爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

電気料金、エネルギーコストはどうなっていくのか。

電気料金が上がっていき大変だということになっています。

一方では脱炭素化を進めるということで風力発電太陽光発電へのシフトということが言われます。

しかしそうなっていった場合の電気料金がどうなるのかということはあまり触れられません。

企業の収支を考える上でもエネルギーコストというものは非常に大きな重みをもっているはずですが、そこでも将来の見通しを考えることは少ないようです。

日本ではエネルギーというものは外から買ってくるというものだからか、自分たちで考えても仕方ないとでも言うかのようです。

しかしその態度こそが今の電気料金高騰に困り果てる状況を作り出しているのでしょう。

 

現状で太陽光発電風力発電はコストがかかり電力料金を押し上げているということは明らかです。

エネルギー賦課金なるものが電気利用者全員にかなりの額が掛けられているのもそのためです。

(しかしそのうちに不要になると言われてもいつまでたっても無くなりません)

 

それでは今の多くの人が考えているように、脱炭素化を進めて化石燃料による発電を廃止し、さらに交通機関用の化石燃料使用も無くなればどうなるか。

 

これは間違いなくとんでもない電力料金の値上げになります。

 

現状でも太陽光発電風力発電のコストは高く、賦課金なしには火力電力との競争も不可能なほどなのですが、これはまだ「装置の製造・維持管理等に安い電力を使い、輸送にも化石燃料を使っている」からかなり安く押さえられています。

現に太陽光発電装置の製造で圧倒的シェアを持っている中国は安い石炭火力発電の電力を使うためにコストを抑えられているということです。

もしもそれらに使うエネルギーも自然エネルギー(太陽光・風力)になった場合はそれがコストに跳ね返ります。

それでさらに価格が上がった装置で作り出す電力もさらに価格高騰せざるを得なくなります。

この影響を考えようともしない現状は愚かとしか言いようのないものです。

 

さらに社会全体のエネルギーを考えた場合、熱源としての利用に相当な量が使われているのですが、これが電気は苦手です。

自然エネルギー太陽光発電風力発電もどちらも電力発生であり、熱を直接作り出すことはできません。

電気ストーブというものが電力ばかり浪費してその割に温まらないということは経験があることです。

それも電力の使用量を増やし、発電コストを増してしまうことになるでしょう。

 

EV電気自動車の増加も電力コストの増加につながります。

今はまだほとんど微々たるもののEVですが、これが走り回るすべての自動車がEVとなれば、充電に要する電力も相当なものになるでしょう。

しかも昼間に使われる自動車が多ければ充電も夜間に集中します。

太陽光は使えませんので、この増加には蓄電池頼りでしょうか。

そこでますますコストアップとなります。

 

このような高価格の電力による電化社会というものに耐えられるのでしょうか。

もちろん、だから電気もあまり使わないようにしましょうという方向に行くのなら反対もしませんが。

しかしそういう考えの人はほとんどいないということは絶対の自信があります。

結局、「そういうことを深く考えない」のが日本人なのでしょう。