爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

読書記録

「みんなで決めた 日本一の朝ごはん」美味しい朝ごはん調査隊編

実は最近、本の書評を紹介するというサイトに参加しているのですが、そこでは出版社から貰った本をタダで配布しその書評を書くということもしています。 この本はそれで貰って書評を書いたものです。(そちらの書評と、ここで書くものとは別です。こちらはよ…

「その〈脳科学〉にご用心」サリー・サテル&スコット・O・リリエンフェルド著

脳科学という分野が発達し、色とりどりの脳画像と称する絵をあちこちで目にするようになってきました。 リアルタイムで画像が見られるために、いろいろな質問をしたり、映像を見せたりした場合の脳の反応といったものを得られるようになり、それを様々な分析…

「時を刻む湖 7万枚の地層に挑んだ科学者たち」中川毅著

考古学的な時間の計測のために、炭素のアイソトープ14Cというものが使われますが、そこにはどうしても誤差が付き物でした。 大気中の14Cの濃度が一定であると仮定し、それが動植物に取り込まれると徐々に崩壊していくためにその濃度が減っていくのでその動植…

「日本の大問題 現在をどう生きるか」養老孟司、藻谷浩介著

最初の「長いプロローグ」というものを養老さんが書かれており、そこでは「教育論」というものが扱われています。 その後は、養老さんと藻谷さんの対談で進行していきますが、話題は必ずしも教育論のみに留まらず、社会情勢や人の生き方まであちこちに飛び回…

「右翼と左翼」浅羽通明著

右翼と左翼という言葉は、現在でも度々聞かれます。 最近ではカタカナで「ウヨクとサヨク」などと書かれることも多いようですし、派生して「ネトウヨ」などと使われることもあります。 しかし、実際に「何が右で何が左か」ということはそれほどはっきりとし…

「年代で見る 日本の地質と地形」高木秀雄著

日本列島は火山や断層の上に乗っているようなもので、地震や噴火の脅威を常に受け続けているようなものですが、それらは非常に美しい風景ともなっており、観光資源としても重要なものです。 地球の歴史の中で生まれてきた地質や地層などの典型を見られるとい…

「日本は、」G.D.グリーンバーグ著

著者のグリーンバーグさんはアメリカ出身で大学で経済学を教えていたそうですが、詳細は自分でも明らかにしていないものの40年ほど前に大学を追われ日本にやってきたそうです。 それからずっと日本の大学で教えて過ごしてきたそうですが、日本に来て感じた日…

「禅の教室 坐禅でつかむ仏教の真髄」藤田一照、伊藤比呂美著

曹洞宗僧侶ですが、その経歴はいろいろとあったという藤田さんが、詩人でありながら最近は仏教関係の書籍も多数出版されている(ただし、坐禅には挑戦はしたものの上手く行ったことがない)伊藤さんと、坐禅や仏教そのものについて対談したという、会話記録…

「家族と格差の戦後史 1960年代日本のリアリティ」橋本健二編著

昭和30年代を扱った映画や本、写真集などが流行っているようです。 もちろん、その最大の要因は映画「ALWAYS三丁目の夕日」の大ヒットでした。 その雰囲気が誰にも懐かしさを呼び起こすものでしたが、しかしその内容は誰にも知られることはありません。 つ…

「人類とカビの歴史 闘いと共生と」浜田信夫著

著者の浜田さんは大阪市環境科学研究所に長く勤務され、その間住民からのカビなどの相談を数多く受けてきたそうです。 自分でも疑問を持った点など、すぐに実際に実験してみて解答を得るといったことに務められていた様子が、この本の記述からもよくわかりま…

「アジアのなかの琉球王国」高良倉吉著

かつての琉球王国はアジア各地との交易を行ない栄えていたというイメージがありますが、その具体的な中味についてはほとんど知りませんでした。 この本はその中国の明王朝への進貢を通して交易国家の繁栄を手に入れた歴史とその実態を詳細に語っています。 …

「内田樹の大市民講座」内田樹著

内田さんの著書は前に読んだことがありますが、なかなか筋の通った思想家という雰囲気です。 sohujojo.hatenablog.com この本は内田さんが「AERA」に6年半にわたって月2回連載していた「900字コラム」をテーマごとに並べ替えてまとめたものです。 あと…

