カマキリに寄生してその行動をコントロールするハリガネムシという寄生生物が知られています。
そのハリガネムシの遺伝子を解析したところ、寄生されるカマキリに由来する遺伝子が多く含まれていてそれで行動制御が可能となっているという話です。
上記の理研の発表は研究者のものらしく正確ではあるが素人向けではない説明ですので、一般向けの記事がありましたので引用します。
ハリガネムシはカマキリに寄生する昆虫ですが、宿主操作ということをします。
ハリガネムシは水中で繁殖するのですが、カマキリはそのままでは水の中に落ちることはありません。
しかしハリガネムシが寄生したカマキリは水に落ちて死亡してしまうことが多いということは昔から知られていました。
それがなぜか、何らかの操作をするだろうとは考えられていたのですが、それが遺伝子レベルのものであることを確かめたというのが理研の研究の内容です。
ハリガネムシにカマキリの遺伝子が多く含まれており、その中にはカマキリの行動を制御する部分もあると考えられることから、それを用いているのではないかということです。
その制御方法の部分はまだこれからの解析を必要とするのでしょう。
なお、遺伝子が別の生物に大量に移行することは、遺伝子の水平伝播と呼び、かなり多く存在することのようです。
私も細菌などの薬剤耐性遺伝子が別の細菌に移動する例は知っていましたが、昆虫などの高等生物でもあり得るということは驚きでした。
遺伝子の動きというものは意外にダイナミックなものなのかもしれません。