爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

読書記録

「火山大国日本 この国は生き残れるか」巽好幸著

地震の多発とともに、このところ火山爆発もあちこちで発生し、不安感が増していきます。 本書副題は「必ず起きる富士山大噴火と超巨大噴火」どちらも、いずれは「必ず起きる」のは間違い無さそうですが、あと数年、数十年の間に起きるかもしれないと言われる…

「先入観はウソをつく」武田邦彦著

武田さんの本はちょっとどうかと思う部分も多いのですが、どんなことでもはっきりと言い切ってしまうという、すっきりしたところに惹かれて時々読んでしまいます。 読んでから、ちょっと困ったなと言うことも多いのですが。 この本は「先入観」というものが…

「被災弱者」岡田広行著

東日本大震災は2011年3月に発生しました。 現在まで8年経過しましたが、その復興はまだ途上と言わざるを得ません。 しかし、見た目の復興が遅いとは言えなんとか形となっている一方で、被災した人々の生活が元に戻るどころか、苦しさを増している人々…

「心理学を変えた40の研究」ロジャー・R・ホック編

心理学に限らず科学の分野においては画期的な研究が実施されてそれによって分野全体が変えられ、あるいは進歩するということが常に起きています。 そのような心理学全体を変えるような大きな影響をもたらした研究を40選び、それがどのような仮説を基に、ど…

「コメの歴史」レニー・マートン著

コメといえば短粒米と長粒米の分布程度のことしか考えていませんでしたが、実は世界の大半ではコメが栽培され食べられていると言えるようです。 なんとなく、小麦の方が世界的に多く食べられているように感じますが、熱帯から温帯の多くの地域、アジアばかり…

「SFの書き方 『ゲンロン 大森望SF創作講座』全記録」大森望編 ゲンロン企画

株式会社ゲンロンとは、講座で講師の一人でもある東浩紀さんが代表を務める出版社で、そこで大森さんを主講師として開かれた「SF創作講座」の1年間にわたる講義のすべてを記録したというものです。 大森さんの他に毎回SF作家などを講師として迎え、題材を提…

「ブッダのいる女子会」Lotus8編集、柾屋光里監修

やはりまだ女性は言いたいことがあっても中々言えないのでしょうか、「女子会」というものがあります。 そこでは男抜きで女性の本音が語られるのでしょうか。 恋愛や家族、仕事の悩みなどその話題は広いのでしょうが、悩みが尽きない以上話題も尽きないので…

「失われた日本の風景 都市懐旧」薗部澄写真、神崎宣武文

写真を撮影した薗部さんは、戦争中より写真に関わり戦後からは写真家として主に民衆の光景を撮影する活動を続けていたということです。 この本は、その薗部さんが昭和20年の戦後すぐから、昭和30年代まで撮影してきた写真をまとめたもので、民俗学者の神崎さ…

「フランス史10講」柴田三千雄著

岩波新書でシリーズ化されている、「各国史10講」というものでは、以前に「イギリス史10講」という本を読みました。 「イギリス史10講」近藤和彦著 - 爽風上々のブログ 新書版で各国の古代から現代までの歴史をまとめてしまうというもので、詳しいとこ…

「ウィキリークスの時代」グレッグ・ミッチェル著

数多くの政府機密文書を公開し、大きな波紋を引き起こした「ウィキリークス」ですが、つい先日もその創始者であるジュリアン・アサンジが長らく匿われていたイギリスのエクアドル大使館を追い出されて警察に逮捕されたというニュースが飛び込んできました。 …

「仏教史研究ハンドブック」佛教史学会編

インド文化圏で生まれた仏教がアジア各地に伝わり、その後日本にも到達し広まったということは、学校でも習う歴史として意識されており、すでにほとんどが解明されていると思ったら、まだ相当わからない点が数々あるようです。 この本は、仏教史を研究されて…

「お経の意味がわかる本」服部祖承著

葬式や法事などで、お坊さんが読み上げる「お経」 見たところ、ほとんどが漢字の羅列のようで、まあ意味も想像はできますがはっきりとはしません。 また、読み方は漢字の音読みで、聞いているとたいてい眠くなります。 お経の始めは、お釈迦様が周囲の人々に…

「ペルシア王は『天ぷら』がお好き? 味と語源でたどる食の人類史」ダン・ジェラフスキー著

「天ぷら」という食物はポルトガル人によって日本にもたらされ、その言葉は「tempero(調味料)」というポルトガル語に由来するといった程度の、食物とその言葉に関する知識は、その辺の普通の辞書などにも書かれていることですが、それがさらに遡るとどうな…

「温泉論」保田芳昭著

保田さんは関西大学の商学部教授でしたが、温泉が大好きで多くの温泉を訪れ、関西大学に温泉同好会を設立、その後それを大きく発展させて日本温泉学会を立ち上げ、初代会長に就任しました。 それが2003年のことですが、その後すぐに体を壊し、2006年に亡くな…

「進化した猿たち1」星新一著

星新一さんと言えば、SFショートショートという分野を開拓し、日本のSFの先駆者の一人として有名ですが、どうやら、アメリカの一コマ漫画というものにも興味を持っていたようです。 「進化した猿たち」というシリーズで、星さんが集めた一コマ漫画をテーマご…

