読書記録
1980年代のバブル、そしてバブル崩壊という事態は日本にとって未経験のことであり、その後も長くその影響が続いてしまいました。 バブル自体の評価というものもその時には定まっていなかったのでしょうが、その崩壊ということも経済の専門家の間でもよく…
責任という言葉は何かあるたびに飛び交います。 しかし、その実態が何かということはあまり考えられていないようにも感じます。 「任命責任は私にある」と言い続けながら何も行動を取らない人もいますし。 そのような責任というものについて、評論家の小浜さ…
歴史というものはすでに起きたことをたどるものですが、新たな史料が出ただけでも解釈がまったく変わってきます。 日本史の古代から現代まで、現在の歴史学会での最新の論点を、時代別に専門家が解説したものです。 学校で習った日本史というものは、私など…
地震の時に建物が壊れてしまうということは非常に怖ろしいものです。 これまでも多くの地震が起こり建物倒壊により被害者が出てきました。 そのため、建物の強度を上げるような建築基準の改定が繰り返され、徐々に被害が減ってきています。 この前の熊本地震…
キリスト教徒の両親の影響で幼い頃から聖書に親しんできた著者は、その後も長く聖書に親しむ会を主催していましたが、日本人の聖書というものに対する感覚はいまだに「よく分からない宗教書」と言うものです。 著者は、その後イスラエルに留学しますが、ユダ…
この数年、毎年のように日本人のノーベル賞受賞者が出ており、だんだんとそれが当然のように感じられるほどになってきました。 韓国や中国ではなかなか受賞者が現れないということで、そちらでは焦りを感じていると言った報道も、(日本メディアが優越感を感…
「本能」と呼ばれるものがあります。 頭で考えることとは違うことをやってしまう場合、それは本能だと言われることがあります。 人類は数百万年も前に他の猿たちから別れてサバンナの草原に降り立ち、二足歩行をしながら進化を続けてきました。 しかし、その…
人種による能力の差ということを言うだけでも問題となるようです。 「黒人は足が速い」ということすら、公言することははばかられるようです。 「スポーツ遺伝子は勝者を決めるか?」デイヴィッド・エプスタイン著 - 爽風上々のブログ しかし、この本では著…
世界各地の「人間の名前の付け方」はどのようなものか。 意外に知られていないまま、日本や欧米(それも一部だけ)のように家名と個人名が付けられているかのように思い込んでいますが、実はかなり違うところもあるようです。 そういったものを、岩波書店が…
あちこちの観光地にありそうな「ロープウェイ」 それに乗って山の上に到着すると一気に見晴らしが良くなり、絶景が目の前に広がります。 その観光地を訪れる客にとってはメインイベントとも言えるような体験です。 この本は、「ロープウェイ愛好家」と称する…
本多勝一さんはかつて朝日新聞社記者として世界各地の取材をもとに、「戦場の村」や「南京事件」といった本を出版し、問題を提起し続けていました。 その後「週刊金曜日」という雑誌を出版し、その編集委員は今でも続けているようです。 しかし、その本多さ…
著者の神野さんは塾の世界史講師の他、さまざまな歴史に関わる活動を幅広くされているようです。 その語り口は分かりやすく、ポイントを強調しダメを押すといった、受験生相手の授業を彷彿とさせるような印象でつながっていきます。 本書は、今の世界で非常…
「環境問題を考える」というサイトの主宰者、近藤邦明さんが2012年に出した、核・原発事故・再生可能エネルギー買取制度などの施策が亡国につながるという意見を述べた著書です。 上記「環境問題を考える」で既に議論を掲載されているため、私にとっては…
考古学で絶対年代を測定するということは簡単ではなく、放射性同位体を使った測定でもその同位体の比率というものが「常に一定」であることを仮定して測定していたのですが、実際はかなりずれがあることが分かってきました。 そんな中で、福井県の水月湖とい…
地球の歴史全3巻の下巻です。 この下巻の最後に「長めのあとがき」が置かれ、著者が本書を著した気持ちが書かれています。 これを最初に読んだ方が良いのかもしれないと思いますが、「あとがき」である以上は最後に置かなければならないのでしょう。 理科4教…
