爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

ようやく認識された危険性、「機能性表示食品」制度そのものに問題点があった。

小林製薬の紅麹サプリによる被害が徐々に明らかになり、その大きさに驚かされます。

製造上の問題点や異常発覚の後の小林製薬の対応のまずさなども出てきていますが、そもそも「機能性表示食品」という制度自体にこういった危険を生む要因があったということをようやく東京新聞が取り上げていました。

www.tokyo-np.co.jpこの制度が始まったのは安倍内閣が「経済成長戦略」の一つとして作ったもので、そもそも使用者の安全というものに対しての配慮が足りなかったものです。

 

それまでにあったトクホ、特定保健用食品制度は多くのデータをもとに申請し国が審査許可するというもので、金と手間がかかり簡単にはできないものでした。

大企業が数億、数十億という金をかけなければ取れないと言われていました。

 

それを大幅に簡略化し、臨床データなどは不要、そこに含まれる成分の機能性についての科学的論文があれば良いというものにしてしまいました。

 

国民の健康に対しての配慮も簡略化し、企業の利益優先だと当時も専門家からの批判が出たものです。

 

しかし経済成長優先の政府の姿勢のもと強行されて実施、そこに多くの企業が参入し製品を次々と売り出すようになりました。

それ以前はトクホを手掛けていた大企業でも今では機能性表示食品ばかりとなっているようです。

 

そのような杜撰な制度の下、とうとう犠牲者が出るという事態になりました。

直接手を下したのは小林製薬ですが、その陰には経済成長優先の安倍内閣があったことは間違いのない事実です。