爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

読書記録

「会計士は見た!」前川修満著

何か、非常に軽い感じの題名ですが、中身は非常に真面目なもので、公認会計士の前川さんが昨今の社会を騒がせた企業の問題を、発表された会計報告のみを題材として分析し推理するという、企業会計に興味を持つ人、(もちろん会社勤めの人は皆興味を持ってい…

「これは誰の危機か 未来は誰のものか:再読」スーザン・ジョージ著

再読としましたが、本当は初めてです。 昨年4月にちょうど図書館から借りてきて、読もうとしていたら熊本地震が発生、余震が続きとても読書をできる状態ではなくなりました。 「地震がおさまったらまた読みたい」としていたのですが、すっかり忘れていて今に…

「外邦図 帝国日本のアジア地図」小林茂著

「外邦図」とは、明治の初期から太平洋戦争期にかけて日本がアジア・太平洋地域について作製した地図を指します。 それは植民地支配や戦争遂行のために必要なものでした。 こういった地図は他のヨーロッパ諸国にとっても最重要のものであり、偵察使命をおび…

「パチンコ 規制と進化の歴史」下代裕人著

ひと頃の勢いはなくなったようですが、それでも町のあちこちに壮大な店舗を構え、朝10時ともなればそれだけが生きがいのような連中が開店に押しかける風景が見られるパチンコですが、あまりきちんとした歴史記述がされたことは無かったと思います。 この本…

「サブプライム危機はこうして始まった 決定版アメリカからの最新レポート」ブルース・E・ヘンダーソン、ジョージア・ガイス著

サブプライム危機、現在ではそれから引き続いて起きた最大の金融機関倒産であるリーマンブラザーズ破綻から「リーマンショック」という方が通りが良いかと思いますが、リーマン破綻が2008年9月、本書出版は2008年8月であり、本書には「リーマン」…

「土壌汚染 フクシマの放射性物質のゆくえ」中西友子著

2011年3月の東日本大震災で起きた福島第一原発の事故による、放射性物質の放出は大きな社会問題を引き起こしました。 本書著者の中西さんをはじめとする、東京大学農学部の人々は総力をあげてその状況の調査研究を繰り広げました。 農学部には、土壌、各種農…

「健康不安社会を生きる」飯島裕一編著

世界でもトップクラスの長寿国でありながら、健康不安が増大している日本ですが、そこには巨大になった健康産業も大きく関わってきます。 このような「健康不安社会」の様相を、信濃毎日新聞社の編集委員である編著者飯島さんを中心として各分野の専門家に取…

「本当のかしこさとは何か 感情知性(EI)を育む心理学」日本心理学会監修 箱田裕司・遠藤利彦編

人間の知性を測る方法としては、知能指数(IQ)がありますが、これは知性のごく一部のみを測っているにすぎないものです。 すくなくとも心理の働きとしては、感情と理性とがあるはずですが、その両方をつなぎ合わせるものとして、感情知性(emotional intelig…

「横浜黄金町パフィー通り」阿川大樹著

私は小説は原則として読まない、特に現代小説は。と言っていたんですがちょっと関わりがあって阿川大樹氏の「横浜黄金町パフィー通り」を読んでみました。 横浜の中区黄金町とは、京浜急行で横浜から逗子方面に3つめの黄金町駅周辺ですが、つい最近まで違法…

「地球の履歴書」大河内直彦著

大河内さんの本は以前にも読んだことがあり、地球科学の分野以外にもエネルギー資源等の議論も肯ける論旨と感じました。 sohujojo.hatenablog.com この本は統一したテーマというわけではなく、地球科学に関する様々な文を集めたというもののようです。 第2…

「日本の火山 ウォーキングガイド」火山防災推進機構編

著者は特定非営利活動法人火山防災推進機構のメンバーで、各火山の研究者が主ということです。 そのため、各地の火山をできるだけ歩いて見てもらいたいと思いながらも、決して事故があってはいけないということから諸注意もあちこちに書かれています。 全国…

「教科書では学べない世界史のディープな人々」鶴岡聡著

著者の鶴岡さんは歴史の専門の研究者というわけではなく、塾の講師などをされているようですが、この本で取り上げられている人々はあまり有名であるわけではないものの、こうやってその人生を描くとそれぞれがまた独自の輝きを持つように思えます。 「あまり…

「”科学的”って何だ!」松井孝典、南伸坊著

科学全般を誰にも分かりやすく説明しようとして、科学にはまったく素人と見える有名人と、科学者とが対談をして行くという、よくある作りの本です。 素人として出場してきているのが、イラストレーターの南伸坊さん。 科学者の方が、東大の惑星物理学の教授…

「なぜ大国は衰退するのか」グレン・ハバード、ティム・ケイン著

大国の興亡というものについては、これまでも様々な人々によって分析され記述されてきました。 この本はアメリカの二人の経済学者が、歴史上および現代の大国の興亡を、行動経済学、制度経済学、政治学の知見をもとに読み解き、経済的不均衡が文明を崩壊させ…

「偽装死で別の人生を生きる」エリザベス・グリーンウッド著

偽装死、すなわち自殺や事故、殺人被害者などとなって死んだと見せかけ別の人間になりすまして生きていくということです。 日本でもあることなのかもしれませんが、アメリカでは結構あることのようで、事件として有名なものもいくつもあるようです。 著者の…