これまでにも、文章をおかべたかしさんが書き、山出高士さんの写真を配す「くらべる」シリーズは何冊か読みました。 今回は、「同じような品物だけれど値段が違うもの」を並べて比べようというものです。 ただし、とは言っても「高級品」と「安物」を並べて…
著者のマット・リドレーはサイエンスライターとして有名なイギリスの作家で、前作の「繁栄」は大きな評判を得たそうです。 「繁栄」では「昔は良かった、それに引き換え今は」という感覚は間違っており、「これほどよい時代は無かった」と主張したという、ど…
ネットのサイト「環境問題を考える」主宰の近藤邦明さんの著書で、おそらくこれが最初の出版の作品です。 上記サイトでは、二酸化炭素温暖化説の批判と並んで、いわゆる自然エネルギーと呼ばれる太陽光発電や風力発電の批判も精力的に為されています。 この…
「地球の歴史」三部作の中巻は、40億年前の生物の出現から、古生代末期まで、生物と地球とが相互に影響し合いながら進化していった時代を扱います。 初めの章(第5章)は「地球と生命の相互作用と共進化」とあります。 地球は大きなプラットフォームであり、…
仏教の僧は、権力者側に立つことも多かったのですが、それにとらわれずに自由に活動したアウトサイダーも居ます。 そういった僧たちの中には「奇僧」と呼ぶべきような超能力を持つと思わせた人々や、「快僧」といったその生き方が多くの人の心を捉えた人々が…
NHKスペシャル「人類誕生」は、2018年に三回放送されました。 近年、人類の進化については相次ぐ新発見で学説が大きく塗り替えられています。 そのこれまでの通念がひっくり返ったという意味で「大逆転」と題しました。 それを、ゲームクリエーターに依…
「公共サイン」とは、街角で見かけるような、公共用の看板や案内表示を指します。 駅名表示や道路案内、そして「禁煙」や「ポイ捨て禁止」といったものです。 こういったサインを扱った書籍というものは、多くはデザイナーなどが作る側から書いたものが多か…
この本はある意味で非常に問題を抱えた本です。 とは言っても、内容が不正確であったり、商業主義に毒されていたりと言った意味ではありません。(そういった問題本はいくらでもありますが) 逆に、この本の内容は、非常に的確に問題点を指摘しているにも関…
著者のデーブ・スペクター氏は現在でもあちこちのテレビ番組に出演し、辛口のコメントをしていますが、1972年に上智大学に留学、その後アメリカに帰国して新聞や雑誌に寄稿するという活動をし、ABC放送の番組プロデユーサーとなって再来日。 その仕事もこな…
岡田英弘著作集全8巻の中から、すでに何冊も読みましたが、今回は岡田さんの歴史学の中でも中心となるモンゴル史に関連した分野の著作を集めたものです。 それに「世界史とは何か」という題名を付けたというところが、岡田さんの歴史観というものをよく表し…
火山学者として有名な鎌田さんですが、この本ではそれにとどまらず広く地球科学という観点から地球の歴史というものを説明しています。 最新の研究成果も取り入れていますので、私などまったく知らなかった最新知識も仕入れることができました。 上中下の3…
今年も気象災害が相次ぎ、台風や集中豪雨で多くの被害が出ています。 警報などが発表されても避難をしなかったり、遅れたりして被災する人も多いということから、避難情報の出し方も変えられたりと、いろいろな対策が行われています。 本書は、長く気象庁に…
1956年11月のダイヤ改正で、寝台特急「あさかぜ」が誕生、東京と博多の間を結ぶ新たな列車が登場しました。 そのときは、寄せ集めの車両をつないだものでしたが、ちょうど経済も成長し旅客の増加で人気が集中しました。 そして、2年後の1958年に…
ネット上で「環境問題を考える」というサイトを運営し、自然エネルギーや二酸化炭素温暖化といったものについて、科学的な考証をしている近藤さんの書かれた著書です。 この本では、特に「太陽光発電」を中心にその欺瞞性を取り上げています。 太陽光自体は…
著者は書籍制作に関わるかたわら、日本語や日本人についての研究をされているという方で、ネット上でも「笑える国語辞典」というものを発表しています。 本書はその中から厳選したものを掲載したということです。 それ以上のことはわかりませんが、書かれて…