爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

電気自動車の評価にLCAを取り入れると大変なことになるという当たり前の話。

バッテリー電気自動車(BEV)は温室効果ガス排出削減と言う点で環境にやさしいなどと言われてきました。

しかしそこに「LCA評価」を取り込むと別の結果が出るという、極めて当たり前の話ですが、これを取り上げる人がなかなかいませんでした。

news.yahoo.co.jp自動車業界ウォッチャーという泉圭一郎さんという方が書いていたものです。

 

LCA評価すなわちライフサイクルアセスメントですが、その製品の原料から製造、廃棄に至るまでのすべてを評価するというものです。

BEVについて、ミシガン大学とフォードが2022年に実施した評価を見たということですが、やはりバッテリーの製造に対してかかるエネルギーが突出していたそうです。

原材料である希少金属の採掘精錬にも多大なエネルギーが投入されているということは十分に考慮しなければならないことでしょう。

また廃棄については触れていませんが、廃棄方法すらあやふやな現状でそれに使われるエネルギーが評価できるなどと言うことはあり得ません。

 

とはいえ、この評価でもいろいろな問題点が含まれており、「原子力発電を再生可能エネルギーにカウントしていない」ために投入エネルギーが増えているとか。

様々な工程に使われる電力が原発由来であればカウントされないということでしょうか。

原子力発電そのもののLCA評価ということは考えていないようで、その点は問題ありです。

 

しかしこういった観点からの考察が行われなければ「脱炭素化技術」の魑魅魍魎ぶりはいつまでたっても解消されないでしょう。

そのはじめの一歩としてはこのニュースは貴重なものだったかもしれません。

とはいえ、まだまだ正当な評価にはほど遠いものでしょう。