爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

環境資源

FIT(再生エネルギー固定価格買取制度)破綻間近

昨日になりますが、NHKの朝の番組でFIT(再生可能エネルギー固定価格買取制度、ちっとも再生はしませんが)がかなり問題となってきたということが報じられていました。 www.nhk.or.jpこの記事はすぐにネット上から消えてしまうでしょうから、長めに引用して…

豊洲問題にリスク学第1人者中西準子さんのインタビュー記事

混迷する豊洲問題に、リスク学の第1人者の中西準子さんがさらにインタビューに答えています。 www.buzzfeed.com6月12日にインタビュー実施ということですので、この前の記者会見より前の話ですが、そこで小池知事が持ち出した話も基本的にはこの状況は変えて…

「土の文明史」デイビッド・モントゴメリー著

最近、別のところの記事でこの本の記述について批判的に解説されているものがあり、興味を感じたのでもし行きつけの図書館にあれば読んでみようかと思って探したらありました。 sohujojo.hatenablog.com そんなわけで読んだのですが、なかなか読みにくいもの…

「環境問題を考える」近藤邦明さんが、風力発電の効率、収支についてまとめの記事

「環境問題を考える」というサイトで様々な発信をされている近藤邦明さんが、最新記事では風力発電の問題について書かれています。 http://www.env01.net/fromadmin/contents/2017/2017_03.html#n1183 風力発電装置も設置の早いものはそろそろ老朽化が進み廃…

「偽善エネルギー」武田邦彦著

武田邦彦さんといえば、原発問題や温暖化問題など焦点の話題に思い切った発言を繰り返し、反発も激しく受けているようです。 しかし、エネルギー問題に関するこの本を読む限りでは、非常にまともなことを語っているように感じます。 ただし、ここでもやはり…

FOOCOM.NET専門家コラムで、農業環境専門家の白井洋一さんがEUでの論争に言及

以前は農業環境技術研究所の研究者で、現在はフリーで活躍されているという白井洋一さんが、FOOCOM.NET専門家コラムの「農と食との周辺情報」で現在EUで続けられている論争について言及されています。 www.foocom.net その大きなポイントは3つ、除草剤グリ…

太陽光発電のエネルギーペイバックタイムが3年とは本当か 近藤邦明さんの「環境問題を考える」で考証

エネルギーペイバックタイム(EPT) (またはEPR(エネルギープロフィットレシオ)というのは、太陽光発電のようなエネルギー変換装置の能力を評価し、その真の経済性を測るための基本的な性質で非常に重要な数値なのですが、これがどうやらいい加減な算出方…

土壌学者の西尾道徳さんが、モンゴメリー「土の文明史」でのキューバの有機農業について誤りを指摘

土壌学者で環境保全型農業ということを説いていらっしゃる西尾道徳さんが、そのサイトの中でワシントン大学教授で地質学が専門のデイヴィッド・モンゴメリーが書いた「土の文明史」という本の中でのキューバの有機農業について触れた部分の誤りを指摘してい…

築地移転問題が改めて示した「ゼロリスク」の呪縛 中西準子さんが久々にリスク問題について書いています

Wedge5月号の抜粋ということで、Wedge infinityに、今は産業技術研究所名誉フェローとなっている中西準子さんが「ゼロリスクの呪縛」という問題について書かれています。 wedge.ismedia.jp 築地市場の豊洲移転計画に対し、豊洲の地下の化学物質汚染が問題化…

私の目指す日本 政治とはそれを作り出すもの

私はこのブログで、日頃から政権批判を続けておりますが、政治のあるべき姿というものを主張することはあまりありません。 そのため、もしかしたら「批判だけで対案を持たないのではないか」と疑惑を持たれているのではないかという恐れを抱いております。 …

クロマグロの漁獲規制が破綻

ニュースにも流れましたが、渡辺宏さんが「安心?!食べ物情報」の今週の記事でも詳細に解説されています。 http://food.kenji.ne.jp/review/review909.html その内容は、30kg未満の小型クロマグロ(本マグロ)の漁獲量が、国際的合意であった年間(7月…

「水危機 ほんとうの話」沖大幹著

東京大学生技研教授という沖さんは、水文学(スイモンガク)研究者を自称して居られます。 水文学とは、天文学や人文学と同様に、水に関するすべての事象を扱う学問ということです。 英語では、HYDROLOGYというもので、ユネスコでもその推進が定め…