「ノーベル経済学賞 天才たちから専門家たちへ」根井雅弘編著

ノーベル賞は毎年10月になると話題になりますが、その中に「ノーベル経済学賞」というものがあるのが、何か異質な感じがしていました。 実は、ノーベル経済学賞と一般に呼ばれているものは、正式には「アルフレッド・ノーベル記念スウェーデン国立銀行経済学…

「分類思考の世界」三中信宏著

ここで言う「分類」とは生物種の分類のことを指します。 私もかつての会社勤め時代の研究所在籍時には、微生物の分類同定ということをやっていたということがあり、生物の種の分類というものがどういう状況になっているかということには興味があるのでこの本…

「世界を破綻させた経済学者たち」ジェフ・マドリック著

著者は経済学を学びはしたものの、専門の研究者とはならずに経済コラムニストとして活躍されているということです。 だからこそ、言いやすいのでしょうか。これまでの経済の混乱は主流派経済学者の学説のためであると言う批判をしているのが本書です。 それ…

「メディアは大震災・原発事故をどう語ったか」遠藤薫著

東日本大震災とそれに続く福島第1原発事故の記憶はまだ新しいものですが、その時のテレビや新聞の報道というものも印象に残っているものです。 津波が押し寄せている映像や、原発が爆発しているところなど、多くの記憶がありますが、しかしメディアの報道と…

「天気図の見かた」岡林一夫著

この本はかなり古いもので、発行は昭和50年5月、それから程なくして買っていればおそらく私が大学生の頃と思います。 今のように、天気予報が行き届いている時代とは違い、約40年前にはテレビでもニュースの時に一日数回といったものではなかったでしょ…

「若者はなぜ【決められない】か」長山靖生著

何を「決められない」のかというと、職業などの自分の未来に続くものということです。 つまり、「フリーター」と呼ばれる人たちを扱ったものなのですが、2003年出版の本ということで、まだ「フリーター」を選んでやっている状態だった頃です。 今となっ…

「若者はなぜ【会社選び】に失敗するのか」渡邉正裕著

就職氷河期は若干緩和されたとは言え、大学卒業生にとって就職というものは大問題であるのには変わりはないのですが、それだけ苦労して入った会社も数年で退職してしまう人が多いということです。 これはやはり会社選びというものを失敗してしまっているので…

「日本列島人の歴史」斎藤成也著

歴史とはいっても、著者は国立遺伝研究所の教授で、DNAのゲノム情報からヒトの進化を考えるというのが専門ですから、そういった方向性の本です。 なお、この本は「岩波ジュニア新書」という、中高生が対象のシリーズに入っているものですが、その内容は非常…

「望遠ニッポン見聞録」ヤマザキマリ著

ヤマザキマリさんと言えば、テルマエ・ロマエの原作者。 17歳にヨーロッパに渡り、その後長く海外生活をしている方です。 (一番長いのはイタリア、その他アメリカ、シリア、ブラジル等にも住んでいたとか) 日本というところには、かなり複雑な心境で対峙…

「デジタルメディア・トレーニング」富田英典、南田勝也、辻泉編

本書は2007年の出版ですので、もう10年前になりますが、その時点はインターネットやケータイなどが爆発的に広まりだしてからおよそ10年が経過した頃でした。 多くの人がそのデジタルメディアの波に飲まれながら、上手く使いこなすというよりは翻弄さ…

「兵法 勝ち残るための戦略と戦術」小和田泰経著

兵法と言ってもいろいろな種類のものがあるのでしょうが、ここでは主に中国の古代の戦国時代に成立したものと、その後それから派生したものを扱っています。 本書は、兵法書と兵法家、そしてその内容をコンパクトにまとめて記しており、兵法というものを概観…

「21世紀日本の格差」橘木俊詔著

著者は経済学の中でも労働経済学、公共経済学といった分野がご専門の方です。 あとがきに書かれていますが、およそ10年前に日本にも大きな格差ができているとして問題になった時期があったものの、その後世間の関心は薄れたようでした。 しかし、最近にな…

「観光立国の正体」藻谷浩介、山田桂一郎著

外国人旅行者が2000万人を越え、国も観光立国という方針を打ち出し力を入れているようにも見えますが、その実、内容は非常にお寒いもののようです。 この本は、エコノミストとして活躍されている藻谷さんが、スイスのツェルマットに在住しガイドから始め…

