爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

少子化対策が出てきたが、「財源不安」よりまず「これが少子化対策になるのか」が問題

「異次元の少子化対策」などと言われて鳴り物入りで出てきたような少子化対策ですが、これまでもその「異次元」について何度も書いてきました。

しかしその具体策が出てきても印象には変わりがありません。

これのどこが「異次元」なのか、というより「少子化対策」かどうかも怪しいものです。

www3.nhk.or.jp大きく見て、

児童手当の拡充、ただし扶養控除の見直しを伴うとか。

高等教育の負担軽減として奨学金や授業料減免。

親が働いていなくても保育園が利用できる。

育休の負担軽減。

といったところのようです。

 

これらに必要な費用が年間3兆5000億円。

これだけのことでそんなにかかるというのも驚きですが。

なお、寸前までは3兆円と言っていたのが公明党の圧力で30分で5000億円増えたそうです。

 

この財源としては岸田は「追加の負担なしで行なう」などと言っているそうですが、それで3兆円以上もの財源が出てくるはずもありません。

社会保障費の見直しやら「社会全体で負担する支援金」やらでひねり出し、一時的には「子ども特例公債」を発行して乗り切るということです。

 

まず、「所得制限を撤廃して」児童手当支給ですが、月1万5千円程度でどれだけ子供を産もうという気になるというのでしょう。

「所得制限を強化して」低所得層には月10万円とでもいう方がはるかにその効果が大きいはずです。

よほど「所得制限を撤廃」というのがやりたいようですが、これは自民党の支持基盤が金持ち層だということを自覚しているのでしょうか。

そして金持ちが政権支持を強固にすれば後の連中は逆らわないとでもたかをくくっているのでしょう。

 

高等教育の負担軽減などと言うことは、少子化対策の中で言うべきことでしょうか。

高等教育だけでなく大学以上の研究機関の費用をケチって世界の中でも見劣りするまでに弱体化したのが政府の方針です。

全体として考えるべきことがあるでしょう。

 

親が働いていなくても保育園などと言うのは、勤労者の子供保育園全入を確実にしてから言うべきでしょう。

保育園に入れないから仕事ができないという、隠れた保育園待機児童が皆無とは言えないはずです。

それを何を血迷ってこのようなことを持ち出すのでしょうか。

該当者の怒りを買いたいとでも。

 

しかしこのようなケチった内容の「異次元の少子化対策」でも年間3兆円もかかるというのも驚きです。

またどこかの会社に高額手数料を払うのも込にしているのでしょうか。

またその財源が「社会保障費の見直し」とは。

どこの費用を削るのでしょう。

老齢年金?生活保護費?医療報酬?

それで「追加負担なしで」などとよく言えるものです。

 

このような無茶苦茶な政策で少子化対策などと言ってほしくはないものです。