再生可能エネルギーは全然「再生可能」ではない。「環境問題を考える」近藤邦明さんが簡明な解説

”環境問題を考える」というサイトを運営されている近藤邦明さんが、いわゆる「再生可能エネルギー」なるものの正体を簡明に解説されています。 http://www.env01.net/fromadmin/contents/2017/2017_02.html#n1176 私もこのブログ内で繰り返し主張しています…

「経済学は温暖化を解決できるか」山本隆三著

著者は環境学者ではなく、経済が専門ということです。 したがって、二酸化炭素温暖化説が妥当かどうかということを判断する立場ではなく、懐疑派が多いということも承知の上で、それならばどういった態度を取るのが最適かということを論じようとしています。…

「偽善エコロジー」武田邦彦著

環境問題でいろいろと発言を繰り返していますが、それに対する反発も非常に強く受けている武田さんです。 確かにデータなどの誤解や他の理論への中途半端な理解に基づく批判等、明らかな間違いも多いようですが、武田さんのすべてを否定してしまうこともでき…

経済成長は本当に不可能なのか 広い視野でGWP(全世界総生産)を考えれば見えてくる

いつものことながら、歩きながら考えると良い考えが浮かぶとあって少し散歩しながら考えてきました。田舎の良さで考えながら歩いても安全なのが良いところです。 ★経済成長が可能かどうかの議論に抜けていたもの これまでも経済成長というものが本当にいつま…

問題のある東京オリンピック水産物調達方針

いろいろな話題に気づかせていただける貴重な情報源となっている、東京海洋大学の勝川俊雄先生のサイトですが、そこに今回出ていたのは「2020年東京オリンピックでの水産物調達方針が問題」という記事でした。 オリンピック調達方針のパブコメが今日まで - …

勝川俊雄さんのサイトより マグロの国際会議で日本が「フルボッコ」

漁業資源に関する意見で見るべきところの多いと感じる勝川俊雄さんが、最近開かれたWCPFC(中西部太平洋マグロ類委員会)について書かれていますが、マグロの漁獲規制について大変なことになっているようです。 なお、この件は一般紙にはまったく無視されて…

「環境問題を考える」で近藤邦明さんが安倍政権の的確な批判展開

ネットで情報を集めるようになった最初の頃から大変参考にさせて頂いている、近藤邦明さんという方の「環境問題を考える」です。 地球温暖化についてや、再生エネルギーと称するものの欺瞞性など、教えられることが多かったのですが、最近は環境問題よりは政…

「植物が出現し、気候を変えた」デイヴィッド・ビアリング著

生物出現以降、多数の化石が残され、それを見ると今の生物とはまったく異なる形状、大きさのものがあることが分かりますし、様々な証拠からこれまでに何回もの大量絶滅という事件が起きたことも判ってきました。 こういった現象が起きた理由はこれまでは地殻…

やはりドゥテルテは曲者 勝川俊雄さんが指摘

水産資源の状況について見るべき意見が多い、東京海洋大学の勝川俊雄さんのサイトで、フィリピンのドゥテルテ大統領が南シナ海の領有問題に妙手を出したと報じています。 katukawa.com ドゥテルテ大統領は訪中時の発言などは大々的に報じられたものの、その…

「”地球のからくり”に挑む」大河内直彦著

著者は地球科学専門ですが、その中でも特に生物関連が主のようです。 地球温暖化といった地球環境について話題が尽きないようですが、それは実は生物の活動と大きな関わりを持っています。 そもそも石油や石炭といった化石燃料も生物活動の結果生まれたもの…

「脱成長のとき 人間らしい時間をとりもどすために」セルジュ・ラトゥーシュ、ディティエ・アルバシェス著

脱成長ということを主張しているラトゥーシュは以前に一冊読んだことがありますが、それはかなり難解なものでした。 sohujojo.hatenablog.com 今回の本は教え子のアルバシェスと共著となっているためか、かなり分かりやすく書かれているように感じます。(実…

「こうして、世界は終わる」ナオミ・オレスケス、エリック・コンウェイ著

最初にお断りしておきます。 いつもの図書館でパラパラと内容を見て借りてきた本ですが、読み出して唖然とするものでした。 社会科学の本棚から選んだのですが、中味はSF、近未来から21世紀を振り返るという体裁のものです。それもあまり出来の良くない。 …

