爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

読書記録

「捕食者なき世界」ウィリアム・ソウルゼンバーグ著

生物の形作る生態系というものは、それぞれの生物が密接に関係していますが、中でも最大の関係というものが「捕食」でしょう。 他の生物を食べて生きている「捕食者」は、場合によっては自分も別の生物に食べられることもあります。 しかし、最上位の捕食者…

「真実のビートルズ・サウンド」川瀬泰雄著

ビートルズがグループとして活動したのは、実は1962年から1970年までのほんのわずかな間だけでした。 しかし、その楽曲、編曲、演奏、レコーディング技術まで、様々な分野でそれまでのものとはガラリと変わるような革命的なものを残しました。 この…

「月刊地理 4月号 特集災害をどう記録しどう伝えるか」古今書院発行

地理に関する様々な記事からなる、月刊「地理」の4月号です。 今号の特集は「災害をどう記録しどう伝えるか」 地震や水害、そして原発事故まで災害というものは時折起きては人々の生活を破壊しますが、その被害をできるだけ少なく留めるためにも災害の記録…

「捏造の科学者 STAP細胞事件」須田桃子著

STAP細胞事件とは、山中教授のiPS細胞のような何にでも分化できる万能細胞ですが、それよりはるかに簡単な処理で体細胞から作り出すことができるとして、大きな注目を集めたものの、その実験についての疑いが集中し、結局は論文取り下げ、所属の理研も揺るが…

「学力を育てる」志水宏吉著

日本の子どもたちの学力が落ちているのではないかという、学力低下論争というものがありました。 それは「ゆとり教育」のせいであるとされ、またも方向転換されています。 しかし、そもそも「学力」というものがどういうものなのかということも同意されてい…

「世界全戦争史」柘植久慶著

世界の歴史とは戦争の歴史であると言えるでしょう。 戦争のことを考えずにいるのは危険なことだということです。 そこで、歴史上の「全」戦争を紹介しようということなのでしょうか。 「全」という割には取り上げられていないものもあるようです。 最初の戦…

「殉教 日本人は何を信仰したか」山本博文著

戦国時代末期に伝来したキリスト教は、多くの信者を獲得しましたが、秀吉や江戸幕府により死刑をもって禁止されました。 そのために、多くの殉教者が出たのですが、実はこれほどまでに多数の殉教者が出たというのはキリスト教の長い歴史の中でも珍しいことの…

「疑似科学はなぜ科学ではないのか」チャールズ・M・ウィン、アーサー・W・ウィギンズ著、シドニー・ハリス画

占星術やUFO、超能力といったものが「科学的」ではないということは認める人が多いでしょうが、それが「なぜ」科学的ではないのかということを説明できるという人は少ないでしょう。 著者のお二人はアメリカの化学と物理の大学教授、挿絵を描いているハリス…

「日本全国 変わり種食紀行」桜井友里著

日本各地に、他の地方では思いもよらないような食べ物があるということはどこにもあるようです。 著者の桜井さんは食べ歩きが趣味というライターですが、各地に取材を敢行したようで、取り上げた食品の写真は白黒ながらちゃんと掲載されています。 ただし、…

「バイオエシックス」米本昌平著

バイオエシックス(bioethics)は生命倫理学と訳されるようです。 生命全体を対象としますが、最近では人間の医療関連で言われる方が多いように感じます。 1970年代からアメリカで発展してきました。 日本への紹介は、この本の著者の米本昌平氏も早くか…

「九州のなかの朝鮮 歩いて知る朝鮮と日本の歴史」九州の中の朝鮮文化を考える会編

九州と朝鮮半島の距離はわずかなものであり、福岡から東京に行くよりは釜山に行くほうがはるかに近いものです。 古代から近代まで、朝鮮半島から日本へは多くの人間、事物が流れ込みましたが、そのほとんどは九州を経由していきました。 また、国家体制が緩…

「金属疲労のおはなし」西島敏著

飛行機や車の大事故、発電所の事故などの時によく聞く「金属疲労」 針金などを何度も曲げたり伸ばしたりしていると、そのうちにポキっと折れるというのと同じ現象だということは聞いていて、そんなものかと納得してしまいますが、実際はかなり奥の深い問題の…

「悪だくみ 『加計学園』の悲願を叶えた総理の欺瞞」森功著

いまだに真相が明らかにならず、次々と新資料が表に出て来る安倍総理周辺の疑惑ですが、その中でも一番大きなものは加計学園に関するものでしょう。 森友学園の問題が先に表沙汰になり、理事長の人柄もあり話題は大きく取り上げられましたが、国有地の値引き…

「知れば知るほどおもしろい 琉球王朝のすべて」喜納大作、上里隆史著

現在は沖縄県となっていますが、かつては琉球王国という独立国でした。 中国の王朝に冊封され、東南アジアから朝鮮まで広く交易を行い栄えていたのですが、17世紀には薩摩の島津氏の支配を受け、明治維新後の日本に併合されて王朝は滅びました。 部分的に…

「知識ゼロからの 浮世絵入門」稲垣進一著

浮世絵は世界的にも人気が高く、多くのヨーロッパ近世の画家に影響を与えたということは知ってはいても、実際にどのようなものか知識があるという日本人はあまり居ないでしょう。 中学高校の美術の授業でも、ゴッホやモネは教えてもあまり浮世絵の画家のこと…

