爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

2023-01-01から1ヶ月間の記事一覧

「行商列車 〈カンカン部隊〉を追いかけて」山本志乃著

大きな荷物を背負って魚などを売り歩く行商という人々は昔はあちこちで目にしたように思います。 しかしいつの間にかほとんど消えてしまいました。 あまりにも大きな荷物で列車に乗り込むために鉄道も特別な車両を設けたということもありましたが、これも消…

「内田樹の研究室」より「最悪の事態を想像することについて」

内田さんにいろいろな人が「今年はどうなるか」と尋ねるそうですが、その時には「起こり得る最悪の事態を語る」ことにしているそうです。 blog.tatsuru.com すなわち、「ウクライナ戦争ではロシアが核兵器を使う」ということや、「台湾に中国が軍事侵攻する…

「生き方の不平等 お互いさまの社会に向けて」白波瀬佐和子著

現代は格差社会でそれがどんどん拡大されていると言われますが、経済状況の格差が広がっているというだけでなく、それをもたらすような各人の状況の不平等の広がりというものの方が大きな問題のようです。 そういった不平等の状況について、子供、若者、男女…

インドの新車販売が日本を抜いて世界3位

昨年の自動車販売でインドが日本を抜いて世界3位になったそうです。 1位は中国、2位はアメリカでそれに続くものです。 news.yahoo.co.jp 「今後はEVも」などと書かれていますが、もちろん現状ではほぼすべてがガソリン車やディーゼル車であるはずで、「脱…

「これからの時代を生き抜くための生物学入門」五箇公一著

著者の五箇さんはダニが専門の昆虫学者ですが、国立環境研究所で生物多様性や生態学を担当しているということで、生物学と人間の生き方との関わりといった方向でも盛んに活動されているようです。 テレビのコメンテータとしても登場されるということです。 …

日米首脳会談、アメリカの手放しの称賛にいい気になっているようだが、沈みかけた泥船のアメリカと心中するつもりか。

岸田が訪問しての日米首脳会談では予想通りアメリカ側の称賛でいい気になっているようですが、これだけの手土産持参は今までにないほどのもので、当然のことでしょう。 news.yahoo.co.jp しかしその負担は極めて大きなもので、防衛費増額だけでなくおそらく…

「アトリビュート・シンボル図鑑」平松洋著

西洋絵画を見ている時に、その登場人物が誰かということが分かるものが書き込まれていることがあります。 それを「アトリビュート」と呼び、日本語訳では「持物(じぶつ)」とされています。 これは仏教美術で描かれる仏などに特有の法具や武器、楽器などを…

コロナワクチンは本当に効果があるのか。

新型コロナウイルス対応のワクチン接種は最近は追加接種の実施が滞りがちということですが、それでも日本の接種率は世界でもトップクラスとなっているようです。 しかし、このところの新規感染者数は非常に多く、こちらも世界トップクラスと言わざるを得ませ…

日米外相防衛相会議「2+2」でお褒めの言葉を頂いたようで。

すぐに岸田バイデンの首脳会談が開かれるようですが、それに先立って外相・防衛相の日米協議が開かれ、「反撃能力」や「防衛費GMP2%へ増額」を決めたということでアメリカ側からお褒めの言葉を頂いたということです。 www3.nhk.or.jp しかし、以前から書い…

中国が日本人の入国ビザ停止、どちらもどちらの泥仕合

中国で新型コロナウイルス感染が爆発的拡大を続けているという観測から、日本は諸外国に追随し中国からの入国者に対して水際対策強化を打ち出しましたが、中国はそれへの対抗策として日本人の中国への入国ビザ手続きを停止しました。 これに対し、日本政府は…

エコテロリストとはなにか。

最近、名画にスープをかけるといった事件が起きており、その犯人が環境問題(特に二酸化炭素排出規制)を強力に主張するエコテロリストと呼ばれる連中だということが欧米では問題になっています。 news.yahoo.co.jp もちろん、こういった連中の本家?はあの…

「餅やみかんのカビは体にわるい?」松永和紀さんの記事より。

「おいしい健康」というサイト内で「読む、えいよう」というコーナーがあり、科学ジャーナリストの松永和紀さんが時々記事を書いています。 今回は、この時期によく見られる、餅やミカンのカビについて。 カビの生えた餅やミカンは食べても大丈夫かどうかと…

「教育超格差大国アメリカ」津山恵子著

日本でも貧困に苦しむ家庭が多く、その子どもたちは教育を受けることが困難となり学歴もないまま社会に出ざるをえないということが問題視されていますが、その点にかけてはアメリカは日本とは比べ物にならないほどの状況です。 超一流の学校を卒業したらすぐ…

鳥インフルエンザが全国で発生、ニワトリの殺処分が今期1000万羽を越える。

茨城に続き宮崎でも養鶏場での鳥インフルエンザ発生、各県は殺処分を進めていますが、今期の殺処分数がもう1000万羽を越えたそうです。 news.yahoo.co.jp 養鶏場で発生した場合はその養鶏場の鳥はすべて殺処分とするようですので、大規模養鶏場などでは一か…

ブラジルでも大統領選に不満の群衆が暴徒化、アメリカの惨状を繰り返す。

ブラジルの大統領選で前職のボルソナロが敗れたのですが、それに不満を持つ群衆が大統領府などを襲ったということです。 www.yomiuri.co.jp なにやら、あのアメリカのトランプ支持派の暴動を思わせるものですが、そもそもボルソナロは「ブラジルのトランプ」…