中国漁船を抑えるためには 勝川俊雄さんのご意見

以前にご著書を拝見して以来、 「漁業と言う日本の問題」勝川俊雄著 - 爽風上々のブログ 公式サイトも参考にさせて頂いている三重大学の勝川さんが中国漁船の問題に関して面白いことを書いて居られます。 katukawa.com 日本ではこれまで日本漁船がさんざん乱…

クロマグロの漁獲制限交渉不調 勝川さんの分かりやすい解説

太平洋のクロマグロ(本マグロ)の資源保護のための漁獲制限の交渉が不調のまま終わったそうです。 http://mainichi.jp/articles/20160830/ddm/003/020/042000c この記事だけでは各国の主張や事実関係が判りにくいものですが、このブログの以前の読書記録で…

エネルギー消費の増大を伴わずに経済成長ができるのか

世界の主要国ではどこも経済状況が沈滞しており、それを上向かせようとして様々な方策を実施しています。 日本ではまた懲りもせず巨額の国費投入による消費増大に頼るようで、将来のことなど何にも考えていない為政者を持つという不幸な状態になっています。…

参議院選各党公約、エネルギー政策で各党の意見が別れると言っても全党が「再生エネルギー」頼り

参議院議員選挙まで1週間あまりとなりましたが、報道によれば「エネルギー政策は公約が割れる」とあります。 www.jiji.com しかし、あくまでも「割れる」というのは原発に関する部分であり、どの党もみな「再生エネルギー推進」であるのは判で押したように同…

「”原発ゼロ”プログラム 技術の現状と私たちの挑戦」安斎育郎、舘野淳、竹濱朝美編著

福島第1原発事故により大きな放射能汚染をもたらした原発の廃止を訴える人々は増加していますが、一方現政権は原発なしでの社会運営はできないと主張し原発の再稼働を進めています。 そのような状況で、原発ゼロを目指すためにどうすればよいかということを…

「乱獲 漁業資源の今とこれから」レイ・ヒルボーン、ウルライク・ヒルボーン著

著者のレイ・ヒルボーンは漁業資源学者で現在はワシントン大学教授ということです。 世界の漁業資源については、乱獲され減少しているというのが一般的イメージですが、すでに厳しい漁業コントロールによって回復されているのではという地域もあるようです。…

「これからの環境論 つくられた危機を超えて」渡辺正著

環境問題として取り上げられてきた多くの問題はその真の危険性を遥かに超えるような虚像を与えられて、その対策に巨額の費用をかけてしまったという愚行をもたらしました。 それらの幻がまだ猛威を振るっていた2005年に反二酸化炭素温暖化で有名な渡辺正…

「これは誰の危機か、未来は誰のものか」スーザン・ジョージ著

富裕層の暴虐な行為で危機に瀕している資本主義ですが、それを厳しく糾弾しているスーザン・ジョージの本です。 詳しく書評を書きたいのですが、ちょうど今は熊本震災の真っ只中で我が家の近くまで震源が迫っておりとてもそのような余裕はありません。 もし…

「食糧と人類」ルース・ドフリース著

コロンビア大学教授の著者が人類の食糧というものについての関わりを壮大に語っている本です。 道具や火を使い出した原始時代から、農業を始めて定住した時代、そして現代の化石燃料と遺伝子操作、化学合成農薬を駆使して大量生産を可能にした時代まで、広い…

電力小売自由化に向け問題続出

24日朝のNHKニュースで報じていましたが、来月からの電力小売自由化のスタートを前にいろいろと問題点が続出しているそうです。 まず、これまで節電に努めてきた人は、ほとんど有利になるプランがなくかえって割高になるようです。 これはこれまでの電力料金…

「これって本当に”エコ”ですか?」小林公吉著

著者の小林さんは高校の物理の教諭を長く勤められ退職後は色々と興味のあることを調べているという方ですが、専門家という人々が語っているものよりも遥かに常識に根ざした真っ当な考え方をされているように思います。 CO2の削減などというよりは、消費エネ…

「世界がもし100億人になったら」スティーブン・エモット著

著者のエモット氏はマイクロソフト・リサーチ計算科学研究所所長で、幅広い科学研究に知識が深いということです。 内容は題名そのまま、世界人口が100億人になったらどうなるか(もう70億ですのですぐ先ですが)ということです。その状況を一般向けに分…

「環境リスク学 不安の海の羅針盤」中西準子著

中西準子さんは横浜国立大学教授を退官された後、産業技術総合研究所へ移りリスク学というものの実践に力を尽くされました。リスク学の日本における先駆けとも言える活躍をされた方です。 と言うと順風満帆の研究生活を送ってこられたようですが、本書にも描…

