爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

読書記録

「ここがヘンだよ 日本の選挙」小沢隆一、志田なや子、小松浩、井口秀作著

私もこのブログで、現在の日本の選挙制度が犯罪的と言えるほど歪んでいることを指摘していますが、それを憲法学者や弁護士といった専門家の方々がまとめた本です。 言うまでもなく、現在の間接民主制というものの中では選挙制度というものが政治の在り方とい…

「中国化する日本 日中『文明の衝突』一千年史」與那覇潤著

いささかぎょっとするようなタイトルですが、著者の與那覇さんもその効果を十分に考えて付けているようです。 「はじめに」に書かれ、その後もたびたび触れてあるように、次の考えによります。 「尖閣諸島から始まり中国軍の侵略が始まり日本が占領される」…

「地理、8月号 特集ブラタモリの探究」古今書院発行

古今書院から発行されている月刊誌「地理」の8月号では、テレビ番組「ブラタモリ」について特集されています。 「ブラタモリ」はNHKで放送されている番組で、タモリさんがある町を訪れ歩き回るというものですが、タモリさんが特に地質学マニアであるためか…

「知れば知るほど面白い 朝鮮王朝の世界」康煕奉著

韓国の歴史ドラマは人気があり、現在でも数々のドラマが放映されています。 その多くは朝鮮王朝(1392年から1910年)を舞台としたものであり、登場人物も実在のものが多いようです。(ただし、内容はすべて史実というわけではなく、かなり自由に創造…

「地理が解き明かす地球の風景」松本穂高著

私達が見る地球の風景というものは、何らかの形で「地理」というものが関与して出来上がっています。 漫然と見ていてはわからないかもしれませんが、その風景がどのような「地理」の影響を受けているか、実例を示しながら解説しています。 ただし、「地理」…

「傷つく人、傷つける人」信田さよ子著

著者の信田さんは長年カウンセラーとして相談を受けてきた方です。 DVやいじめ、パワハラなどなど、人を傷つけることが大きくクローズアップされるようになってきましたが、まだまだそれは人間関係の問題であり続けているようです。 この本では主に言葉など…

「映画館の入場料金はなぜ1800円なのか?」斉藤守彦著

最近はあまり映画館に行って映画を見るということはありませんが、かつては時々は見に行くこともありました。 確かに、「普通の入場料金」はみな1800円でした。 そして、多くの「割引料金」というものもありました。 それがどういう経緯で決まってきたの…

「修道院の歴史 聖アントニオスからイエズス会まで」杉崎泰一郎著

キリスト教の修道院、今でも多くのものがあり、修道士という人々が居ます。 仏教でも修行僧という人々がいますので、それと同じような存在かと考えてしまいますが、どうなのでしょうか。 キリストの弟子たちが財産を放棄し世俗から離れた生活をしたという伝…

「ハガルとサラ、その子どもたち ユダヤ教、キリスト教、イスラム教の対話への道」Ph.トリブル、L.M.ラッセル編著

旧約聖書で、ユダヤ人のはるかな祖先の族長としてアブラハムが登場します。 彼は妻のサラとの間にイサクという息子をもうけ、それが代々つながってユダヤ民族となっていくということになるのですが、実は聖書にはそこに関わるエピソードが書かれています。 …

「酒好き医師が教える 最高の飲み方」葉石かおり著

表紙に大きく書かれた「最高の飲み方」という字を見て、「これはもしかしたら飲みすぎていてもその害を減らす方法があるのか」と思ってしまいましたが、 そんなうまい話は無かった。 結局のところは、「一日あたりアルコール換算で20ml以下」という「適…

「豊かさと棄民たち 水俣学事始め」原田正純著

水俣病が世に知られるようになった最初の頃から医師として関わり、患者の立場に立ってきた原田正純さんについては、これまでも佐高信さんが書いた伝記を読んだことがありました。 sohujojo.hatenablog.com 今度はご本人が振り返って書かれたものを読んでみま…

「笑う大英帝国 文化としてのユーモア」富山太佳夫著

イギリスには伝統的にユーモアや笑い、冗談、風刺といったものが根付いていると言われます。 しかし、19世紀のイギリス文学研究が専門の著者から見ると、そんなに良いものではなく下品な下ネタや強烈な風刺を相手構わずに垂れ流すようなものであり、それで…

「人名ではない人名録」小林祥次郎著

人を指す人名というものを使い、「弘法麦」や「弥助」といった物事を表す言い方があります。 また、「権助」という名は江戸時代の特定の立場の人に共通の呼び名でした。 他にも「でれすけ」といった、物事を人名になぞらえた「擬人名」というものがあります…

「トンデモ一行知識の世界」唐沢俊一著

唐沢さんは、評論家、コラムニスト、ラジオパーソナリティなどと紹介されていますが、それよりも「と学会」発起人の一人と言った方がわかりやすいでしょうか。 「トンデモ本」などという、ちょっと「行ってしまった」本を探し出して面白がるという、学会とは…

「グリーン経済最前線」井田徹治、末吉竹二郎著

経済に「グリーン」とか「ブラック」とかあるのかと思いますが、どうやら自然エネルギーへのシフトを目指したり森林の再生を行なったりする活動を経済と結びつけるとグリーン経済となるようです。 序文にあるように、「地球温暖化の進行、漁業資源の枯渇、森…

