爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

熊本日日新聞掲載の「読者の声」で「市電を廃止して渋滞緩和を」という困った意見

熊本日日新聞には編集部に寄せられた意見を掲載する「読者の声」というコーナーがあります。

そこに数日前に掲載されたのが「市電は延伸するのではなく廃止して交通渋滞を緩和しろ」というものでした。

 

熊本市は最近は非常に交通渋滞が激しくなっています。

そんな中、市電が現在は2系統だけ残っているのですが、その1系統を延伸するという計画があります。

上の意見は80代男性からというものでした。

 

全国でも多くの都市にかつては市電が走っていましたが、昭和30年代からの自動車増加の時代にそのほとんどが「渋滞の原因」かのように言われて廃止されていきました。

残っているのはごくわずかとなっています。

熊本市電も多くの路線が廃止されましたが、辛うじて2系統だけ残っています。

 

市電の廃止が渋滞緩和につながったかというと全くそのようなことはありません。

その利用者が自動車運転を始めればそれだけ自動車台数も増加しさらに渋滞が悪化します。

上記老人の意見でも「バスがあるからよい」といったことが言われていますが、バスの運行は渋滞によって阻害されるために定時運行が困難となっていきます。

 

高齢化のために自動車運転が困難となる人が増えれば公共交通の比重が高まるばかり、市電は増やすべきであり廃止などはとんでもないことです。

 

しかしこの意見の主のような狭い観念の人がまだまだ多いのでしょう。

それを変えさせるというのは容易なことではありません。