「巨大津波 その時ひとはどう動いたか」NHKスペシャル取材班

東日本大震災では犠牲者のほとんどは津波により亡くなりました。 しかし、地震発生から津波到達までは1時間程度の時間の余裕があり、避難できたにもかかわらず効果的な避難をしなかったということが分かってきています。 宮城県名取市の閖上地区も被災地の…

「高齢ドライバーの安全心理学」松浦常夫著

高齢ドライバーの事故のニュースが毎日のようにテレビ新聞で報道され、年寄りは運転するなと言わんばかりの風潮のようにも感じますが、実際のところの高齢者の運転はどの程度危険なのか、本当に事故を起こしやすいのか、またそうならどうすればよいのかとい…

「Twitter で英語をつぶやいてみる」石原真弓著

ネット上で140字以内(日本語の場合)で「つぶやき」を書くTwitter(ツイッター)というものがあり、多くの人に利用されていますが、これが英語の能力向上にかなり役に立つのではというのが、通訳や英語教授をされている著者の石原さんが気がついたことで…

「四コマ漫画 北斎から”萌え”まで」清水勲著

四コマ漫画といえば新聞の社会面の隅に載っていて、思わず見てしまうと言うイメージですが、その歴史は古く江戸時代にはその芽生えが見えるようです。 何度かのブームを起こしながら今まで続いていますが、現在でも様々に形を変えながら活躍しているようです…

「星新一 1001話をつくった人」最相葉月著

星新一という名前は今でも多くの人の記憶に残っているでしょう。 日本でのSF小説の先陣を切った人。ショートショートという分野を確立した人。 そして亡くなってからすでに20年以上経っているということが信じられないほど存在感の大きい人と言えます。(…

「強い者は生き残れない 環境から考える新しい進化論」吉村仁著

「素数ゼミ」という生物を研究したことで知られる吉村さんですが、昆虫学が専門ではなく生物の進化というものを研究しています。 ダーウィンの進化論は生存競争を勝ち残る適者が進化の主役であるとしていますが、それは間違いであるとしています。 それより…

「大人の食育百話」橋本直樹著

食育ということが強く言われ、家庭や学校でも食育を考えた教育というものに取り組まれています。 しかし、その担い手である親や教師、そして専門家たるべき栄養士の人々も、基礎的な知識が無い場合が多く、あやふやな情報などに振り回されることも多いようで…

「聖書でわかる英語表現」石黒マリーローズ著

アメリカやヨーロッパでは現代の新聞やテレビニュースなどでも、聖書のフレーズを使うことが多いようです。 そこには、元の聖書での意味を背景にした表現がなされており、それを知らずに字面だけで訳しているとかなりニュアンスが異なるものになりかねません…

「百済の王統と日本の古代」兼川晋著

かなり時代が下っても九州に王朝が存在したという、九州王朝説は正統派学界からはほとんど無視されているような状況ですが、民間の古代史愛好家が集う九州古代史の会などで活動は続けられているようで、本書著者の兼川さんも活躍されています。 本書の冒頭に…

「マッコリの正体」ホ・シミョン著

韓国の伝統的濁酒、マッコリは最近では日本でも女性を中心に人気が上がり、よく飲まれているようです。 本書は、現在韓国のソウルで「マッコリ学校」という、マッコリについて様々な面から教えてくれる学校の校長を務めているという、ホ・シミョンさんが書か…

「漢字の〈うんちく〉」岩男忠幸著

漢字は元々は象形文字から変化してできたのですが、その後はそういった文字を組み合わせて意味の合った文字を新たに作られるようになりました。 そのような組み合わせ文字が現在の漢字の9割を占めているそうです。 この本は、そういった元の文字構成成分の意…

「くらべる地図帳」浅井建爾著

地理が関係する問題の理解には、地図に図示したほうが分かりやすいということがよくあります。 この本は地理学者という著者が、そういった例をたくさん集めて示し、地図というものの有効性を分かってもらおうという趣旨で書かれたようです。 その最初のペー…

「日本人の源流 核DNA解析でたどる」斎藤成也著

国立遺伝学研究所の斎藤さんの本はこれまでにも2冊読んでいますが、最新のDNA解析技術を用いた検討で日本人の遺伝的構造を探るという、最新の情報を基に一般向けに分かりやすい内容となっています。 この本も2017年10月の出版というもので、最近急激に進歩し…

「J.G.バラード短編全集5 近未来の神話」J.G.バラード著 柳下毅一郎監修

ニューウェーブSFを主導したと言われるJ.G.バラード(1930-2009)の短編作品をすべて収めた短編全集が、東京創元社から刊行されました。 バラードの短編は1956年から1996年まで、98篇が発表されていますがそれを5冊に収めています。 本書はその第5巻、1977…

「侠骨記」宮城谷昌光著

宮城谷さんの本は以前は読んでいましたが、このところ少しご無沙汰していました。 久しぶりに手に取ったこの本は、1991年に著者が「夏姫春秋」で直木賞を受賞した頃に出版された初期の作品群の一冊です。 著者の作品には、中国古代を扱ったもの、著者故郷の…