爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

2023-06-01から1ヶ月間の記事一覧

「子どもの病気常識のウソ」松永正訓著

子どもは頻繁に病気になるように感じますが、その状態の判断や対処など一般に信じられている「常識」というものが思いもよらず間違っているということが多いそうです。 著者の松永さんは大学病院の小児外科で長らく執刀にあたった後、外来の小児科を開業した…

「脱炭素化で世界の流れに逆行」は本当に危険なのか。

Diamond online に京都大学の諸富徹教授という方が書いているものですが、全部を読むには会員登録が必要ということなので表紙だけでの印象です。 diamond.jpまあ表題だけでもだいたいは想像はできます。 「石炭火力」に固執し、「EV立ち遅れ」が明らかな日本…

「『複雑系』とは何か」吉永良正著

科学の世界では本来あるがままの対象をできるだけ単純な形に分解して理論化することが普通です。 そうでなければどのような天才的科学者であっても手におえないでしょう。 しかしそれでは自然界というものの本質を誤ってしまうのではないか。 そういった反省…

ジャガイモにはソラニン、注意するのが当たり前。

この時期になると毎年のように流れるニュースが「ジャガイモを食べて小学生が中毒」です。 今年はもうすでに数件の発生を聞きました。 news.yahoo.co.jp ソラニンとはジャガイモなどナス科の植物に含まれるステロイドアルカロイド物質ということで、中毒を起…

「聖地巡礼」岡本亮輔著

聖地巡礼といえば日本では四国八十八か所のお遍路、スペインではサンティアゴ・デ・コンポステラ巡礼でしょうか。 しかし最近ではアニメの舞台を訪ねるということも聖地巡礼と呼ばれているそうです。 そのような聖地巡礼にまつわるあれこれ、あくまでも学術…

韓国のいじめ対策、日本では考えられない厳しさ。

いつもの通り食事をしながらNHKの朝のニュースをぼんやりと聞き流していたら驚くほどの内容に目を見張るほどでした。 韓国でも学校におけるイジメが非常に多く社会問題となっているそうですが、その対策として学校の管理強化などもさることながら、加害者の…

「疫病と人類知」ニコラス・クリスタキス著

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は世界に大きな影響を残したものの徐々に落ち着いているようです。 しかしワクチンの大量接種や都市封鎖、移動制限など大変な費用と労力、社会影響を与えてしまいました。 この本は中国で発しそれが世界に広まり始めた…

「骨太」とは何か。防衛費増税を先送りする姿勢のどこが骨太か。

「骨太」の意味を辞書で見ると「基本・根幹がしっかりしていること、がっしりしていること」とあります。 ところが政府のいわゆる「骨太の方針」はそのような意味など全く無視したかのようにフラフラ・ヘラヘラのもののようです。 www.asahi.com防衛費を大幅…

「日本の軍事力は世界8位」だそうで。

グローバル・ファイヤー・パワーというところが発表する「世界軍事力ランキング」で2023年は日本は8位ということです。 www.businessinsider.jpもちろん、「日本は防衛力であり軍事力ではない」などと言う世迷言はまったく考慮されておらず、実質的な軍事力…

熊本へのTSMC進出はどうなのか。「億万長者も出る一方交通渋滞悪化」

熊本県菊陽町に建設中の台湾半導体メーカーTSMCの工場は来年完成を目指し建設中ですが、第二工場も熊本県内にというTSMC側の発表もありさらに活気づいているかのようです。 www.bloomberg.co.jp引用したブルームバーグの記事でも「TSMC効果で億万長者も出る…

「人為的ミス」が起きるのはシステムの問題だということにまだ気が付かないのか。

マイナカードを巡るトラブルがどんどん発覚していますが、いまだにそれは「人為的ミス」のせいだと言い訳しているようです。 www3.nhk.or.jpそのあまりにも危機感のないことと、それでもこの欠陥だらけのシステムをゴリ押ししようというのにも呆れます。 「…

「鉄道の食事の歴史物語」ジェリ・クィンジオ著

鉄道での食事と言えば日本人にとっては駅弁が思い起こされます。 また、最近はJR各社などで美味しい食事を売り物にした豪華列車の旅といったものも相次いで売り出されています。 しかし欧米諸国でいえばオリエント急行やアメリカの20世紀特急といった一等車…

熊本日日新聞で荻原博子さんが「ありえないマイナ保険証」

熊本日日新聞の「くまにち論壇」で、経済ジャーナリストの荻原博子さんがマイナカードと保険証を一体化することについて批判していました。 kumanichi.com (熊日会員以外は見ることができないのですが、ご容赦ください) マイナンバーカード自体のトラブル…

トランプが機密情報の保持や捜査妨害などの罪で起訴される。しかしトランプ支持者には逆効果だろう。

トランプ元大統領が在任当時に入手した機密情報、特に軍事関係のものを違法に保持しさらにその捜査を妨害したなどとして連邦裁判所に起訴されたと自分で公表しました。 大統領経験者が起訴されるといったことはアメリカ史上初めてのことだそうです。 www.blo…

ウクライナの反転攻勢が始まったのか

ウクライナが大規模な攻勢を始めたようだということが欧米系メディアだけでなくロシア側の発表からも見て取れるようです。 www.yomiuri.co.jp反転攻勢をすると言って実際にはやらないのではと、以前に書きましたがそれはハズレだったのかもしれません。 ただ…

