様々なトンデモニュースを流してくれるNHK朝の番組ですが、今回のものはまともなものと思いました。
「クジラやイルカの漂着は地震の前兆ではない」というものです。
www3.nhk.or.jp東日本大震災や熊本地震、能登半島地震などの大きな地震の前にイルカやクジラが海岸に漂着しているのが見つかり、それが地震の前兆ではないかと騒がれるということが起きました。
しかし国立科学博物館がクジライルカの海岸漂着の発生件数をまとめており、それによると「海棲哺乳類の漂着は年間数百件、全国の海岸で発見されている」ということのようです。
2011年から2024年まででその件数は3200件あまり、その場所もどこかに偏っているということもなく、全国的に発生しているようです。
結局は、何らかの事象をその後に起きる大災害と結び付けて考えてしまう、人間の心理のせいなのでしょう。
よく言われているように、「何か(X)が起きたから大災害が起きた」だけを見るのではなく、「Xが起きても大災害が起きなかった」「Xが起きなくても大災害が起きた」「Xが起きず大災害も起きなかった」というすべての場合を検討する必要があるということです。
ただし、やはり大災害というのは人にとって大きな影響を持つものですから、その前後に起きたことも特別に記憶されるという心理もあることは仕方ないことなのでしょう。