「【図説】ゲルマン英雄伝説」アンドレアス・ホイスラー文、マックス・コッホ挿画

本書は日本語訳本として出版されたのは2017年ですが、ドイツで原著が出版されたのは1904年です。 著者のホイスラーは1865年生まれ、挿画のコッホは1859年生まれと、19世紀の人々と言えるでしょう。 ゲルマン民族の英雄伝説というものは、北欧神話などと比べ…

「ローマ貴族9つの習慣」マルクス・シドニウス・ファルクス著、ジェリー・トナー解説

古代ローマ帝国の貴族の生活や習慣などについて、帝政ローマで執政官も務めたという上流貴族のマルクス・シドニウス・ファルクスさんが、現代人向けに書いたということになっていますが、そんなはずはなく、実際に書いているのは当然ながら解説者として登場…

「廃線紀行 もうひとつの鉄道旅」梯久美子著

私も子供の頃から鉄道好き、模型や列車の写真撮影などをやってきましたが、「廃線」にはまったく興味を感じませんでした。 しかし、それなりに見どころや深味があるようです。 廃線というものが全国に何か所あるかも知りませんが、本書では著者の梯さんが実…

「抗生物質と人間 マイクロバイオームの危機」山本太郎著

抗生物質という薬の登場で、多くの感染症が治るようになりました。 しかし、その一方で抗生物質の使いすぎで薬剤耐性菌というものが増加し、それに感染して亡くなるという人も増えています。 巻頭には、この抗生物質により生命を左右された例として、著者の…

「日本の死活問題 国際法・国連・軍隊の真実」色摩力夫著

著者の色摩さんは外務省に入省し外交官も務め、1970年代に赤十字国際委員会で戦時法規の改定作業というものをやった時には日本政府代表として参加したそうです。 (といってもその時にその分野の専門家であったというわけではなく、他の部署からの参加者…

「マグマの地球科学 火山の下で何が起きているか」鎌田浩毅著

火山学者として有名な鎌田さんの本はこれまでにも読んでいますが、「マグマ」そのものについて詳しく説明されている本書は、非常に興味深い内容です。 別の本で、「マグマはプレート運動で海水がマントルと触れ合ってできる」ということを知り驚きました。 …

「大絶滅時代とパンゲア超大陸」ポール・B・ウィグナル著

生物の大絶滅というと、白亜紀末の恐竜を絶滅させた隕石の衝突が有名ですが、実はその前の時代のペルム紀から三畳紀にかけて起きた絶滅の方がはるかに多くの生物を死滅させました。 その原因については未だ明確となっているわけではなく、様々な学説が出され…

「炎上とクチコミの経済学」山口真一著

「炎上」と「クチコミ」、どちらもネット社会特有の現象としてよく耳にするようになりました。 著者の山口さんは計量経済学がご専門ということですが、ネット関係にも詳しい方のようです。 あとがき、に正直に書いてありますが、以前に「ネット炎上の研究」…

「村上春樹はノーベル賞をとれるのか?」川村湊著

著者は文芸評論家として、これまでにも村上春樹に関する著書も書いてこられており、毎年ノーベル賞発表の頃にはマスコミの取材を受けることも多く、ある年はテレビスタジオに待機させられ、ドーランまで塗った状態で報せを待ったこともあるそうです。 そこで…

「後醍醐天皇」兵藤裕己著

鎌倉幕府の滅亡と南北朝の騒乱、それを引き起こした要因の一部は、後醍醐天皇という天皇家史上稀な存在にあります。 「賢才」か「物狂」か。その評価は大きく別れます。 この時代は、古代からつながっていた社会構造を一変させ、それまでの血縁や地縁が深か…

「俗語発掘記 消えたことば辞典」米川明彦著

冒頭の「まえがき」に著者がこの本を作り上げた方針が書かれています。 明治から現在までに現れては消えていった俗語を辞典風に解説したというものですが、そういった「死語辞典類」は従来も何冊も出版されてきました。 しかし、著者はこれまでの40年間に…

「海外パッケージ旅行発展史」澤渡貞男著

パッケージ旅行、いわゆる団体旅行はさんざん馬鹿にされてはいるものの、やはり今でも多くの海外旅行者はこれで出かけているでしょう。 それは、日本人の海外旅行が自由化された1964年以降に始まったもので、JALPAKやLOOKという名前は有名なものでした。 こ…

「図解 地方自治 はやわかり」松下啓一著

多くの自治体の長と議員を選挙する、統一地方選挙が行われたばかりですが、今回も低投票率、候補者の枯渇などの問題点が露呈しました。 とはいえ、自分自身がそういった地方自治というものについて、ほとんど知識がないのも確かですので、この機会に少し勉強…

「蓮池流韓国語入門」蓮池薫著

著者は言わずとしれた、拉致被害者の蓮池薫さんです。 拉致されてから北朝鮮で暮らしていく中で、言葉も徐々に勉強していったのですが、この本を読むとその言語学的な分析力は非常に高いものと見られます。 韓国語と日本語は、その基本的語彙がまったく違う…

「ヘンテコノミクス 行動経済学まんが」佐藤雅彦、菅俊一、高橋秀明著

行動経済学ということについては、以前も何冊か本を読んだことがあります。 sohujojo.hatenablog.com 経済学の分野の中では新しく生まれたもので、経済学というよりは心理学といった要素が強いように感じました。 とはいえ、役に立つという意味では従来の経…