「韓非子 悪とは何か」加地伸行著

韓非子は中国の戦国時代末期の思想家で法家に分類されます。 その伝記は司馬遷の史記に詳しく、韓の国の公族として生まれたものの学問で頭角を表わしその著作を読んだ秦の王、後の始皇帝が彼を迎え重用しようとしたものの、李斯という重臣に嫉妬されて讒言で…

ちょっと考えられないほどの事故、バーベキューに消毒用アルコール

福岡の美容専門学校でバーベキューをしていた時に火の勢いが弱いからと教員が消毒用アルコールを掛けたため一気に燃え上がり服に燃え移って火傷をした学生が死亡したそうです。 www.nishinippon.co.jpなお、他の詳しいニュースを見ると、もともとすべてのド…

「池波正太郎を”江戸地図”で歩く」壬生篤著

池波正太郎の小説の中でも、「三大江戸シリーズ」と著者が呼ぶのが、「鬼平犯科帳」「剣客商売」「仕掛人梅安」です。 その中では現実の江戸の町の中で話が進行しているかのように詳細に描かれています。 池波自身が江戸時代の古地図を詳細に検討していたの…

台湾半導体大手TSMC、日本第二工場も熊本希望か

台湾の半導体大手メーカーTSMCは日本工場を熊本県菊陽町に建設中ですが、第二工場も熊本に建設したいという意向を経営者が語ったそうです。 kumanichi.com直接的な影響だけでなく、関連企業の進出などで周辺は非常に活気づいているようですが、一方では地価…

「言語はこうして生まれる」モーテン・H・クリスチャンセン、ニック・チェイター著

著者のお二人はイギリスのエディンバラ大学の認知科学センターで共に学んで以来認知科学の観点から言語学を考えていくという方向で研究されているということです。 そのためか、言語の誕生というものを扱っているのに様々な心理的認知という観点での解析が多…

吉野ケ里遺跡の発掘調査で石棺墓発見。しかし「邪馬台国」から離れられない報道。

佐賀県にある弥生時代の大規模遺跡の吉野ケ里遺跡で、これまで神社が建っていたために手が付けられなかった地域の神社移転が完了したため初めて発掘調査が行われ、首長クラスの墓と思われる大きいな石棺が発見され内部の調査が始まりました。 news.tv-asahi.…

「宇宙地球科学」佐藤文衛、綱川秀夫著

地球は、太陽系は、宇宙はどのようにできているのか。 それは長年の科学者たちの研究で徐々に明らかになってきています。 そういった宇宙地球科学の基礎知識をその全般にわたって網羅し最低限のものが得られるように書かれた本です。 なお、当然ながら数式の…

少子化対策は「隠れ増税だ」という意見

政府の打ち出した少子化対策案はまったく少子化対策とはならないという話は書きましたが、その財源として出されたものは「隠れ増税だ」という意見です。 news.yahoo.co.jp私は政策の中身の方がよほどひどいものだと思いますが、もちろんその財源というのもか…

「物流危機は終わらない」首藤若菜著

ネット通販で物を買うのが普通になり、ちょっとした日用品まで通販で買うこともありますが、それを運んでくれる運送業者の労働環境がひどいことになっているということはよく言われています。 2016年には宅配最大手のヤマト運輸で残業代未払の問題が表面化し…

代議士世襲制の醜態、岸田は息子をかばいきれない?

岸田首相の息子の首相秘書官が公邸で親戚だけの親睦会を開き撮った写真が流出し秘書官解任に追い込まれました。 news.yahoo.co.jpこの息子は首相のヨーロッパ訪問の際にも同行し、そこで公用車を使って私的観光をしたとして問題となった人物です。 かなりの…

暴言暴論、「効果的な少子化対策」とは何か。

子育て支援が必要であるというのにはまったく反対ではないのですが、政府の出してきた「異次元の少子化対策」というのがあまりにも「異次元のバカ」であるのにしびれを切らしています。 そのため、「効果的な少子化対策」というものを少し考えてみました。 …

「条件付特定外来生物」って、最悪最凶の外来生物は人間でしょ。

「条件付き特定外来生物」などと物々しい呼び名でアメリカザリガニなどの規制を強化するそうです。 newsdig.tbs.co.jp外来生物とは人間が持ち込んで在来生物を脅かすものということです。 しかし、3万年前には日本列島にはまったく生息しておらず、現在は1億…

少子化対策が出てきたが、「財源不安」よりまず「これが少子化対策になるのか」が問題

「異次元の少子化対策」などと言われて鳴り物入りで出てきたような少子化対策ですが、これまでもその「異次元」について何度も書いてきました。 しかしその具体策が出てきても印象には変わりがありません。 これのどこが「異次元」なのか、というより「少子…

夢の話「こころ旅のように自転車で走り回る」

久しぶりに眠っている時に見た夢の話です。 毎日のように夢は見ているのですが、このところ体力が落ちているせいもあるのか、まとまった筋書きの夢を見ることがあまりありません。 夢も体力次第なのでしょうか。 まあ、とてもここには書くことのできない夢と…

「フレッシュを化学する」日本化学会編

食品の場合は分かりやすいのでしょうが、「フレッシュな状態」が食品の性状としては重要であり、それを保つための保存技術というのが重要になってきます。 この本ではそういった話を分野別にその道の専門家が書いています。 日本化学会が出版している「化学…