爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

読書記録

「ナポレオン 戦争全史」松村劭著

著者の松村さんは自衛隊で作戦幕僚などを歴任、実際に戦闘経験はないでしょうが、戦略というものを仕事にしてきた方です。 以前、現代戦の戦法について書かれた本を読んだことがあり、「これはかなりの珍品だ」という感想を持ったのですが、今度読んだこの本…

「よくわかる 渋滞学」西成活裕著

「無駄学」「誤解学」といった本も書いておられる西成さんですが、その論議の進め方は極めて科学の原則に従ったものと見えます。 しばらく前に「誤解学」という本を読みましたが、その中で「渋滞学」に関する言及もありました。 sohujojo.hatenablog.com 渋…

「日本の若者はなぜ希望を持てないのか 日本と主要6カ国の国際比較」鈴木賢志著

2014年に内閣府が「我が国と諸外国の若者の意識に関する調査」というものを発表しました。 日本およびアメリカ、イギリス、スウェーデン、フランス、ドイツ、韓国の、13歳から29歳までの若者を対象に、共通の質問項目を用いて行われた国際調査でした…

「イタリア遺聞」塩野七生著

イタリアに住み、「ローマ人の物語」などの大作を著した塩野さんですが、それらを出版する以前に書かれた小品です。 それでも、歴史上の数々のエピソードを紹介され、その後の小説につながったものも多いのではないでしょうか。 イタリアでも諸都市の間では…

「磯野家の相続 波平の遺産はどうなる?」長谷川裕雅著

取り付きやすいようにサザエさんの磯野一家を舞台にしていますが、内容は非常に真面目な遺産相続対策です。 著者も弁護士の長谷川さん。 まあ、家族構成とかは想像しやすいのですが、波平に隠し子がとか、カツオが非行を繰り返すとして相続廃除されるとかい…

「小さな大世界史」ジェフリー・ブレイニー著

人類が誕生した200万年前から現在までの人類通史というものを書いてやろうという無謀?な試みでできた本です。 著者はオーストラリアの歴史家ですが、政治的な発言も多いという、元メルボルン大学教授のブレイニー氏です。 そのためか、監訳の南塚信吾千…

「微笑みのたくらみ」マリアン・ラフランス著

笑顔を見せることで社会の緊張をほぐすことにつながります。 それを意識的に見せることも、無意識で見せることもあります。 赤ちゃんも笑いますが、それも無意識ではないかもしれません。 笑顔というものについて、様々な方向から科学的に解析しているのは、…

「図解でわかる スケール(音階)の知識」小林一夫著

スケール(音階)というと、ドレミファソラシドということと思われますが、実はそれ以外にも何種類も存在するものです。 ピアノの白鍵と黒鍵の配置をみれば分かるように、ドとレ、レとミの間は全音であり、ミとファの間は半音、ファソラシまでは全音ですが、…

「南海トラフ地震」山岡耕春著

この次の大規模地震は南海トラフだとよく言われます。しかしその予測される全体像は東日本大震災などから連想されるものとは少し違うようです。 その差が被害の拡大につながる危険性もあります。 駿河湾から四国沖まで延びる南海トラフでは、これまで100…

「武士はなぜ腹を切るのか 日本人は江戸から日本人になった」山本博文著

日本人の国民性と言われるもの、義理堅いとか、我慢強いとか、規律を守るとか挙げられますが、これらは江戸時代に形作られたものと言えそうです。 それ以前の時代とは大きく違うものが、出来上がって行きました。 ただし、それは現代にも受け継がれていると…

「不道徳な見えざる手」ジョージ・アカロフ、ロバート・シラー著

「見えざる手」といえば、自由市場というものを信奉し、それに任せることが自由主義経済を最もうまく動かすのだという信念のようなものだと思っていました。 まあ、かなり怪しいのではないかと疑ってもいましたが。 これは、市場に関係するすべての人が最良…

「依存症臨床論」信田さよ子著

「依存症」といってもいろいろなものに対しての依存というものがあるようで、最近では「ギャンブル依存」というものが、カジノ法案審理の際に問題となりました。 この本では、「アルコール依存」を主に扱っています。 著者の信田さんは、アルコール依存症と…

「洗脳の世界」キャスリーン・テイラー著

「洗脳」と言う言葉が生まれたのは、朝鮮戦争の時でした。 もちろん、同様の事例はそれ以前にもいくらでも存在したのでしょうが。 国連軍の主力として参戦したアメリカ軍の兵士の中には戦闘中に捕虜になり、その後捕虜交換等で帰国した時にはまるで根っから…

「LPレコードに潜む謎」山口克巳著

私らの年代のものには懐かしい、LPレコードですが、実はLPの歴史というものはわずか30年に過ぎなかったそうです。 SPからLPとなってレコード文化が一気に広まりましたが、やがてCD化が恐ろしい勢いで進み、あっというまに事実上LPレコードは終了してしまい…

「この洋画タイトル、英語では何て言う?」東郷星人著

映画のタイトルはその映画の人気とも関わるためにいろいろ考えられて付けられています。 英語圏の映画は当然ながらだいたい英語のタイトルが付けられていますが、それを輸入して日本で封切りする場合、あまり直訳調でもまずいということで、まったく違うタイ…

