爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

読書記録

「メディア不信 何が問われているのか」林香里著

アメリカでトランプ大統領がフェイクニュースという言葉を連発し、これまでの世論を代表しているかのようであった大手メディアに対する不信感が増しているようです。 実はこれはアメリカだけの問題ではなく、イギリスやドイツなど欧米各国でも大きな動きとな…

「中国正史 倭人・倭国伝全釈」鳥越憲三郎著

倭人といえば、中国古代に日本人を指して読んだ呼称であると言うのが一般的な解釈でしょうが、実はそれよりはるかに古い時代から中国南部などに住んでいた人々をも指していたようです。 それらの人々と日本人との関係というものはよく分からないのですが、鳥…

「神童は大人になってどうなったのか」小林哲夫著

神童というと、子供の頃からピアノやバイオリンが上手いという人もいますが、たいていは勉強がすごくできる人というイメージでしょう。 二十歳すぎればただの人という話もありますが、実際のところはどうなのかという思いは少しはあります。 著者は教育ジャ…

「人口減少と社会保障」山崎史郎著

年金や医療などの社会保障は、人口減少に向かう中でその存立も危ぶまれている状況です。 その経緯と今後を、厚生労働省で社会保障関係の制度確立や執行を担当してきた著者が専門的に説明しています。 その現状認識は極めて詳細であり、官僚の優秀さというも…

「すっきりわかる 集団的自衛権Q&A」浅井基文著

安保法制の成立に向けた審議などで、さかんに集団的自衛権について取り上げられましたので、名前だけは聞いたという人が多いでしょうが、中身はさすがに難しいものでしょう。 外務省官僚から大学教授に転進した著者はこういった議論の現場にもいた方で、非常…

「悪の力」姜尚中著

日本のみならず世界中で殺人事件など「悪の力」が猛威を奮っているようです。 このような「悪」というものはどのようにして出来上がっているのか。 姜尚中さんが、哲学的に、さらに多くの小説などから文学的に、考察しています。 姜さんの本書あとがきによれ…

「日本霊異記の世界」三浦佑之著

日本霊異記とは平安時代の初期に仏僧であった景戒(きょうかい)がまとめた、日本で最初の仏教説話集であり、その話は主に8世紀の奈良時代に都周辺で語られていたものが中心となっています。 それ以前にも神話から来たような物語は数多く存在していたのです…

「知っているようで知らない免疫の話」西村尚子著

免疫力がガンになりやすいかどうかに関わるとか、乳酸菌が免疫アップとか、IgEがどうのこうのといった、断片的な言葉は知ってはいても、たしかに本当に免疫とはどういうものかということは、知らなかったようです。 免疫の最初から、現状の高レベルの話まで…

「中国の故事寓話」鈴木亨著

著者の鈴木さんは出版社の編集長などを経て著述業をされていたということで、知人友人なども実業界に多く、さまざまな話を聞いてきたようです。 現代においても仕事の上での問題点というのは、古代とあまり変わらないようで、昔の知恵がいっぱいに詰まった故…

「思い違いの科学史」科学朝日編

かつて朝日新聞社から発行されていた「科学朝日」という雑誌があったのですが、そこで1970年代に連載されていたシリーズを単行本化したものです。 科学朝日はその後「サイアス」と名称変更したものの、売れ行き不調は止まらずに休刊となりました。 科学雑誌…

「中国列女伝」村松暎著

昔から持っていた本でかなり古いものですが、その題名についてはこれまでまったく誤解していました。 「列女伝」をてっきり「烈女伝」だと思いこんでいたのです。 それでいて、中で描かれている女性たちは孝女あり、貞女ありだったのですが、おかしいとも思…

「”喜平さ”がつくった奇跡の村」峰竜太著

また貰い物の本です。 長野県の南部の下條村は、山あいの小さな村ですが財政も健全、子供の出生率も高いとして知られています。 それは、前村長の伊藤喜平さんが作り上げてきた村政によるものだそうです。 それはどのようなものだったのか、下條村の出身のテ…

「恐竜はなぜ鳥に進化したのか」ピーター・D・ウォード著

ヒマラヤ山脈の頂上付近では酸素が薄くて人間は酸素マスクで吸入しなければ生きていられません。 しかし、そこで上空を見ると渡り鳥が飛び去るのが見えます。 そこは山の上よりもさらに酸素が薄いはずですが、それでも鳥たちは平気で飛行を続けています。 ど…

「テレビの日本語」加藤昌男著

かつては日本語の模範とまで思われていたテレビで話される言葉が、最近では乱れていると感じます。 NHKでアナウンサーとして活動し、その後は後進アナウンサーの話し方指導も担当されたという著者が、その推移を語ります。 東日本大震災の起きた2011年3月11…

「ふつうの人の個人史の書き方・残し方」大江晴月著

「自分史」というものを書くことが流行っていて、その書き方などを教える本や教室もあるといったことも聞いてはいました。 しかし、著者の大江さんによれば現在言われている「自分史」というものはこの本で示している「個人史」とは違うということです。 そ…