「科学者の目、科学の芽」岩波書店編集部編

これは岩波書店発行の雑誌「科学」に掲載されたエッセイをまとめ再構成されたもので、著者は様々な分野の学者、研究者です。 その多くは自分たちの専門分野の知見から一般社会に広げて見る視野を紹介するというスタイルになっています。 まあすべての研究者…

「ルボ 雇用劣化不況」竹信三恵子著

最近読んだ「ピケティ入門」という本が面白かったので、その著者の別の本を読んでみました。 「ピケティ入門 「21世紀の資本」の読み方」竹信三恵子著 - 爽風上々のブログ とは言っても竹信さんの本としてはこの本の方が古いものです。 2009年の出版で、…

「株式会社の終焉」水野和夫著

資本主義という経済体制はもはや先が無く、それに気付かないままに続けられている、成長信仰による延命策はすべてさらに傷を広げるものだという、私が常日頃考えていたことと非常に近い内容の書籍を次々に出版されている水野さんの本です。 これまでも数冊の…

「その前提が間違いです。」清水勝彦著

ビジネスのいろいろな側面でよく考えなければいけないとは言われますが、経営戦略が専門の著者から見ると、「そもそも議論の前提がおかしい」と言うことが多いようです。 前提がおかしい議論はいくら続けていても結論が出ません。 そこで、本書では「よく耳…

「ザ・対決 権力闘争の日本史」板垣英憲他著

歴史の中でいろいろな面を取り上げて並べたシリーズを出版元の世界文化社が企画しているようですが、その中で「日本の権力闘争」についてまとめたのが本書です。 政治権力を巡っての争いというのは古代から現代まで数限りなく行われてきました。 これが人間…

「日本迷走の原点 バブル」永野健二著

今だに日本経済はバブルの影響から抜け出せないようにも感じられますが、ではバブルとはどういうものだったのかと言うと、はっきりとは分かっていないようにも思います。 この本は日本経済新聞で証券部の記者からスタートし経済界を見てきた著者が、バブルの…

「そうだったのか 江戸時代 古文書が語る意外な真実」油井宏子著

著者は古文書研究家の方で、前に古文書解読についての本も詠ませていただいたことがあります。 本書は、古文書の読み方ということに留まらず、そこから見られる江戸時代の庶民の姿というものを描き出しています。 なお、著者は各地で古文書解読の市民講座な…

「へんな数式美術館」竹内薫著

科学ライターの竹内さんが「数式」というものについて紹介されているものですが、扱われている数式はかなり高度なものが多く、数学や物理の専門家でなければ本当の意味はわからないものかもしれません。 しかし、あくまでも美術館ということで「見て楽しむ」…

「土の文明史」デイビッド・モントゴメリー著

最近、別のところの記事でこの本の記述について批判的に解説されているものがあり、興味を感じたのでもし行きつけの図書館にあれば読んでみようかと思って探したらありました。 sohujojo.hatenablog.com そんなわけで読んだのですが、なかなか読みにくいもの…

「日本語の考古学」今野真二著

考古学とは、「遺跡や遺物などの具体的なモノを通して過去の文化を考える」学問ということです。 したがって、「日本語の考古学」というと、写本や印刷物など、実際に昔から残っているものから過去の情報を取り出すということになります。 日本における最初…

「ローマ帝国の神々 光はオリエントより」小川英雄著

古代ローマの宗教というと、ギリシア神話と似たゼウスやジュノーといった神々の信仰が主であり、それに対抗しながらキリスト教が広まっていきやがて取って代わるというイメージですが、どうやらそんなに簡単なものではなかったようです。 ローマ帝国が強大に…

「日本海ものがたり 世界地図からの旅」中野美代子著

題名から受けた印象で、地図と旅の本で日本海に関わるものかと思い読んでいきましたが、最後に著者の略歴を見てびっくりしました。 著者の中野さんは中国文学専門で、翻訳書も数多く出版されており、岩波文庫版「西遊記」の訳者だとか。 そこまできて思い当…

「琉球独立宣言」松島泰勝著

度重なるアメリカ軍人による犯罪発生や、基地建設問題など、沖縄においての問題が起きるたびに「なぜ沖縄は独立を目指さないのだろう」と不思議に思っていたのですが、やはりその動きがあるようです。 著者の松島さんは「琉球民族独立総合研究学会」の設立メ…

