爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

環境資源

「土壌汚染 フクシマの放射性物質のゆくえ」中西友子著

2011年3月の東日本大震災で起きた福島第一原発の事故による、放射性物質の放出は大きな社会問題を引き起こしました。 本書著者の中西さんをはじめとする、東京大学農学部の人々は総力をあげてその状況の調査研究を繰り広げました。 農学部には、土壌、各種農…

不毛なCOP23

COP23,国連気候変動フィジー会議といっても、フィジーでは会場も無いためにドイツで開かれているという会議が開かれています。 パリ協定の具現化を目指しルール作りを行うということですが、アメリカがしゃしゃり出てきて化石燃料の重要性をアピールする…

「地球の履歴書」大河内直彦著

大河内さんの本は以前にも読んだことがあり、地球科学の分野以外にもエネルギー資源等の議論も肯ける論旨と感じました。 sohujojo.hatenablog.com この本は統一したテーマというわけではなく、地球科学に関する様々な文を集めたというもののようです。 第2…

漁業資源問題でフォローしている勝川先生の意見 サンマよりホッケが問題

漁業資源問題に関する著書を読ませていただいて以来注視している、勝川俊雄さんがtwitterで話されていた内容です。 サンマは20~30万トンの漁獲が11万トンに減って大騒ぎ。ホッケは20万トンの漁獲がほぼゼロ。ホッケの減少は国内問題なので都合が悪い人が沢…

「外来種は本当に悪者か?」フレッド・ピアス著

環境保護、自然生態というと人間の手の入らなかった頃の本来の環境に戻すのが当然というのが多くの人の観念であろうと思います。 その点について大きな疑問を投げかけたのがこの本で、なんと巻末の解説は自然保護派とも言うべき慶応大学名誉教授の岸由二さん…

FIT(再生エネルギー固定価格買取制度)破綻間近

昨日になりますが、NHKの朝の番組でFIT(再生可能エネルギー固定価格買取制度、ちっとも再生はしませんが)がかなり問題となってきたということが報じられていました。 www.nhk.or.jpこの記事はすぐにネット上から消えてしまうでしょうから、長めに引用して…

豊洲問題にリスク学第1人者中西準子さんのインタビュー記事

混迷する豊洲問題に、リスク学の第1人者の中西準子さんがさらにインタビューに答えています。 www.buzzfeed.com6月12日にインタビュー実施ということですので、この前の記者会見より前の話ですが、そこで小池知事が持ち出した話も基本的にはこの状況は変えて…

「土の文明史」デイビッド・モントゴメリー著

最近、別のところの記事でこの本の記述について批判的に解説されているものがあり、興味を感じたのでもし行きつけの図書館にあれば読んでみようかと思って探したらありました。 sohujojo.hatenablog.com そんなわけで読んだのですが、なかなか読みにくいもの…

「環境問題を考える」近藤邦明さんが、風力発電の効率、収支についてまとめの記事

「環境問題を考える」というサイトで様々な発信をされている近藤邦明さんが、最新記事では風力発電の問題について書かれています。 http://www.env01.net/fromadmin/contents/2017/2017_03.html#n1183 風力発電装置も設置の早いものはそろそろ老朽化が進み廃…

「偽善エネルギー」武田邦彦著

武田邦彦さんといえば、原発問題や温暖化問題など焦点の話題に思い切った発言を繰り返し、反発も激しく受けているようです。 しかし、エネルギー問題に関するこの本を読む限りでは、非常にまともなことを語っているように感じます。 ただし、ここでもやはり…

FOOCOM.NET専門家コラムで、農業環境専門家の白井洋一さんがEUでの論争に言及

以前は農業環境技術研究所の研究者で、現在はフリーで活躍されているという白井洋一さんが、FOOCOM.NET専門家コラムの「農と食との周辺情報」で現在EUで続けられている論争について言及されています。 www.foocom.net その大きなポイントは3つ、除草剤グリ…

太陽光発電のエネルギーペイバックタイムが3年とは本当か 近藤邦明さんの「環境問題を考える」で考証

エネルギーペイバックタイム(EPT) (またはEPR(エネルギープロフィットレシオ)というのは、太陽光発電のようなエネルギー変換装置の能力を評価し、その真の経済性を測るための基本的な性質で非常に重要な数値なのですが、これがどうやらいい加減な算出方…

土壌学者の西尾道徳さんが、モンゴメリー「土の文明史」でのキューバの有機農業について誤りを指摘

土壌学者で環境保全型農業ということを説いていらっしゃる西尾道徳さんが、そのサイトの中でワシントン大学教授で地質学が専門のデイヴィッド・モンゴメリーが書いた「土の文明史」という本の中でのキューバの有機農業について触れた部分の誤りを指摘してい…

築地移転問題が改めて示した「ゼロリスク」の呪縛 中西準子さんが久々にリスク問題について書いています

Wedge5月号の抜粋ということで、Wedge infinityに、今は産業技術研究所名誉フェローとなっている中西準子さんが「ゼロリスクの呪縛」という問題について書かれています。 wedge.ismedia.jp 築地市場の豊洲移転計画に対し、豊洲の地下の化学物質汚染が問題化…

私の目指す日本 政治とはそれを作り出すもの

私はこのブログで、日頃から政権批判を続けておりますが、政治のあるべき姿というものを主張することはあまりありません。 そのため、もしかしたら「批判だけで対案を持たないのではないか」と疑惑を持たれているのではないかという恐れを抱いております。 …