「もっと面白い本」成毛眞著

パソコン興隆期の有名人で、日本マイクロソフトの社長を務めておられた成毛さんですが、2000年に社長を退かれたあとはあまりお名前を目にしてはいなかったようです。 その後は投資コンサルタントをされているそうですが、それとともに、「読書」を奨める活動…

「歴史に学ぶもの逆らうもの」吉岡吉典著

著者はすでに亡くなっていますが、共産党の中央委員会委員で参議院議員としても長く活躍されていた人です。 この本は1988年の出版、ちょうど昭和天皇が亡くなり平成に入った頃のことです。 昭和天皇の病状悪化から危篤、逝去までの世相というものは、も…

「自治体ナンバー2の役割」田村秀著

市町村などの自治体のナンバー1は市長等ですが、ナンバー2は「助役」ということです。 この助役については、地方分権を進めるという点から見て、地方自治の変革を目指す中で現状がどのような役割であり、今後どのようにするべきかを検討する必要があります…

「スクラップエコノミー」石渡正佳著

石渡さんは千葉県庁で産業廃棄物行政を担当し、「産廃Gメン」として活躍されたという方ですので、この本も「スクラップ」について廃棄物の観点から見たものと思いましたら、なんと国家経済や国の政策について非常に広く大きい見方を繰り広げられるという、良…

「日本民族の誕生 環日本海古民族と長江流域文化の融合」安本美典著

在野の古代史研究家である安本さんが非常に大きな観点から日本民族の古代の成立について語っています。 著作は何冊もあるものの、既成古代史学会からは無視同然の扱いといったところでしょうか。 しかし、この本を見ても関連する研究者の意見には丹念に目を…

「知ってるようで知らない ものの順序」ことば探偵団

いろいろな雑学を並べてある、軽い読み物です。 一応、「順序」というものに絡めて説明されていますが、必ずしもそればかりでも無いようです。 通夜・告別式での拝礼の順序といったものから、結婚祝い、香典の額の順序、会議室・応接室の席順といったものな…

「実践 日本人の英語」マーク・ピーターセン著

日本を訪れる外国人も増え、彼らが日本語を話す場面もよく目にするようになりましたが、驚くほど上手な人もたまには居るものの、多くは「片言の日本語」を話しています。 それと同じか、もっとひどい状況が我々が英語を使う時に起きているということで、著者…

「ノーベル賞の真実 いま明かされる選考の裏面史」アーリング・ノルビー著

ノーベル賞に日本人が選出されるかどうか、毎年大騒ぎをしていますが、その選考ということについては日本ではほとんど話題になることもないようです。 本書著者のノルビーさんはスウェーデンのカロリンスカ研究所の教授を長く務め、ノーベル賞の生理学・医学…

「残念和食にもワケがある 写真で見るニッポンの食卓の今」岩村暢子著

家庭での食事の様子を写真に撮ってもらうという手法で、「食DRIVE」という活動を長く続けている、岩村さんの昨年末に出版された近著です。 少し前に同様の趣旨の本を読みましたが、その中でも最近の家庭の食事の様子に少なからぬショックを受けました。 sohu…

「医者に上手にかかる法」高柳和江著

時々、昔買った本を再読してみるのですが、この本も1995年に第1刷発行と言うことですので、20年以上前の本です。 医者に上手にかかるにはというテーマで、海外での医療にも携わって帰国した高柳さんが日本の医療状況を書いていました。 20年前とい…

「生命の数理」巌佐庸著

生物学や生命現象の中には、数理学的検討を加えるべき分野があるようです。 この本はそういった生命に関しての数理学(数式などでの解析)について、簡単に?説明しているものであり、生物学や生命科学の大学生、大学院生が学ぶ際の教科書として使えるように…

「モンゴルvs.西欧vs.イスラム 13世紀の世界大戦」伊藤敏樹著

ジンギス汗が統一したモンゴル民族は圧倒的な軍事力で広大な地域を征服しました。 西方では中東やロシアまでを支配しましたが、現ポーランドのレグニツァ(ワールシュタット)の戦いで西欧軍を大破したもののそれ以上の西進はせず停滞しました。 というのが…

「『課題先進国』日本 キャッチアップからフロントランナーへ」小宮山宏著

著者の小宮山さんは化学工学が専門ですが、東京大学の工学部長から副学長、そして本書出版時の2007年は東京大学総長の職にあったという方です。 それだけで反発を覚える人も居るかもしれません。 しかし、まあ我慢して読み進めました。 日本は様々な課題が山…

「そして、アメリカは消える」落合信彦著

少し前になりますが、さまざまなところで名前を聞いた国際ジャーナリストとして活躍していた落合信彦さんの2016年、トランプを選んだアメリカ大統領選最中の著書です。 しかし、この本の文章のあまりにも荒っぽいことには驚きました。 オバマを始めとしてア…

「煩悩 百八つの怒り・欲望・悩みはこんなにも奥深い!」松原哲明著

大晦日の除夜の鐘は煩悩の数だけ、108回つかれるということはよく知られていることでしょうが、その「煩悩」というものはどういうものかということは、意外に知られていないのではないでしょうか。 そういった煩悩の数々、臨済宗の僧侶にして大学教授も務め…