「偽善エネルギー」武田邦彦著

武田邦彦さんといえば、原発問題や温暖化問題など焦点の話題に思い切った発言を繰り返し、反発も激しく受けているようです。 しかし、エネルギー問題に関するこの本を読む限りでは、非常にまともなことを語っているように感じます。 ただし、ここでもやはり…

「ピケティ入門 「21世紀の資本」の読み方」竹信三恵子著

格差社会を扱った評判の書、トマ・ピケティの「21世紀の資本」は大ヒットとなり世界中で読まれているのですが、経済ジャーナリストであった竹信さんから見ると「本当に読んで理解されているのか」が不安となるものでした。 もしかしたら、全体を読んでの感想…

「シリーズ地球と人間の環境を考える 食の安全と環境 気分のエコにはだまされない」松永和紀著

FOOCOM.NETでいつも参考にさせて頂いている松永和紀さんが、日本評論社の「シリーズ地球と人間の環境を考える」の中の1冊として書かれたものです。 このシリーズは2010年頃に12冊が出版されているようですが、題名と著者を見てもどうやら玉石混交のよ…

「福島原発事故はなぜ起こったか 政府事故調核心解説」畑村洋太郎・安部誠治・渕上正朗著

著者の御三方は東日本大震災時の福島原発事故に関する政府事故調査委員会のメンバーとして、調査し報告した方々です。 特に畑村さんはその委員長として取りまとめた方です。 「おわりに」に書かれているように、政府事故調の最終報告は2012年7月23日に公表さ…

「すぐわかる戸籍の読み方・取り方・調べ方」丸山学著

本書副題は「相続手続き、家系図作りに役立つ!」です。 こういった要望が多いのでしょう。 私も相続にはほとんど関係がありませんが(遺産もわずか)家系図作りには興味があるので読んでみました。 なお、著者の丸山さんは行政書士で、先祖探しといった仕事…

「新自由主義の帰結 なぜ世界経済は停滞するのか」服部茂幸著

経済学者の言うことなど皆価値が無いかのように感じていましたが、この本の著者の服部さんは福井県立大学教授で経済学博士、理論経済学がご専門というバリバリの経済学者のようです。 しかし、この本に書かれていることは多くの点で納得できるものでした。 …

「〈リア充〉幻想」仲正昌樹著

著者の仲正さんは政治思想史が専門という金沢大学教授ですが、こういった現代の若者の抱えている問題についても詳しいようです。 「リア充」というと、聞いたような気もするのですが、何度聞いてもよくわからないというのが爺さんの感想です。 本書は直接「…

「DVD映画で楽しむ世界史」大串夏身著

本書あとがきにある、この本を書くようになったきっかけというのが、西部劇映画「黄色いリボン」の冒頭に、第7騎兵隊全滅の報せを各地に伝えたという場面があり、「これは史実だろうか」と感じていろいろと調べだし(著者は歴史学者です)、そうこうしている…

「無責任の連鎖 耐震偽装事件」産経新聞社会部取材班

「耐震偽装事件」というものが大きく報道されていた時代からすでに10年以上経ちました。 「姉歯」「ヒューザー」「木村建設」などという言葉が飛び交っていたのがつい最近のようにも思えます。 特に、当地は木村建設の本社があったところでもあり、その報道…

「護身の科学 あなたと家族を暴力から守る!」毛利元貞著

著者の毛利さんは「暴力分析コンサルタント」ということですが、かつては東南アジアの紛争地帯で傭兵として参戦した経験があるということで、それを活かし活動しておられるということです。 暴力に悩む人々の相談にものっているそうですが、現在の日本は殺人…

「今こそ家系図を作ろう」岩本卓也・八木大造著

今、家系図を作るというのがブームになっており、日本ばかりでなく海外でも広がっているそうです。 本書はその家系図の作り方を細かに解説するという、実用書的な作りのものになっています。 岩本さんは本書の中でも紹介されている家系図作成ソフト「ルーツ…

「なぜか「安心して話せる人」の共通点」和田秀樹著

著者は数多くの本を書いていらっしゃいますが、本業は精神科医です。 精神科医というのは患者に話をさせてその病状を判断するというのが重要な診断法ですので、患者が「安心して話す」ことができなければ、診察にもならないのですが、やはり色々と注意点はあ…