クロマグロの漁獲規制が破綻

ニュースにも流れましたが、渡辺宏さんが「安心?!食べ物情報」の今週の記事でも詳細に解説されています。 http://food.kenji.ne.jp/review/review909.html その内容は、30kg未満の小型クロマグロ(本マグロ)の漁獲量が、国際的合意であった年間(7月…

「水危機 ほんとうの話」沖大幹著

東京大学生技研教授という沖さんは、水文学(スイモンガク)研究者を自称して居られます。 水文学とは、天文学や人文学と同様に、水に関するすべての事象を扱う学問ということです。 英語では、HYDROLOGYというもので、ユネスコでもその推進が定め…

再生可能エネルギーは全然「再生可能」ではない。「環境問題を考える」近藤邦明さんが簡明な解説

”環境問題を考える」というサイトを運営されている近藤邦明さんが、いわゆる「再生可能エネルギー」なるものの正体を簡明に解説されています。 http://www.env01.net/fromadmin/contents/2017/2017_02.html#n1176 私もこのブログ内で繰り返し主張しています…

「経済学は温暖化を解決できるか」山本隆三著

著者は環境学者ではなく、経済が専門ということです。 したがって、二酸化炭素温暖化説が妥当かどうかということを判断する立場ではなく、懐疑派が多いということも承知の上で、それならばどういった態度を取るのが最適かということを論じようとしています。…

「偽善エコロジー」武田邦彦著

環境問題でいろいろと発言を繰り返していますが、それに対する反発も非常に強く受けている武田さんです。 確かにデータなどの誤解や他の理論への中途半端な理解に基づく批判等、明らかな間違いも多いようですが、武田さんのすべてを否定してしまうこともでき…

経済成長は本当に不可能なのか 広い視野でGWP(全世界総生産)を考えれば見えてくる

いつものことながら、歩きながら考えると良い考えが浮かぶとあって少し散歩しながら考えてきました。田舎の良さで考えながら歩いても安全なのが良いところです。 ★経済成長が可能かどうかの議論に抜けていたもの これまでも経済成長というものが本当にいつま…

問題のある東京オリンピック水産物調達方針

いろいろな話題に気づかせていただける貴重な情報源となっている、東京海洋大学の勝川俊雄先生のサイトですが、そこに今回出ていたのは「2020年東京オリンピックでの水産物調達方針が問題」という記事でした。 オリンピック調達方針のパブコメが今日まで - …

勝川俊雄さんのサイトより マグロの国際会議で日本が「フルボッコ」

漁業資源に関する意見で見るべきところの多いと感じる勝川俊雄さんが、最近開かれたWCPFC(中西部太平洋マグロ類委員会)について書かれていますが、マグロの漁獲規制について大変なことになっているようです。 なお、この件は一般紙にはまったく無視されて…

「環境問題を考える」で近藤邦明さんが安倍政権の的確な批判展開

ネットで情報を集めるようになった最初の頃から大変参考にさせて頂いている、近藤邦明さんという方の「環境問題を考える」です。 地球温暖化についてや、再生エネルギーと称するものの欺瞞性など、教えられることが多かったのですが、最近は環境問題よりは政…

「植物が出現し、気候を変えた」デイヴィッド・ビアリング著

生物出現以降、多数の化石が残され、それを見ると今の生物とはまったく異なる形状、大きさのものがあることが分かりますし、様々な証拠からこれまでに何回もの大量絶滅という事件が起きたことも判ってきました。 こういった現象が起きた理由はこれまでは地殻…

やはりドゥテルテは曲者 勝川俊雄さんが指摘

水産資源の状況について見るべき意見が多い、東京海洋大学の勝川俊雄さんのサイトで、フィリピンのドゥテルテ大統領が南シナ海の領有問題に妙手を出したと報じています。 katukawa.com ドゥテルテ大統領は訪中時の発言などは大々的に報じられたものの、その…

「”地球のからくり”に挑む」大河内直彦著

著者は地球科学専門ですが、その中でも特に生物関連が主のようです。 地球温暖化といった地球環境について話題が尽きないようですが、それは実は生物の活動と大きな関わりを持っています。 そもそも石油や石炭といった化石燃料も生物活動の結果生まれたもの…

「脱成長のとき 人間らしい時間をとりもどすために」セルジュ・ラトゥーシュ、ディティエ・アルバシェス著

脱成長ということを主張しているラトゥーシュは以前に一冊読んだことがありますが、それはかなり難解なものでした。 sohujojo.hatenablog.com 今回の本は教え子のアルバシェスと共著となっているためか、かなり分かりやすく書かれているように感じます。(実…

「こうして、世界は終わる」ナオミ・オレスケス、エリック・コンウェイ著

最初にお断りしておきます。 いつもの図書館でパラパラと内容を見て借りてきた本ですが、読み出して唖然とするものでした。 社会科学の本棚から選んだのですが、中味はSF、近未来から21世紀を振り返るという体裁のものです。それもあまり出来の良くない。 …

中国漁船を抑えるためには 勝川俊雄さんのご意見

以前にご著書を拝見して以来、 「漁業と言う日本の問題」勝川俊雄著 - 爽風上々のブログ 公式サイトも参考にさせて頂いている三重大学の勝川さんが中国漁船の問題に関して面白いことを書いて居られます。 katukawa.com 日本ではこれまで日本漁船がさんざん乱…