爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

読書記録

「ヒトはなぜ戦争をするのか? アインシュタインとフロイトの往復書簡」アインシュタイン、フロイト、養老孟司解説

アルバート・アインシュタイン、ジグムント・フロイト、どちらも非常に有名な科学者です。 その二人が「戦争論」について往復書簡で語り合った。 この事実はほとんど知られていません。 それがなぜ広く知られていないかという問題にも、戦争とナチスドイツが…

「街道をゆく19 中国・江南のみち」司馬遼太郎著

「国民作家」司馬遼太郎については、それに反する評論などばかり読んでいますので、(多分私の読書傾向が反司馬派に偏っているんでしょう)司馬作品はあまり読まないのですが、これもたまたま手にとったものです。 実は、ちょうど今から20年ほど前に、中国…

「小さな葬儀と墓じまい」大野屋テレホンセンター監修

かつてのような大掛かりな葬儀というものは減り続け、最近では「家族葬」が大人気のようです。 この本は大手葬祭業の大野屋の電話相談室がそのよくある相談内容について解説したもので、具体的で実際の役に立つようにできています。 長寿を全うし亡くなる方…

「ポピュラー音楽の世紀」中村とうよう著

著者はすでに亡くなりましたが、音楽評論家として活躍され、「ミュージック・マガジン」という音楽誌を出版されていました。 日本の音楽ばかりでなく、アメリカはもちろん世界各国の音楽に詳しかったようです。 ちょうど、20世紀が終わろうとしていた1999年…

「ポスト西洋世界はどこに向かうのか」チャールズ・カプチャン著

近代世界を引っ張ってきたのはヨーロッパとアメリカです。 それは自由民主主義、資本主義、世俗ナショナリズムを共通に備えていました。 彼らは自国を先進国と捉え、他の国は途上国としてその状態に徐々にでも上昇し、やがてはすべての国が西洋モデルの国と…

「大隕石衝突の現実 天体衝突からいかに地球を守るか」日本スペースガード協会著

2013年2月15日、ロシアに隕石が落下しましたが、各地で撮影された動画が公開され衝撃を受けた人も多かったでしょう。 また、6500万年前の恐竜の絶滅は、ユカタン半島付近に落下した直径約10kmの小惑星の衝突によるという学説がほぼ認められる…

「崩れゆく世界 生き延びる知恵」副島隆彦、佐藤優

注目している二人の論客が、対談をしたという本ですので期待しましたが、予想通りです。 2015年の出版ですので、まだトランプ大統領が決まる前のもので、ヒラリー・クリントンが大統領と予測されていますが、これはかえって良かったということでしょうか…

「これが日本の民主主義」池上彰著

テレビでもよく拝見し、本も何冊も読んでいる池上さんですが、日本の民主主義というものについて、かなり厳しく指摘した本です。 日本は第二次世界大戦の敗戦により民主主義というものをアメリカから与えられました。 その中味を皆が理解しているとは言えな…

「日本全国駅名めぐり」今尾恵介著

日本全国には、鉄道の駅というものが1万以上あるそうです。 その名称は、単にその駅の所在地の地名を付けたというだけではなく、地元の事情、鉄道会社の思惑など、いろいろなものが絡み合ってできています。 そのような駅名、実例を多数あげて説明されていま…

「道路整備事業の大罪 道路は地方を救えない」服部圭郎著

「道路整備事業」と題されていますが、広く自動車社会そのものを問題とする内容となっています。 ガソリン税など、自動車関係の諸税を道路整備にのみ使うことのできる「道路特定財源」という制度は、長い間道路整備の財源として機能し続けましたが、ようやく…

「宅配クライシス」日本経済新聞社

ネット通販の爆発的な増加で、宅配業者の対応能力を荷物個数が上回り、配達員が休みも取れず、長時間の労働を強いられるなど、運送業の限界が見えてきたような状況になったのは、昨年のことでした。 2017年2月23日の新聞には「ヤマト、サービス維持限界、宅…

「脱米潮流」毎日新聞外信部

アメリカが世界の中で超大国として振る舞うというのは、やはり第二次世界大戦後の世界情勢の中でのことだったのでしょう。 そして、共産圏の自壊とともに唯一となったのですが、2001年の同時多発テロに現れているように、アメリカとの闘いを挑む勢力も各地に…

「IT汚染」吉田文和著

「IT汚染」とはちょっと広い範囲の言葉のようですが、ここでは「半導体企業の製造工場などの環境汚染」と「IT機器の廃棄」の問題を扱っています。 というのも、やや古い出版で2001年の発行ですので、まだ日本国内でも半導体企業が製造を盛んに実施してお…

「ルネサンスとは何であったのか」塩野七生著

古代ローマなどを描いた「ローマ人の物語」という大著を書かれた塩野さんですが、元々の興味の対象はルネサンス期のイタリアであったそうです。 大学で卒論のテーマとして15世紀のフィレンツェの美術を扱い、その後イタリアに渡ってさらに見聞を深めていき…

「名作うしろ読みプレミアム」斎藤美奈子著

つい最近、同じ著者の「名作うしろ読み」を読み、面白かったのでその続編も続けて読んでみました。 「はじめに」によれば、本作ではさらに名作の範囲を広げ、海外小説や童話、時代小説まで食指を伸ばしたということです。 ただし、「推理小説の犯人を明かす…

