「空を飛ぶ」ことができるのは、鳥だけでなく蝶やコウモリなども入ります。
さらに人工のものとして、飛行機、ヘリコプター、ロケットなども違う原理でそれぞれ飛び回ります。
この本は「飛行機の飛べる原理」だけを書いているのかと思ったら、こういった「空を飛ぶもの」のそれぞれの「飛べる原理」をかなり詳しく説明しているものでした。
最初の章は鳥の飛ぶところを見て空に憧れ、飛行機というものを作り出していった人々の紹介、ダビンチ、リリエンタール、ライト兄弟などのそれぞれの飛行機の原理、成功し失敗していった理由など、解説されています。
鳥は羽ばたいて飛ぶのですが、それにこだわっている限り人が飛ぶことはできませんでした。
翼を固定し、推力として強力なエンジンを付けることでようやく成功したということです。
ただし、鳥が飛ぶメカニズムというのも必ずしも同一ではありません。
大型で渡り鳥のように長距離を飛ぶ鳥たちは、ほとんど羽ばたくことはありません。
それよりも翼を動かすことなく上昇気流に乗ってグライダーのように滑空する時間が長いというのが実情です。
一方、ごく小型の鳥、ホバリングもするハチドリといった鳥は非常に細かく翼を羽ばたかせていますが、そこには体重が非常に軽くわずかな力でも浮き上がることができるという理由があるそうです。
「飛ぶもの」の一種であるのは事実ですが、紙ヒコーキ、凧揚げ、ペットボトルロケットなどといったものもちゃんと掲載されています。
紙ヒコーキの世界記録は、29.2秒、69.14mだとか。
さらに、フライングディスク、ブーメラン、野球やゴルフのボール、ハンマー投げ、やり投げまで記述は及んでいます。
中々奥深い「飛ぶもの」についての本でした。