爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

社会問題

「その〈脳科学〉にご用心」サリー・サテル&スコット・O・リリエンフェルド著

脳科学という分野が発達し、色とりどりの脳画像と称する絵をあちこちで目にするようになってきました。 リアルタイムで画像が見られるために、いろいろな質問をしたり、映像を見せたりした場合の脳の反応といったものを得られるようになり、それを様々な分析…

「日本の大問題 現在をどう生きるか」養老孟司、藻谷浩介著

最初の「長いプロローグ」というものを養老さんが書かれており、そこでは「教育論」というものが扱われています。 その後は、養老さんと藻谷さんの対談で進行していきますが、話題は必ずしも教育論のみに留まらず、社会情勢や人の生き方まであちこちに飛び回…

「右翼と左翼」浅羽通明著

右翼と左翼という言葉は、現在でも度々聞かれます。 最近ではカタカナで「ウヨクとサヨク」などと書かれることも多いようですし、派生して「ネトウヨ」などと使われることもあります。 しかし、実際に「何が右で何が左か」ということはそれほどはっきりとし…

「日本は、」G.D.グリーンバーグ著

著者のグリーンバーグさんはアメリカ出身で大学で経済学を教えていたそうですが、詳細は自分でも明らかにしていないものの40年ほど前に大学を追われ日本にやってきたそうです。 それからずっと日本の大学で教えて過ごしてきたそうですが、日本に来て感じた日…

「家族と格差の戦後史 1960年代日本のリアリティ」橋本健二編著

昭和30年代を扱った映画や本、写真集などが流行っているようです。 もちろん、その最大の要因は映画「ALWAYS三丁目の夕日」の大ヒットでした。 その雰囲気が誰にも懐かしさを呼び起こすものでしたが、しかしその内容は誰にも知られることはありません。 つ…

「内田樹の大市民講座」内田樹著

内田さんの著書は前に読んだことがありますが、なかなか筋の通った思想家という雰囲気です。 sohujojo.hatenablog.com この本は内田さんが「AERA」に6年半にわたって月2回連載していた「900字コラム」をテーマごとに並べ替えてまとめたものです。 あと…

今日見た交通違反、危険運転 自転車の傘差し、方向指示器出しっぱなし、自転車への危険な接近

久しぶりにきれいに晴れたので、散歩に出てみました。 しかし、もう梅雨明けかと思うような夏空ですっかり汗だくになり疲れました。 小一時間も歩くと交通違反行為、危険運転にあちこちで出会います。事故にならないのが幸運としか言いようがないのですが、…

「メディアは大震災・原発事故をどう語ったか」遠藤薫著

東日本大震災とそれに続く福島第1原発事故の記憶はまだ新しいものですが、その時のテレビや新聞の報道というものも印象に残っているものです。 津波が押し寄せている映像や、原発が爆発しているところなど、多くの記憶がありますが、しかしメディアの報道と…

「若者はなぜ【決められない】か」長山靖生著

何を「決められない」のかというと、職業などの自分の未来に続くものということです。 つまり、「フリーター」と呼ばれる人たちを扱ったものなのですが、2003年出版の本ということで、まだ「フリーター」を選んでやっている状態だった頃です。 今となっ…

「若者はなぜ【会社選び】に失敗するのか」渡邉正裕著

就職氷河期は若干緩和されたとは言え、大学卒業生にとって就職というものは大問題であるのには変わりはないのですが、それだけ苦労して入った会社も数年で退職してしまう人が多いということです。 これはやはり会社選びというものを失敗してしまっているので…

突然やってきた将棋ブーム

中学生プロ棋士の藤井聡太四段が昇段以来負け無しの連勝で、今日は連勝記録突破なるかどうかという大騒ぎです。 テレビを見ると藤井くんが昼食に何を食べたか、夕食に何を頼んだかというところまで、そば屋、中華料理屋に取材のカメラを入れて電話を待つとい…

「望遠ニッポン見聞録」ヤマザキマリ著

ヤマザキマリさんと言えば、テルマエ・ロマエの原作者。 17歳にヨーロッパに渡り、その後長く海外生活をしている方です。 (一番長いのはイタリア、その他アメリカ、シリア、ブラジル等にも住んでいたとか) 日本というところには、かなり複雑な心境で対峙…

「デジタルメディア・トレーニング」富田英典、南田勝也、辻泉編

本書は2007年の出版ですので、もう10年前になりますが、その時点はインターネットやケータイなどが爆発的に広まりだしてからおよそ10年が経過した頃でした。 多くの人がそのデジタルメディアの波に飲まれながら、上手く使いこなすというよりは翻弄さ…

