「おいしい健康」というサイト内で「読む、えいよう」というコーナーがあり、科学ジャーナリストの松永和紀さんが時々記事を書いています。
今回は、この時期によく見られる、餅やミカンのカビについて。
カビの生えた餅やミカンは食べても大丈夫かどうかということです。
松永さん個人としては昔からカビの生えた食物は全くダメということで、それがさらに知識を重ねてその感覚が強まったようです。
カビは表面に広がり胞子を着生すると派手な色になって目立ちますが、実際には食品の深い所にまで菌糸を伸ばしており、その周辺に毒物を放出していることもあり得るので、やはり食べない方が良いのでしょう。
ただし、記事中にもあるようにカビの種類によってどのような化学物質を作り出すかということはよく分かっていません。
アフラトキシンという有名なカビ毒を作るのはAspergillus flavusという種のカビですが、これは日本の麹菌、Aspergillus oryzaeと近縁の種のカビであり、なぜoryzaeはカビ毒を作らないかということもよく分かりません。
まあ分からないものにあえて挑戦することもないでしょうから、カビの生えた餅は食べないということで。
しかし、カビの生えたミカンは捨てるとしてもそのそばの別のミカンはどうかというとそれまで捨てる必要はないのではないかと思います。
カビの侵入を許せばその中に菌糸が伸びて代謝産物を作りますが、目で見てカビの繁殖がないものは取り付いていたとしてもまだそこまで伸びていないのではないかと思います。
まあ、カビが生えるまで置いておくのはまずいでしょうから、早く食べましょうというのは間違いないところです。
最近は冬でも部屋の中は暖房で加温されており、カビなどの繁殖には十分な温度になっています。
繁殖の最適温度は20℃以上ですが、それ以下でも時間をかければ徐々に繁殖してきますので、気を付けたいものです。