「人種とスポーツ」川島浩平著

日本の冬の風物詩ともいえる駅伝競技では外国人選手が出てくると桁違いのスピードで日本人を圧倒します。 陸上競技の短距離では世界クラスの大会の決勝はほぼ黒人だけです。 そのような光景を見続けているような人たちは、この本の副題「黒人は本当に速く強…

エーザイのアルツハイマー型認知症治療薬、アメリカで承認、日本でも申請へ。

日本の製薬会社エーザイが開発したアルツハイマー型認知症治療薬レカネマブがアメリカで承認、日本でも申請へ向かうということが報じられました。 www.nikkei.com これまで効果的な治療薬のなかったアルツハイマー型認知症ですから期待できるのなら良いので…

雑草Zさんのブログ「雑草の言葉」で「オーバーシュート(行き過ぎ)」という題で持続不可能について論じられました。

以前から参考にさせて頂いている、雑草Zさんのブログ「雑草の言葉」で、「オーバーシュート」と題して現在のほとんどの事象がすでにオーバーシュート(行き過ぎ)の状態に入っており、引き返すことが不可能だということについて論じられいました。 zassou322…

成人の日に「二十歳のつどい」、存在意義のまったく無い催事になった。

成人の日の前後に開かれる、以前は「成人式」であったものが、さすがに名前はそのままではダメということで「二十歳のつどい」などと改称してそのまま開かれるようです。 言うまでもなく民法改正で成人は18歳からと変更されたのですが、式の方は「20歳でやる…

「現代米語慣用句コーパス辞典」坂下昇著

「実際に使用された言語の例を大量に集積したもの」をコーパスと呼ぶそうですが、最近ではコンピュータの利用でそのデータを非常に多量に集めているそうです。 英語などの例が多いようですが、日本語でもコーパスという言葉は使わなくても集積する活動が行わ…

興味深い教育論、熊日新聞コラムで岡崎勝さんの記事

長く教育に当たってこられ、現在は教育評論家として活躍されている岡崎勝さんが熊本日日新聞に書かれた記事が興味深いものでした。 「岡崎勝の学校のホンネ」というコーナーです。 子どもに自由に遊ばせていると様々なトラブルが発生します。 岡崎さんは鬼ご…

「空を飛べるのはなぜか」秋本俊二著

「空を飛ぶ」ことができるのは、鳥だけでなく蝶やコウモリなども入ります。 さらに人工のものとして、飛行機、ヘリコプター、ロケットなども違う原理でそれぞれ飛び回ります。 この本は「飛行機の飛べる原理」だけを書いているのかと思ったら、こういった「…

岸田首相は軍備関係以外はなにもやる気がないのか。首相年頭記者会見の空虚さ。

岸田首相の年頭記者会見が開かれましたが、物価高対策をどうするのかと思えば「インフレ率を越える賃上げを要請」だけ。 そんな要請だけで動くならもうはるか昔に給与水準は上がっているでしょう。 軍備増強の方は戦後の基本方針を簡単に変えようという「実…

「内田樹の研究室」より「被査定マインドについて」

内田樹さんは「思想家」と紹介されることが多いと思いますが、合気道を教えている「武道家」という側面もお持ちです。 今回のブログは「被査定マインドについて」というものですが、内田さんの武道家としての面が色濃く出ているものでした。 ただし、もちろ…

「地形と地理でわかる大江戸の謎」大石学監修

江戸時代について、いろいろな本を読んだりまた映画やドラマになったものを見たりと、そういった知識は入ってきますが、しかし実際にその舞台は現在で言えばどこにあたり、どのような場所かということはなかなか想像しづらいことかもしれません。 そういった…

米下院で議長が決まらない。トランプの影響があるのか。

共和党が多数を占めたアメリカ議会下院で議長を決めることができず混乱しています。 www.bbc.com 共和党のマカーシー院内総務が共和党の支持を多数取り付けているものの、造反している議員がいるために過半数を取れないということです。 マカーシーに反対し…

「日本全国駅名めぐり」今尾恵介著

鉄道の駅の名前というのは、地名そのものという場合も多いのですがそればかりでなく色々な事情や思惑で付けられる場合もあるようです。 そのような駅名について、変わったもの、駅名でお客を呼ぶ、山・川・海・橋・道の駅、ひらがな・カタカナ・数字の駅名、…

正月の台風来襲、そして去った後の静けさ

娘一家が正月にやってきて、大変な騒ぎでしたが帰った後は元通りの静けさです。 孫は6歳、4歳の男の子。 よくも飽きもせずと思うほどですが、ずっと走り回り叫び続け、手当たり次第におもちゃを散らかすというもので、ずっとハラハラしていました。 それでも…

「外来語言い換え手引き」国立国語研究所「外来語」委員会編

少し古くなった本ですが、状況はまったく改善する兆しも無いようです。 平成14年(2002年)に当時の小泉首相が政治家や官僚があまりにも安易に外来語を使っているのを批判したそうですが、その動きを受け国立国語研究所が「外来語」委員会を設置し、現状調査…

米軍基地由来の地下水汚染は東京でも。沖縄だけが問題となっているわけではない。

沖縄の米軍基地で環境汚染がひどいという話はよく聞きますが、決して沖縄だけではないということです。 www.tokyo-np.co.jp 多摩地域の井戸水に有機フッ素化合物(PFAS)が高濃度で含まれている事実があるようですが、その由来がどうやら米軍横田基地にある…