「信州かくれ里 伊那谷を行く」布施他人夫、飯沢匡、後藤総一朗他

かなり昔の本で、自分で買ったものでもなく、昨年亡くなった母がかなり前に購入したものを貰ってきたものです。 母は結婚するまで伊那谷のほぼ中央の実家で暮らし、同郷の父と結婚してからは東京や名古屋などで暮らしていたものの、何かあればすぐに実家や親…

「データで見抜く 日本経済の真相」原田泰、大和総研

この本が出版されたのは、2010年12月。 リーマンショックでアメリカを始め全世界があっという間に不況に追い込まれた直後という時でした。 その影響が日本は少なかったのかどうかという議論もありましたが、それ以前にバブル崩壊以降の状態が続いていた日本…

「サザエさんキーワード事典」志田英泉子編著

マンガ「サザエさん」は、長谷川町子により書かれたもので、昭和21年に最初は「夕刊フクニチ」に、ついで「新夕刊」「夕刊朝日新聞」を経て、昭和26年からは「朝日新聞」朝刊に引っ越し、それから昭和49年まで連載されました。 その数は全部で6477話になりま…

「ポスト戦後社会 シリーズ日本近現代史9」吉見俊哉著

岩波新書のシリーズ日本近現代史はNO8高度成長を読んだことがあります。 この「ポスト戦後社会」はそれに続くもので1970年頃から以降を扱っています。 この時期は、私にとってはようやく社会のことも分かりだした少年時代から現在までということになり、…

「竹島 もうひとつの日韓関係史」池内敏著

周辺各国との領土問題はナショナリズムを奮い起こすための道具ともなりかねず、なかなか冷静な議論はできないものとなりますが、その中でも韓国との間の竹島問題は過熱気味になっています。 本書は歴史学者で日朝の近世の関係史がご専門という池内さんが、歴…

「ここが違う、ヨーロッパの交通政策」片野優著

民主党が政権を取った当時、マニフェストで高速道路の無料化というものが掲げられ、先進国ではそちらの方が一般的であるかのように思われました。 しかし、ヨーロッパの現状は全く逆、これまで無償であったドイツのアウトバーンも有料化の動きが始まっており…

「名作うしろ読み」斎藤美奈子著

名作と呼ばれる本の、あらすじをまとめたり、書き出しだけを並べたりといった書物は時々見かけることがあります。 しかし、それが「エンディング」ばかりを集めたものというのは、珍しそうです。 あとがきに著者も書いているように、名作の「顔」(書き出し…

「会津という神話」田中悟著

幕末から明治にかけての戊辰戦争で、会津藩は行きがかりから東北諸藩の盟主とされ、官軍に対する賊軍として討伐されました。 そのためか、その後も何かと差別を受け開発も遅れたということです。 しかし、会津藩士の中でも明治政府に出仕し、西南戦争時に九…

「原子力・核・放射線事故の世界史」西尾漠著

東日本大震災に伴う福島原発事故は非常に大きな影響を残し、いまだに多くの立入禁止地域が存在し、その収束の見通しも立たないほどのものです。 その他の事故といえば、スリーマイル島原発事故、チェルノブイリ原発事故が挙げられますが、他にも多くの事故が…

「権力にダマされないための事件ニュースの見方」大谷昭宏、藤井誠二著

大谷さんは元新聞記者ですがその後はジャーナリストとして活躍、テレビ出演も多い方です。 藤井さんはフリーライターとしてさまざまな社会現象について書かれています。 お二人が対談で、権力と報道との問題点についてあれこれと語っているのですが、その最…

「島原・天草の諸道 街道をゆく17」司馬遼太郎著

あまり司馬さんの本は読まないのですが、この一冊だけ。 「街道をゆく」というシリーズは、数十冊も書かれており、日本国内だけでなく海外版もあるようですが、その中で「島原・天草」というこの本のみ読みました。 したがって、シリーズがどのような主題を…

「幕末・明治 偉人たちの定年後」河合敦著

幕末から明治にかけて、激動の時代には数多くの人々が活躍しました。 中にはその過程で生命を落とした人々も居ますが、生き延びて明治時代以降も過ごした人たちがいます。 この本は、そのような明治維新の偉人と言われる人々の、その後の話を集めたものです…

「生態学が語る東日本大震災」日本生態学会東北地区会編

様々な生物の分布などを研究する生態学は、地域の実態調査を繰り返し行い、その生物種や生態を研究していくのですが、この本を書いた「日本生態学会東北地区会」の皆さんは、その研究対象として、東北地方太平洋岸を扱ってきた人が多数居ました。 その研究対…

「グリーン資本主義」佐和隆光著

まあ題名だけ見れば、環境と資本主義の折衷案という感じのものかなというところでしょうか。大体そのようなものです。 著者の佐和さんは、京大名誉教授にして滋賀大学前学長、かなり偉い方のようです。 そんな人でも、社会の連中が環境保護の世界の大勢に背…

「魚が食べられなくなる日」勝川俊雄著

著者の東京海洋大学勝川さんは、水産資源管理がご専門ということで、他の著書を読んだこともあり、またツイッターでは色々と情報発信をしておられます。 本屋でこの本を見かけ、パラパラと見たところ一般向けに水産資源の問題について解説されているものと思…