爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

読書記録

「移住・移民の世界地図」ラッセル・キング他著、竹沢尚一郎他訳

ヨーロッパ全体が移民により揺り動かされ、アメリカでも移民圧力が強まり、日本でも移民に扉を開けるかと言われています。 このような世界の情勢を、移民の軌跡から見ればどうなるか。 現在の世界の動きだけでなく、歴史的な移民の動きまで、詳細な地図の上…

「それっ! 日本語で言えばいいのに!!」カタカナ語研究会議監修

意味が分かっているのかいないのか分かりませんが、カタカナ語という言葉があちこちで飛び交っています。 その特に目立つ状況が、本書の区分けにもなっているように「ビジネス現場」「意識高い系パーソン」「IT業界」「メディア業界」でしょう。 本書には取…

「私の好きなお国ことば」小学館辞典編集部編

方言はだんだんと少なくなり、また変質しているようですが、この本は全国各地の方言について、その地方の出身者に少しずつ語ってもらうという趣旨で編纂されているものです。 書き手に選ばれているのは作家の人が多いようで、まあ妥当な人選でしょうか。 そ…

「学校で教えてくれない音楽」大友良英著

著者の大友さんは、ギタリストや作曲家として活躍されていますが、学校の時は音楽の授業が大嫌いだったということです。 その大友さんに名古屋の東海中学の生徒さんが、「学校で教えていない自由な音楽の授業」をやってくれと依頼し、そこで大友さんや知り合…

「重金属のはなし 鉄、水銀、レアメタル」渡邉泉著

金属というと、鉄やアルミを始め多くの元素のことを指します。 その中でも比重の重いものを「重金属」と呼びます。 定義としては鉄より比重が重い金属元素ということですが、アルミやナトリウムなどの軽金属以外のものを指すということです。 これら重金属は…

「漢字と中国人 文化史をよみとく」大島正二著

漢字は中国で生まれ、その言葉を書き表すものとして発展してきました。 日本でもそれを使って言葉を書き表してきましたが、中国での状況とは違いがあります。 漢字には「形」(かたち)と「音」(読み)、「義」(意味)の三要素があります。 実は、漢字の辞…

「なぜ本番でしくじるのか プレッシャーに強い人と弱い人」シアン・バイロック著

ここ一番という大舞台で実力が発揮できる人と、できない人。 スポーツや芸術のプロ、政治や学問の場でもそういった実例がいくらでも見つかります。 それがなぜなのか、そしてどうすれば防げるかということを、心理学の一線級の研究家のバイロックさんが、最…

「介子推」宮城谷昌光著

小説はあまり読まないのですが、ひさしぶりに宮城谷作品です。 内容についてあまり細かく書くとネタバレになりますので、話の背景だけにしておきます。 時代は中国古代の周王朝の後半、王朝の威厳は衰え諸侯の国がそれぞれ勢力を競っていた頃です。 中原北部…

「サピエンス全史 下」ユヴァル・ノア・ハラリ著

翻訳物の長編で、上下巻があるものはたいてい上巻だけでもういいやとなるのですが、この本は上巻の出来がかなりのものと感じたので、続けて下巻も読んでみました。 しかし、ちょっとがっかり。 人類の歴史というものを、細かな史実などは取り上げずに大きな…

「世界を揺るがすトランプイズム」池上彰著

いつも鋭い視点と正確な分析で世界の情勢を説明している池上さんですが、これは2017年2月、アメリカでトランプ大統領が就任した直後に書かれた、トランプ政治についての観測です。 それから2年弱経過していますが、この本で語られていることはいくつかは違う…

「辞書のすきま すきまの言葉」清水由美著 トム・ガリー監修

日本語を英語にしようとする場合、なかなかピッタリの言葉が見つからないということがあるようです。 どうしようもないときは、「MOTTAINAI」のように日本語そのままで使う場合もあるようです。 これは、どうやら日本人と英米人の物事の捉え方、考え方、生活…

「カネ、カネ、カネの国ニッポン 不思議の国ニッポンVol.18」ポール・ボネ著

今から見ると古色蒼然とした本で、たまたま本棚で目についたので何十年ぶりかで目を通してみました。 著者はポール・ボネ、長く日本に暮らすフランス人実業家ということでした。 出版は平成2年、内容は完全にバブル真っ盛りのものです。 当時読んだ時もこれ…

「サピエンス全史 上」ユヴァル・ノア・ハラリ著

ハラリさんの本「ホモ・デウス」をつい最近読んで、この人が最近欧米で注目を集めている歴史家であり、その前著「サピエンス全史」はミリオンセラーになっているということでしたので、その「サピエンス全史」を手にとってみました。 sohujojo.hatenablog.co…

「韓国現代史 大統領たちの栄光と蹉跌」木村幹著

韓国(大韓民国)はもっとも近い国でありながらその中身を日本人はあまりよく知らないようです。 少なくともアメリカよりははるかに知識量が少ないでしょう。 朝鮮半島地域の研究が専門という著者が、その韓国の日本からの解放以降の現代史を著述する方法と…

「コロンブスの不平等交換」山本紀夫著

「コロンブスの交換」という言葉があるそうです。 それほど古いものではないそうで、アメリカの歴史学者クロスビーが1972年に発表した本の中で使った言葉だそうですが、その後他の人も使うようになりました。 確かに、コロンブスの新大陸「発見」以降ヨ…