「21世紀日本の格差」橘木俊詔著

著者は経済学の中でも労働経済学、公共経済学といった分野がご専門の方です。 あとがきに書かれていますが、およそ10年前に日本にも大きな格差ができているとして問題になった時期があったものの、その後世間の関心は薄れたようでした。 しかし、最近にな…

「観光立国の正体」藻谷浩介、山田桂一郎著

外国人旅行者が2000万人を越え、国も観光立国という方針を打ち出し力を入れているようにも見えますが、その実、内容は非常にお寒いもののようです。 この本は、エコノミストとして活躍されている藻谷さんが、スイスのツェルマットに在住しガイドから始め…

「ルボ 雇用劣化不況」竹信三恵子著

最近読んだ「ピケティ入門」という本が面白かったので、その著者の別の本を読んでみました。 「ピケティ入門 「21世紀の資本」の読み方」竹信三恵子著 - 爽風上々のブログ とは言っても竹信さんの本としてはこの本の方が古いものです。 2009年の出版で、…

まだ消え去らないサマータイム制の亡霊

私が目を覚ます時間はたいていは朝4時から5時の間です。 ちょうど夏至も間近の一番日の出の早くなる時期とは言え、九州の西端ではまだまだ明るくなる時間は遅く、4時ではまだ真っ暗。 ようやく5時過ぎになって明るくなってきます。 最近はほとんど聞かなくな…

「その前提が間違いです。」清水勝彦著

ビジネスのいろいろな側面でよく考えなければいけないとは言われますが、経営戦略が専門の著者から見ると、「そもそも議論の前提がおかしい」と言うことが多いようです。 前提がおかしい議論はいくら続けていても結論が出ません。 そこで、本書では「よく耳…

「環境問題を考える」近藤邦明さんが、風力発電の効率、収支についてまとめの記事

「環境問題を考える」というサイトで様々な発信をされている近藤邦明さんが、最新記事では風力発電の問題について書かれています。 http://www.env01.net/fromadmin/contents/2017/2017_03.html#n1183 風力発電装置も設置の早いものはそろそろ老朽化が進み廃…

FOOCOM.NET専門家コラム、松永和紀さんが農水省広報誌を批判

いつもいつも紹介させてもらっている、FOOCOM.NETの松永和紀さんの記事です。 (あまりにも面白いのでどうしても書きたくなります) www.foocom.net 農水省の広報誌に「aff(あふ)」というものがあるそうなのですが、その内容があまりにもステレオタイプの…

「琉球独立宣言」松島泰勝著

度重なるアメリカ軍人による犯罪発生や、基地建設問題など、沖縄においての問題が起きるたびに「なぜ沖縄は独立を目指さないのだろう」と不思議に思っていたのですが、やはりその動きがあるようです。 著者の松島さんは「琉球民族独立総合研究学会」の設立メ…

「偽善エネルギー」武田邦彦著

武田邦彦さんといえば、原発問題や温暖化問題など焦点の話題に思い切った発言を繰り返し、反発も激しく受けているようです。 しかし、エネルギー問題に関するこの本を読む限りでは、非常にまともなことを語っているように感じます。 ただし、ここでもやはり…

「福島原発事故はなぜ起こったか 政府事故調核心解説」畑村洋太郎・安部誠治・渕上正朗著

著者の御三方は東日本大震災時の福島原発事故に関する政府事故調査委員会のメンバーとして、調査し報告した方々です。 特に畑村さんはその委員長として取りまとめた方です。 「おわりに」に書かれているように、政府事故調の最終報告は2012年7月23日に公表さ…

「すぐわかる戸籍の読み方・取り方・調べ方」丸山学著

本書副題は「相続手続き、家系図作りに役立つ!」です。 こういった要望が多いのでしょう。 私も相続にはほとんど関係がありませんが(遺産もわずか)家系図作りには興味があるので読んでみました。 なお、著者の丸山さんは行政書士で、先祖探しといった仕事…

「〈リア充〉幻想」仲正昌樹著

著者の仲正さんは政治思想史が専門という金沢大学教授ですが、こういった現代の若者の抱えている問題についても詳しいようです。 「リア充」というと、聞いたような気もするのですが、何度聞いてもよくわからないというのが爺さんの感想です。 本書は直接「…