「ペストの歴史」宮崎揚広著

人類の歴史には疫病による大きな災害が何度も起きていますが、中でもペストによるものはその死亡率の高さでも、中世ヨーロッパの社会に与えた影響でも、最も厳しいものだったと言えるでしょう。 この本は近世フランス史がご専門の歴史学者の宮崎さんが、主に…

「古代遺跡を楽しむ本」吉村作治著

著名な考古学者の吉村さんが、世界各国の古代遺跡を紹介するという本で、一箇所ごとにその場所の思い出と行き方、注意などがガイドブック風に付けられているものです。 まあこういった旅行ガイドに一々文句を言っていてもしょうがないのですが、ちょっと気に…

「”アレ”はなぜ合法なのか?」間川清著

社会の隅々まで法律で決まっていることが多いのですが、意外に一般の人々はそういった法律について知らないことが多いようです。 弁護士の間川さんが、様々な事例について法律の本当のところはどうなのか、分かりやすく解説をした本です。 法律に関する「都…

「おにぎりはどの角から食べるのがマナーですか?」吉野椰枝子著

書名からはどのような内容なのか分かりにくいのですが、副題の「ホームステイ外国人のニッポンびっくり体験」を見ればすぐに分かります。 著者の吉野さんは、豊富な英語体験を活かし、日本語教師としての資格も持ちながら、家庭でホームステイの外国人を受け…

「日本 喪失と再起の物語」デイビッド・ピリング著

著者のピリングさんはフィナンシャル・タイムズ紙のアジア編集長ということで、2001年から2008年まで東京支局長を務めました。 また、東日本大震災の直後には被災地に入り、取材を続けたそうです。 非常に数多くの人々に話を聞き、また様々な資料を…

「アーリア人」青木健著

「アーリア人」と聞くとどうしてもナチス・ドイツが利用した人種論を思い出してしまいますが、実際にアーリア人と言うべき人々はイランからインドにかけて住んでいた牧畜民で、その後は様々な方面に散っていきました。 他の民族と同化したものもあります。 …

「鮭鱸鱈鮪 食べる魚の未来」ポール・グリーンバーグ著

クロマグロやサンマ、ウナギ等々、日本の漁業の将来を不安視させるような出来事が続発していますが、漁業資源の枯渇という点では欧米の方が先に問題化しているようです。 タラやサケなどは乱獲でほとんど資源枯渇させたということをやっています。 この本は…

「英国流立身出世と教育」小池滋著

「身を立て名を挙げ」と言えば「仰げば尊し」の一節とすぐ分かるのはある程度の年齢の人だけで、最近はあまり卒業式でも歌われなくなっているとか。 そいうった「立身出世」というものが最近の先生方に不評だからではないかということですがどうでしょう。 …

「”日本スゴイ”のディストピア」早川タダノリ著

21世紀に入って以来「世界が尊敬する日本人」とか「本当はスゴイ日本」などと題されたおびただしい数の書籍が刊行されています。 最近はテレビ番組にもそういった類のものがはびこっており、辟易する思いですが、実はかつても「日本スゴイ」という本が次々…

「なくなりそうな世界のことば」吉岡乾著 イラスト西淑

世界には7000の言語があるそうです。 その中で多くの人が母語としている「大きな言葉」には中国語普通話(9億人)、英語3億7000万人、日本語も世界9位で1億2800万人といった言葉がありますが、一方「小さな言葉」はごく少数の人が話すだけで、それもどんどん…

「ほんとうの”食の安全”を考える ゼロリスクという幻想」畝山智香子著

国立医薬品食品衛生研究所の室長をしておられる、畝山智香子さんはネット上で「食品安全衛生ブログ」という活動もされており、大変参考にさせていただいています。 以前に近著の「健康食品のことがよくわかる本」という本を読みその書評は書いています。 soh…

「河童よ、きみは誰なのだ」大野芳著

著者の大野さんは1975年に河童を愛好する団体「かっぱ村」を立ち上げ、河童を見たという話を全国に尋ねて回るということをしている方です。 本書も前半は全国各地に河童の目撃談を集めた情景を書かれているのですが、途中からは河童の歴史に踏み込み、さまざ…

「この世界を変える方法」内海聡著

「日本は100%奴隷国家だ」という文句にひかれて読んでみましたが、本書のあちこちに溢れる毒気にあてられっぱなしになりました。 陰謀論と科学的根拠無視の言いたい放題ですが、中にはうなずける部分も散見されるもので、すぐに放り出すということもなく…

「”ひとこと言いたい私”にさようなら!」クリステル・プチコラン著

コミュニケーションを重視するということは大切なことですが、単に会話をしていれば良いということではありません。 会話をしていても、ともすれば相手の語っている途中を遮って自分の言いたいことばかりを話してしまうことが多いようです。 それではコミュ…

「差別語不快語」小林健治著

にんげん出版という出版社の発行したこの本は「管理職検定」というシリーズらしいので、企業の管理職クラスが差別語などを不用意に使ってトラブルを起こさないようにと言う狙いで書かれたものかもしれません。 口は災いの元と言いますが、相変わらずテレビ放…