「ゲームの理論入門」モートン・D・デービス著

ゲーム理論とは、数学の新分野とも見られますが、経営学や社会工学など多くの分野との関係も深いものです。 その歴史も源流はかなり古くからあるとはいえ、一般的には1944年のフォン・ノイマンとモルゲンシュテルンによる「ゲームの理論と経済行動」の出…

「日本人が知らない 世界と日本の見方」中西輝政著

国際政治学者で京都大学教授の中西さん、その意見には反発も感じますがやはりなんとなくひきつけられるものを感じて本を手にとってしまう、そういった悪魔のような魅力があるとは言えるようです。 sohujojo.hatenablog.com 前のブログでは「図書館でも手に取…

「超能力ははたしてあるか」大槻義彦著

1970年代から80年代にかけて、超能力と言うものがブームとなり、外国人の由利某とやらが大きく取り上げられ、日本人でも清田某とかの少年(その後青年から中年、高年となった)が何度もテレビ出演をするなどしていました。 最近ではあまりそういった番…

「贋作・盗作 音楽夜話」玉木宏樹著

著者の玉木さんは芸大卒のバイオリン演奏家ですが、その後作曲も手がけ、映画やテレビの挿入曲、CM音楽などの作曲もされており、著作権にからむトラブルにも何度も巻き込まれているそうです。 そんなわけで、音楽界の盗作などについての話、また大作曲家の真…

「ゲノムが語る人類全史」アダム・ラザフォード著

DNA分析を用いる人類進化の解析は、分析技術の急速な進歩により日々新たな知見が得られるような状況となっています。 この本はイギリスの遺伝学者にしてサイエンスライターでもある著者が、2016年に出版したものですので、最新に近い内容が盛り込まれて…

「響きの科学 名曲の秘密から絶対音感まで」ジョン・パウエル著

著者は物理学者でありながら、ミュージシャンでもあるという人です。 そのため、音楽全般に関するエッセイでありながら、よくある本のように音楽の芸術面の話を感覚的にするだけでもなく、音の波形や振動を物理的に説明するでもなく、ほどよく双方のポイント…

「暴走する文明」ロナルド・ライト著

人類が農業を始めて以来、多くの文明を作ってきましたが、どれも永続することはなく消え去っていきました。 その場に人の姿も無くなるほどきれいに消え去ったものもありますし、人は住んではいてもかつての文明の後継者とも言えない場合もあります。 文明が…

「カクレキリシタンの実像」宮崎賢太郎著

ちょうど「長崎と天草の潜伏キリシタン関連遺産」が世界遺産に登録され、観光客も増加し、テレビでも時々その様子が放映されています。 しかし、その「潜伏キリシタン」(隠れキリシタンと言う方が通りが良いでしょう)の実態というものはあまり知られていな…

「ドキュメンタリー 豪雨災害」稲泉連著

今年も西日本の広い範囲で豪雨災害が起き、多くの人が犠牲となりました。 この本は、東日本大震災が起きた年の夏、紀伊半島を襲った豪雨災害を中心に、ノンフィクション作家の稲泉さんが現地取材を行ってまとめたものと、専門家には危険性が共有されながら、…

「ホモ・デウス 上巻」ユヴァル・ノア・ハラリ著

全世界でかなり話題となっているらしい、ユヴァル・ノア・ハラリさんの新著です。 そんなことは何も知らずに、図書館で新刊書ということで見つけ、面白そうな題名だと借りてきました。 すると、ちょうどその日の夕方のテレビにハラリさんのインタビュー番組…

「中国台頭の終焉」津上俊哉著

アメリカの一極支配に陰りが見え、その代わりに中国が台頭するという見方をする人が、専門家、一般人を問わず多いようです。 しかし、通産省官僚から中国の日本大使館参事官を経て対中国のさまざまな交渉に関わってきた著者の津上さんから見れば、「中国台頭…

「さかさま世界史 英雄伝」寺山修司著

寺山修司さんといえば、天井桟敷という劇団を立ち上げ、多くの話題を振りまきながら活躍したものの、1983年に47歳の若さで亡くなられました。 そんなに前に亡くなったとは思えないほど存在感はまだ感じられるのですが、それは私達以上の年代の人たちに…

「私たちはどうつながっているのか ネットワークの科学を応用する」増田直紀著

ネットワークといっても、インターネットだけの話ではありません。 人間社会というものは、「人は一人では生きられない」という言葉が示すように、多くの人間が関わり合ってできています。 そこには、人と人との「ネットワーク」と言うものがあり、それが複…

「世界の選挙制度」大林啓吾、白水隆編著

現状の日本の選挙制度は最悪であるということは、ここでも繰り返し述べてきました。 sohujojo.hatenablog.comあの、自分の議員という身分の保持だけが望みのような連中に、選挙制度を決めさせる事自体、「泥棒に刑法を決めさせるようなもの」と思います。 と…

「DNAで語る 日本人起源論」篠田謙一著

DNA分析技術はすごい勢いで発展しており、一つの生物たとえば一人の人間の全遺伝子を解析することすら可能となっています。 遺伝子のDNAの分析が、人間のグループ化を可能としているということは、かなり以前から知られており、その方向での研究も多くの研究…