エネルギー使用量半減のための社会改革 7 運輸交通の問題

エネルギーの供給不安に対応できる強靭社会の確立のためにエネルギー使用量を計画的に半減するための施策について考察していますが、産業全般の存続については基本的にはエネルギーの桁違いの削減ができないものは続けられないといことで対応するしかないで…

エネルギー使用量半減のための社会改革 6 産業はどうなるのか

エネルギーを使用削減しなければいけないという点を資源の観点からここまで述べてきましたが、実際にそれを進めようとすれば現在の社会経済をどうするのかということを考えていかなければなりません。 特に、「産業をどうするか」というのは大問題です。 こ…

「土壌汚染 フクシマの放射性物質のゆくえ」中西友子著

東日本大震災の時の福島第1原発事故による放射能汚染は大きな問題でしたが、それに対する対応など大混乱を極めていました。 放射能汚染というものについての知識が専門的な分野でも欠けていたのもその混乱の一因だったようでした。 それについて、東大農学…

エネルギー使用量半減のための社会改革 5 その他のエネルギー

石油は半減以上に減らすとしても他のエネルギーはそのままというわけには行きません。どのようなものを残していくかという点は重要な事です。 石炭は石油・天然ガスよりは残存量が多いと考えられています。しかし、石炭もその質のばらつきは石油以上に激しく…

エネルギー使用量半減のための社会改革 4 石油をどうするか

前述のとおり、石油は様々な用途に使われておりそれが現代社会を形作っているといえます。 少し前の数字ですが、2005年度の資源エネルギー庁統計によれば、発電部門12%、運輸部門35%、民生部門17%、化学工業原料15%、製造業14%などの比率…

エネルギー使用量半減のための社会改革 3 エネルギー構成

エネルギー使用量を総計で表す場合に原油換算ということもよく行われますが、実際はその内容は様々なものを含んでいます。 資源エネルギー庁の資料によれば、2010年度の供給総量21.1(10の18ジュール)の内訳は、石油が40.0%、石炭が22.6%、天然ガスが19.2…

「飽食の海 世界からSHSHIが消える日」チャールズ・クローバー著

最近勝川俊雄さんの「漁業という日本の問題」という本を読みました。 「漁業と言う日本の問題」勝川俊雄著 - 爽風上々のブログ 2012年の出版で日本の漁業の乱獲という問題を扱ったものだったのですが、本書はイギリス人のジャーナリストのクローバーさんが20…

エネルギー消費量半減のための社会改革 2 実際の数値目標

エネルギー使用量削減の目標としてとりあえず半減としました。 もちろん100年、200年先というスパンで見ていけばそのような程度では足りずに桁違いに削減する必要があるのでしょうが、とにかく削減の方向性を作っていくだけでも始めないことには安定化…

「江戸日本の転換点 水田の激増は何をもたらしたか」武井弘一著

本書の序章でも記されているように、江戸時代=エコ時代という評価が広く行き渡っているようです。 リユース、リサイクルが高レベルで行われ、循環型社会であったという認識がされているようですが、実はそうではない面が多いという事実もあり、さらに江戸時…

やっぱりそうなったか。電力会社の値下げプランも大量使用の推進

電力小売り自由化に向け、参入企業の値下げプランが出されてきたのに対し、既存電力会社側も新料金プランを出してきました。 しかし、そこに見られるのは大量使用者ほど値下げと言うものでした。 原発が一斉に停止し電力使用の見直しを迫られたのはほんの数…

エネルギー消費量半減のための社会改革 1

地球温暖化防止のために化石燃料使用量を削減するとか、原発の危険性回避のために廃止とか、エネルギーに関わる問題は山積していますが、それについての意識が高まっているようです。 しかし、それを実現するための方策として挙げられているものは再生可能エ…

「漁業と言う日本の問題」勝川俊雄著

著者は三重大学生物資源学部の准教授ということで、水産資源管理と解析が専門とのことですが、日本にはそれを研究している人はほとんどいないそうです。 日本の漁業は衰退しているというイメージは誰もが持っているでしょうが、その原因としてよく言われてい…

電力小売自由化と言う変な制度開始

今年から電力小売りも自由化と言うことで、どこが得かといった話題でテレビ番組は大騒ぎです。 小売りということで、消費者までの電線も引くのかと思っていたら、そうではなく発電業者は電力会社の変電所まで供給し、あとはこれまで通りの供給体制とか。 こ…