「再読:食糧の帝国 食物が決定づけた文明の勃興と崩壊」エヴァン・フレイザー、アンドリュー・リマス著

この本は、本ブログ開設直後に読んで書評を書いていますが、まだ書き方も安定しておらず、見直してみても中身が分からないようなものだったので、再読してみることとしました。 「食糧の帝国 食物が決定づけた文明の勃興と崩壊」エヴァン・フレイザー、アン…

「納豆の起源」横山智著

民俗学者で東南アジアの焼畑農業などを調査研究していた著者は、2000年の冬に訪れていたラオスで「トゥアナオ」と呼ばれる納豆に出会います。 それから調査に出かけるたびに現地の市場などで納豆を探すようになり、結局はそちらの調査の方が主となってし…

「プロテスタンティズム 宗教改革から現代政治まで」深井智朗著

キリスト教のプロテスタントといえば、マルティン・ルターが当時のカトリック教会の腐敗に異議を唱え、新たな一派を起こしたものの、それから長らく新旧両派の対立が続いたというイメージです。 また、イギリス国教会もプロテスタントに入ると聞き違和感も感…

「隠された物部王国『日本(ヒノモト)』」谷川健一著

著者の谷川さんは、専門の歴史研究者ではなく、出版社で企画編集などの仕事をされたあと退社して執筆活動をされたという、在野の歴史ファンと言うべき方のようです。 しかし、どうもこの古代史と言う分野では、専門家よりアマチュアの方が素直な解釈ですっき…

「ママたちが非常事態!? 最新科学で読み解くニッポンの子育て」NHKスペシャル取材班

この取材班の一員、NHKの小林欧子ディレクターも出産を経験、今も子育ての最中です。 しかし、それは苦難の連続、頼る人も居らず父親も単身赴任中ということで、一人だけで不安の中子育てに手探りで当たっていきます。 しかし、どうやら周囲を見回すと同じよ…

「大収斂」キショール・マブバニ著

収斂(英語ではConvergence)とは、世界の様々な地域で違った特色を持つ民族や国家に属していた人々が、同じような中産階級として一つの集団として一体化していくということを指します。 国家の力がますます強まっているように見える世界で、そのような未来…

「日本語人の脳」角田忠信著

人間の脳は左右で機能が違い、日本人は母音を左脳で聞くが日本人以外は右脳で聞くという話は聞いたことがありました。 この本の著者の角田さんが、その理論を見つけ出し発表したのだそうです。 角田さんは耳鼻咽喉科が専門の医学研究者であり、補聴器などを…

「『スイス諜報網』の日米終戦工作 ポツダム宣言はなぜ受けいれられたか」有馬哲夫著

第二次大戦の終戦間近には、日本からもアメリカからも終戦に向けての交渉を模索する動きがあったようです。 特に、中立国スイスを舞台とする接触があったということは間違いないようです。 このあたりの事情について、取り上げて発表されたものがいくつかあ…

「子産 (上)(下)」宮城谷昌光著

宮城谷昌光さんは、はじめは「夏姫春秋」「重耳」といった中国古代に題材をとった作品で数々の文学賞をとりました。 その対象とする時代は、周王朝末期の春秋戦国時代から秦漢にかけてが多く、以前から史記や春秋左氏伝といったものを愛読書としていた私にと…

「壱人両名 江戸日本の知られざる二重身分」尾脇秀和著

「壱人両名」、すなわち一人の人間が2つの名前を持つということです。 江戸時代も中期を過ぎると社会の変化が大きくなってきますが、その頃に農民と町人、町人と士分といった2つの身分を持つという人々が数多くなっていました。 商人の活躍が大きくなって…

「ドローンで迫る伊豆半島の衝突」小山真人著

伊豆半島は、フィリピン海プレートの北端に乗っておりそれが日本列島に衝突してできたということは、地質マニアの間では広く知られていることでしょう。 (さすがに、「誰にでもよく知られている」とは言えませんが) そのために、数多くの興味深い地形が形…

「小田嶋隆のコラム道」小田嶋隆著

コラムニストとしてあちこちにコラムを書いている小田嶋さん、私も読んだことがありますが、面白い文章と思います。 その小田嶋さんが、「コラムの書き方」というコラムを書いてしまったという本です。 もとは、ミシマ社という出版社から発行されている「ミ…

「東大のディープな日本史2」相澤理著

「東大のディープな日本史」という、東大の日本史入試試験を解説した本の第1巻を読み非常に面白かったので、その続巻も読んでみました。 続巻も第1巻と同様の作りとなっており、これまでの東大の日本史の入試問題の中から選んだ問題について、詳細な解説か…

「関東のしきたり関西のしきたり」話題の達人倶楽部編

またこれも、出張の途中の車内で読み飛ばし、そのまま邪魔なら捨てていく程度の?本かもしれません。 今回は、「関東と関西」の違いというものを並べあげて語るといったもので、内容についてもそれほど真剣に調査したものというほどではなく、よく言われてい…

「シャーロック・ホームズの科学捜査を読む ヴィクトリア時代の法科学百科」E.J.ワグナー著

シャーロック・ホームズの捜査というものは、もともとは科学的なものであることが売り物でした。 「緋色の習作」では死体の死後硬直の状況を調べたり、「海軍条約文書事件」では科学実験装置で事件の遺留品を調べたりと、当時の最先端の科学捜査を描いていま…