吉海直人著

競技カルタの人気も根強く、百人一首を一般教養として見る風潮もあります。 しかしそれをまともに研究対象とすることはあまりなく、著者も文学者として百人一首を対象として取り上げることに対しては周囲からいろいろと批判をされてきたそうです。 それでも…

サプリの不都合を指摘、ただしアメリカの話

小林製薬の紅麹事件で、機能性表示食品や健康食品サプリといったものに対する目が厳しくなっています。 しかしサプリメントに関してはアメリカの方がはるかにひどい状況です。 日本もそれを追ってしまったかのようです。 アメリカの状況について、GIGAZINEに…

「2531年佐藤さん問題」

ベルギー在住の「ちびころばーちゃん」ことShohojiさんが書いていたことですが、「2531年佐藤さん問題」というのがあるそうです。 shohoji.hatenablog.com 選択的夫婦別姓を求める団体というのがあって、そこが東北大の吉田教授という方に依頼し、このま…

ライドシェア、東京で開始

ドライバー問題について書いたばかりですが、東京でタクシーのライドシェアが開始、出発式が行われたというニュースが流れました。 www3.nhk.or.jp都内で開かれた出発式には斉藤国交大臣や河野デジタル大臣が出席、斉藤大臣がニコニコ顔で質問に答えていたの…

「進化が同性愛を用意した」坂口菊恵著

LGBTなどと言って同性愛者などを認める動きが強まっていますが、これはあくまでも人間の多様性を許容し人権を守るということから出てきたことでしょう。 しかし、どうやら同性愛というものは広く生物の中には分布しているもののようです。 そういった観点か…

「鬼平犯科帳(十三)」池波正太郎著

ちょっと趣向を変えた場所や状況でマンネリ打破? 「熱海みやげの宝物」平蔵はしばらくぶりの休み、妻久栄と彦十、おまさなどを連れて熱海に湯治に来ています。 もう一月にもなり、皆そろそろ湯治にも飽きが来ていて、そろそろ江戸にもどろうかと思い始めて…

ドライバー不足問題

2024年問題と言われてきた、バスやトラックなどのドライバー不足の問題ですが、言われ続けてきた割にはほとんど対策も取られないまま影響が表れてきました。 貨物の取扱量減少が危険だと言われてきたのですが、どうやらバスの運転手減少の方が先に表れて…

太陽光発電EPR10の意味、そして化石燃料エネルギーのすごさとそれに頼る危険性

太陽光発電のEPRが10を超えたということについて考えている内に、そんなものでは到底不十分だろうということに思い当たりました。 そしてそれに比較した時に化石燃料による火力発電の莫大な力というものにも改めて驚いたと言えます。 今さらそんなことに気…

「ロシアのなかのソ連」馬場朝子著

本書著者の馬場朝子さんは1970年から当時のソ連のモスクワ国立大学に留学、6年間滞在した後はNHKなどでディレクターとしてロシア関係の番組制作などに携わってきたそうです。 馬場さんにとってロシアのウクライナ侵攻は非常な驚きでもあり、またロシア・ウク…

熊本の大学で入学式相次ぐ。半導体関連の学部の人気も高い。

この一週間、熊本県内の大学では入学式が相次いでおり、毎日のようにテレビでもその様子が報道されていました。 その中でも注目を集めたのが半導体関連の新設学部への進学者が多いことです。 国立の熊本大学では情報融合学環が新設されましたし、工学部にも…

「さらば、男性政治」三浦まり著

ジェンダーの平等というものが日本ではかなり悪い状況で、世界的に見ても下位であるということは知られていることでしょう。 日本社会の至る所でそれが見られますが、特にひどいのが政界です。 女性議員の比率は世界的にも驚くほどの低さとなっています。 こ…

パー券裏金事件、自民党の処分は出たが。

パー券裏金事件で自民党の関係議員処分が出ました。 まあどうせこんなものだろうと思っていたのですが。 news.yahoo.co.jp 「自民党議員」であることにこの上もない価値を感じている人間にとっては「離党勧告」というのは重い処分だということでしょうが、そ…

「眠りがもたらす奇怪な出来事」ガイ・レシュジナー著

睡眠について悩みを持っている人はかなりの数になるかもしれません。 しかし、多少の不眠などはこの本の睡眠障害の実例を見ていくと些細な出来事のように思えてしまいます。 著者のガイ・レシュジナーさんはイギリスの神経科学者で、臨床医でもあります。 睡…

