爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

熊本へのTSMC進出はどうなのか。「億万長者も出る一方交通渋滞悪化」

熊本県菊陽町に建設中の台湾半導体メーカーTSMCの工場は来年完成を目指し建設中ですが、第二工場も熊本県内にというTSMC側の発表もありさらに活気づいているかのようです。

www.bloomberg.co.jp引用したブルームバーグの記事でも「TSMC効果で億万長者も出る一方、大渋滞」とされています。

TSMCだけでなく他の半導体関連メーカーの進出も相次いでいますので、土地を売り払った人々は確かに「億万長者」でしょうが、それ以外の人にとっては交通渋滞の激化というのは迷惑でしかないでしょう。

 

しかし、熊本と言えば熊本城程度しか想像できない熊本県民以外の人にとってはこの位置関係というものは分かりにくいものではないかと思います。

そこで、少し解説をしておきたいと思います。

(グーグルマップよりコピーさせて頂きました)

 

熊本市の中心部は左下に「熊本市」と書いてある辺りです。

ちょうどその「市」の字が熊本城周辺、その少し南側(下)が上通、下通といった繁華街になります。

それよりさらに南西側が熊本駅、南東側は水前寺公園などがあります。

TSMC工場建築中の場所は赤い目印が付いているあたり、かなり東北東側だということは分かると思います。

その少し東に行くともうそこは阿蘇山の外輪山、右の端の「新阿蘇大橋」と書いてあるところが入り口で、地震の際に落ちた橋のあたりです。

 

ちなみに熊本駅からの距離は約20㎞ほどあります。

なお、一応JR豊肥線熊本駅から伸びており、原水駅肥後大津駅といったところが最寄り駅となっていますが、電車の本数もさほど多くはなく、行くのならやはり車での移動となります。

ただし、道路の整備もそれほど進んではおらず、国道57号線で行くしかなくそのため渋滞も発生は必至の情勢です。

 

熊本市はもともとは熊本城周辺の城下町から発展を始めましたが、西側にはかなり高い山があるため、東側、南側へ町も伸びていきました。

ところがしばらく前からその方向が北東側に変わってきています。

市内中心部から菊陽方面に進む途中に「光の森」という地名がありますが、この近辺は非常に発展著しいところで、ショッピングセンターや住宅地が集中して増加している場所でした。

そのため工場進出以前からも交通渋滞の傾向があったのですが、それにさらに多くの工場ができるということで渋滞に輪をかけたようなことになっています。

 

だいたい、熊本市周辺は道路建設がほとんど進んでおらずあちこちで渋滞がひどくなっており、政令指定都市の中では最悪という話もありますが、今回の工場進出でその状況はさらに悪化したということでしょう。

そしてそれは熊本市の東北方面で激化しているようです。

このTSMC工場立地もそれを考えれば何が良いのかよく分からないようなもので、熊本空港が近いというのは利点でしょうが、JRは熊本駅がはるか彼方。熊本駅からの豊肥線もほぼローカル線そのもので、朝夕の通勤時間帝でも4両編成の電車がトロトロと10分おき、昼間などは2両編成で20分おきといった運行です。

また高速道路も例の渋滞の57号線を通り熊本ICまで行くしかなく難航しそうです。

どうせ熊本県内というのなら東南側の方がはるかに有利と思うのですが。

 

熊本県の経済にとっては追い風だという話ですが、住んでいる人たちにとっては迷惑以外の何者でもないといったところでしょう。

まあ県南の田舎町にとってはその経済追い風もまったく届かず、どこの話やらといったところですが。