出身地鑑定 方言チャート アップデート

東京女子大の篠崎晃一教授と篠崎ゼミの皆さんが作られた「出身地鑑定 方言チャート」がパワーアップされたそうです。 office.twcu.ac.jp 各地の方言特有の語彙を拾い上げ、地域差の大きいものを配置して絞り込むという手法で出身地(3歳ごろから14歳まで住ん…

「無責任の連鎖 耐震偽装事件」産経新聞社会部取材班

「耐震偽装事件」というものが大きく報道されていた時代からすでに10年以上経ちました。 「姉歯」「ヒューザー」「木村建設」などという言葉が飛び交っていたのがつい最近のようにも思えます。 特に、当地は木村建設の本社があったところでもあり、その報道…

太陽光発電のエネルギーペイバックタイムが3年とは本当か 近藤邦明さんの「環境問題を考える」で考証

エネルギーペイバックタイム(EPT) (またはEPR(エネルギープロフィットレシオ)というのは、太陽光発電のようなエネルギー変換装置の能力を評価し、その真の経済性を測るための基本的な性質で非常に重要な数値なのですが、これがどうやらいい加減な算出方…

「護身の科学 あなたと家族を暴力から守る!」毛利元貞著

著者の毛利さんは「暴力分析コンサルタント」ということですが、かつては東南アジアの紛争地帯で傭兵として参戦した経験があるということで、それを活かし活動しておられるということです。 暴力に悩む人々の相談にものっているそうですが、現在の日本は殺人…

アニサキス中毒が激増 「安心?!食べ物情報」で紹介

生魚の寄生虫による食中毒、「アニサキス中毒」が激増しているという、「安心?!食べ物情報」の紹介です。 渡辺宏さんのこのサイト、週1回の更新ですが、毎週のように参考になる記事が載っています。 http://food.kenji.ne.jp/review/review912.html サバ…

「なぜか「安心して話せる人」の共通点」和田秀樹著

著者は数多くの本を書いていらっしゃいますが、本業は精神科医です。 精神科医というのは患者に話をさせてその病状を判断するというのが重要な診断法ですので、患者が「安心して話す」ことができなければ、診察にもならないのですが、やはり色々と注意点はあ…

「安心?!食べ物情報」にて渡辺宏さんが和牛についてまとめています。

いつも参考にさせていただいています、渡辺宏さんの「安心?!食べ物情報」今週の記事で、和牛に関する情報あれこれがまとめてあります。 http://food.kenji.ne.jp/review/review911.html 和牛子牛の販売価格が高騰しているとか。 酪農家の高齢化で廃業が相…

「沖縄・久米島から日本国家を読み解く」佐藤優著

著者の佐藤さんはロシア語の堪能な外交官として活躍されていたのですが、鈴木宗男議員の事件に巻き込まれ500日以上の長期にわたって勾留されるという経験をされました。 その後は著述家として多くの著作を発表されています。 その独房の中で、不思議に頭に浮…

「満洲暴走 隠された構造 大豆・満鉄・総力戦」安富歩著

著者の安富さんは東京大学東洋文化研究所教授ですが、経済学博士であり、「東大話法」という言葉を編み出した方のようです。 また、最近自ら女装を選択したということで、一筋縄ではいかない人だということが分かります。 この本も、満洲国という多くの人に…

”賀茂川耕助のブログ”を読んで No.1183 急速に広まるIoT

賀茂川さんの今回の指摘は、「IoT」と称するインターネットにあらゆる電気製品などをつなげてしまおうという策謀です。 kamogawakosuke.info 冒頭には、「そんなものを誰が必要としているか」を論じています。 洗濯機をネットにつなげる製品が出ていますが、…

築地移転問題が改めて示した「ゼロリスク」の呪縛 中西準子さんが久々にリスク問題について書いています

Wedge5月号の抜粋ということで、Wedge infinityに、今は産業技術研究所名誉フェローとなっている中西準子さんが「ゼロリスクの呪縛」という問題について書かれています。 wedge.ismedia.jp 築地市場の豊洲移転計画に対し、豊洲の地下の化学物質汚染が問題化…

「世界地図から歴史を読む方法」武光誠著

武光さんは歴史に関する読み物を多数出版されており、他にも何冊か読んだことがありますが、広く(浅く?)世界の歴史について(基本通りに)記述されており、深みは期待できないにしても多くの知識を得ることはできます。 (なんかあまり褒めていないようで…