「欲望の資本主義 ルールが変わる時」丸山俊一(NHK”欲望の資本主義”取材班)著

NHKの「欲望の資本主義」という番組の取材として、ノーベル賞受賞者のコロンビア大学教授のジョセフ・スティグリッツ、チェコ出身の異色の経済思想家であるトーマス・セドラチェク、元ゴールドマン・サックス社員の投資家スコット・スタンフォードを迎えて、…

「酸素のはなし 生物を育んできた気体の謎」三村芳和著

酸素は大気中に21%含まれておりそれは簡単に変わるものではないような気になってしまいますが、地球の成り立ちを考えるとそれはほんの偶然にすぎなかったようです。 本業はお医者さんですが、山登り好きがこうじて酸素について考えることも多くなってしま…

「日本の年金」駒村康平著

経済学者ですが、社会保障や年金が専門で、政府の顧問や有識者検討会の委員も勤められたという著者が、年金問題について詳細に説明されていると言う本です。 年金というものは、誰もが大きく関わるはずであるのに、あまりまともに考えたことがないという、困…

「あやしい健康法」竹内薫、徳永太、藤井かおり著

健康法については様々な俗説が出回っていますが、それらについて有名なサイエンスライターの竹内さんが、医師の徳永さん、ヨガインストラクターの藤井さんとともに、指摘しています。 それぞれの専門分野で健康法を取り上げて評し、それについてあとの2人が…

「男と女のトラブル相談室」大渕愛子著

テレビ出演も多い弁護士の大渕愛子さんが、特に男女関係のトラブルについて、結婚、離婚、ストーカー、DV、セクハラといった事例と対処法を書いています。 活字も大きく言葉も簡単なものを選んでいるようで、あまり活字慣れしていない人にも読んでもらいたい…

「古文書はいかに歴史を描くのか」白水智著

著者は歴史学の中でも各地に残る古文書をフィールドワークで探し出し解析し各地域の歴史を新たに再発見していくという研究方法を取っている歴史学者です。 この本では各地の旧家の蔵から古文書を発見してきた実話や、その詳細な方法、また記録のまとめ方など…

「朝鮮王朝”儀軌” 百年の流転」NHK取材班編著

2010年に当時の菅総理大臣が韓国に日本にある「朝鮮王朝儀軌」を引き渡すと突然のように発表したことは社会に驚きをもって迎えられました。 それがどういうものかという認識もほとんどの人が持っていなかったはずです。 実はそれは韓国国内でも同様の状況だ…

「日本飛び出しくん図鑑」関将著

「飛び出しくん」とは、狭い通学路など子供が飛び出してくることがありそうなところに、ドライバーに注意を喚起するために設置されているもので、単なる看板様式のものではなく、人形(二次元・三次元)となっているものです。 一般的には「飛び出し人形」と…

「サンドイッチの歴史」ビー・ウィルソン著

よく知られているサンドイッチの起源と言われているものは、サンドイッチ伯爵がギャンブル好きで夜通しカードゲームにのめり込み、食事をする間もないので片手で食べられるようにパン2枚に肉を挟んで持ってこさせたというものです。 この通説も含めサンドイ…

「日本は戦争をするのか」半田滋著

安倍内閣は支持しない(支持率が不支持率を下回る)けれど、投票は自民党という、とても信じられない投票行動で、自民党圧勝という結果に終わった衆議院選挙ですが、その安倍内閣の目指す安全保障(なにが「安全」やら、「暗然」としていまいます)がどのよ…

「宗教聖典を乱読する」釈徹宗著

著者の釈さんは浄土真宗如来寺住職であり、さらに大学教授も勤められ、認知症患者支援のNPOも運営されているという方です。 この本は、関西地方で開かれたカルチャースクールで講演された内容に加筆された宗教全般について広く知識を得ることができるといっ…

「戯作者銘々伝」井上ひさし著

戯作者とは、江戸時代後期に流行した洒落本、人情本などの通俗小説の作者を指します。 為永春水、山東京伝、十返舎一九といった人々が有名ですが、他にも多くの人々が執筆していたようです。 この本は、そういった戯作を書いていた人々の周辺を短編小説とし…

「古道 歴史の道百選」森田敏隆著

平成8年に文化庁によって、「歴史の道百選」の第一次選定が行われ、78箇所が選ばれました。 本書はその78にそれ以外の9箇所を加えた87箇所の古道を写真家の森田さんが撮影した写真で紹介しています。 取り上げられている道は、東海道や中山道など有名な街道…

「倭人への道 人骨の謎を追って」中橋孝博著

著者は人骨を専門とする考古学者ということです。 したがって、DNA分析が主流の現代の進化学界とは少々捉え方が異なっているようで、新人(ホモ・サピエンス)のアフリカ起源説がほとんど主流となっているのですが、著者はネアンデルタール人と新人との混血…

「現代の地政学」佐藤優著

非常に印象的な活動を続けられている佐藤優さんが、池袋コミュニティ・カレッジというところで地政学というものについて講義をした、その記録をまとめています。 地政学というものは、最近は非常に注目されているようで、「地政学リスク」といった言葉は一人…