爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

洋上風力と水素で地域創生なんていうのは幻想だという、当然の話。

洋上風力発電で水素を作るという夢物語で、地域創生につなげようという話が広まっているようですが、そんなものは幻想だという山本隆三さんという方の書いた記事です。

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この方がどういった職業をされているのかは分かりませんが、講演で話したということですからかなりの知識をお持ちなのでしょう。

 

洋上風力というもの自体、資源とエネルギーの投入量に比べて作り出す電力量があまりにも小さいのでそれだけでも「合わない」のは明らかなのですが、それでさらに水素を作ろうという、無理に無理を重ねるような話では何も生み出すものはありません。

 

しかしどうやら過疎に悩む地域の地域創生活動としてこれを持ちかけられることがあるようで、講演の際にも地方議員の方から質問されることもあったとか。

雇用創設にもなると言われたが、たしかにこのような施設ができたとしてもそこで勤務するという人数はほとんど不要でしょう。

 

さらに洋上風力発電装置自体がその建設に多大なコストがかかるのですが、その上に水素の水電解製造装置なるものが非常に高価なものであり、そうやってできたとしてもその水素は非常に高額となるわけです。

これを他のエネルギー源と同じ土俵で勝負させることはできず、やはり補助金頼りになるということでしょう。

 

コストというのは分かりやすい指標で、この山本さんの文章でも各地の風力発電や電解装置の例を引いていますが、なぜコストが高いのかというのは資源とエネルギーの投入量が過大すぎるからということははっきりさせなければならないでしょう。

 

浮体式の洋上風力発電装置などというものが注目されていますが、これは巨大な船のような構造物を作りその上に風力発電装置を載せるというものでしょう。

船というものは、そこに多くの資源と製造エネルギーを掛けてもその運用で荷物や人を運ぶという働きをしてそこで価値を生み出します。

しかし、「風力発電」ではその価値というものがわずかな電力しかありません。

そうなればその電力は非常に高価なものになるのが当然で、他の発電方法が存在ずる以上そのようなものに競争力がないのも当然です。

それを何やら怪しい補助金や賦課金でごまかそうというのでしょう。

 

しかしこのような話が厳しい状況にあえぐ過疎地域の人々に対して広められているというのは危険な兆候です。