クロマグロの漁獲規制が破綻

ニュースにも流れましたが、渡辺宏さんが「安心?!食べ物情報」の今週の記事でも詳細に解説されています。 http://food.kenji.ne.jp/review/review909.html その内容は、30kg未満の小型クロマグロ(本マグロ)の漁獲量が、国際的合意であった年間(7月…

「電子メール・クライシス」野村総合研究所著

スパムメール、迷惑メールというと、許可なく送られてくる広告宣伝メールといった感覚が強いですが、ウイルスメールやフィッシングメールといったものもあり、そちらには重大な注意が必要です。 電子メールというものが重要な通信手段となるにつれ、こういっ…

Amazon フレッシュ 生鮮食品を最短4時間でお届けだって

Amazonが生鮮食品を即時配達サービスを始めるとか。 news.mynavi.jp 多くのサイトでも報道されていますが、どれも「生鮮品購入が便利になりそう」といった提灯持ち記事ばかりです。 ネット通販品の配送で、ヤマト運輸など宅配業者は大変な状態になっていると…

「民族という名の宗教」なだいなだ著

なだいなださんという、精神科医にして作家であった方のお名前はよく知っていましたが、どのような本を書かれたかということはほとんど知識がありませんでした。 著書を初めて手に取ったわけですが、この本は「民族」という、誰もが知っているようで本当のと…

「なぜ日本人は学ばなくなったのか」齋藤孝著

教育学者の齋藤さんですが、現代日本人の勤勉さの喪失、とりわけ若者の学問に対する情熱が失われていくことに対して非常な危機感を持っています。 学ぶ意欲を失いただひたすら受け身の快楽のみを求める若者を見ていると日本人が壊れていくと感じるそうです。…

「水危機 ほんとうの話」沖大幹著

東京大学生技研教授という沖さんは、水文学(スイモンガク)研究者を自称して居られます。 水文学とは、天文学や人文学と同様に、水に関するすべての事象を扱う学問ということです。 英語では、HYDROLOGYというもので、ユネスコでもその推進が定め…

「輸入学問の功罪 この翻訳わかりますか?」鈴木直著

本書副題から、特に哲学書などに見られる直訳調のわかりにくい翻訳を問題とした本かと思いましたが、とんでもなかった。 その内容は非常に広範囲に広がり、ドイツや明治日本の学問の広がり、教養主義、カントやヘーゲルの学問についてなど、幅広くしかも固く…

松永和紀さんも呆れたか。明治が内閣府と結託し健康効果宣伝したが低レベル過ぎる内容

FOOCOM.NET松永和紀さんが、日本有数の食品企業の明治がチョコレートの健康効果をあまりにも低レベルな科学研究しかできないにも関わらず大々的に宣伝している問題を取り上げています。 www.foocom.net 松永さんの記事にもあるように、日経新聞でも報道され…

「誰のための”教育再生”か」藤田英典編

「教育再生」と称しながら、その内容は教育破壊としか言えないような政策が推し進められた、第1次安倍内閣が2007年に崩壊しました。 この本は、その年に教育社会学がご専門の国際基督教大学教授の藤田さんが、他に尾木直樹さんなど5名の方々と政府の進…

「”戦地”派遣 変わる自衛隊」半田滋著

読んでいる途中であまりのつまらなさに途中で止めた本というものもありますが、この本の場合はつまらない、面白くないというのではなく、あまりにも書かれていることに腹立たしさを覚えて途中で読む気がなくなりました。 それは、アメリカからの無理強いで高…

「ヒトはなぜヒトをいじめるのか」正高信男著

著者の正高さんは「ケータイと持ったサル」などの著作で有名ですが、サルなどの霊長類研究が専門の比較行動学者です。 本書出版は2007年ですが、福岡や神戸でイジメを原因とした中高生の自殺が相次いでいたころですので、それを霊長類などとの比較で考え…

「やさしい調査のコツ」森靖雄著

本書著者の森靖雄さんは、学生時代から調査を習得しその後も各所でそういった事業を担当してきた「調査屋」さんで、その後は大学で調査員養成といった活動をされて、本書執筆当時は東邦学園大学教授という方です。 そして、本書の主な想定読者は、大学で地域…

「パーフェクト図解 地震と火山 地球・大地変動のしくみ」鎌田浩毅監修

地震や火山噴火に関する本はいろいろと読んでいますが、この本は有名な地震学者の京都大学の鎌田さんが監修したもので、全ページにカラフルな写真や図版が描かれているという、非常に綺麗な出来上がりになっているものです。 火山の写真など、なかなか目にす…