原発の電力を用いて水素製造に乗り出すのか。

水素水素とうるさいことですが、原発の電力を用いて水素を作り出すということが進んでいます。 www.nikkei.com 「原発と水素」というと、嫌でも福島原発事故の際の水素爆発を思い出してしまいますが、そうではなく水素製造に原発の電力を用いて水の電気分解…

太陽光発電の問題点はEPR計算の問題ではないかもしれないことに思い当たった。

最近、雑草Zさんと太陽光発電などのEPRについて議論をしていたのですが、どうも私の主張していた点にも穴があるように感じてきました。 それは「EPRの計算において数え落としが多すぎる」というもので、それを是正するためにも厳密な計算法の確立をすべきと…

「鬼平犯科帳(十二)」池波正太郎著

火付け盗賊改め方を目の敵とする盗賊たちは与力同心たちも付け狙います。 当時非常に殉職の例が多かったそうです。 「いろおとこ」火盗改同心の寺田金三郎は、兄の又太郎が同心在職中に兇賊の襲撃を受け殺されたために家督を継いで同心となりました。しかし…

「はじめまして現代川柳」小池正博編著

川柳というものは江戸時代に生まれて大流行をしたのですが、現代でも作られています。 新聞には読者の作った川柳投稿のコーナーもありますし、保険会社が募集する「サラリーマン川柳」といったものもありました。 そういった流れのもとには専門家として作句…

今年の桜はあっという間に満開から散り始め

開花が非常に遅れた今年のソメイヨシノですが、開花後の気温上昇であっという間に満開からすでに散り始めているようです。 ちょっと前に開花が始まったと書いたような気がする八代城址ですが、今日行ってみたらすでに満開から散り始めている花もありました。…

「ネットいじめの現在」原清治編著

学校でのいじめというものは、かつてのような身体的なものではなく、仲間外れにしたり無視したりといった精神的なものが主流となっています。 そしてそれにネットというものが深く関わってきているため、親や教師から見にくいものとなっているようです。 そ…

小学校入学式の思い出

父の作ってくれた写真アルバムの一番古いものに、幼稚園の卒園の集合写真と小学校入学の写真があります。 小学校入学時のものを貼ります。 下に学校名と年月日が入っています。 まあボカシは要らないでしょう。 もう63年も前の4月1日、子どもたちは70…

「水素社会は夢じゃない」? 川崎重工は社運をかけているようです。

水素というものに対して期待する動きが強まっています。 気候変動が実感として感じられるようになり、その原因と考えられる二酸化炭素放出が少ない(実際は単に”見えない”)ものへの転換が必要とされてきましたが、それの第一歩として広められた太陽光発電や…

紅麹サプリ事件、原因物質候補としてプベルル酸が浮上

小林製薬の紅麹サプリによる薬害(薬じゃないけど)事件の原因物質特定には長期間かかると言われてきましたが、突然「プベルル酸」という名前が上がってきました。 そんな化合物など聞いてこともないという人がほとんどでしょう。 もちろん、その化合物が腎…

「始皇帝の愛読書」鶴間和幸著

秦の始皇帝といえば「焚書坑儒」という言葉でも有名であり、書物などは燃やしてしまえとばかりの反教養主義的な人物かという印象が強いのではないでしょうか。 しかし、中国でも西の辺境から国を強化し全中国を統一するという偉業を成し遂げたのですから、そ…

「鬼平犯科帳(十一)」池波正太郎著

この巻も異色の設定の話が続きます。 「男色一本饂飩」浪人に身をやつしての市中見回り中だった火付け盗賊改め方同心木村忠吾は深川の永寿山海福寺の門前の一本饂飩が名物の茶店豊島屋で昼食をとっていたところを盗賊の首領寺内武兵衛の男色の相手として目を…

「教養としての 日本列島の地形と地質」橋本純著

プレートテクトニクスの理論によれば、日本列島はプレートが4枚押し合っているという世界的に見ても稀な特徴を持っており、そのために地震が非常に多くまた火山も集中しています。 また雨量も多く温帯でこれだけ降水量の多いところは珍しいほどです。 そのた…

ようやく認識された危険性、「機能性表示食品」制度そのものに問題点があった。

小林製薬の紅麹サプリによる被害が徐々に明らかになり、その大きさに驚かされます。 製造上の問題点や異常発覚の後の小林製薬の対応のまずさなども出てきていますが、そもそも「機能性表示食品」という制度自体にこういった危険を生む要因があったということ…

「力学入門」長谷川律雄著

力学とは物理学の一部門ですが、感覚としては物理の主要な部分であると感じます。 しかし中高でごく基礎を学び、大学でも教養でわずかに学んだだけでとても十分に理解できているとは言えませんでした。 それでこの本を読んでみたのですが、やはり理解しづら…